商品登録とは?主な登録項目と業務をスムーズに進めるコツ

一般的なECサイトにおける「商品登録」とは、自社ECサイトやECモールで商品を販売するために、商品名、販売価格、商品説明文、商品画像、カテゴリ分類、在庫情報などのあらゆる製品データをシステムに登録し、ユーザーが閲覧・購入できる「商品ページ」として公開できる状態にする一連の実務工程のことです。

ただし筆者の見解として、ECの商品登録は単に管理画面の指定の枠へ手作業で情報を入力するだけの「単なる定型業務」ではありません。

ECサイトを訪れたユーザーが商品の内容を正しく理解し、画面の前で迷うことなく購入の意思決定を下せるように情報をロジカルに整理したうえで、正確なデータを過不足なく用意する「マーケティングの起点」であると筆者は考えます。一般的に、商品情報が不足していたり、登録内容に誤りや表記のバラつきがあったりすると、ユーザーは商品を正しく比較・検討できなくなり、競合他社サイトへの離脱やカゴ落ちを招く直接的な原因になってしまいます。

成果の出るECサイトを構築・運用するためには、商品登録において以下の「7つの重要ポイント」をあらかじめ実務プロセスに組み込んでおく必要があります。

◆ECサイトの商品登録における7つのポイント

① 商品名は「検索性(SEO)」と「識別性」を意識する
② 説明文は商品の特徴だけでなく購入の「判断材料」までを書き切る
③ 画像は第一印象(アイキャッチ)と、細部の詳細が正しく伝わるものを用意する
④ カテゴリ分類は社内の都合ではなく「顧客の探し方」に合わせる
⑤ スペックや属性情報は表記ゆれをなくし、データベースの表記を統一する
⑥ 在庫数や販売条件は常に最新に保つ
⑦ 関連商品やバリエーションを、システム上で適切にひも付ける

これらのポイントを網羅した商品登録をスムーズに進められるかどうかは、ECサイトの売上だけでなく、バックヤードの業務効率をも大きく左右します。

この記事では、インターファクトリーでマーケティングを担当する筆者が、EC運営の初心者から実務の効率化を目指す責任者様に向けて、商品登録の際に注意すべき具体的なポイントや基本的な登録の手順、さらには作業を効率化する方法について、実務的な視点を交えながら詳しく解説します。

商品登録に必要な主な情報

ECサイトの商品登録では、ユーザーが商品ページを開いたときに、その商品の魅力や内容を正しく理解し、「購入するかどうか」を迷わず判断できる正確なデータを登録する必要があります。

まずは、一般的なECサイトの商品ページにおいて、ユーザーに提示すべき「主な8つの情報」について解説します。

◆一般的なECサイトの商品ページに表示される主な情報

ECサイトの商品ページイメージ
情報 登録する主な内容 ユーザーにとっての役割・重要性
① 商品画像 商品の見た目、カラー、使用イメージなどを伝える画像 実物を手に取れないECにおいて、購入の成否を分ける最も重要な視覚情報です。
② 商品名 商品を識別するための名称、型番、ブランド名など 何の商品なのかがひと目で分かるだけでなく、サイト内検索やSEOにも影響します。
③ 価格 商品の販売価格、定価、割引価格、ポイント付与情報など ユーザーがコストパフォーマンスを判断する基準であり、税込・税抜の明記も必須です。
④ 商品説明文 商品の特徴、メリット、使用方法、開発ストーリーなど 「これは自分に合う商品か」「自分の悩みを解決できるか」を判断する文章です。
⑤ 配送・納期情報 送料、配送方法(宅配便・メール便)、出荷リードタイムなど 「いつ・どのように手元に届くか」という、購入前の不安を解消する情報です。
⑥ 仕様情報 サイズ、重量、素材、機能、付属品、原産国など 比較・検討する際の客観的なデータであり、特にBtoBや型番商品で重視されます。
⑦ バリエーション 色違い、サイズ違い、容量違い、フレーバー違いなど 同じ商品内に存在する「選択肢」です。希望の種類を直感的に選べるよう登録します。
⑧ 購入エリア 数量選択、お気に入り追加、「カートに入れる」ボタンなど 購入手続きへ進む操作エリアです。在庫状況や「残りわずか」等のステータスも含みます。

出典(画像):筆者作成

商品登録の実務において重要なのは、これら8つの項目を単にシステムへ機械的に入力することではなく、「ユーザーが商品ページを見たときに、商品の見た目、内容、価格、仕様、購入方法をストレスなく理解できる状態に整えること」であると筆者は考えます。

一般的な話として、ユーザーが購入前に知りたいと望む情報を過不足なくデータベースに登録し、フロント画面上で分かりやすく表示させることは、ユーザーの離脱を防ぐための大前提です。情報の正確性と充実度を高めることこそが、ECサイトの信頼性を生み、最終的なCV(コンバージョン)の向上へと直結するというのが筆者の見解です。

商品登録における7つの重要ポイント

ここからは、ECサイトの商品登録において、売上の最大化とバックヤードの業務効率化を両立させるために押さえておくべき「7つの重要ポイント」について、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。

ポイント① 商品名は「検索性(SEO)」と「識別性」を意識する

商品名は、自社サイト内の検索機能やGoogleなどの検索エンジン(SEO)、さらには各種ECモール内の検索ロジックにおいて、ヒット率を左右する重要な登録項目です。

そのため、単なる固有名詞だけでなく、ブランド名、メーカー型番、サイズ、カラー、容量、素材など、ユーザーが検索や比較の際によく打ち込むキーワードを、必要に応じて適切に含める必要があります。

◆EC実務における商品名の登録例

・アパレルの場合
ブランドA/半袖Tシャツ/綿100%/ホワイト/Mサイズ

・家電商品の場合
メーカーB/加湿空気清浄機/空気清浄31畳対応/プラズマクラスター搭載/ホワイト/MB-XX001

商品を識別しやすい客観的な情報を含めることで、ユーザーは一覧画面を見ただけで商品内容を把握できるようになります。

ただし、筆者の経験上、検索に引っ掛けたいがためにキーワードを過剰に詰め込みすぎると、かえって商品名が読みにくくなり、サイトの格調やユーザーのクリック率を落とす原因になりかねません。商品名は、検索性を高める工夫と、一覧画面で見たときの「視認性」とのバランスを絶妙にコントロールすることが重要であると筆者は考えます。

ポイント② 説明文は特徴だけでなく、購入の「判断材料」までを書き切る

一般的な話として、商品説明文の役割は、商品の機能や特徴を単に並べることだけではありません。画面の前で迷っているユーザーに対して、購入の後押しとなる具体的な「判断材料」を丁寧に提示することが重要です。

商品の用途、リアルな使用シーン、使用上の注意事項、あるいは他商品との違いなどを網羅することで、ユーザーは「本当に自分に合う商品かどうか」を自己解決できるようになります。

◆商品説明文に網羅すべき情報

・商品の基本機能
・具体的な活用・使用シーン
・特にどのようなユーザーに向いているか
・正しい使用方法や、導入手順
・購入前に知っておくべき注意事項や制限事項
・他シリーズや類似製品との違い

例えば、家電ECにおける商品説明文であれば、以下のように「抽象的なアピール」に加えて、購入判断に直結する具体的な文脈で構成することが実務上のセオリーです。

◆過失空気清浄機における商品説明文の構成例

【特徴・使用シーン】
リビングや寝室で使いやすい、加湿機能付きの空気清浄機です。花粉やホコリ、ハウスダストが気になる季節だけでなく、空気の乾燥が気になる冬場にも使用できます。

【ターゲット・仕様】
空気清浄の適用床面積は約31畳まで対応しており、広めのリビングにも設置しやすい仕様です。加湿機能は最大約700mL/hに対応しているため、乾燥しやすい室内の湿度管理にも役立ちます。

【使用方法・機能】
本体には自動運転モードを搭載しており、部屋の状態に合わせて運転を調整できます。静音モードを使用すれば、就寝中や在宅ワーク中にも運転音を抑えて使用できます。

【注意事項】
加湿機能を使用する場合は、定期的な給水とフィルターのお手入れが必要です。設置する部屋の広さや使用頻度に合わせて、加湿量や適用床面積を確認して選ぶと安心です。

【他商品との違い】
同じ空気清浄機でも、空気清浄のみのモデルと比べて、加湿機能を搭載している点が特長です。花粉やホコリへの対策だけでなく、乾燥対策もまとめて行いたい方に向いています。

このように、商品説明文では「高性能」「使いやすい」といった、売り手側の抽象的な主観表現に終始するのではなく、ユーザーが購入前に確認したい「客観的な事実と具体的なライフスタイル」を記載することが重要です。

これによって、購入後のイメージのミスマッチを未然に防ぎ、カスタマーサポートへの問い合わせの削減にも直結するというのが筆者の見解です。

ポイント③ 画像は第一印象(アイキャッチ)と、細部の詳細が伝わるものを用意する

画面を通してしか商品を判断できないECサイトにおいては、商品画像の充実度がユーザーの購買意欲や安心感に決定的な影響を与えます。

ユーザーは実物を手に取って確認できないからこそ、正面からのきれいな写真だけでなく、商品のディテールや「知りたい情報」が全て伝わる多角的な画像アプローチが必要不可欠であると筆者は考えます。

◆商品登録において網羅すべき画像のバリエーション例

・メイン画像:ファーストビューや一覧で目を引く、商品の全体像がクリアに分かる画像

・多角的な外観画像:正面、背面、側面、真上、裏面など、形状の誤解を防ぐ画像

・ディテール(細部・素材)画像:生地の質感、縫製、ボタン、家電の接続端子などがアップで分かる画像

・使用シーン画像:実際に人が使っている、あるいは部屋に配置しているイメージ画像

・サイズ感が分かる画像:一般的な文房具や500mlペットボトルなど、身近なものと並べた画像

・カラー・バリエーション画像:全色の色味が正確に比較できる画像

例えば、大手インテリアECである「ニトリネット」の商品ページでは、この視覚的アプローチが徹底されています。

◆ニトリネットの商品ページにおける画像活用の特徴(一部引用して並べたもの)

ニトリの商品画像

出典(画像):ニトリネット【公式】家具・インテリア通販│サイドボード(エトナ80SB LBR本体)

ニトリネットでは、家具の単なる外観写真だけでなく、「実際に引き出しを開けて収納物を入れたときの容量イメージ」や「引き出しのレールの仕様(スライドレールなど)」、「普段は見えない側面や背面の形状・仕上げ」にいたるまで、ユーザーが購入前に「ここはどうなっているんだろう?」と疑問に思うポイントが先回りして画像で網羅されています

一般的な話として、画像が不足していると、ユーザーは商品の質感や実際の大きさをイメージできなくなり、不安を感じて離脱してしまいます。商品説明文で文字として補足することはもちろん重要ですが、画像を通じて直感的に情報を伝える設計が重要なのです。

ポイント④ カテゴリ分類は社内の都合ではなく、「顧客の探し方」に合わせる

カテゴリ分類は、ユーザーが目的の商品に迷わずたどり着くための「売り場の案内板」です。しかし、多くのECサイトで陥りがちな失敗として、売り手側の管理のしやすさを最優先にしたカテゴリ設計になってしまっているケースが多々あります。

カテゴリは、仕入管理や倉庫の都合ではなく、「顧客がどのような切り口や心理で商品を探すか」を徹底的に基準にして設計しなければなりません。

◆「社内向け」と「顧客向け」のカテゴリ設計における決定的な違い

カテゴリの
設計視点
具体的な分類例 メリット・デメリット
社内向けのカテゴリ 仕入先コード別、社内型番シリーズ別、社内管理部門別、倉庫ライン別、メーカー名コード別など 社内の在庫管理や発注実務には非常に便利ですが、一般ユーザーにとっては規則性が全く分からず、目的の商品を探せない導線になります。
顧客向けのカテゴリ 用途別、商品ジャンル別、ブランド名別、サイズ別、対象者別(メンズ/レディースなど)、価格帯別など ユーザーが買い物をする際の見方に近いため、商品一覧やサイト内絞り込み機能を使い、瞬時に目的の商品へたどり着けます。

例えば家電ECの場合、社内では「メーカーコード+A棟倉庫管理品」と分類していても、顧客は「扇風機」「一人暮らし向け家電」「省エネモデル」という切り口で探します。アパレルであれば、社内の品番ではなく「半袖シャツ」「メンズ」「ビジネス向け」というカテゴリの方が圧倒的に探しやすくなります。

カテゴリ設計は、商品一覧の並び順だけでなく、サイト内のキーワード検索結果の絞り込み機能の精度にも直結するため、ユーザー目線に徹した分類を行うことが極めて重要であるというのが筆者の見解です。

ポイント⑤ スペックや属性情報は表記ゆれをなくし、データベースの表記を統一する

サイズ、容量、重量、素材、カラーといった商品の詳細なスペック(属性情報)は、全商品で表記のルールを統一して登録する必要があります。

同じ意味を持つデータであるにもかかわらず、商品や登録担当者ごとに表現がバラついてしまう現象を「表記ゆれ」と呼び、ECサイトのデータベース運用における深刻なボトルネックとなります。

◆ECの商品登録で頻発しやすい「表記ゆれ」の具体例

・重量:1kg/1キログラム/1000g
・カラー名:ホワイト/白/White
・サイズ表記:Mサイズ/M/Medium
・素材名:綿100%/コットン100%/綿100

同じ意味の情報であっても表記が異なると、商品一覧画面や検索結果に並んだときにサイトの統一感が失われ、ユーザーに「雑なサイトだ」という不信感を与えてしまいます。

さらに深刻な影響として、ECサイト内の「絞り込み検索」の条件に特定の製品が正しくヒットしなくなり、在庫があるにもかかわらず売上機会を損失するというトラブルを引き起こします。

そのため、商品登録の実務にあたっては、使用する単位記号、カラーの表現、サイズ表記などのマスタ登録ルールを組織全体で事前に定めておくべきであると筆者は考えます。

ポイント⑥ 在庫数や販売条件は、常に最新に保つ

実務において重要な視点として、商品登録という業務を「新商品を販売する際に行う、初回のデータ入力作業」という狭い定義だけで捉えるべきではありません。

初回の登録だけでなく、サイト公開後に日々変化する「在庫数」や「販売条件」を常に最新の状態へ同期・更新し続ける管理体制を構築することこそが、商品登録の実務の本質であると筆者は考えます。

これらの動的なデータ情報が古いままで放置されていると、ECサイトの運営において以下のような販売機会の損失やトラブルを引き起こす原因になります。

◆更新漏れがトラブルや機会損失に直結しやすい主な情報

・リアルタイムな在庫数(実在庫とのズレによる「売り越し・過剰受注」の発生)

・販売開始日時・販売終了日時(セール期間の開始遅れや、終了後の誤販売)

・販売ステータス(「在庫あり」「売り切れ(品切れ)」「予約受付中」「廃番」などの切り替え)

・送料・各種決済手数料(税制改正や配送キャリアの運賃改定に伴う金額の変更)

・配送方法・対象エリア(クール便対応の有無や、離島配送の制限など)

・出荷リードタイム(納期)(繁忙期や悪天候に伴う「●日以内に発送」という表記の変更)

・予約販売から通常販売への切り替え(発売日を迎えた際のステータス一斉更新)

例えば、実際の在庫がないにもかかわらずサイト上が「在庫あり」のまま更新されていなければ、顧客へ「注文の強制キャンセル」や「お詫びの連絡」を入れなければならなくなり、サイトの信頼性を失うだけでなくバックヤードのカスタマーサポート業務をパンクさせる結果になります。

逆に、在庫が再入荷しているにもかかわらず「在庫切れ」の表示のままであれば、本来売れるはずだった売上機会をドブに捨ててしまうことになります。

これらの情報は、商品のライフサイクルや日々の注文状況に応じて必然的に「高頻度な更新作業」が求められます。そのため、初回登録だけでなく、公開後の更新管理まで含めて考えることが重要です。

ポイント⑦ 関連商品やバリエーションを、システム上で適切にひも付ける

7つ目のポイントは、単品の商品情報を登録して終わらせるのではなく、他の製品との関連性をシステム上で適切にひも付ける設計です。

色違いやサイズ違いといった「バリエーション」をはじめ、セット商品、オプションパーツ、消耗品などを商品ページ上で分かりやすく案内できるように登録することは、ユーザーの比較検討をスムーズにし、サイト内の回遊率やクロスセル(ついで買い・追加購入)を促すトリガーとなります。

◆商品登録時に戦略的にひも付けたいデータのバリエーション例

・サイズ違い・色違い・容量違い(顧客がその場で種類を切り替えられる基本バリエーション)

・お得なセット商品・同梱パック(まとめ買いによる客単価アップの促進)

・専用のオプション品・周辺機器(スマートフォンに対するケースや保護フィルムなど)

・本体に対応した消耗品(プリンターに対するインクカートリッジ、替刃など)

・セットで必要な付属品(設置用パーツや専用ケーブルなど)

・型落ちに伴う後継商品(廃番による機会損失を防ぎ、最新版へ誘導する導線)

例えば、日本屈指の家電ECモールである「ヨドバシ.com」の商品ページでは、このデータひも付けによるユーザー目線の導線設計が高い精度で実践されています。

 ◆ヨドバシ.comの商品ページにおける消耗品ひも付けの事例

ヨドバシ.comの商品ページ

出典(画像):ヨドバシ.com│ブラザー brother A4インクジェット複合機より筆者一部加工

ヨドバシ.comのプリンター本体の商品ページでは、「この商品と一緒に購入されている商品」として、そのプリンターに適合する正確な型番のインクカートリッジがレコメンド表示されます。

さらに、詳細な商品スペック(仕様情報)のテキスト内にも対応インクの型番が明記されており、ユーザーが本体購入時に必要な消耗品を迷わず同時購入しやすい構成が徹底されています。

プリンターのように、購入後も定期的に消耗品や付属品の買い替えが必要になる商品において、本体ページから適合商品をワンクリックで探せるようにしておくことは、ユーザーの利便性を高めるだけでなく、「型番の買い間違い」というECで最も発生しやすいトラブルを未然に防ぐためにも有効です。

筆者の見解として、関連商品やバリエーションの設定業務を、単なるシステム上の「データのひも付け作業」と捉えるべきではありません。これはECサイトの「客単価(セット率)の向上」と「LTV(顧客生涯価値)の最大化」を裏側から支える、店舗のクロスセル戦略そのものであると認識すべきです。

商品登録の段階から、単品のデータだけを見るのではなく、自社の製品ラインナップ全体のつながりをデータベース上で綺麗に構造化しておくことこそが、売れるECサイトの強固な土台となるのだと筆者は考えます。

自社ECやモールで商品登録を行う際の5つの方法

一般的に、ECサイトで商品登録を行う具体的なアプローチは、利用しているECカートシステムや出店しているモールの仕様、取り扱う商品点数、そして更新頻度によって異なります。

少数の商品であれば管理画面から1件ずつ登録できますが、商品数が数百〜数万件規模に増える場合は、CSVによる一括登録や外部システムとのAPI連携を活用するケースが主流です。主な登録手法として、以下の5つの方法が挙げられます。

◆商品登録の主な5つの方法

① 管理画面から個別に商品登録する
② CSV・Excelファイルで一括登録する
③ 各モールの管理画面・専用ツールから登録する
④ 商品登録代行・ささげ代行を利用する
⑤ 外部システムと連携して商品情報を自動反映する

それぞれの方法には、実務上の明確なメリット・デメリットと注意点があります。

方法① 管理画面から個別に商品登録する

【少数の商品を丁寧に登録したい場合に向いている、最も基本的な方法】

ECカートシステムや各販売チャネルの管理画面から、商品情報を1件ずつフォームに入力していく方法です。実際の画面を見ながら作業できるため、商品ごとに商品説明文の改行を微調整したり、複数の画像を最適な順番で配置したりと、個別の魅せ方を細かくコントロールしやすい点がメリットです。商品点数が少ない場合や新商品を数点だけ追加する場合などに適しています。

ただし、管理画面の項目設計は利用するECシステムによって千差万別です。商品名や価格などの基本項目は共通していても、販売期間の設定方法、配送条件のひも付け、SEOメタタグの設定、複雑なバリエーションの組み方などは、システムごとにルールが大きく異なります。

そのため、複数のチャネルで同じ商品を販売する場合であっても、1つの管理画面のテキストをそのままコピー&ペーストして使い回せるわけではありません。チャネルごとの仕様に合わせて、情報を転記・調整・確認する不毛な作業が発生しやすい点がデメリットです。

方法② CSV・Excelファイルで一括登録する

【大量の商品をまとめて登録・一括更新したい場合に向いている方法】

商品点数が数十件〜数万件に及ぶ場合は、CSVやExcelファイルを使って商品データを一括でシステムへ流し込む方法が一般的です。商品名、価格、在庫数、カテゴリID、説明文のHTMLタグ、画像URLなどをファイル上で整理し、ECカートシステムや各種モールへアップロードします。

この方法は、シーズンごとの新作を一斉に登録したい場合や、全商品の価格・在庫ステータスを一括更新したい場合に高い業務効率を発揮します。主要なECカートシステムや大規模モールでは、このCSVによる一括登録・更新機能が標準実装されているケースが多い傾向にあります。

しかし、一括登録の現場では、システムごとに指定されている「対応フォーマット(列の順番や文字コード)」や「ファイル形式の指定方法」、「エラー発生時の挙動」が異なるため、以下の点に強い注意が必要です。

・必須項目の入力漏れや、不要なスペースの混入によるアップロードエラー
・列や項目名のわずかなズレによる、データの書き換わりミス
・Shift-JISやUTF-8などの文字コードの違いに起因する「文字化け」
・サーバ上の画像URLや画像ファイル名の指定ミス(画像が表示されないトラブル)
・既存商品の上書き条件の設定ミスによる、過去データの意図しない消失

実務では、ファイルの作成作業そのものよりも、「アップロード時に発生した大量のエラー内容の解読と、その修正・再アップロード」に膨大な時間を奪われるケースが多々あります。

そのため、一括登録を行う際は、事前にフォーマットを確認し、まずは少数のテストデータで挙動を確認してから本登録を行うのが鉄則であると筆者は考えます。

方法③ モールの管理画面・専用ツールから登録する

【ECモールごとの独自仕様に合わせて商品登録する方法】

楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどのECモールに出店している場合は、各モールが公式に提供している専用管理画面やツールを経由して登録を行います。

◆主要モールにおける専用ツール(店舗運営システム)の例

・楽天市場:RMS(Rakuten Merchant Server)
・Amazon:Amazonセラーセントラル
・Yahoo!ショッピング:ストアクリエイターPro

自社ECサイトと同じ商品を横展開して販売する場合であっても、モールごとに「商品名の文字数制限」「画像サイズや白背景の義務化」「使用禁止の表現(薬機法や誇大広告対策)」「カテゴリIDの設計」など、独自のルールが設けられています

そのため、CSVで一括登録を行う場合であっても、モールごとに全く異なるフォーマットのファイルを個別に作成・加工しなければなりません。

複数モールを運用する場合は、チャネルごとの登録ルールに合わせて、商品名や説明文、カテゴリ、画像サイズ、販売条件を整理し、法改正や価格改定があった際に「特定のモールだけ情報が古いままで放置されている」という情報の不一致を起こさないための管理体制が求められます。

方法④ 商品登録代行・ささげ代行を利用する

【社内に作業リソースがない場合や、大量の商品を短期間で登録したい場合に有効な方法】

自社にデータ入力やクリエイティブ制作のリソースが足りない場合、外部の専門会社へ商品登録をアウトソーシングする方法も有効です。

EC業界では、商品の「撮影(つえい)」「採寸(いすん)」「原稿作成(んこうさくせい)」の頭文字を取って「ささげ業務」と呼びます。商品登録代行やささげ代行サービスを利用すれば、単なる文字の入力だけでなく、スタジオでの商品撮影、サイズ測定、SEOを意識した説明文の執筆、画像加工にいたるまでをプロに丸投げできるため、短期間でクオリティの高い商品ページを大量に量産することが可能になります。

◆代表的な商品登録・ささげ代行サービスの概要

サービス・企業名 特徴と主な対応業務
スクロール360 EC通販事業者向けに、サイト運営代行から物流・フルフィルメントまでを網羅する支援サービス。ささげ業務(撮影・採寸・原稿作成)から各カートへのアップロードまでを幅広くアウトソーシング可能。
ささげ屋 ECサイトに掲載する商品情報の作成に特化した専門会社。商品撮影、採寸、商品説明文作成、画像レタッチ、自社ECや大手モールへの商品情報登録まで一気通貫で対応。
Sasage.tokyo 主にファッション・アパレル領域に強みを持つささげ業務支援サービス。都内および首都圏近郊の専用スタジオ拠点を活用し、高品質なクリエイティブ制作と登録を支援。
商品登録センター 紙のカタログやメーカー展示会のPDF資料といった「アナログな元データ」からのデータ転記・起こし作業を含む商品登録を、低コストで代行するサービス。主要モールへの登録にも対応。
ART TRADING ECサイトの構築から運営代行、物流支援までを一気通貫で提供するベンダー。商品ページの制作や、日々のEC運営支援までを含めた柔軟なプランを提供。
クラウドソーシング(クラウドワークスなど) クラウドワークスなどのプラットフォームを活用し、外部ワーカーに案件単位・アンカー単位で商品登録作業を発注する手法。コストを抑えたい場合の選択肢となります。

参考:スクロール360ささげ屋Sasage.tokyo商品登録センターART TRADINGクラウドワークス

こうした外部リソースを活用する際の注意点として、自社側で「商品名の表記ルール」「説明文のトーン&マナー」「画像の撮影アングル」「カテゴリ分類の基準」などを事前にマニュアル化して共有しておかなければ、依頼先や作業ワーカーによってページの仕上がりや情報量にバラつきが生じ、サイト全体の信頼感を損ねてしまうリスクがあります。

方法⑤ 外部システムと連携して商品情報を反映する

【商品点数や販売経路が多い場合に、外部システムから各経路へ反映する方法】

自社ECサイトに加え、複数のモール、実店舗など、多くの販売経路を同時に展開している中大型ECの場合、大元の外部システム(ERPやPIMなど)とECシステムをAPI連携させ、自動で商品情報を各チャネルへ配信・反映する手法が有効です。

この方法を採用すれば、各モールの管理画面を開いて個別にデータを打ち込んだり、チャネルごとにCSVファイルを毎度手作業で加工・インポートしたりする手間が不要になります。大元のマスターデータさえきれいに整備しておけば、連動している全てのECサイトへ正確な最新情報が自動的に同期される仕組みが整います

一方で、外部システムとシームレスに連携させるためには、「どのデータ項目を連携させるか」「どのようなスケジュールで更新するか」「チャネルごとのフォーマットの違いをシステム側でどう自動変換するか」を、初期のシステム要件定義の段階で設計しておく必要があります。

商品登録を効率化するには「元となる商品情報の管理」が重要

どの登録手法を選択する場合であっても、ECの商品登録は単に「目の前のシステム画面に文字や画像を流し込めば終わり」という単純な話ではありません。顧客が商品を正しく理解し、安心して購入を判断できる高品質なデータを「正確に、かつ継続的にメンテナンスできる状態」を作ることこそが本質です。

特に、商品点数や販売チャネルが増えれば増えるほど、現場の負荷が爆発的に大きくなるのは「入力作業そのもの」ではなく、実はその前後の工程にある「元となる商品データの収集と整備」のフェーズです。実務における一般的な商品登録のワークフローを整理すると、以下のようになります。

◆ECの商品登録における実務ワークフロー

【収集】:登録前に、社内の各部門から必要な商品情報を集める
【確認】:集まったスペック数値や画像が「最新情報か」を精査・検証する
【加工】:自社ECや各モールの指定形式(CSVフォーマットや画像サイズ)に合わせてデータを整える
【登録】:管理画面への入力、またはCSVファイルのアップロードを実行する(※ここが入力作業)
【確認】:登録・公開後に、フロント画面での表示崩れやシステムへの反映状況を確認する

このとき、例えば「商品名や販売価格は社内の基幹システム(ERP)やExcel」「商品画像は社内の個別共有フォルダ」「詳細な技術スペックや仕様情報は開発部門のPDF資料」というように、元データが社内で完全にバラバラに分散していると、商品登録を行うたびに担当者が社内を探し回るというタイムロスが発生します。

この状態のままでは、どれだけECカートシステムの管理画面の入力スピードを早くしたり、外注を利用したりしたとしても、業務全体の根本的な効率化にはつながりません。

つまり、商品登録の効率化とは、単なる「入力作業のスピードアップ」ではなく、「商品情報管理の効率化」とセットで考えるべきであると筆者は考えます。マルチチャネル展開を行う企業ほど、元となるすべての製品データを一箇所に集約し、必要なチャネルへいつでも綺麗な形で展開できる「中央集権型のデータ基盤」を作ることが重要になります。

商品登録を正確に行うには「PIM」による商品情報管理が有効

こうした、複雑に絡み合う商品情報管理の課題を根本から解決するためのシステムが、「PIM(Product Information Management:商品情報管理システム)」です。

PIMは、商品名、品番、SKU構成、サイズ・材質などの詳細スペック、価格、画像、紹介動画、マニュアルPDFにいたるまで商品にひも付くあらゆるデジタル資産を一元管理するための中核プラットフォームとして機能します。

◆PIMを中心とした商品情報管理のデータイメージフロー

PIMの仕組み(多品種少量生産)

出典:筆者作成

上図のように、PIMは社内の各部門や担当者が個別に保有していた製品データを中央に集約し、常にバージョン管理された「1つの正しいマスタデータ」として整理します。

商品登録におけるPIMの役割は、ECサイトやモールに商品を掲載するための「元情報を整えること」にあります。PIM上でデータが整理されていれば、自社ECやモールに商品を追加・登録する際、担当者が「どのデータを参照すれば良いか」で迷うことはなくなります。

また、急な価格改定、材質の仕様変更、メイン画像の差し替え、販売条件の変更などが発生した場合でも、PIM上のデータを更新すれば、その変更が連動している自社ECや外部モールのデータへ反映されるため、更新漏れやチャネル間での情報の不一致を防ぐことが可能になります。

ユーザーに対して常に正しく、充実した商品情報を提示し続け、かつ企業側がそれを最小限のオペレーションコストで継続的に管理・更新・多チャネル展開していくために、PIMというプラットフォームの活用は非常に有効なアプローチであるというのが筆者の見解です。

まとめ

ECサイトやモールにおける「商品登録」とは、システムに文字や画像を流し込むだけの単なるデータ入力作業ではありません。

画面の前で買い物を楽しむユーザーが、商品の正確な内容、詳細なスペック、そしてお届けに関する購入条件をストレスなく理解し、迷うことなく安心して購入の意思決定を下せる状態にデータを整える、極めてマーケティング価値の高い業務です。

売上を最大化させるためには、商品ページに必要な情報を過不足なく登録することはもちろん、顧客の見つけやすさや比較しやすさを意識してマスタデータを整備する必要があります。

しかし一方で、ECビジネスが成長して商品点数や展開する販売チャネルが増えるほど、登録作業そのものの負荷だけでなく、その元データとなる「商品情報管理」の難易度は高くなっていきます。

元となる製品情報や画像素材が社内の複数の場所に分散したままでは、商品登録や法改正に伴う情報更新のたびに膨大な確認・加工コストがかかるだけでなく、重大な登録ミスやチャネル間での情報の不一致を招く原因になります。

だからこそ、商品登録を正確、かつ効率化するためには、全ての商品情報を一つの信頼できるデータベースに集約し、必要なチャネルへ最適な形で一斉展開できるPIMの活用が有効なアプローチであると筆者は考えます。

インターファクトリーが提供する商品データ統合プラットフォーム「EBISU PIM(エビス ピム)」は、まさにこうした事業者が直面する商品データのサイロ化を解消し、多チャネルへの情報展開を効率化するデータマネジメントの強力なクラウド型のインフラです。

EBISU PIMは自社が取り扱う製品の特性(アパレル、家電、食品など)に合わせて管理項目やマスタ構造を自由かつ柔軟に設計できます。商品情報の登録・編集はもちろん、配信先チャネル別の細かな情報管理、外部システムとのシームレスなデータ連携にいたるまで、商品データ運用に必要な機能を網羅しています。

日々の商品登録業務の肥大化に限界を感じている場合や、マルチチャネル展開に伴う商品情報管理の抜本的な見直し・DX推進を検討されている場合は、商品登録という実務のあり方を根本から見直す好機として、ぜひ「EBISU PIM」の活用をご検討ください。

EBISU PIMに関する機能の詳細、個別のご相談、資料請求は、下記の公式サイトよりお気軽にお問い合わせください。貴社のバックヤードのオペレーションに最適なデータ運用のグランドデザインをご提案いたします。

公式サイト:商品データ統合プラットフォーム「EBISU PIM(エビス ピム)」

ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、EBISUMARTやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。