ECサイト「売れる商品画像」の作り方:撮影から加工までよく分かる


「ECサイトの商品画像は、どのように準備すればいい?」
「商品画像を工夫して、もっと売上を伸ばしたい」

ECサイトの運営者なら、このように考える方が多いのではないでしょうか。近年、ECサイトの競争が激化するなかで、商品画像の重要性はますます高まっています。

優れた商品画像は、顧客の購買意欲を刺激し、売上アップに直結します。一方、商品画像の失敗が売上低迷の原因になっていることも、少なくありません。

この記事では、売れる商品画像を作成するための撮影から加工までのテクニックを解説します。

最後までお読みいただくと、プロ級の商品画像を自力で作成できるようになります。魅力的な商品画像を武器に、ECサイトの売上アップを実現しましょう。

1. 売れる商品画像を作るために必要な予備知識

売れる商品画像を作成するには、まずは基本的な知識を身につける必要があります。商品画像が購買意欲に与える影響や、ECサイトにおける商品画像の役割を正しく理解しておきましょう。

① 商品画像が購買意欲に与える影響とは?
② ECサイトにおける商品画像の役割を明確にする
③ 売れる商品画像と売れない商品画像の違い

1-1. 商品画像が購買意欲に与える影響とは?

商品画像は、ECサイトにおいて購買意欲に大きな影響を与えます。

◆商品画像が購買意欲に与える影響

視覚的訴求力:商品画像はユーザーにとって最も印象に残りやすいコンテンツです。言葉よりも視覚情報の方が記憶に残りやすい傾向にあり、魅力的な商品画像は購買意欲を大きく喚起します。

信頼性の担保:鮮明で美しい商品画像は、商品の状態や品質の良さをアピールできます。信頼できる良質な商品という印象が購入への不安を取り除き、購買意欲を後押しする効果が期待できます。

差別化要因:他社の類似商品と比較して、自社商品の魅力を印象付けられる商品画像は、競合他社との差別化要因となります。購入検討中の顧客の目を引き、自社商品を選んでもらえる可能性が高まります。

つまり、商品画像は単なる商品の見た目以上に、購買心理に直接働きかける重要な要素なのです。

1-2. ECサイトにおける商品画像の役割を明確にする

ECサイトでは、商品画像が果たすべき役割を明確に意識することが大切です。

◆ECサイトで商品画像に求められる役割

商品理解の促進:実物を手に取れないEC販売では、画像が商品理解の手がかりになります。素材感や細部のディテール、サイズ感など、言葉だけでは伝えきれない情報を、画像を通じて丁寧に伝える必要があります。

使用イメージの想起:商品の使用シーンを想起させる画像は、購入後の生活をイメージさせ、「欲しい!」という気持ちが湧き上がるきっかけとなります。購入後の満足感を予感できると、購買意欲が向上します。

ブランド価値の向上:洗練された高品質な商品画像は、ブランドの価値や信頼性を高めることにも貢献します。ブランドコンセプトに合致した世界観のある画像は、ブランドイメージの形成を助けます。

ECサイトでは、商品画像を情報伝達とブランディングの両面から捉え、戦略的に活用していくことが大切です。

1-3. 売れる商品画像と売れない商品画像の違い

売れる商品画像と売れない商品画像には、明確な違いがあります。

◆売れる商品画像の特徴

高品質な撮影:適切な照明や背景、シャープなピント合わせなど、撮影のクオリティが高く、商品が魅力的に見えます。プロ並みの仕上がりで、信頼感と高級感を演出しています。

商品の魅力を引き出す構図:商品の特徴や魅力を最大限に引き出すアングル(撮影角度)やフレーミング(画面構成)で撮影されています。ディテールにこだわり、商品の価値を高める見せ方をしています。

サイズ感や素材感の伝達:商品のサイズ感が分かりやすいように、身近なものと並べて撮影したり、スケール表記を入れたりしています。質感や素材感も、手に取って見ているかのようにリアルに表現しています。

ストーリー性のある演出:商品の使用イメージを想起させる小物や背景を取り入れ、購入後の満足感や楽しさを予感させる演出をしています。商品としての魅力だけでなく、ライフスタイル提案も行っています。

一方、売れない商品画像には以下のような特徴があります。

◆売れない商品画像の特徴

アマチュアっぽい撮影:暗かったりブレていたり、ピントが甘かったりと、撮影技術の稚拙さが目立ちます。商品の魅力を十分に引き出せていません。

魅力が伝わりづらい見せ方:商品の特徴が分かりにくい角度や極端なクローズアップで撮影されていたり、重要なポイントが写っていなかったりします。商品理解を助ける情報量が不足しています。

サイズ感や素材感の曖昧さ:商品の大きさや素材の質感がつかみづらく、実物をイメージしにくい画像になっています。手に取るまでの不安を払拭できません。

単調な画像構成:商品だけを無機質に写した画像や白背景の正面カットのみなど、ワンパターンで魅力に欠ける画像になっています。購買意欲を刺激する訴求力に乏しい印象を与えます。

このように、売れる商品画像と売れない商品画像の違いを意識することが、商品画像の質を高めるための第一歩です。

2. ECサイトの商品画像の撮影で押さえたいテクニック

さて、ここからは実践的な解説を進めていきましょう。まずは、商品の特徴を的確に捉え、購買意欲をかき立てるような撮影方法を身につけましょう。以下のポイントを解説します。

① 商品の特徴を際立たせるライティングを工夫する
② 購買意欲を高める構図とアングルを選ぶ
③ 商品の質感や色味を正確に表現する
④ 利用シーンを想起させる小物や背景を活用する

※撮影に使用するカメラは、ハイスペックな一眼レフを扱うスキルがある場合、それが理想です。一方、そうしたスキルがない場合には、扱いやすいスマートフォンで撮影したほうが良い結果が得られるケースもあります。ご自身のスキルレベルと使い慣れた機材を見極め、ベストな選択をすることが大切です。

本記事では、スマートフォンでの撮影であっても応用可能なテクニックを中心にご紹介します。

2-1. 商品の特徴を際立たせるライティングを工夫する

1つ目のポイントは「商品の特徴を際立たせるライティングを工夫する」です。

ライティング(照明)は、商品の魅力を引き出す重要な要素です。ライティングを意識するだけでも、撮影写真の素人っぽさを大きく軽減できますので、ぜひ取り組んでみましょう。

◆商品撮影に効果的な照明テクニック

ソフトライトで自然な質感を演出:露出過多で素材感がつぶれてしまわないよう、柔らかい光を用いるのがコツです。白い布や紙を使ったレフ板で光を反射させ、ソフトな印象に仕上げましょう。

サイドライトで陰影をつけ立体感を出す:真上ではなくサイドから光を当てると、商品に立体感のある陰影をつけられます。光の角度を調整し、商品の凹凸や質感を際立たせるライティングを心掛けましょう。

多灯ライティングで複雑な形状を表現する:複雑な形状の商品の隅々まで描写したいときには、2〜3灯のライトを使って、多方位から光を当てます。均一に光が回り込むよう、ライトの配置バランスを調整するのがポイントです。

逆光で透明感や色合いを表現する:ガラスや液体などの透明な素材は、逆光で撮影すると美しく表現できます。光の透過によって、繊細な質感や色合いを際立たせる効果が期待できます。

レフ板やライトは、オフィスや自宅にある紙やパネル、照明でも代用できますが、簡易的な撮影キットを購入しておくと使い勝手が良いでしょう。

数千円〜数万円程度で入手できますので、「撮影キット 商品画像」などのキーワードで検索してみてください。

2-2. 購買意欲を高める構図とアングルを選ぶ

2つ目のポイントは「購買意欲を高める構図とアングルを選ぶ」です。

カメラアングルと構図の設定は、商品画像の印象を大きく左右します。

商品の特徴を生かしつつ、購買意欲につながる画角と構図を選択することが重要です。商品の形状やサイズ、使用シーンに合わせて、ベストな角度とレイアウトを吟味しましょう。

◆効果的な構図・アングル選びのコツ

俯瞰アングルで全体像を把握できるようにする:カメラを上から商品に向けると、商品の形状やサイズを分かりやすく伝えられます。真上からの真俯瞰が基本ですが、少し斜めから撮ると、より自然な見え方になります。

アイレベルのアングルで使用感を訴求する:カメラを商品と同じ高さに設定し、あたかも手に取って使用しているかのようなアングルで撮影します。顧客視点での使用感や質感を感じさせ、購買意欲を刺激する効果があります。

クローズアップ構図で素材感を強調する:商品にぐっと近づいた至近距離での撮影は、細部のディテール表現に最適です。質感や素材の特徴をリアルに伝えることができ、ハイクオリティな印象を与えます。

アングルのパターンは無数にありますが、まずは上記の3つ(俯瞰・アイレベル・クローズアップ)を1つの商品に対して撮影することをおすすめします。

ECサイトにおける「正面切り抜き画像」「イメージ画像」に使いやすいアングルです。

2-3. 商品の質感や色味を正確に表現する

3つ目のポイントは「商品の質感や色味を正確に表現する」です。

オンラインショッピングでは、商品の手触りや質感を直接確かめることができません。だからこそ、画像を通してリアルな質感や色味を正確に伝えることが重要です。

質感表現と色再現の精度を高め、手に取って吟味しているかのような臨場感を演出しましょう。

◆質感・色味を正確に表現するテクニック

ホワイトバランスを適切に調整する:カメラ側でホワイトバランス(さまざまな光源が持つ色温度の違いを補正し、白を白く写すための機能)を設定し、色味を確認します。照明環境による色かぶり(特定の色味に偏ること)を防ぎ、忠実な色再現を実現しましょう。

偏光フィルターで映り込みを除去する:光の反射が邪魔で商品の色合いや模様が見えづらい場合は、反射を抑える偏光フィルターを使用します。ガラスやプラスチックなどの映り込みをカットできるので、グッと見栄えが良くなります。

RAW現像でディテールを忠実に再現する:専門知識は必要ですが、画像処理の自由度が高いRAW形式の画像データを使用すると、より幅広い階調表現が可能です。ハイライトや影部のつぶれを防ぎ、質感の細部までリアルに再現できます。

なお、「どこまで忠実に質感や色を再現するか?」は、扱う商材や価格帯によって、判断が大きく異なる部分です。

繊細な質感や色が商品価値と強くひも付いている商材(例:メイクアップ化粧品、アクセサリー、画材など)の場合は、プロのフォトグラファーに依頼したほうが効果的かつ効率的なケースも多いでしょう。

自前で忠実な再現を追求しようとすると、機材やスタジオ環境への投資が必要となるからです。

2-4. 利用シーンを想起させる小物や背景を活用する

4つ目のポイントは「利用シーンを想起させる小物や背景を活用する」です。

商品の魅力は、実際の利用シーンと結び付いていると、より具体的にイメージできるようになります。

商品と関連する小物を配置したり、使用感を想起させる背景を用いたりして、ビジュアルストーリーを創出しましょう。

「この商品を使ったらこんな生活が送れる」といった具体的な価値を訴求することが重要です。

◆利用シーンを演出する撮影アイデア

商品と相性の良い小物をレイアウトする:商品と同じシーンで使われるような、関連性の高い小物を一緒に撮影します。自然な組み合わせを考え、統一感のあるコーディネートを心掛けましょう。

モデルを起用し使用感を表現する:モデルに商品を実際に使ってもらい、表情やしぐさから使用感を伝えます。明るい笑顔やリラックスした雰囲気の演出で、商品の良さを体感的に訴求できます。

ストーリー性のある背景を設定する:商品の利用イメージを膨らませるような、物語性のある背景を選びます。日常のワンシーンを切り取ったようなビジュアルで、使用感を想像しやすくします。

部分的なボケを活用し、メリハリをつける:商品を際立たせつつ背景をほどよくボカすと、手前から奥にかけてピントが合う範囲の変化(被写界深度)を表現できます。背景のボケ具合を調整し、商品を主役に印象的なビジュアルに仕上げましょう。

シリーズで統一感のある物語を展開する:複数の商品を同じコンセプトのもとに撮影し、ストーリーのあるビジュアルを連続的に提示します。シリーズ化は、ブランドイメージの浸透と世界観の共有に効果的なテクニックです。

多角的な利用シーン表現によって、ECサイトから得られる体験価値をアピールできます。ユーザーが思わず「欲しい!」と感じるような、魅力的な演出を目指しましょう。

3. ECサイトの商品画像の質を高める編集加工

撮影した画像をそのまま使用するだけでは、商品の魅力を最大限には訴求できません。画像編集ソフトを活用し、より競争力の高い商品画像へと磨き上げましょう。

① 明るさやコントラストを調整して見栄えを向上させる
② 汚れの除去や色補正で商品の美しさを引き出す
③ 切り抜きや背景の透過で商品を際立たせる

※画像編集ソフトは、プロユースの「Adobe Photoshop」があれば理想的ですが、ない場合には、無料で使える「Photoshop Express」や「Canva」などでも、基本的な編集は可能です。

以下の解説は、お手持ちの画像編集ソフトの機能に読み替えてご確認ください。

3-1. 明るさやコントラストを調整して見栄えを向上させる

1つ目のポイントは「明るさやコントラストを調整して見栄えを向上させる」です。

撮影した画像は、明るさやコントラストを調整すると、よりインパクトのある表現に仕上げられます。画像編集ソフトを使って光量やメリハリを適切にコントロールし、商品の存在感を高めましょう。

表現したいイメージに合わせて明暗差を調整することが、魅力的な画像作りのポイントになります。

◆明るさとコントラストの最適化テクニック

明るさ調整:画像全体の明るさを調整します。暗すぎる画像は明るく、明るすぎる画像は暗くすると、見やすくなり、商品の細部までしっかりと表現できます。

コントラスト調整:明暗の差を調整します。コントラストを強くすると、メリハリのある力強い印象になります。弱くすると、柔らかく優しい印象になります。

シャドウ調整:レベル補正やトーンカーブを使って、影の濃さをコントロールします。シャドウを明るくすると、暗い部分が細部まで見えて、立体感が増します。

ハイライト調整:画像の明るい部分を調整します。ハイライトを抑えると、白飛びを防ぎ、自然な明るさに調整できます。

商品の特性や狙いに応じて、明るさとコントラストの設定を使い分け、より訴求力の高い商品画像を目指しましょう。

3-2. 汚れの除去や色補正で商品の美しさを引き出す

2つ目のポイントは「汚れの除去や色補正で商品の美しさを引き出す」です。

写り込んだ汚れや傷、商品を邪魔する影の落ち方や色ムラは、商品の魅力を半減させる要因です。画像編集の過程で影や色の補正を丁寧に行い、より洗練された印象へと高めていきましょう。

◆影の除去と色補正のテクニック

レタッチツールでシミや汚れを除去:商品や背景に付着したほこりやシミ、傷などを丁寧に除去します。修復ブラシやクローンスタンプを使い、違和感のない仕上がりを目指します。

カラーバランスで色調を補正:商品本来の色合いを忠実に再現するため、カラーバランスを調整します。色かぶりを抑えて、ニュートラルな色調に仕上げるのがポイントです。

部分的な色調補正で統一感を出す:商品の一部だけ色合いが異なる場合は、部分補正で全体の統一感を高めます。色相・彩度・明度を細かく調整し、できる限り実物に近づけましょう。

影や色ムラのない美しい画像は、商品の価値をダイレクトに伝える力があります。細かな部分まで調整して、ハイクオリティな商品イメージを目指しましょう。

3-3. 切り抜きや背景の透過で商品を際立たせる

3つ目のポイントは「切り抜きや背景の透過で商品を際立たせる」です。

商品画像の背景や縁の処理も、見栄えを大きく左右する要素です。商品を切り抜いて「正面切り抜き画像」の登録に使うほか、背景を透過して自在にレイアウトしたりと、アレンジの幅が広がります。

◆商品を際立たせるトリミングと背景透過

不要な背景をカットする:商品を中心にトリミングして、商品そのものに視線を集めます。背景の情報量を減らすと、商品の魅力がより伝わりやすくなります。

正確な切り抜きで商品を独立させる:ペンツールや被写体選択ツールなどを活用し、商品の輪郭に沿って正確に切り抜きます。背景を完全に除去すれば、商品を独立したオブジェクトとして扱えます。

複雑な形状も自然に切り抜く:髪の毛や半透明な部分など、複雑な形状の切り抜きには、境界線調整ブラシや選択とマスクなどの機能を活用しましょう。細部まで丁寧に仕上げ、違和感のない切り抜きを目指します。

切り抜き処理のクオリティが低いと、アマチュアっぽい印象を与えてしまいます。近年では、画像編集ソフトの自動機能が充実してきていますが、基本は「丁寧に細かい作業を行う」姿勢が大切です。

画像を十分に拡大し、切り抜きの境界線の設定を時間をかけて行うと、美しい仕上がりを得やすくなります。

4. ジャンルに合わせた商品画像のポイント

続いて、商品ジャンルごとのポイントをお伝えします。

衣料品なら質感やシルエット、食品ならおいしそうな見栄え、家電なら機能性の訴求など、それぞれに適した撮影・加工テクニックの習得を目指しましょう。

① アパレル商品の魅力を伝える
② 食品の質感やおいしさを表現する
③ 家電やデジタル機器の機能性をアピールする

4-1. アパレル商品の魅力を伝える

洋服や靴、アクセサリーなどのファッションアイテムは、シルエットや質感、着用感が大きな訴求ポイントです。

◆アパレル商材の撮影・加工テクニック

全身と部分のカットを組み合わせる:着用イメージがつかめるよう全身カットは必須です。加えてネック周りやボタンなどのディテールカットで、より詳しい情報を提示しましょう。

トルソーと平置きを使い分ける:トルソーを使った立体的な撮影と、平置きによるシンプルな画角の撮影を並行して行います。双方の長所を生かし、多様な情報を盛り込むのがポイントです。

タグやボタンなどの小物も丁寧に:サイズタグやブランドロゴ、ボタンやジップなどの細かなパーツも丁寧に撮影します。これらのディテールの精度が、商品の信頼性を大きく左右します。

シワ伸ばしやレタッチで美しく仕上げる:アイロンなどで生地のシワを伸ばし、美しいドレープを作ることが大切です。また、ホコリや傷を除去する修正にも手を抜かず、理想の仕上がりを追求しましょう。

ファッション商材は撮影時のセンスが重要です。プロのスタジオでは、フォトグラファーとスタイリストの感性によって撮影が進んでいきます。

自分たちで撮影するときも、フォトグラファー役とスタイリスト役を置いて画作りを進めていくと良いでしょう。

4-2. 食品の質感やおいしさを表現する

食べ物やグロサリー商品では、おいしさや鮮度感、豊かな質感表現が重視されます。

◆食品の撮影・加工のコツ

フレッシュ&ヘルシーな盛り付け:新鮮でみずみずしい野菜をふんだんに使うと、健康的でおいしそうな雰囲気を演出できます。バランスの良い色彩構成を意識した、センスのいい盛り付けを心掛けましょう。

質感をリアルに表現する:肉や魚のジューシーさ、パンのもっちり感など、食材の持つ質感を克明に描写します。柔らかく自然な光と影のグラデーションを意識すると、リアリティのある立体感が表現できます。

ボケ味を生かしたフードスタイリング:被写界深度の浅いレンズを使い、一部にピントを合わせて背景をぼかすと、料理を引き立たせるボケ味が生まれます。スタイリッシュな雰囲気の中に温かみを添える、味のある表現が可能です。

小物やカトラリーを効果的に使う:料理に合うカトラリーを添えたり、素材を引き立てる小物をレイアウトしたりと、おいしそうな世界観を創出します。テーブルクロスなどの背景小物選びにもこだわりましょう。

調理工程を連続カットで撮影:食材を切る、混ぜる、盛り付けるなどの一連の調理工程を、連続写真で魅力的に表現します。プロセスの臨場感が伝われば、より強い購買意欲を喚起できるはずです。

料理や食材のおいしさを訴求できれば、商品の売上を大きく伸ばせます。

プロのフードスタイリストのようなカメラワークを目指し、魅力的な食品ビジュアルの表現力を高めていきましょう。

4-3. 家電やデジタル機器の機能性をアピールする

デジタル家電や電子機器のジャンルでは、商品の機能や操作性、先進性をビジュアルで強く印象付ける工夫が欠かせません。

スペックを分かりやすく示しつつ、ライフスタイルに溶け込む使用イメージも織り交ぜると効果的です。

◆家電・電子機器ジャンルの画像制作テクニック

一目で機能が伝わる構図を考える:ボタン配置やインターフェースを大きく写し、操作系の特徴をダイレクトに訴求します。機器の機能的メリットが瞬時に伝わる、分かりやすい画角がポイントです。

スペック情報をインフォグラフィックで表現:サイズや重量、性能など、数値情報を視覚的に整理したインフォグラフィックスを追加します。特徴をひと目で把握できるビジュアルを組み込むと、スペックの良さが伝わりやすくなります。

ライフスタイル提案型の使用イメージ:オフィスやリビングなど、実際の使用シーンを想定したカットを撮影します。日常に寄り添う使い方を描写すると、購入後のイメージが湧きやすくなります。

ディテールまで徹底的にこだわる:クローズアップ画像を撮影し、部品や材質の質感、組み立ての精巧さなどを細部まで見せます。製品のクオリティを際立たせ、魅力を強調します。

光と影を効果的に使った演出:照明の向きや強さを工夫して、メタリック素材などの質感を引き立たせます。光の使い方一つで、ワンランク上の存在感を与えられます。

機能的かつ先進的な印象を築くことが、デジタル家電や電子機器における購買意欲の向上につながります。製品の革新性を余すことなく伝える、インパクトあるビジュアル制作を探求していきましょう。

5. 撮影した商品画像を適切に管理するECサイト運用のコツ

最後に、撮影した商品画像を適切に管理するための、ECサイト運用のコツについてお伝えします。

① ページ更新の手間が増えるリスクに注意
② 画像管理に優れたECプラットフォームで解決できる

5-1. ページ更新の手間が増えるリスクに注意

まず注意したいのが、ページ更新の手間が増えるリスクについてです。

商品画像を高いクオリティで撮影すると、サイト内の各ページで写真を活用したくなるものです。ところが、商品点数が増えるほど、画像の差し替えや新作投入に伴う更新作業が頻発し、管理の手間が一気に膨らみます。

情報が変わるたびに商品ページを手動で修正していると、更新もれや誤植のリスクが高まり、顧客への信頼度低下につながりかねません。

また、キャンペーンやセールの際には、多数の商品画像を短期間で切り替える必要があり、作業コストが急上昇します。

ビジネスが成長するほど、この課題は深刻になっていくので早めに対策を講じることが重要です。

5-2. 画像管理に優れたECプラットフォームで解決できる

こうした管理負担を軽減するために役立つのが、画像管理の機能に優れているECプラットフォームです。

具体的には、以下の機能があると、商品画像にかかる工数を大幅に減らせます。

◆商品画像の管理機能の例

商品情報とひも付いた画像の一元管理:商品情報と商品画像をひも付けて管理できる機能。商品情報を更新するだけで、関連するすべてのページの画像も自動的に更新されるため、手動更新の手間とミスを削減できます。

画像の一括登録・更新(CSV/API連携):複数の商品画像をCSVファイルやAPI連携で一括登録・更新できる機能。商品点数が多い場合でも、効率的に画像管理を行えます。

自動リサイズ・最適化:登録された画像を、PC・スマートフォン・タブレットなど、デバイスや表示領域に合わせて自動的にリサイズ・最適化する機能。手動で複数のサイズの画像を用意する必要がなく、ストレージ容量の節約と表示速度の高速化を実現します。

柔軟な画像表示設定:商品詳細ページ・一覧ページ・特集ページなど、ページの種類や目的に応じて、画像の表示サイズや枚数、表示方法などを柔軟に設定できる機能。

画像のタグ付け・検索:登録する画像の商品情報にタグを付けて、簡単に検索・絞り込みができる機能。目的の画像を素早く見つけることができ、管理効率が向上します。

具体的なECプラットフォームとしては、インターファクトリーが提供するECプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」が挙げられます。機能の詳細は、以下の資料にてご確認ください。

6. まとめ

本記事では「ECサイトの商品画像」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

最初に、売れる商品画像を作るために必要な予備知識として以下を解説しました。

・商品画像は購買心理に直接働きかける重要な要素である
・商品理解の促進とブランディングの両面から戦略的に活用することが大切
・売れる商品画像と売れない商品画像の違いを意識して質を高めていく

ECサイトの商品画像の撮影で押さえたいテクニックは、以下のとおりです。

① 商品の特徴を際立たせるライティングを工夫する
② 購買意欲を高める構図とアングルを選ぶ
③ 商品の質感や色味を正確に表現する
④ 利用シーンを想起させる小物や背景を活用する

ECサイトの商品画像の質を高める編集加工として、以下を解説しました。

① 明るさやコントラストを調整して見栄えを向上させる
② 汚れの除去や色補正で商品の美しさを引き出す
③ 切り抜きや背景の透過で商品を際立たせる

ジャンルに合わせた商品画像のポイントとして、以下を解説しました。

① アパレル商品の魅力を伝える
② 食品の質感やおいしさを表現する
③ 家電やデジタル機器の機能性をアピールする

魅力的な商品画像はECサイトの売上に直結します。本記事で解説した知識とテクニックを実践し、プロ級の商品画像を武器に、ECサイトの売上アップを加速していきましょう。


セミナー情報

ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART」についての情報発信も行う。