ライブコマースとは?基本知識とおすすめな業界・ジャンルを解説


「ライブコマースってよく聞くけれど、正直よく分からない」
「ライブコマースを導入すると、ECサイトの売上も伸びるだろうか?」

近年、EC事業やSNSマーケティングなどをしているとよく耳にするのが「ライブコマース」ですが、その仕組みや導入すべき理由を、実はしっかりと理解できていない方も少なくありません。

結論からお伝えすると、ライブコマースとはライブ配信とオンライン販売を組み合わせた新たなオンラインでの販売手法のことです。

EC事業にライブコマースを導入することで、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット ・写真や文字だけでは伝えられない魅力を訴求できる
・双方向コミュニケーションで信頼感を感じてもらえる
・配信者やブランドのファンになってもらいやすい
・ライブ配信視聴から購入までをスムーズに誘導できる
デメリット ・事前の集客に力を入れる必要がある
・リアルタイム配信特有のさまざまな制限やトラブルが発生する
・配信者の力量で結果が左右されてしまう

新たなオンライン販売手法として国内での成長も期待されているライブコマースですが、正しく導入・運用できなければ成果につなげられません

「とりあえずライブ配信をしてみたけれど、思うように購入率が上がらない」と失敗しないためにも、導入前にしっかりと必要な知識をつけておきましょう。

そこでこの記事では、実際の事例とあわせてライブコマースの基礎知識についてお伝えしていきます。

◆この記事で分かること

・ライブコマースの仕組みが分かる
・ライブコマースのメリット・デメリットを理解できる
・ライブコマースを導入するために選べる4つの形態を比較できる

新たな販売手法であるライブコマースを正しく導入・運用できれば、ECサイトの購入率アップにつながることが期待できます。

ぜひこの記事を参考に、自社のECサイトとライブコマースを組み合わせるべきか検討していきましょう。

1. ライブコマースとは「ライブ配信 × オンライン販売」で行う販売手法

ライブコマースとは、アプリやSNSでライブ配信を行い、そこから自社のオンライン販売につなげる販売手法のことです。

ライブコマースは、2017年頃から国内でも拡大してきた市場ですが、コロナ禍の外出自粛などをきっかけに爆発的に市場拡大したと言われています。

従来の、ECサイトのみでの販売やテレビショッピングなどよりも、消費者の購買意欲を高められるため導入する企業も増えているのです。

ライブコマースへの理解を深めるためにも、一般的なライブコマースの流れを見てみましょう。

企業のバイヤーやセールス担当、またはインフルエンサーなどがライブ配信に登場し、リアルタイムで商品を紹介するという点においては、テレビショッピングと似ていると考える方もいるでしょう。

また、中には「最終的にECサイトで購入するなら、二度手間では?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、実はそうではないのです。

一般的な通販方法で知られている、ECサイトだけの販売やテレビショッピングとの大きな違いは、以下のとおりです。

ライブコマース ECサイトのみ テレビショッピング
購入先 ECサイト ECサイト コールセンター
コミュニケーション 双方向 発信のみ 発信のみ
疑問解決のスピード リアルタイム
(コメント)
遅い
(メールや電話)
遅い
(コールセンター)
限定感や特別感 あり なし あり

このように比較すると分かるように、リアルタイムでライブ配信をしながらコミュニケーションを取れる点が、他の通販手法と大きく違います。

この違いにより、ライブコマースは「より消費者の購買意欲を高められる販売手法」として認知されるようになってきているのです。

2. ライブコマースの国内市場はまだ成長途中だからこそ今後にも期待大!

「ライブコマースでの商品販売」と聞くと、SNSなどでよく見かける爆発的に拡大した中国市場を思い浮かべる方もいるかと思います。

中国で急成長しているライブコマース市場ですが、2023年段階での日本国内市場は成長途中です

実際に、2023年に報告されたNTTコム リサーチの「ライブコマースに関する調査」によると以下のような結果が出ています。

出典:NTTコム リサーチ「『ライブコマース』に関する調査」(2023年2月28日発表)より筆者作成

2023年の段階では、ライブコマースという販売手法を知っている方は30%程度、さらに実際の視聴経験者は3%と少ないことが分かっています。

また、さまざまなプラットフォームでもライブコマースへの取り組みを終了しているのも現実です。

・メルカリチャンネル(メルカリ) 2019年サービス終了
・BASEライブ(BASE) 2020年サービス終了
・Laffy(DeNA) 2018年サービス終了

残念ながら、初期に市場参入した企業がサービスを終了しているのです。

このように、国内でのライブコマース普及が緩やかな理由については、以下の記事で解説しているのでご覧ください。

関連記事:日本でライブコマースが普及しない5つの背景を解説

ライブコマース市場は成長途中ではありますが、今後に期待できる市場であることも事実です。

特にEC事業を拡大していこうと考えている企業にとって、より購買意欲の高い消費者をECサイトに誘導できるライブコマース × オンライン販売を活用しない手はないでしょう。

実際に、同調査によると以下のように、ライブ配信視聴者は1/2の割合で商品購入に至っていることが分かります。

出典:NTTコム リサーチ「『ライブコマース』に関する調査」(2023年2月28日発表)

1. ライブコマースとは「ライブ配信 × オンライン販売」で行う販売手法 でもお伝えしたとおり、より購買意欲が高まった状態で、ECサイトに消費者を誘導できることが、商品購入率を上げていると言えるでしょう。

このメリットがあるからこそ、大手企業やブランドが積極的にライブコマースを活用しているのです。

ライブコマース市場は比較的新しい販売手法だからこそ、緩やかに市場成長しているフェーズにありますが、EC事業者にとってのメリットも大きいため今後にも期待されています。

3. 【事例】実際にライブコマースを活用して成果を出しているケース

ライブコマースの仕組みと国内市場について理解できたところで、実際に活用している企業があるのか気になってしまうのではないでしょうか。

そこで、ここでは実際にライブコマースを活用して成果を出している企業を紹介します。

◆ライブコマースで成果を出している3つのケース

・ユニクロ
・ファンケル
・ロフト

実際に、企業がどのような方法でライブコマースを活用しているのかも、あわせて見ていきましょう。

3-1. ユニクロ

株式会社ユニクロでは「UNIQLO LIVE STATION」というライブコマースを、2020年より取り入れています。

ライブ配信を通して、実際の販売スタッフやバイヤーが商品について詳しく教えてくれるのはもちろんのこと、リアルタイムで商品購入につながるUIを開発しているのも大きな特徴です。

また、オンラインストアだけではなくユニクロアプリやStyleHintアプリなどでも同時配信することで、複数のプラットフォームから視聴者を獲得するための工夫をしています

実際、過去には、以下のように幅広いテーマでライブ配信をしているのです。

◆過去のライブ配信テーマ

・シーズンやシリーズごとの新作紹介
・新店舗紹介や各店舗からの商品紹介
・●●ランキング紹介
・服のお手入れ術やコーデを紹介
・オンライン試着会

参考:UNIQLO LIVE STATION

視聴者は、すでにユニクロの商品に興味を持っている視聴者がほとんどで、サイズ感や質感など疑問点をクリアにすることで、商品購入の後押しをする立ち位置としてライブコマースを活用していると考えられます。

3-2. ファンケル

FANCLも、積極的にライブコマースとオンライン販売の組み合わせを活用している企業の一つです。

ファンケルの「FANCL LIVE SHOPPING」では、商品販売に力を入れるのではなく、視聴者のファン化を意識した放送内容になっています。

具体的には大きく分けて、ビューティ・ヘルスケア・ライフスタイルの大きなジャンル別に、以下のような配信を行っています。

◆過去のライブ配信テーマ

・社員のイチオシ情報
・ストレッチやヘルスケアなどの情報
・おすすめのレシピ紹介
・メイクやスキンケア、ヘアケアなどの情報
・ライブ配信限定セール情報

参考:FANCL LIVE SHOPPING

ファンケルの場合、化粧品や健康食品などのように定期的に購入する商品を主に取り扱っているため、いかにファン化させて継続購入につなげるかどうかが重要です。

企業とブランドのファン化を促すために、ライブコマースを取り入れている実例の一つと言えます。

3-3. ロフト

ロフトの場合は、SNSのInstagramを活用したライブコマースを取り入れています。

2024年11月の段階でフォロワー40.8万人の、ロフト公式アカウントでInstagram LIVEを行うことで、より多くの視聴者に商品情報や店舗情報を伝えられるのです。

参考:ロフトのInstagram公式アカウント

実際に配信では、以下のような内容を配信しています。

◆過去のライブ配信テーマ

・新店舗の紹介
・シーズンごとの新商品やおすすめアイテムの紹介
・期間限定イベントを紹介
・著名人を招いたトークショー

ロフトのInstagram LIVEでは、ライブ配信の動画がアーカイブとしてアカウントに保存されています。

アーカイブページでは、配信で紹介された商品の詳細や価格などを紹介しつつ、ECサイトまでの誘導もされているのです。

ロフトが取り入れているライブコマース手法は、新たにシステム構築やECサイト構築をせずにできる、SNSを活用したライブコマース導入の参考例とも言えるでしょう。

4. ライブコマース導入のメリット4つ

ライブコマースは国内の市場で成長途中にも関わらず、前述した企業事例のように多くの企業が導入しています。

その理由は、企業側と視聴者側の両者にとって以下のようなメリットがあるからです。

◆ライブコマース導入のメリット4つ

・写真や文字だけでは伝えられない魅力を訴求できる
・双方向コミュニケーションで信頼感を感じてもらえる
・配信者やブランドのファンになってもらいやすい
・ライブ配信視聴から購入までをスムーズに誘導できる

ライブコマースを導入することで企業が得られるメリットは多数ありますが、中でも上位4つのメリットを紹介します。

4-1. 写真や文字だけでは伝えられない魅力を訴求できる

ライブコマースの大きなメリットの一つが、従来の写真や文字だけでは伝えられない商品の魅力を最大限に訴求できるという点です。

従来の写真と文字だけの商品アピールでは伝わらない魅力も、ライブ配信であればしっかりと伝えることができます。

たとえば、アパレル業界のライブコマースで考えると、以下のようなイメージです。

◆参考例

・商品を着用した時の素材感や肌触りが分かる
・商品を着用して体を動かした時の着心地や可動域が分かる
・視聴者が気になっているアイテムとのコーディネート例を提案できる
・身長や体格によって変わるシルエットを比較できる

上記のような商品の魅力を写真と文章で伝えようとすると、大量の写真と文章で情報を補わなければいけません。

その結果、商品ページが分かりづらくなってしまい、魅力をきちんと伝えられない場合も多いのです。

ライブ配信の場合は、視聴者からのリアルタイムの質問やリクエストに応えながら配信を進行していくので、商品の魅力を最大限に伝えることができるでしょう。

4-2. 双方向コミュニケーションで安心感や信頼感を感じてもらえる

ライブ配信では、一方的に商品の魅力を伝えるだけではなく、リアルタイムに視聴者とコミュニケーションを取れるので、より信頼感を築きやすいというメリットがあります。

「身長が低い自分でも、似合うのかな?」
「敏感肌でも使えるのか気になる……

「違う角度からも見てみたい」

というような視聴者の要望や疑問がコメントとしてリアルタイムに確認ができるので、視聴者の不安や疑問をすぐに解決できるのです。

このようにリアルタイムで視聴者の不安や疑問を解消できると、購入意欲を高めるだけでなく、企業やブランドに対する信頼も高められます。

4-3. ライブ配信の臨場感で購入の決断が早まる

ライブ配信では、ECサイトだけでの販売やテレビショッピングなどとは違う「臨場感」を視聴者は楽しめます

その結果、ライブ配信が盛り上がれば盛り上がるほど、購入の決断スピードが早くなる可能性が高いのです。

同調査によると、ライブコマースの利用経験のある視聴者のうち29%が「その場の臨場感や雰囲気で、即決して商品購入する場合が多い」と答えています。

たとえば、以下のようなイメージです。

・配信者のトークスキルで、購入意欲が高まる
・ライブ配信内の盛り上がりで「自分も買わなければ」と焦りを感じる
・他の視聴者のコメントをみて「売り切れになったらどうしよう」と限定感を感じる

上記のようにライブ配信の視聴者は、その配信の臨場感や雰囲気によって購入意欲を刺激される点も、ECサイトを持つ企業がライブコマースを導入する大きなメリットになるでしょう。

4-4. ライブ配信視聴から商品購入までをスムーズに誘導できる

一般的なECサイトでは、欲しい商品を検索して商品を探す手間が発生する場合がほとんどです。

しかし、ライブコマースを導入することで、ライブ配信から商品購入までをよりスムーズに誘導できるようになります

たとえば、以下のようなイメージです。

購入までの導線設計は、どのような方法・仕組みでライブコマースを導入するのかによって変わります。

自社のECサイトにライブ配信のシステムを組み込んだ場合は、ライブ配信画面の近くに商品ページに飛べるリンクを設定可能です。

SNSを使ったライブ配信の場合は、配信内容を記載する部分やアーカイブページの解説などに、ECサイトへのリンクや購入までの流れを紹介できるでしょう。

「このライブ配信で紹介されたモノを購入したい」と感じている視聴者に対して、自身で検索させる手間を与えてしまうと、せっかく高まった購入意欲もなくなってしまうかもしれません

少しでも購入意欲を高めた状態で商品ページにたどり着いてもらうためにも、スムーズな導線設計を工夫しやすいことも、ライブコマースのメリットの一つです。

5. ライブコマース導入のデメリット3つ

ライブコマース導入には、今度の市場規模成長が期待されるほどのメリットがあります。

しかし、その反対に導入のデメリットもあるので、導入時は注意しなければいけません。

具体的には、以下の3つがデメリットとして挙げられています。

◆ライブコマース導入のデメリット3つ

・事前の集客に力を入れる必要がある
・リアルタイム配信特有のさまざまな制限やトラブルが発生する
・配信者の力量で結果が左右されてしまう

ライブコマース導入後に、運用方法などで困ってしまわないためにも、デメリットそれぞれについて事前にしっかりと理解しておきましょう。

5-1. 事前の集客に力を入れる必要がある

ライブコマース導入の最大のデメリットとして挙げられるのが、事前の集客に力を入れなければいけないという点です。

基本的に、ライブ配信はその企業やブランド、SNSのアカウントをすでに知っている、もしくはフォローしており「ライブ配信していること」が認知されていなければ訪れてもらえません。

しっかりと事前告知や集客ができなければ、せっかくのライブ配信も視聴者が少なすぎて、配信が盛り上がらず終わってしまう可能性もあるのです

たとえば、以下のような方法を繰り返して、集客する必要があります。

・ライブ配信をすることを、実店舗で宣伝する
・WebサイトやSNSでライブ配信の宣伝をする
・SNSのフォロワーを増やしてライブ配信の告知をする

より多くの方に、ライブ配信に参加してもらえるように、事前に時間をかけてしっかりと集客に取り組まなければいけないのです。

5-2. リアルタイム配信特有のさまざまな制限やトラブルが発生する

ライブ配信は、リアルタイムで進行していくコンテンツなので、その時々によってさまざまなトラブルが発生してしまう可能性があります

たとえば、以下のようなケースも考えられるでしょう。

・ネット回線が悪くなってしまい、配信が途中で中断してしまう
・時間配分がうまくいかず、限られた配信時間で内容を伝えきれない
・コメント欄で視聴者同士がトラブルになってしまう

ライブ配信特有の制限やトラブルには、どれだけ事前に対策していても防げないものも含まれています。そのため、事前にしっかりと配信に関するマニュアルや対応方法などを練っておく必要があるのです。

5-3. 配信者の力量で結果が左右されてしまう

ライブコマースを導入する際に、ライブ配信をするだけで成果が出ると勘違いしている方もいます。

誰でもすぐにできるライブ配信ですが、配信者の力量によって結果が左右されることを忘れてはいけません。

万が一、配信者の力量が伴わず、視聴者が配信を楽しむことができなければ、そこから商品購入につながる可能性は低くなってしまうでしょう。

だからこそ、そのライブ配信の要となる配信者の配信スキルが重要なのです。

・コミュニケーションスキルはあるか
・商品に関する知識はあるか
・動画で魅力を伝えるスキルはあるか
・配信に関する知識はあるか

どんなトラブルが起きても柔軟に対応できるような、配信者の力量を見極めてライブ配信を行えるようにしておく必要があるのです。

6. ライブコマースに向いている業界・ジャンル

ライブコマースを導入するメリットとデメリットを理解できたことで、EC事業拡大のために導入すべきだと考え始めた方も多いのではないでしょうか。

すでにEC事業に力を入れている企業であれば、ライブコマースに挑戦することで、より成果を出すことができるでしょう

実際に、ライブコマース視聴者の視聴経験によると、以下の業界・ジャンルがライブコマースに向いているといえます。

出典:NTTコム リサーチ「『ライブコマース』に関する調査」(2023年2月28日発表)

この結果から、以下のような業界・ジャンルはライブコマースが適していると分かります。

・アパレル業界
・化粧品業界
・家電量販店
・百貨店やショッピングモールなどの総合小売業界 など

ライブコマースのメリットを最大限に生かせるのは、「日々の生活で使用する物品で、かつ使用感などが購入の判断基準になる商品」を取り扱っている業界と言えるでしょう。

この条件に当てはまる業界でEC事業を行っている、もしくはこれからEC事業に参入しようとしている場合、ライブコマースを販売手法の一つとして取り入れない手はありません。

7. 企業が選べるライブコマース形態4つ

EC事業を拡大するためにも、すぐにでもライブコマースを導入したいと考えている方もいるかと思います。

ライブコマースはどの形態で導入するかによって、かかるコストや運用方法も変わってくるので、導入前にしっかりと比較検討しておくべきです。

実際に企業が選べるライブコマースには、主に以下の4つの形態があります。

◆ライブコマースの形態4つ

・SaaS型(埋め込み型)
・ECモール型
・アプリ型
・SNS型

自社にとって、どの形態でライブコマースを導入すべきなのかを決めたうえで、具体的なプラットフォームを決めていきましょう。

ここでは、ライブコマースで主に取り扱われている4つの形態について解説していきます。

7-1. SaaS型(埋め込み型)

SaaS型のライブコマースとは、WebサイトやECサイトのページに、ライブ配信のシステムを一体化させて運用する形態です。

◆SaaSとは

・Software as a Serviceの略称で、サーズやサースとも呼ばれている。
・ライブコマースで考えると、サービス提供事業者がクラウド上で提供しているライブ配信サービスをレンタルして利用するのが一般的である。

SaaS型のライブコマースを採用している企業は、自社のWebサイトやECサイトにライブ配信専用ページを設け、ライブ配信と商品紹介ページを一体化させているケースがほとんどです。

この記事で紹介している、ユニクロやファンケルもSaaS型のライブコマースを導入しています。

SaaS型ライブコマースの主な特徴は、主に以下のとおりです。

メリット ・ライブ配信から商品購入までがスムーズなので視聴者の負担が軽い
・商品購入までがスムーズで、視聴者を離脱させない
デメリット ・自社ブランドやECサイトの知名度がなければ、視聴者が増えない
・集客のためにSNSマーケティングに力を入れる必要がある
費用 初期費用:10万円以上
月額費用:事業者や利用頻度などによって変わる
代表的なプラットフォーム HandsUP
TIG LIVE
Live kit

すでに、自社ECサイトが確立されておりEC事業の実績がある企業で、なおかつライブコマース運用のために人材と予算を確保できる企業に向いています。

7-2. ECモール型

すでに、ECモールでオンライン販売を行っている場合は、ECモール型のライブコマース導入が一つの選択肢となります。

自社サイトやSNSとは異なり、ECモールでライブ配信を行うため、出店しているECモールの知名度や集客力を活用したライブ配信を行うことができるのが大きな特徴です。

ECモール型のライブコマースの、主な特徴を見てみましょう。

メリット ・ECモール自体の集客力があるので、配信への集客で困らない
・知名度の高い配信者が紹介してくれる可能性がある
デメリット ・ECモールへの出店が必須条件になる
・ECモールを利用している視聴者にしかライブ配信を見てもらえない
費用 初期費用:10万円以上
月額費用:事業者や利用頻度などによって変わる
代表的なプラットフォーム 楽天市場ショッピングチャンネル
au PAYマーケット ライブTV

ECサイトにもさまざまな種類がありますが、中でも楽天市場などのようなECモールに出店している場合は、ECモール型のライブコマースが向いています。

ただし、出店しているECモールによって、ライブ配信の仕組みや手数料などが大きく違う可能性があると覚えておきましょう。

7-3. アプリ型

アプリ型のライブコマースとは、ライブ配信に特化したアプリを介してライブコマースを行う形態です。

すでにライブコマース機能が組み込まれているアプリを使用するので、開発等に時間やコストをかけずに導入できます。

アプリ型のライブコマースの特徴は、主に以下のとおりです。

メリット ・スマートフォンにアプリを入れるだけで、手軽に導入できる
・運用費用を大幅に抑えられる
デメリット ・アプリを利用している視聴者にしかライブ配信を見てもらえない
・利用するアプリによって外部サービスへの移動が必要な場合もある
費用 初期費用:無料
月額費用:売上に応じて変動性
代表的なプラットフォーム 17LIVE
SHOWROOM

一般的なライブ配信サービスを提供しているアプリの中には、ライブコマースに特化した配信を行えるものもあります。

ただし、商品購入を目的にアプリを使っている視聴者は決して多いとは言いきれないので、他のサービスと同様に集客力や配信者の力量が必須になってくるでしょう。

まずは、費用をかけずに気軽にライブコマースを導入したい場合は、すぐにインストールできるアプリ型ライブコマースも選択肢の一つです。

7-4. SNS型

すぐに導入できるライブコマースの形態として、アプリ型と並んで挙げられるのがSNS型のライブコマースです。

SNS型のライブコマースでは、無料で利用できるSNSプラットフォームでライブ配信を行い、配信後にECサイトに誘導することで購入を促します

すでにSNSマーケティングに力を入れている場合は、自社のSNSアカウントをさらに有効活用できるでしょう。

SNS型ライブコマースの、主な特徴は以下のとおりです。

メリット ・SNSを使うさまざまなユーザーに見てもらえる可能性が高い
・費用面やソフト面での参入ハードルが低い
デメリット ・購入や決済のために外部サイトへの移動が必須になる
・外部サイトに移動するとライブ配信が途切れてしまう場合が多い
費用 初期費用:無料
月額費用:無料
代表的なプラットフォーム Instagram
YouTube
TikTok

SNSのアカウントさえあれば、誰でもライブ配信はできますが、集客やECサイトまでの導線設計に力を入れなければいけません。

しっかりと事前にSNSマーケティングに力を入れておけば、自社アカウントのフォロワー意外にもライブ配信を見てもらえる可能性もあるでしょう。

すでに一定数のフォロワーがいる自社アカウントを運用している場合は、SNSのライブ配信機能を活用したライブコマースを行い、ECサイトへ誘導するのもライブコマースの一つです。

8. ライブコマースを導入するなら、使いやすいECサイト構築も重要になる

ここまで、ライブコマースの仕組みやメリット・デメリットについて解説してきましたが、ライブコマースの導入だけではなく、使いやすいECサイト構築も重要になってきます。

なぜなら、いかにライブコマースで潜在顧客を集めたとしても、実際に商品購入に至るECサイトが不便だと、購入する前に視聴者が離脱してしまう可能性が高いからです。

たとえば、せっかくライブ配信をみて商品を買いにECサイトを訪れた視聴者が、以下のように感じてしまうとどうなるか考えてみましょう。

このように感じ始めてしまうと、せっかく高めた購入意欲もなくなってしまい「もう買うのをやめよう」と離脱してしまうかもしれないのです。

せっかく購入意欲の高まっていたユーザーも、ECサイト自体が使いにくければ、機会損失になってしまうでしょう。

よりユーザー目線で使いやすいECサイトへ誘導することが、購入率アップにつながるからこそ、使いやすいECサイト構築をするように心がけましょう。

ライブ配信などの提携サービスと連携して
手軽に使いやすいECサイト構築ができる「ebisumart」

今後のEC事業の展開も考えた上で、新たにライブコマースも導入したECサイト構築を考えている場合は、豊富な提携サービスと連携が取れる「ebisumart」でECサイト構築するのがおすすめです

ebisumartでは、以下のように豊富な提携サービスと連携できます。

・動画配信
・SNS運用
・ログイン連携
・CRMツール
・アプリやスマホ表示最適化
・各種決済サービスの標準連携 など

豊富な提携サービスを活用することで、よりユーザーのニーズに応えた使いやすいECサイト構築が可能になるでしょう。

特に本格的にEC事業を展開していきたいと考えている方こそ、拡張性が高いebisumartでECサイト構築することをおすすめします

ebisumartについて詳しく知りたい方は、下記のリンクよりダウンロードできる資料をご覧ください。

9. まとめ

この記事では、EC事業を拡大させるために利用できるライブコマースという販売手法について、解説してきました。

◆ライブコマースとは

アプリやSNS、ECサイト埋め込み型のライブ配信を使って視聴者の購入意欲を高め、ECサイトへ誘導することで購入につなげる販売手法のこと

◆ライブコマース導入のメリット

・写真や文字だけでは伝えられない魅力を訴求できる
・双方向コミュニケーションで信頼感を感じてもらえる
・配信者やブランドのファンになってもらいやすい
・ライブ配信視聴から購入までをスムーズに誘導できる

企業が運用方針や予算などにあわせて、さまざまな方法でライブコマースを導入できます。

ライブコマース自体の国内での市場規模は、成長過程ではありますが、視聴者の2人に1人は購入に至るという高い購入率を誇っているのが特徴です。

これからライブコマースを導入してEC事業を拡大していくのであれば、最適なライブコマースの方法と最適化されたECサイト構築が欠かせません。

ぜひこの記事を参考に、自社のEC事業拡大のためにライブコマースを導入すべきか検討してみてください。


セミナー情報

ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。