「キャンペーンを打っても、会員数は一瞬しか増えない」
「競合他社はどんどん新規会員を獲得しているように見えるが、やり方が分からない」
このような手詰まり感を抱えて、悩んでいるところではないでしょうか。
じつは、会員獲得に成功している企業には優れた戦略が存在します。それを知らずに、間違った方向に労力を注いでしまうと、貴重な予算と時間が無駄になるため、要注意です。
本記事では、さまざまな業種で参考になる成功事例を紹介し、確実に成果を出すための実践戦略を解説します。
◆この記事を読むと得られるメリット
・新規会員獲得で成果を出す実践戦略が理解できる
・失敗する原因と改善策を知り無駄な投資を避けられる
実践的な知見を身につけ、自社の新規会員を獲得するために、お役立てください。
1.新規会員獲得の成功事例9選:業種別の具体的施策と成果
まずは、さまざまな業界で新規会員獲得に成功した企業の具体例を9社紹介します。各社がどのような戦略を実施し、どのような結果を生み出したのか、詳しく見ていきましょう。
② アパレルブランド:ユニクロのデジタル施策で若年層を開拓
③ ペットフード通販:ココグルメの高品質戦略で会員40万頭突破
④ スイーツEC:Cake.jpのコラボ企画と全国展開で会員200万人
⑤ 食品メーカー:森永製菓「エンゼルPLUS」でファンコミュニティを育成
⑥ 化粧品EC:itscocoの徹底した品質保証とサポートで信頼獲得
⑦ コンビニ:セブン-イレブンアプリの会員施策で2600万ユーザー
⑧ 起業支援プラットフォーム:創業手帳の情報提供で登録者急増
⑨ オンライン英会話:ネイティブキャンプの革新的サービスで累計利用者290万人
1-1.家電量販店:ビックカメラグループのポイント会員施策
家電量販店ビックカメラは、グループ全体で大規模な会員基盤を構築し、新規顧客の囲い込みに成功しています。
ビックカメラ・コジマ・ソフマップといったグループ各店舗のポイントカードを共通化し、累計9,100万件を超える会員を獲得しました(2024年8月31日時点、延べ発行枚数)。
◆成功のポイント
・OMO戦略の徹底:店頭とオンラインストアを連携させ、顧客がどの店舗やチャネルでも共通のポイントサービスを利用できる環境を整備しました。購買体験の一貫性が会員メリットを高めています。
・外部プラットフォーム活用:楽天市場に公式ショップ「楽天ビック」を出店し、楽天会員層にもアプローチすることで新規会員獲得チャネルを拡大しました。
・充実した会員特典:ポイント高還元率や長期保証などにより、「登録しないと損」という印象を与える仕組みを作りました。
複数ブランド展開企業では会員プログラムを統合し、顧客メリットを最大化する戦略が有効です。巨大な会員ネットワークを生かしたマーケティングが、実店舗とEC双方での売上増に貢献しています。
参考:ビックカメラ「2024年8月期 決算説明会」
1-2.アパレルブランド:ユニクロのデジタル施策で若年層を開拓
国内外で展開する衣料品ブランドのユニクロは、もともと顧客年齢層が比較的高めでしたが、デジタルマーケティング戦略で若い世代の新規会員獲得を推進しています。
たとえば、2023年11月には「UNIQLO DOWN SNAP」プロジェクトを開始し、街ゆく人に予告なくユニクロのダウンジャケットを着用してもらい、その様子を撮影したストリートスナップ風の動画をSNSや特設サイトで公開しています。
◆成功のポイント
・クリエイターとのコラボレーション:人気ストリートスナップカメラマン3名とのコラボにより、「実際に着てみないと分からない魅力」を等身大の若者の姿で発信しました。
・SNS拡散戦略:InstagramやTikTokで話題となり、従来より若い世代の顧客層がユニクロに関心を持つきっかけを創出しました。
・企画力による訴求:単なる値引き訴求ではなく「おもしろそうだから参加したい」と思わせる企画力が、新規会員を呼び込む原動力となりました。
このようなプロジェクトが、ユニクロ公式アプリやオンラインストアにおける新規会員登録のきっかけとなっています。オンライン発のキャンペーンがリアルの購買意欲を喚起し、若年層の会員登録増加に結びついた好例です。
1-3.ペットフード通販:ココグルメの高品質戦略で会員40万頭突破
愛犬・愛猫向けの手作りフレッシュフード定期購入サービス「CoCo Gourmet(ココグルメ)」「Miao Gourmet(ミャオグルメ)」を展開する株式会社バイオフィリアは、ペットの健康志向ニーズに応えた高品質の商品戦略で急成長しました。
冷凍で届けるフレッシュフードが口コミで評判を呼び、2019年のサービス開始から支持を拡大しています。
◆成功のポイント
・明確な強みの打ち出し:「人間と同等の品質基準」の素材で作られた商品への信頼と、獣医師監修の栄養設計が、ターゲット層(愛犬家・愛猫家)の心を強くつかみました。
・サブスクモデルの継続メリット:初回購入での割引提供や継続利用での特典など、定期購入ならではのメリットを訴求し、会員数拡大につなげています。
・タイミングを活かした市場参入:注目カテゴリ「フレッシュペットフード」で競合に先駆けて市場シェアを獲得し、口コミ効果が加速しました。
・顧客の声を反映:飼い主との積極的なコミュニケーションで寄せられた声を商品改良に反映し、ロイヤルカスタマー化を推進しています。
2025年10月には累計登録犬猫数40万頭を突破し、市場トップシェアを獲得しました。とくに2024年末発売の愛猫向けピューレおやつ「にゃっち」がヒットし、猫の会員数が発売後10カ月で216%成長という飛躍的な増加を見せています。
「磨き上げられた強い商品」こそが強力な会員獲得エンジンとなる、お手本のような事例です。
参考:
・ココグルメ「【獣医師監修】手づくりフレッシュドッグフード」
・バイオフィリア「ココグルメ・ミャオグルメの会員犬猫数が40万頭を突破!愛猫向け無添加ピューレ「にゃっち」好調で猫会員は216%増。」
1-4.スイーツEC:Cake.jpのコラボ企画と全国展開で会員200万人
誕生日ケーキやスイーツの専門通販サイト「Cake.jp」を運営する株式会社Cake.jpは、スイーツ好きが集まるプラットフォームを作り上げ、圧倒的な会員規模を誇っています。
2017年のサービス開始以来、人気アニメ・アーティストとのコラボケーキや、有名クリエイター監修スイーツなど話題性のある商品を次々に投入しました。
◆成功のポイント
・圧倒的な品ぞろえ:全国各地の洋菓子店やパティシエと提携し、サイト上に8,000種類以上の豊富なラインナップを揃えた点が強みです。
・利便性の追求:ネットで注文したケーキを最短翌日で届けるサービスが、顧客の利便性を大きく高めています。
・トレンド感の訴求:アニメ作品との公式コラボケーキなどファン心理を捉えた限定商品を展開し、SNSなどで大きな話題を生み、新規会員登録へと誘導しました。
・オムニチャネル戦略:ポップアップショップの開催やお土産ブランドの立ち上げ、百貨店への催事出店などEC外での露出も強化し、ブランド認知を広げています。
2024年8月に会員数200万人を突破し、日本最大級のケーキ・スイーツECサイトへと成長しました。「ここに登録すれば最新の人気スイーツ情報にアクセスできる」というポジションを確立し、大規模な会員獲得に成功しています。
明確でユニークなポジションの確立が新規会員獲得の主軸となることを、あらためて教えられる事例です。
参考:Cake.jp「Cake.jp、会員数200万人突破のお知らせ」
1-5.食品メーカー:森永製菓「エンゼルPLUS」でファンコミュニティを育成
老舗菓子メーカーの森永製菓は、自社製品のファンを囲い込むオンラインコミュニティ「エンゼルPLUS」を2013年に開設し、10年で会員数75万人まで拡大しています。
ファンコミュニティは、新規会員が口コミで自然に増える好循環を生み出す、近年注目の手法です。企業主導の一方的な情報発信ではなく、顧客参加型の仕組みがブランドへの愛着を深める効果があります。
◆成功のポイント
・双方向コミュニケーションの実現:サイト上で投票やアンケートを実施し、その結果を商品開発に反映させる仕組みを構築しました。顧客の声が商品に活かされる実感が、参加意欲を高めています。
・高いエンゲージメント維持:運営パートナー企業の支援のもと、開設10年で会員数75万人(2023年10月時点)に到達し、さらに2024年12月時点では約87万人まで会員数を伸ばし続けています。投稿募集には多くの回答が集まる熱量を維持しています。
・ファン同士の交流活性化:会員同士が語り合える場を提供し、企業からの特別な働きかけ(限定コンテンツ提供)により「参加したい」という動機を継続的に生み出しています。
マスコットキャラクター「エンゼル」を冠したこのファンサイトは、菓子愛好家が集う掲示板・写真投稿ギャラリー・会員限定キャンペーンを通じて熱心なファン層を形成しています。これが、新たな会員獲得を引き出しています。
参考:
・森永製菓「“お菓子”について語り合えるコミュニティサイト『エンゼルPLUS』オープン!」
・DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー「森永製菓のコミュニティサイト『エンゼルPLUS』が10年で会員数75万人まで拡大できた理由」
・ファンベースカンパニー「森永製菓『エンゼルPLUS』松野員人さん」
1-6.化粧品EC:itscocoの徹底した品質保証とサポートで信頼獲得
美容・健康関連商品の通販サイト「美と健康のマルシェ itscoco(イツココ)」は、2021年8月にサービスを開始した比較的新しいECサイトながら、着実に会員数を伸ばしています。
「本当に良いものだけを厳選して提供する」というコンセプトのもと、扱う商品は厳格な品質基準をクリアしたものに限定しました。
◆成功のポイント
・差別化されたブランドイメージ:競争が激しいコスメ・健康食品のEC市場において「信頼できる商品だけを扱う」というイメージを構築しました。
・手厚いサポート体制:商品知識に長けたカスタマーサポートスタッフが常駐し、利用者からの相談に丁寧に対応する体制を整備しました。
・明確な会員特典:ポイント還元システムなど、分かりやすい特典を用意して登録促進につなげています。
サービス開始から約2年後の2023年8月に会員登録数1万人を突破し、前年売上比2.3倍という事業成長を達成しました。
ユーザー目線での品ぞろえと手厚いアフターサポートが評価され、「ここで買えば安心」という顧客の信頼獲得につながり、既存顧客からの紹介や口コミで新規会員が増える好循環を生んでいます。
レッドオーシャンに見える市場に挑戦する後発組でも、顧客の利益を考えた地に足のついた戦略により成長を遂げている事例です。
参考:
・日本ネット経済新聞「化粧品EC『itscoco』、定期購入者が毎年30%ずつ増加 VIP顧客と直接接点で成長」
・GWF「【会員登録数1万人を突破】美容と健康に特化した通販サイト『美と健康のマルシェitscoco(イツココ)』の会員数が1万人を突破いたしました。」
1-7.コンビニ:セブン-イレブンアプリの会員施策で2600万ユーザー
小売業界では、従来ポイントカード中心だった顧客囲い込み施策が、スマートフォンアプリの普及によって大きく変化しました。
セブン-イレブンは2018年に公式アプリ「セブン-イレブンアプリ」をリリースし、クーポン配布やスタンプ機能などを通じて会員登録を促進しています。
◆成功のポイント
・グループ横断連携:「7iD」と呼ばれるグループ共通IDで、百貨店のそごう・西武やスーパーのイトーヨーカドーなど他業態とも連携し、グループ横断で共通の電子マネー「nanacoポイント」が貯まる仕組みを整えました。
・継続的なキャンペーン:「新規登録すると抽選で人気商品が当たる」企画や、購入金額に応じてランクアップしてクーポンがもらえるプログラムなどを展開し、常に新しいユーザーを取り込む工夫を凝らしています。
・スマホで注文・店舗から配達するサービス:店舗の商品をスマホで注文し、最短20分で自宅などへ配達するサービス(7NOW)をスタートし、ますます利便性を高めています。
累計会員数は2025年3月末時点で2,600万人を突破しました。新規ダウンロードから会員登録への移行率が高まり、大量のユーザーデータをマーケティングに活かせるようになっています。
会員獲得が伸び悩んでおり、まだスマホアプリに着手していない企業は、ぜひアプリ施策の開拓を検討したいところです。
参考:
・セブン‐イレブン・ジャパン「累計会員数2,600万人突破!!セブン-イレブンアプリのお得なキャンペーン開始」
・セブン&アイ・ホールディングス「セブン&アイグループの共通会員 『7iD』会員数が3,000万人を突破!」
・7NOW「『7NOW(セブンナウ)』について」
1-8.起業支援プラットフォーム:創業手帳の情報提供で登録者急増
中小企業やスタートアップ向けに創業・経営ノウハウを提供するサービス「創業手帳」(創業手帳株式会社運営)は、昨今の起業ブームを追い風に新規会員を大幅に増やしました。
無料で起業ハウツー冊子を配布するなど独自のサービス展開を行い、オンラインでも補助金情報や経営知識を発信して起業家コミュニティを形成しています。
◆成功のポイント
・トレンドを捉えたコンテンツ:日本政府によるスタートアップ支援策の強化や生成AIブームによる新ビジネス機会の増大を背景に、「生成AI活用」「補助金最新情報」などのホットな話題を積極的に取り上げ、新規登録の動機づけを高めました。
・幅広い情報提供:会社設立手続きから資金調達、人材採用まで網羅した情報の幅広さが評価されています。
・コミュニティ施策の実施:セミナーやピッチイベントといったオンラインコミュニティ施策を展開し、会員同士の交流を促進しました。
2024年に入り、サイトへの新規登録者が急増し、2024年5月単月の新規Web会員登録数が過去最高の6,220人に達しました。無料ながら充実した支援コンテンツを惜しみなく提供し、「登録しない手はない」という印象を与え、口コミでの会員拡大につなげています。
ユーザーにとって価値あるコンテンツづくりを実直に続けることで会員獲得を拡大させている好例です。
参考:創業手帳「創業手帳の新規会員登録が過去最高を更新。スタートアップブームが後押し」
1-9.オンライン英会話:ネイティブキャンプの革新的サービスで累計利用者290万人
オンライン英会話サービス「ネイティブキャンプ」は、“レッスン回数無制限・予約不要” というサブスクリプションモデルを打ち出し、短期間で市場トップクラスの会員数を獲得しました。
月額定額で24時間365日好きなときにレッスン受講し放題という手軽さが支持され、2025年2月時点で累計ユーザー数が290万人以上に達しています。
◆成功のポイント
・差別化されたサービスモデル:「定額で受け放題」という従来にない仕組みで英語学習者のハードルを下げ、大量の無料体験ユーザーを獲得しました。
・充実した学習環境:良質な講師陣と教材ラインナップをそろえ、体験者を有料会員に高い割合で転換しています。講師数・教材数の充実度や手頃な価格帯など7項目でNo.1との評価を得ました。
・多様なプラン提供:法人向け研修プランや家族で使える割安プランを用意し、顧客層の裾野を広げています。
初月無料キャンペーンや友達紹介特典などを展開しつつ、SNS広告やYouTubeなどデジタルマーケティングに注力しました。サービスの強みを前面に押し出しつつ、時機を逃さずプロモーションを打つことで短期間に会員数を伸ばしています。
参考:ネイティブキャンプ「【会員数No.1】ネイティブキャンプ 営業担当者必見の実用英会話ロールプレイ教材!『職種別英会話 実践』『営業』編をリリース」
2.新規会員獲得で成果を出すための4つの実践戦略
続いて、成功事例に共通する勝ちパターンを踏まえ、会員獲得を成功に導くために不可欠な4つの戦略を、具体的に解説していきます。
② 自社独自の強みを発見し訴求する
③ 魅力的な入会特典を設計する
④ 効果的な広告チャネルに投資する
2-1.ターゲットを明確に絞り込む
新規会員獲得を成功させるには、ターゲットの絞り込みが必須です。誰に会員になってほしいのかを具体的に定めなければ、どれほど費用をかけても成果は上がりません。
なぜなら、ターゲットが不明瞭なまま施策を進めると、効果的な媒体選定もメッセージ作成もできないからです。逆にターゲットを明確にすれば、どのチャネルでどういった訴求を使えば響くかが、見えてきます。
たとえばファミリー層向けECなら「30代郊外在住で共働きの子育て中夫婦」と具体化し、その層のニーズを洗い出します。既存顧客の購買データやアンケート結果を分析し、有望なターゲット像を掘り下げてください。
ターゲットを絞り込むと、マーケティング施策の精度が高まり、限られた予算でも効率的に新規会員を獲得できるようになります。「この人が登録したくなるためには何が必要か?」と逆算すれば、提供すべき特典や選ぶべき広告媒体が明確になるでしょう。
2-2.自社独自の強みを発見し訴求する
市場には競合するサービスがあふれており、「選ばれる理由」がなければ、新規顧客に振り向いてもらえません。自社の独自の強みを明確に打ち出し、それを会員登録のメリットと結びつけて訴求する必要があります。
強みとは品ぞろえの豊富さ、価格の安さ、品質の高さ、サービスの利便性やコミュニティ性などさまざまですが、自社の強みは社内では当たり前になって見落としがちです。
そこで、顧客アンケートやSNS上の声に耳を傾け、「お客様が評価している点」を探ってみましょう。あるいは、競合他社のサービス内容を分析して比較表を作れば、自社の際立つ部分が見えてきます。
強みが見つかったら、ランディングページや広告コピー、店頭POPなどあらゆる接点で一貫して訴求します。「このサービスに登録すれば、あなたの悩みが解決しますよ」というメッセージを届けることが、新規会員獲得につながります。
2-3.魅力的な入会特典を設計する
新規会員登録者向けの入会特典を用意し、登録への心理的ハードルを下げる施策は、非常に重要です。というのは、ユーザーが「会員登録してもいいかな」と考える大きな動機のひとつが入会特典だからです。
特典設計の際は、自社のターゲットに響くものを選ぶ必要があります。たとえば、価格に敏感な層には値引き系特典、ブランド志向には限定ノベルティ、利用頻度が高い層にはポイントがおすすめです。
特典内容は、登録ページや広告で一目で分かるよう強調しましょう。「今なら新規登録でクーポン進呈」といった施策は即効性が高く、多くのECで採用されています。
2-4.効果的な広告チャネルに投資する
新規会員を増やすには、まず潜在顧客との出会いを作らなければ始まりません。自社サービスの存在を知ってもらうためには、広告への適切な投資も不可欠です。
オンライン広告は短期間で広範な潜在顧客にリーチできるため、効果的な手段です。たとえば、Google検索などで自社サービスに関連するキーワードを検索した人に広告を表示するリスティング広告は、関心度の高い層を効率よく集客できます。
FacebookやInstagram、XといったSNS広告では、年齢・興味関心など細かなターゲティング設定が可能です。ブログ記事や資料の無料提供など、コンテンツマーケティングによる集客も効果があります。ターゲットによってはテレビCMやラジオ、屋外看板、チラシといった従来型の広告も有効です。
広告チャネルはやみくもに手を広げるのではなく、PDCAサイクルで効果検証しながら最適解を探ることが鍵です。たとえば、SNS広告を複数走らせてみて、CPA(顧客1人を獲得するのにかかる費用)の良い媒体に予算を集中するといった意思決定が求められます。
広告については「ECサイトの基本的な7つのWEB広告と優先順位の解説」の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
3.新規会員獲得に失敗する4つの根本原因と改善策
一方、良いと思う施策を打っても、なかなか会員が増えないケースも少なくありません。多くの企業が見落としがちな4つの根本原因と、その改善策を見ていきましょう。
② 会員登録のメリットが伝わっていない⇒ベネフィット訴求を改善する
③ セキュリティへの不安が登録を妨げている⇒信頼獲得のための対策をする
④ 登録後のフォローアップが機能していない⇒離脱防止と活性化施策を行う
3-1.ECサイトの使い勝手が悪い⇒リプレースで獲得力を倍増させる
新規会員を増やすには、自社サイトやアプリのユーザビリティが非常に重要です。もしサイトの構造が分かりにくかったり、会員登録フローが煩雑だったりすると、せっかく興味を持ったユーザーも途中で離脱してしまいます。
しかし、レガシーなシステムでは小手先の改修だけでは限界があります。基盤となるECプラットフォームが古ければ、どれだけUI改善に予算を投じても根本的な解決にはつながりません。
そこでおすすめしたいのが、クラウドECへのリプレースです。
常に最新バージョンへのアップデートが行われるクラウドECなら、いつでも使い勝手のよい快適な体験をユーザーに届けられます。
詳しくは、以下の資料にてご確認いただけます。
3-2.会員登録のメリットが伝わっていない⇒ベネフィット訴求を改善する
「会員登録してください」と促してもユーザーが動かない場合、登録することのメリットが十分に理解されていない可能性があります。ユーザーが知りたいのは、「登録すると自分にどんないいことがあるの?」という点です。
◆ベネフィット訴求の改善策
・具体的な特典を明示する:サイトやランディングページ上で「会員限定特典」を箇条書きやアイコン付きで目立つ位置に掲載します。「5%OFFクーポン毎月配布」「購入額に応じたポイント還元」「新商品を一般より早く買える先行販売」など、ユーザー視点で魅力的な特典を端的に示します。
・ユーザーの言葉に翻訳する:そのメリットがユーザーの生活やニーズをどう満たすかを伝えます。「送料がいつでも無料になるからおトク」「限定セール情報を見逃しません」など、メリットをユーザー視点の言葉に翻訳するイメージです。
自社の会員特典や差別化ポイントを洗い出し、それが顧客にとってどう役立つかを整理してみてください。ユーザーに「自分にもメリットがある」と腹落ちさせることができれば、自然と会員登録ボタンを押してくれるでしょう。
3-3.セキュリティへの不安が登録を妨げている⇒信頼獲得のための対策をする
ユーザーが会員登録を避ける理由として見逃せないのが、個人情報提供に対する不安やプライバシー面の懸念です。「登録すると迷惑メールが大量に来るのでは」「個人情報が流出しないか心配」などの心理的抵抗が、新規登録の大きなハードルになることがあります。
◆信頼を高める対策
・プライバシーポリシーを明示する:会員登録ページの近くに「当社はお客様の個人情報を適切に管理し、あらかじめお客様の同意を得ることなく第三者に提供することはありません」といった断り書きを記載し、詳細なプライバシーポリシーページへのリンクを張ります。「SSL暗号化通信により安全に送信されます」の文言や鍵マークのアイコンを表示して、セキュリティ対策をアピールします。
・メール配信の透明性を確保する:「お知らせメールの配信頻度は月1回程度です」「不要な場合はワンクリックで配信停止できます」と明記すれば、「登録したら迷惑メール攻撃に遭うのでは」という誤解を解くことができます。実際に配信停止リンクはすべてのメールに入れ、ユーザーが自主的にコントロールできる状態にしておくことも信頼につながります。
・第三者認証や実績で信頼を示す:プライバシーマークや情報セキュリティのISO認証などを取得していれば、積極的に示しましょう。こうした客観的な認証は大きな安心材料になります。
安心して登録してもらえる環境を整え、「このサイトなら大丈夫」と思ってもらえれば、新規会員獲得数は確実に底上げされるはずです。
また、先ほど述べたECシステムのリプレースも、セキュリティ強化のために非常に重要となります。セキュリティ対策を万全にしておくことは、不安払拭の土台です。
3-4.登録後のフォローアップが機能していない⇒離脱防止と活性化施策を行う
新規会員を獲得しても、その後で何のフォローもしなければ多くは幽霊会員化してしまい、場合によっては退会してしまいます。
よくある失敗は、登録直後にウェルカムメールを送るだけであとは放置、あるいは定期配信メールがあっても内容が画一的で興味を引かないなどです。
◆エンゲージメント強化策
・サンクスメールの充実:登録後すぐに送るサンクスメールでは、過度なセールスよりも「ようこそ」の気持ちを伝え、併せて会員特典の再案内をします(「今後毎週クーポンをお送りしますのでお楽しみに」など)。
・行動に応じたフォロー:ユーザーの行動に応じたフォローを行います。初回購入がまだなら登録数日後に「初回購入で使える割引クーポン」を送付します。一定期間利用がなければ、「今なら特典あり」のようなリマインドメールを送ります。
・パーソナライズ提案:ユーザーの興味に合わせてパーソナライズした商品紹介やコンテンツ提案も有効です。閲覧履歴やアンケート回答を活用し、「あなたにおすすめの記事・商品」を提示すれば関心を喚起できます。
・継続利用の仕組み:ポイント制度やランク制度を設けて継続利用のインセンティブを与えることも大切です。購入ごとにポイントが貯まる、一定回利用でボーナスがもらえるなどの仕組みは、会員をアクティブに保つ効果があります。
顧客との関係を「短期で終わらせない」ために、コミュニケーションプランを継続的に設計することが重要です。「1回買って終わり」ではなく「何度も利用してもらう存在」へと関係性を育むことを意識しましょう。会員のロイヤルティが高まれば口コミで新規顧客も増えるという好循環が生まれます。
4.まとめ
本記事では「新規会員獲得の成功事例」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
新規会員獲得の成功事例として、以下をご紹介しました。
② アパレルブランド:ユニクロのデジタル施策で若年層を開拓
③ ペットフード通販:ココグルメの高品質戦略で会員40万頭突破
④ スイーツEC:Cake. jpのコラボ企画と全国展開で会員200万人
⑤ 食品メーカー:森永製菓「エンゼルPLUS」でファンコミュニティを育成
⑥ 化粧品EC:itscocoの徹底した品質保証とサポートで信頼獲得
⑦ コンビニ:セブン‐イレブンアプリの会員施策で2600万ユーザー
⑧ 起業支援プラットフォーム:創業手帳の情報提供で登録者急増
⑨ オンライン英会話:ネイティブキャンプの革新的サービスで累計利用者290万人
新規会員獲得で成果を出すための4つの実践戦略を解説しました。
② 自社独自の強みを発見し訴求する
③ 魅力的な入会特典を設計する
④ 効果的な広告チャネルに投資する
新規会員獲得に失敗する4つの根本原因と改善策は以下のとおりです。
② 会員登録のメリットが伝わっていない⇒ベネフィット訴求を改善する
③ セキュリティへの不安が登録を妨げている⇒信頼獲得のための対策をする
④ 登録後のフォローアップが機能していない⇒離脱防止と活性化施策を行う
新規会員獲得を成功させるには、各社の成功事例に学びつつ、自社の状況に合わせた施策を戦略的に組み立てることが大切です。そして、一度得たご縁を短期で終わらせず、ファンへと育てていきましょう。その評判が新たな会員を呼び込むという循環が生まれていきます。























