ECサイトのバナーの作り方!初心者でもできるデザイン手順と無料ツール

「ECバナーを作りたいけれど、デザインのやり方が分からない」
「限られた予算で効果的なバナーを自作しなければならず、途方に暮れている」

近年、EC運営においてコスト削減の圧力が高まるなか、外部デザイナーへの依頼を控え、内製化を求められるケースが増えています。しかし、知識なくバナーを作成すれば、クリック率の低下を招き、企画が不発に終わる危険性があります。

本記事では、デザイン初心者でも実践できるECバナーの作成手順と、売上に直結するデザインテクニックを詳しく解説します。

◆この記事を読むと得られるメリット

・ECバナーの種類と役割が理解できる
・専門知識がなくてもバナーを自作できるようになる
・クリック率を高める実践的なテクニックを習得できる

ECサイトの売上は、バナー1つで大きく変わります。この記事で紹介する知識とテクニックを活用し、効果的なバナーを制作できるようになりましょう。

1.ECサイトのバナーとは?基本の知識

最初に、ECサイトのバナーについて、押さえておきたい基本的な事項から確認していきましょう。

① バナーは顧客の購買行動を左右する重要な導線
② バナー広告とサイト内バナーで役割が異なる
③ ECサイトのバナーのサイズ

1-1.バナーは顧客の購買行動を左右する重要な導線

ECサイトにおけるバナーは、実店舗での看板やポスターに相当する役割を担うものです。魅力的なバナーは訪問者の目を引き、商品ページやキャンペーンページへスムーズに誘導します。

◆バナーが購買行動に与える影響

視覚的な訴求力:画像とテキストを組み合わせたバナーは、文字だけの情報よりも大きな注目を集めます。たとえば、トップページの目立つ位置に配置されたバナーは、訪問者の最初の行動を決定づける重要な要素です。

導線を明確にする:「今だけ半額セール」といった具体的なメッセージを持つバナーは、訪問者が次に取るべき行動を明示するものです。適切なバナーがあれば、ユーザーは迷わずキャンペーンページや商品詳細へ進みやすくなります。

コンバージョンへ直結させる:バナーは、訪問者をより購入に近いページへと誘導します。優れたバナーは、サイト全体のコンバージョン率を大幅に向上させる効果があります。

ECサイトにバナーがなかったり魅力に欠けたりすると、訪問者は興味を持てず離脱する可能性が高まります。バナーの品質が売上を直接左右すると認識しなければなりません。

1-2.バナー広告とサイト内バナーで役割が異なる

ECサイトの運営で使用するバナーは、掲載場所と目的によって、大きく2種類に分類されます。

◆バナーの2つの種類と目的

バナー広告(外部バナー):Googleなどのディスプレイ広告やSNS広告枠など、自社サイト外のメディアへ配信するバナーです。まだ自社を知らない新規ユーザーへアプローチし、認知度向上やサイトへの集客を目的とします。

サイト内バナー:自社ECサイトのトップページやカテゴリページ内に設置します。すでに訪問している既存顧客や見込み客に対し、特定の商品やキャンペーンへ誘導し、コンバージョン率向上を狙います。

本記事では、後者のサイト内バナーを基本として扱います。広告については、「ECサイトの基本的な7つのWEB広告と優先順位の解説」の記事も参考にしてみてください。

1-3.ECサイトのバナーのサイズ

バナーのサイズは、配置する場所と目的に応じて、適切に選択しましょう。サイズが不適切だと、デザインが崩れたり、訴求力が低下したりするリスクがあるからです。

◆主要なバナーサイズと用途

レクタングル(300×250px):サイドバーやコンテンツ内に配置される最も汎用的なサイズです。視認性が高く、多くのプラットフォームで標準サイズとして採用されています。

ビッグバナー(728×90px):ページ上部のヘッダー下やコンテンツ上部に配置される横長サイズです。ファーストビューで目立ちやすく、主要なキャンペーン告知に適しています。

スカイスクレイパー(160×600px):サイドバーに縦長で配置され、スクロール中も視界に入り続けます。複数の商品やメッセージを縦に並べて訴求できる利点があります。

モバイルバナー(320×50px、320×100px):スマートフォン画面に最適化された横長サイズです。画面幅に合わせた設計により、モバイルユーザーの体験を損ねません。

まずはプラットフォームの推奨サイズを確認し、汎用的なサイズで準備すると良いでしょう。EC外の広告も含めて、あらゆる配置場所に対応しやすくなります。

2.ECサイトのバナー作成の5ステップ実践手順

続いて、効果的なバナーを作成するための手順を見ていきましょう。ここでは5つのステップに分けて解説します。

① ステップ1:ターゲットと訴求ポイントを明確にする
② ステップ2:必要な要素を優先順位付けして整理する
③ ステップ3:視線の流れを意識したレイアウトを組む
④ ステップ4:ブランドイメージに合うテイストに調整する
⑤ ステップ5:A/Bテストで効果検証しながら改善する

2-1.ステップ1:ターゲットと訴求ポイントを明確にする

バナー制作の第一歩は、誰に何を伝えるかを明確にすることです。ターゲットが曖昧なバナーは、誰の心にも響きません。

◆ターゲット設定と訴求の具体化

ペルソナの詳細化:年齢・性別・職業だけでなく、ライフスタイルや購買動機まで具体的に設定します。たとえば「30代の働く母親で、子どもの健康を気にしながら時短料理を求めている」といった詳細なペルソナ(架空のユーザー像)が、訴求メッセージの精度を高めます。

ペインポイントの特定:ターゲットが抱える具体的な悩みや課題を洗い出します。「忙しくて料理の時間が取れない」「栄養バランスが心配」といったペインポイント(解決したい痛点)を明確にすれば、それを解決する商品価値を訴求できます。

競合との差別化要素:自社商品の独自性を明確にします。特徴・品質・配送速度・サポート体制など、競合に勝る要素を1つに絞り込み、それをバナーの中心メッセージとします。

ターゲットと訴求ポイントが明確であれば、デザインの方向性は自然と定まっていきます。このステップをおろそかにすると、後工程で何度も修正を繰り返すことになりかねません。

2-2.ステップ2:必要な要素を優先順位付けして整理する

次に、バナーに掲載すべき情報を整理し、優先順位をつけます。すべての情報を詰め込むと、かえってメッセージが伝わらないからです。

◆情報の取捨選択と優先順位

必須要素を特定する:商品名・キャッチコピー・価格・期限・CTA(行動喚起)ボタンなど、バナーに必要な要素を洗い出します。効果的なバナーにするためには、要素を3〜5つ以下に絞り込むことが大切です。

優先度のランクをつける:最も伝えたいメッセージを第1優先とし、サポート情報を第2・第3優先として階層化します。たとえば「50%OFF」を最優先とし、「期間限定」を第2優先、「送料無料」を第3優先といった具合です。

削除すべき要素を判断する:優先度の低い情報は思い切って削除します。細かい商品仕様や詳細な説明文は、リンク先のページで伝えれば十分です。

視覚的な重みづけを行う:優先度の高い要素ほど大きく・目立つ色で配置する設計方針を決めます。フォントサイズや配色の段階的な差をつけ、自然と視線が重要な情報に誘導されるよう工夫します。

情報を整理せずにデザインを始めると、要素が散らかって訴求力が落ちてしまいます。先に明確な優先順位を決めておくことが大切です。

2-3.ステップ3:視線の流れを意識したレイアウトを組む

人間の視線には自然な動きのパターンがあります。このパターンに沿ってレイアウトを組めば、情報が効率的に伝わります。

◆効果的なレイアウトの原則

Zパターンを使う:横書き文化では、視線は左上から右上、次に左下へ斜めに移動し、最後に右下へ流れます。このZパターンに沿って重要な要素を配置すれば、自然に情報が目に入ります。

視線の起点となるビジュアルを置く:人物の顔や商品画像など、視線を引きつける要素を左上や中央上部に配置します。とくに人物の視線方向には目が向きやすいので、キャッチコピーやCTAボタンを配置すると、自然に誘導できます。

余白を上手に活用する:要素間に十分な余白を設けておくと、各情報が独立して認識されます。余白がないバナーは窮屈に見え、どこを見れば良いか分からなくなります。

視線の流れを無視した配置は、どれだけ魅力的な要素を含んでいても、その価値を十分に伝えられません。視線の流れを意識したレイアウトを徹底しましょう。

2-4.ステップ4:ブランドイメージに合うテイストに調整する

レイアウトが決まったら、具体的な画像・フォント・配色などを調整していきます。ブランドの世界観と一致した素材選びが重要です。

◆素材選定のポイント

画像の選択:商品写真は、高解像度で明るく撮影されたものを使用します。人物写真を使う場合は、ターゲット層と同年代・同性の人物が効果的です。抽象的なイメージ写真よりも、商品の使用シーンを具体的に見せる写真のほうがコンバージョンにつながります。

フォントの選定:高級ブランドなら細身の明朝体、カジュアルブランドなら太めのゴシック体といったように、ブランドの性格に合わせます。1つのバナー内で使用するフォントは2〜3種類までに抑え、統一感を保ちます。

配色の統一:ブランドカラーを基調とし、補色や類似色を組み合わせます。全体で3〜4色程度に抑えれば、洗練された印象になります。色が多すぎるとチープに見えてしまいます。

素材選びは、バナーの世界観を形作る重要な工程です。ブランドイメージと乖離した素材を使うと、誤ったブランド印象を与えてしまうため注意しましょう。

2-5.ステップ5:A/Bテストで効果検証しながら改善する

バナーを公開したら、そこからがスタートとも言えます。データに基づいて改善を重ね、効果を最大化していきましょう。

◆効果的なA/Bテストの実施方法

テスト要素を明確にする:1回のテストで変更する要素は1つに絞ります。キャッチコピー・画像・配色・CTAボタンのデザインなど、変更箇所を限定して、どの要素が効果に影響したかが明確な状態でテストすることがポイントです。

十分なサンプル数を確保する:サイトの規模にもよりますが、目安としては各パターンに400〜500インプレッション以上のデータを収集しましょう。サンプル数が少ないと、偶然の結果に左右され、正確な判断ができないからです。

統計的有意性を確認する:CTRの差が統計的に有意かどうかを確認します。無料のA/Bテスト有意差計算ツール(A/Bテスト信頼度判定ツール(有意差判定)など)を使えば、専門知識がなくても判断できます。

勝ちパターンを横展開する:効果の高かった要素を、ほかのバナーにも適用します。たとえば「今だけ」という緊急性を示す言葉が効果的だった場合、ほかのキャンペーンバナーにも同様の表現を取り入れます。

A/Bテストを継続的に実施すれば、自社ターゲットに最適なバナーの法則が見えてきます。この知見の蓄積こそが宝の山となります。

3.ECバナーの制作に初心者でも使える無料ツールと参考サイト

「バナー作成の方向性は分かったけれど、具体的にどのツールを使うの?」
「素材はどこで見つけるの?」
という点が知りたい方もいるでしょう。ここでは無料ツールと、デザインの参考になるサイトを紹介します。

① Canva:専門知識ゼロでプロ級バナーが作れる
② Adobe Express:高品質な素材とテンプレートを利用できる
③ 無料素材サイト:商用利用可能な画像を入手できる
④ BANNER LIBRARY:業界別の事例が参考になる

3-1.Canva:専門知識ゼロでプロ級バナーが作れる

Canvaは、直感的な操作でバナーを作成できる無料のデザインツールです。豊富なテンプレートと素材が用意されており、デザイン未経験者でも短時間で完成度の高いバナーを制作できます。

◆Canvaの特徴

テンプレートの充実:ECバナー専用のテンプレートが数千種類用意されており、業種・目的別に検索できます。たとえば「ファッションセール」「食品キャンペーン」などのキーワードで絞り込めば、イメージに近いデザインが見つかります。

ドラッグ&ドロップの簡単操作:テキストの編集・画像の差し替え・配色の変更が、すべてマウス操作だけで完結します。PhotoshopやIllustratorのような専門ソフトの習得は不要です。

ブランドキットの活用:有料プランでは、ブランドカラーやロゴを登録しておけます。毎回同じ色やフォントを設定する手間が省け、複数のバナーでデザインの一貫性を保てます。

Canvaの無料版でも商用利用が可能で、作成したバナーをJPG・PNG形式でダウンロードできます。まずは無料版でバナー制作を始め、必要に応じて有料プランへ移行すれば、コストを抑えながら本格的なデザインワークが可能です。

参考:Canva

3-2.Adobe Express:高品質な素材とテンプレートを利用できる

Adobe Expressは、Adobeが提供する無料デザインツールです。Canvaと同様にテンプレートベースで制作できますが、Adobe Stockの素材と連携できる点が強みです。

◆Adobe Expressの特徴

プロ品質のテンプレート:デザイン会社が作成した高品質なテンプレートがそろっており、そのまま使用しても十分なクオリティです。業種や用途に応じたカテゴリ分類が詳細で、目的のデザインを素早く見つけられます。

Adobe Stockとの統合:有料のAdobe Stockから、プロが撮影した高品質な写真やイラストを直接挿入できます。無料の素材サイトでは見つからない、ハイクオリティな素材を使いたい場合に便利です。

ブランドの一貫性を保つ機能:色・フォント・ロゴを一度設定すれば、すべてのデザインに自動適用されます。複数のバナーを制作する際、デザインの統一性を簡単に維持できます。

Adobe Expressは基本的に無料で使用できますが、一部のプレミアムテンプレートや素材は有料です。無料範囲内でも十分なバナーが作成できるため、まずは無料版で試すことをおすすめします。

参考:Adobe Express

3-3.無料素材サイト:商用利用可能な画像を入手できる

オリジナルのデザインを作成する場合、高品質な画像素材が必要です。商用利用できる無料素材サイトを利用すれば、コストをかけずにプロフェッショナルな写真を入手できます。

◆無料素材サイトの例

Unsplash:世界中のカメラマンが撮影した高解像度写真を無料で提供しています。風景・人物・商品など、あらゆるジャンルの写真がそろっており、商用利用も可能です。ただし、日本人モデルの写真は少ないため、日本市場向けにはほかのサイトとの併用が必要です。

Pixabay:写真だけでなくイラスト・ベクター画像・動画も提供する総合素材サイトです。日本語での検索も可能で、日本人ユーザーにとって使いやすい設計です。素材は著作権表示なしで使用できます。

写真AC:日本人モデルの写真が豊富な国内最大級の素材サイトです。日本のEC市場をターゲットとする場合、日本人の生活シーンを撮影した写真が入手できる点が大きな利点です。無料会員は1日の検索回数とダウンロード数に制限があります。

なお、素材選びでは、画像の解像度を確認しましょう。低解像度の画像は、バナーに使用すると粗く見え、ブランドイメージを損なうリスクがあるからです。

3-4.BANNER LIBRARY:業界別の事例が参考になる

効果的なバナーを作成するには、成功事例から学ぶことが近道です。BANNER LIBRARYは、国内外の優れたバナーデザインを集めたギャラリーサイトです。

◆BANNER LIBRARYの活用方法

業界別の事例を検索する:アパレル・食品・化粧品・家電など、業界別にバナーを絞り込めます。自社と同じ業界の事例を参考にすれば、ターゲット層に響くデザインの傾向がつかめます。

配色やレイアウトを学ぶ:多数の事例を見比べているうちに、効果的な配色パターンやレイアウトの法則が見えてきます。たとえば、セール告知バナーでは赤や黄色を基調とした配色が多用されるなど、目的別のデザイン傾向を学べます。

トレンドを把握する:定期的に新しい事例が追加されるため、最新のデザイントレンドをキャッチアップできます。時代遅れのデザインを避け、 “今風” のバナーを制作するために役立ちます。

他社のバナーをそのまま模倣するのは著作権侵害のリスクがありますが、複数の事例から要素を抽出し、自社なりにアレンジすることはぜひ実践したい学習方法です。優れたデザインの共通点を分析し、自社のバナーに応用してください。

参考:BANNER LIBRARY

4.ECサイトのバナーの入れ替えや編集の業務効率アップ策

ECサイトのバナーを制作したあとは、運営面の業務効率も考えなければなりません。

効率的に管理したい方へおすすめしたいのは、インターファクトリーが提供するECプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」での運用です。

たとえば、EBISUMARTには、テンプレートを都度編集することなく、ページへのバナー画像の変更や、表記の入れ替えができる機能が備わっています。

ショップ管理ツールでバナー画像を選択したり、ブロック内に表示するHTMLを編集するだけで簡単にページを編集できます。

「ページに新しくバナー画像を追加したいけれど、HTMLを書くのが苦手」という方や、「イベント期間や会員ランクごとにコンテンツを出し分けたい」という方におすすめです。

具体的な手順は、「パーツ管理機能特集」にてご確認ください。

また、時限設定の活用については、「【業務効率UP策】予め時間を指定してバナーや画像を切り替えたい!時限設定m:idの活用」にて解説しています。

EBISUMARTについて詳しくは、以下の資料でご確認いただけます。

5.ECバナーのクリック率が2倍になるデザインの実践テクニック

これからバナー制作を進めるなかで、「もっとクリック率を上げたい」と感じることもあるでしょう。デザイン次第では、クリック率に2倍以上の違いが出ることも珍しくありません。以下のテクニックを参考にしてみてください。

① キャッチコピーは数字と緊急性で行動を促す
② 配色は3色以内に抑えてメッセージを際立たせる
③ フォントサイズの強弱で読む順番を誘導する
④ 余白を活用して情報を詰め込みすぎない
⑤ CTA(行動喚起)ボタンは目立つ位置と色で配置する
⑥ 実際の使用シーンを見せて購買意欲を高める

5-1.キャッチコピーは数字と緊急性で行動を促す

バナーのキャッチコピーは、訪問者が最初に読む要素です。明確で具体的なメッセージが、クリック率を高める重要な鍵となります。

◆効果的なキャッチコピーの法則

具体的な数字を入れる:「大幅割引」より「50%OFF」、「多数の実績」より「累計10万個販売」のように、数字を使えば信頼性と具体性が増します。人間の脳は抽象的な表現よりも数字を優先的に処理するため、視認性も高まります。

緊急性を示す言葉を使う:「今だけ」「本日限り」「残りわずか」といった時間的制約を示す表現は、ユーザーの意思決定を後押しします。ただし、実際に期限がある場合のみ使用し、虚偽表示は避けましょう。

ベネフィットを明示する:「高品質」ではなく「うっとりする寝心地」、「便利」ではなく「調理時間が半分になる」のように、顧客が得られる具体的な利益(ベネフィット)を示します。機能ではなく結果を語れば、購買意欲が高まります。

なお、バナーでのキャッチコピーは15文字以内に収めることが理想です。長すぎる文章は読まれず、バナーの目的を果たせないからです。

5-2.配色は3色以内に抑えてメッセージを際立たせる

色は視覚的なインパクトを決める重要な要素です。適切な配色で、バナー全体の印象と訴求力を大きく高めましょう。

◆配色の基本原則

3色ルールで設計する:ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色で構成します。色数が多すぎると散漫な印象を与え、どこに注目すべきか分からなくなります。プロのデザイナーの多くが3〜4色以内で配色する理由は、視覚的な統一感を保つためです。

コントラストを確保する:背景とテキストの明度差を十分に取り、可読性を確保します。淡い背景に淡い文字では読めません。

心理的効果を活用する:たとえば、赤は緊急性や情熱、青は信頼や安心、緑は健康やエコを連想させます。商品やキャンペーンの性質に合わせた色選びが、潜在的なメッセージ伝達に効果を発揮します。

デザイン初心者の方で配色に迷うときは、配色ツール(Adobe ColorCoolorsなど)を使うことも検討しましょう。調和の取れた配色パターンを見つけやすくなります。

5-3.フォントサイズの強弱で読む順番を誘導する

フォントサイズにメリハリをつけると、視線の流れをコントロールできます。情報の重要度を視覚的に示すことが、効果的な情報伝達のポイントです。

◆フォントサイズの設計

タイトルサイズ:最も重要なメッセージ(キャッチコピーや割引率など)は、本文の2〜3倍のサイズにします。

サブタイトル:補足情報や条件説明は、タイトルと本文の中間サイズ(本文の1.5倍程度)にします。このようにサイズで階層を作ると、ユーザーは自然と重要な情報から順に目を通します。

最小フォントサイズ:注意書きであっても、あまりに小さい文字はつぶれて読めなくなるため、スマホで縮小表示されたときでも読めるサイズを確保しましょう。

ウェイト(太さ)の使い分け:同じフォントサイズでも、太さを変えれば強調度を変えられます。重要なキーワードはBold(太字)、補足情報はRegular(標準)やLight(細字)を使い分けます。

フォントサイズに明確な差がないバナーは、すべての情報が同じ重要度に見え、結果として何も印象に残りません。階層構造を意識したフォント設計で、メッセージの伝達力を高めてください。

5-4.余白を活用して情報を詰め込みすぎない

余白(ホワイトスペース)は、情報を整理し、視認性を高める重要な要素です。余白を恐れず、むしろ積極的に活用してください。

◆余白の戦略的な活用法

要素間のマージン設定:テキスト・画像・ボタンなどの各要素間に、十分な余白を設けます。要素同士が近すぎると、視覚的に区別できず、ごちゃごちゃした印象を与えます。

外周の余白確保:バナーの端から10〜15%程度の余白を確保します。端いっぱいまで要素を配置すると、窮屈で安っぽい印象になってしまいます。

明確なグルーピング:関連する情報は近くに配置し、関連性の低い情報は離します。この「近接の法則」により、ユーザーは情報の関係性を直感的に理解できます。

余白なく情報を詰め込んでも、ユーザーに読まれません。「伝えたい情報を削る勇気」を持つことが、かえって伝達力を高めるというパラドックスを知っておきましょう。

5-5.CTA(行動喚起)ボタンは目立つ位置と色で配置する

バナーの最終的な目的は、ユーザーにクリックさせることです。CTAボタンのデザインと配置が、この目的達成を大きく左右するので、しっかり注力しましょう。

◆効果的なCTAボタンの設計

視線の終点への配置:Zパターンの視線の流れを考慮し、右下か中央下にCTAボタンを配置します。人間の視線は最終的にこの位置に落ち着くため、自然な流れでクリック行動を促せます。

コントラストの強い色使い:CTAボタンは、バナー全体の配色から最も目立つ色にします。たとえば背景が青系なら、ボタンはオレンジや赤などの補色を使えば、視覚的に際立ちます。

明確な行動を示す:「無料で試す」「今すぐ購入する」など、具体的な行動を示す言葉を使います。「クリック」「こちら」だけでは何が得られるか不明確なため、クリック率が低下してしまいます。

十分なサイズ確保:CTAボタンは、バナー全体の中で十分なサイズを確保します。小さすぎるボタンは見逃され、とくにスマートフォンではタップしづらくなります。

CTAボタンのデザインだけを変えるA/Bテストで、クリック率が大きく変動した事例は数多く報告されています。ボタンの重要性を軽視せず、丁寧に設計してください。

5-6.実際の使用シーンを見せて購買意欲を高める

素材選びでは、商品単体の画像よりも、実際に使用している場面を見せるほうが、購買意欲を刺激します。ユーザーが自分の生活に商品を重ね合わせやすくなるためです。

◆ライフスタイル訴求の手法の例

ターゲット層と同じ人物の起用:ペルソナと同年代・同性・同じライフスタイルの人物を画像に使います。30代女性がターゲットなら、同世代の女性が商品を使っている場面を見せれば、「自分にも合いそう」という共感を生みます。

使用前後の対比:ビフォー・アフターの画像を並べれば、商品の効果が一目瞭然です。たとえば収納用品なら、散らかった部屋と整理された部屋を対比させます。

具体的なベネフィットの可視化:「軽量」という言葉より、子どもが片手で持っている写真のほうが説得力があります。抽象的な特徴よりも、具体的な使用シーンで伝えます。

ECサイトでは、商品画像だけのバナーは、カタログのように無機質な印象を与えてしまいます。リアルなライフスタイルを感じさせる画像を使って感情に訴えかけ、購買行動を後押ししていきましょう。

6.まとめ

本記事では「ECサイトのバナー」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

ECサイトのバナー作成の実践手順を、5つのステップで解説しました。

① ターゲットと訴求ポイントを明確にする
② 必要な要素を優先順位付けして整理する
③ 視線の流れを意識したレイアウトを組む
④ ブランドイメージに合うテイストに調整する
⑤ A/Bテストで効果検証しながら改善する

ECバナーの制作に初心者でも使える無料ツールと参考サイトは以下のとおりです。

① Canva:専門知識ゼロでプロ級バナーが作れる
② Adobe Express:高品質な素材とテンプレートを利用できる
③ 無料素材サイト:商用利用可能な画像を入手できる
④ BANNER LIBRARY:業界別の事例が参考になる

ECバナーのクリック率が2倍になるデザインの実践テクニックとして、以下を紹介しました。

① キャッチコピーは数字と緊急性で行動を促す
② 配色は3色以内に抑えてメッセージを際立たせる
③ フォントサイズの強弱で読む順番を誘導する
④ 余白を活用して情報を詰め込みすぎない
⑤ CTA(行動喚起)ボタンは目立つ位置と色で配置する
⑥ 実際の使用シーンを見せて購買意欲を高める

ECバナーの制作は、基本を押さえれば決して難しくありません。デザイン初心者であっても、正しい知識と実践によって、プロフェッショナルな成果を実現してください。

セミナー情報

ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART」についての情報発信も行う。