EC担当必見!「商品管理アプリ」主要5社と7つの基本機能

商品管理アプリは商品情報を管理するためのアプリです。商品情報と商品画像の登録、在庫数の管理、商品検索機能など、商品管理に必要な作業をスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で手軽に行え、登録した情報はクラウドサーバに保存されるため、複数の端末から同じ情報にアクセスできます。

商品管理アプリを使用すると、場所を選ばず、いつでも商品情報にアクセスすることができるため、効率よく商品管理を行えます。また、在庫情報をリアルタイムで管理できるようになり収益向上にも寄与します。

この記事では、株式会社インターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、商品管理アプリの主要5社のサービスと7つの基本機能を紹介します。

商品管理アプリの主要5社のサービス

以下は、小規模企業でよく利用されているPOSレジアプリを含む、商品管理アプリの主要5社のサービスと特徴をまとめた表です。

◆商品管理アプリの主要5社のサービスと特徴

アプリ名 提供企業 主な特徴
スマレジ 株式会社スマレジ POSレジで有名なスマレジが提供しており、POSレジ機能だけではなく売上・在庫・入出庫などをクラウドで一元管理が可能。店舗利用者向け
ユビレジ 株式会社ユビレジ POSレジアプリ大手。ハンディ端末不要で、スマートフォン・タブレットで在庫管理が可能。店舗利用者向け
zaico 株式会社ZAICO スマートフォンでもPCでも使える在庫管理アプリ。入出庫・発注管理・棚卸作業など在庫管理に必要な機能を提供
ロジクラ 株式会社ロジクラ Shopifyなどと連携可能な物流・在庫管理アプリ。EC・店舗・卸の在庫管理を一元管理
NEXT ENGINE NE株式会社 在庫管理システムの老舗で本格的な機能を提供。一部の機能を除きスマートフォンからも利用可能

参考:スマレジユビレジzaicoロジクラNEXT ENGINEの各公式サイト

商品管理アプリは、小売店舗やオンラインショップの商品管理のために利用されることが多く、タブレットPOSサービスの「スマレジ」や「ユビレジ」や、在庫管理専門の「zaico」「ロジクラ」「NEXT ENGINE」のように、クラウドサービスとして提供されています。これらのアプリでは在庫の変動がリアルタイムで通知されるため、PCがなくてもスマートフォンだけで商品管理を行えます

最近はShopifyなどのECプラットフォームや、他のPOSレジ・物流システムと連携できるアプリも増えており、複数チャネルの商品管理を一元化するための有力な選択肢となっています。

商品管理アプリの7つの基本機能

商品管理アプリの基本機能は以下の7つです。

◆商品管理アプリの7つの基本機能

各機能を一つずつ解説していきます。

機能① 商品情報の登録/編集

下記のような、商品情報を登録/編集するための機能です。

◆商品情報の例

・商品名
・商品コード(SKUを含む)
・在庫数
・価格
・商品カテゴリ
・商品説明
・商品画像
・仕入れ先
・発売日

商品情報はECサイトやレジシステムとの連携においても、重要な基礎データとなります。商品管理アプリでは、商品画像をスマートフォンのカメラで撮影してそのままクラウドサーバにアップロードできるため手軽に登録できます。

商品カテゴリやSKUを正確に登録・管理しておくことで、商品情報の検索や分析の精度向上も期待できます。また、登録した情報はいつでも編集できるため、販売価格や商品名の変更などの軽微なデータ修正作業も、スマートフォンでいつでも手軽に行うことができます。

アプリによっては、取り扱い商品点数が多い場合には、CSVファイルのインポート機能で一括登録/一括変更も行えるものもあります。

機能② 在庫管理(入出庫/棚卸の履歴管理)

「いま・どこに・いくつの在庫があるか」を管理するための機能で、商品の入庫(仕入れ・補充)や出庫(販売・移動)、棚卸などの商品の動きを記録し、スマートフォンでいつでも確認することができます。

アナログでECサイトの商品管理を行っていると、例えば帳簿では在庫が「5個」となっているのに、商品を数えると「4個」しかないというように、結構な頻度で実際の在庫数と管理している在庫数との間に「ズレ」が生じがちです。こうした「ズレ」は、商品発送時の取り違え、商品の紛失、仕入れや販売、廃棄時の記録漏れなどが原因で起こります。

商品管理アプリでは、入出庫や棚卸の履歴と、「いつ・誰が・どの操作をしたか」というログを自動で記録し、いつでも参照できるようになっています。実際の在庫数と管理データの在庫数の差異も手軽に確認できるため、ヒューマンエラーや紛失などの問題を定期的にチェックして、早期に解決できるようになります。

商品の動きと在庫情報を正確に記録することで、過剰在庫や欠品のリスクを最小限に抑えられるため、機会損失や不要な仕入れによる損失を防げます。

機能③ バーコード/QRコード読み取りによる商品検索

商品情報を入力することなく、スマートフォンのカメラでバーコードやQRコードを読み取ることで商品情報を検索できます。

大量の商品の在庫確認や棚卸でも、スマートフォンやタブレットのカメラを使って対象商品の情報を検索・表示できるため、入力ミスや情報検索時の手間がなくなります

また、新規に商品を登録する場合にも、JANコードや独自の商品コードを読み取ることで商品の識別情報を自動登録することもできます。

機能④ 在庫アラート通知(在庫状況の自動通知)

小売店やEC事業者にとって、在庫不足も過剰在庫も避けるべきリスクです。在庫が足りなければ、せっかくの注文が受けられず販売機会を逃してしまいますし、反対に在庫が多すぎると、売れ残って値下げや廃棄につながり、保管スペースや資金繰りにも悪影響を及ぼします。

商品管理アプリでは、商品ごとに在庫数の上限と下限のしきい値を設定でき、しきい値を下回ったり上回ったりしたタイミングでプッシュ通知が届きます。

常にアプリを立ち上げておかなくてもリアルタイムで通知を受信できる点も、モバイルアプリならではの強みですね。

機能⑤ 出荷・納品・返品のステータス管理

出荷・納品・返品といった商品の流れとステータスを管理するための機能で、「出荷準備中」「納品済み」「返品受付中」といった各状態を可視化します。

例えば、オンラインショップで注文された商品の状況(ピッキング完了、出荷完了など)をアプリ上で確認できます。

複数のスタッフで作業を分担している場合も、誰がどこまで担当し、各対応が完了しているかどうかといった情報をリアルタイムで共有できるため、確認ミスや二重対応の防止にも効果的です。

機能⑥ 複数チャネル/拠点の在庫情報の一元管理

複数のチャネルや拠点で商品の在庫を管理している場合、すべての在庫状況を集約して管理するのは極めて困難ですが、この機能を使うと複数チャネルや拠点の在庫を一元管理し、各拠点の在庫数をリアルタイムに確認できるようになります。

例えば、「本店には在庫が10個あるが、倉庫には残り2個しかない」「イベント会場の在庫がなくなったのですぐに補充が必要」といった状況を、スマートフォンでどこにいても把握することができるため、在庫の拠点間移動の判断や在庫管理をスムーズに最適化できます。

機能⑦ クラウド同期

すべてのデータはクラウドサーバに保存されており、複数のユーザーがそれぞれの端末のアプリを介して同じデータにアクセスするため、どこにいても同じ最新情報を確認して業務を行うことができます。

クラウド同期機能も、スマホアプリならではの機能の一つです。

ECプラットフォームの商品管理機能ではなく、「商品管理アプリ」を使用すべきケース

シンプルな運用であれば、BASEやShopifyといったSaaS型のECプラットフォームの標準機能として提供されている商品/在庫管理機能で十分な場合もあります。

商品管理アプリを別で導入すべきかどうかは、運用規模、利用目的などによって異なり、例えば下記のような場合には、SaaS型ECプラットフォームの標準機能で十分に事足りるでしょう。

◆SaaS型ECプラットフォームの標準機能で十分なケース

・商品点数が少ない(~100点程度まで)
・1つのECサイトのみで利用する
・標準機能の仕様に沿って管理すればよい
・出荷情報や仕入れ情報はアナログ管理で良い

一方、以下のようなケースでは商品管理アプリが必要になります。

◆ 専用の「商品管理アプリ」が必要になるケース

・商品数が多く(数百〜数千点)、定期的にCSVファイルで一括登録/一括更新したい
・複数のチャネルや拠点の在庫情報を一元管理したい
・複数のECモールの在庫情報を一元管理したい
・実店舗のPOSレジと連携して使用したい
・専用機器を使わずにモバイル端末でバーコードを読み取って棚卸などの業務を行えるようにしたい
・出荷・返品・仕入れ情報も一緒に管理したい

商品点数が多い場合には、「商品情報管理(PIM)」を検討しよう!

商品点数が数百〜数千点規模になると、商品管理アプリだけで最適に商品情報を管理することが難しくなります。また、複数の販売チャネルを運営している場合には、チャネルごとに商品情報を管理・運用することで、チャネルによって掲載されている情報が異なるなどの問題が生じやすくなり、ブランド全体の信用度を下げる可能性もあります。

こうした場合には、商品に関するあらゆる情報を一元管理して、チャネルごとに最適化した情報を配信できる「商品情報管理(PIM:Product Information Management)」の導入が必要になります。

例えば、各拠点では商品情報が必要になると、それぞれの方法でかき集めた情報を利用しているような場合は、情報収集だけでも手間がかかる上、情報の精度と鮮度を管理することが困難になりますが、PIMを導入することで、一元管理している情報を、すべてのチャネルに最適な形で配信できるようになります。

在庫数や入出庫を管理する「商品管理アプリ」と、商品説明や画像などの情報を一元化する「PIM」はそれぞれ異なる役割を担うため、各システムの役割分担と連携方法が重要になります。

PIMについては、関連記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

関連記事:商品担当者が「PIM(ピム)」を10分で理解するプロの徹底解説

まとめ

取り扱い商品点数が多い場合や複数チャネルを運営している場合、あるいは複数のECモールに出店している場合には、在庫管理だけでなく、PIM(商品情報管理)の導入が不可欠です。

チャネルごとに異なる商品情報を発信したり、ブランドイメージにばらつきがあったりすると、ブランドのイメージや信用を棄損するリスクが高くなります。そうしたリスクを排除するためにも商品情報を一元管理して最適な運用が行える環境を整備しましょう

PIM導入を検討している方には、インターファクトリーの商品データ統合プラットフォームサービスEBISU PIM(エビス ピム)」をおすすめします。柔軟かつ複雑なカスタマイズや外部システムとの連携も得意な「EBISU PIM」が、複数チャネルの最適な情報管理と運用を強力に支援します。

サービスの詳細や資料のご請求については、下記の公式サイトをご覧の上、お気軽にお問い合わせください。

公式サイト:EBISU PIM(エビス ピム)

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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、EBISUMARTやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。