ネットショップの無在庫販売の特徴や注意点と進め方


インターネットやスマートフォンの普及によって、消費者の買い物の方法は大きく変わってきました。なかでも簡単便利で手軽なネットショップは、その規模も種類も多様化しています。そんなネットショップの一つの形態として関心が高まりつつあるのが「無在庫販売」です。

無在庫販売は在庫を持たずに販売をするという物販ビジネスの手段の一つです。在庫を持つ必要がないということは、仕入れの資金や不良在庫を抱える心配なく物品販売を行うことができるため、主に個人事業主や小規模事業者に適した方法といえるでしょう。

「無在庫販売ってなに?」「転売って違法じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。初心者向けのショップサイトなども存在していますので、手軽に始められるビジネスである一方、無在庫販売にはリスクやデメリットもあります。本日は、無在庫販売の基礎や始め方から注意点まで、幅広く解説していきます。

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目次

① 無在庫販売とはどのようなもの?
② 無在庫販売と有在庫販売の違い
③ 無在庫ネットショップを運営する3つの手法
④ ネットショップでの無在庫販売の流れ
⑤ 無在庫ネットショップの注意点
⑥ 無在庫販売に対応しているネットショップ
⑦ 無在庫ネットショップで使える仕入れ先
⑧ 信頼されるネットショップになるための4つのポイント

無在庫販売とはどのようなもの?

無在庫販売とは、その名の通り在庫が無い状態で物品を販売する販売形態のことをいいます。出品したものに対して注文が入ったら、仕入れ先となる外部メーカーや卸売業者などに発注します。場合によってはそのまま発送まで依頼することもできるため、梱包や発送の手間がかからず、忙しい人の副業としても注目されています。

こうした無在庫販売は、特にネットショップの世界で新しい販売形態として近年関心が集まっていますが、実は昔から存在している販売方法です。代表的なものとして、完全受注生産の商品やオーダーメイド品の販売などが挙げられます。これらの商品も販売する時点では在庫がないため、無在庫販売に該当します。

無在庫販売では、運営者は商品在庫を持つ必要がなく仕入れ予算も大幅に抑えられるため、少ない資金で始められることも特徴の一つです。保管に大きなスペースが必要な大型家具や、不良在庫になってしまうと大打撃になるような単価の高い商品など、個人事業主では取り扱いにくい商材の販売にも向いています

このように、在庫管理のリスクやさまざまなコストを抑えられる販売形態として広まりつつある無在庫販売ですが、実際に取り組むにあたっては注意すべき点がいくつかあるので、注意が必要です。実施する際は、特徴と注意点をしっかり理解したうえで取り組んでいきましょう。

無在庫販売と有在庫販売の違い

ネットショップの販売形態には大きく分けて「無在庫販売」と「有在庫販売」の2種類があります。その違いは在庫を持つか持たないかということです。両者それぞれの特徴とメリットとデメリットを理解し、適切な方法を選択していくことが大切です。

無在庫販売の特徴

前述の通り、無在庫販売は、お客様から注文を受けてから仕入れを行い、お客様のもとへ届けるため、在庫を持たずにビジネスを展開できることが大きな特徴です。仕入れた商品の検品や梱包、発送については自身で行う以外にも仕入れ先に依頼したり外注したりする方法があります。

メリット

最大のメリットは、仕入れのリスクがないことと、在庫管理の手間とコストを省ける点でしょう。仕入れや在庫管理に必要な初期費用が不要になるだけでなく、注文が入ってから商品を仕入れるため、不良在庫を抱える心配がありません。つまり、商品が売れれば必ず差益を得られるということです。

また、在庫のためのスペースを確保したり、環境を整えたりする必要もありませんので、場所も選ばず運用できます。仕入れ先から直接発送してもらえば、検品、梱包、発送などの手間がかからないため、作業の工数や人件費を抑えることも可能です。その分、お客様にとって魅力的なショップになるような商品紹介やキャンペーンの考案などの業務に注力しやすくなることもメリットといえるでしょう。

デメリット

注文を受けてから発注するため、お客様の手元に届くまで時間がかかることが挙げられます。お客様の注文を仕入れ先に発注してから先方が確認するまでに発生するタイムラグもありますし、仕入れ先が海外の場合などはさらに時間がかかることが想定されます。

また、仕入れ先からお客様に商品を直送している場合は、品質を事前に確認することができません。そのため、品質管理が難しく、低品質の商品がお客様に配送されるというトラブルが発生する可能性があります。問い合わせなどに対しても、手元に商品がないまま回答することになるため、曖昧な回答になってしまう懸念もあり、こうしたやり取りは、クレームに発展するおそれがあります。

さらに、受注後に仕入れ先が在庫切れになってしまった場合には、お客様の注文をキャンセルしなくてはなりません。こうした場合は、せっかくの販売チャンスを逃してしまうだけでなく、運営しているショップへの信用も失ってしまいます。自身で在庫管理をしない分、異なる仕入れ先の在庫状況を常に把握する工夫が必要でしょう。

有在庫販売の特徴

有在庫販売は、メーカーや卸売業者から仕入れた商品を販売するため、自社のイメージにあった商品を取りそろえて販売できることが大きな特徴です。自社で在庫を保管、管理し、お客様から商品の注文を受けてから検品と梱包をして発送するため、商品の仕入れからお客様の手元に届けるまでを自社で一元管理していることが多い販売形態です。

メリット

最も大きなメリットは、在庫切れのリスクが少ないため、素早くお客様の手元に届けることができる点でしょう。自社で検品から発送まで担えば、品質に対する心配もありません。

大量に仕入れる場合は、送料無料やまとめ購入割引などによって、無在庫販売よりも仕入れが安くなることもあります。前もって商品を用意するため、他のショップにはないものをそろえたり、商品ごとに違ったサービスを付けたりするなど、自社ならではの提案がしやすく差別化が図りやすいこともメリットといえるでしょう。

デメリット

受注前に仕入れる必要があるため、想定よりも売れなかった場合には不良在庫を抱えるリスクがあります。不良在庫を一掃するためには、原価を下回る値引きや、買い取り業者などに引き取ってもらうことになるため、大きな損失となります。

また、仕入れた在庫を管理するためのスペースの確保だけでなく、品質維持ができる環境を整えるためのコストがかさむ可能性があります。ある程度まとまった資金がないと取り組むことは難しいでしょう。

なお、有在庫販売については、以下の記事で詳しく解説しています。

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無在庫ネットショップを運営する3つの手法

無在庫販売の種類は、主に「ドロップシッピングを利用する」「メーカーに直送してもらう」「発送代行を依頼する」の3つが挙げられます。それでは一つずつ解説します。

① ドロップシッピングを利用する

ドロップシッピングとは、インターネット上の販売形態の一つで、在庫を持たずに商品を販売し、メーカーや卸売業者がお客様へ直接商品を発送する仕組みのことです。仕入れ先が見つかったら事前に商品在庫を確認し、それからショップページで出品登録を行います。お客様から注文を受けたら、契約している仕入れ先から仕入れを開始するという流れです。

一般的にはネットショップ側が商品の価格を設定し、卸売価格との差額を利益とします。そのため、販売価格は基本的に自由に設定できますが、不適切な価格設定をしてしまうと商品が売れなかったり、クレームになったりする場合もあるので注意が必要です。

② メーカーに直送してもらう

特定の商品を販売したい場合は、メーカー(製造元)や卸売業者に直接交渉する方法があります。こちらは、独自性の高い商品を販売したい場合に有効な手段です。しかしながら、知名度があまり高くないショップや、売上が少ないショップの場合はメーカー側のメリットが少ないため、契約に応じてもらうのは難しいかもしれません。

また、メーカーに直送してもらうには、インターネット上で卸売業者やメーカーとの取引を仲介してくれる「仕入れサイト」を利用する方法もあります。「販売後注文可」などの表記があり、かつ消費者への直送が可能な商材であれば、無在庫ネットショップでの販売ができます

仕入れサイトによっては、利用登録とともにメーカーに取引申請が必要なものもありますので、利用前に仕入れ条件などを調べておくと安心です。

③ 発送代行を依頼する

発送代行は、在庫の保管と発送のみを業者に委託する方法です。仕入れをネットショップ側で行うところが、上記2つとは大きく異なる点です。たとえば、自宅で対応するため在庫管理のスペースがない場合や、ネットショップの運営を一人または少人数で運営していて発送作業まで手が回らないといった場合に有効な手法です。

ネットショップでの無在庫販売の流れ

無在庫販売は、以下のような流れで実施していきます。

◆無在庫販売の流れ

① 商品と仕入れ方法を決める
② ネットショップを構築する
③ 商品を出品、注文を受けて商品を仕入れる
④ 仕入れた商品を発送する
⑤ 仕入れ先に費用を支払う

それぞれのステップに関して詳しく見ていきましょう。

① 商品と仕入れ方法を決める

まずは、取り扱う商品とその仕入れ方を決めましょう。無在庫販売で扱う商品は、オリジナリティが高いものか既存のアイテム、完全受注のオーダーメイド品などが一般的です。商品は決まらないけれど無在庫販売をやってみたい、という方は、仕入れサイトなどでどのような商品があるのか調べてみるのもよいでしょう。

売れ筋に乗る方法もありますが、有名なショップで誰もがすぐに安く手に入れられるものは差別化が難しく、開設したばかりのショップは特に見つけてもらえない可能性もあります。世の中の流れも大切ですが、自分がどのような商品を販売したいかに加えて、ここでなければならない独自性を持たせることができると理想的です。

取り扱う商品が決まったら、どのように仕入れを行うか、梱包や発送はどうするか、キャンセル時の対応や送料を含めた費用など、受注からお客様に発送するまでの手順を具体的に考慮して契約手続きを行います。無在庫販売では、仕入れ先との信頼関係が非常に重要です自身で発送しない場合は、お客様からの問い合わせに対応してくれるかなど細かいところまで調べたうえで契約をするようにしましょう。

② ネットショップを構築する

商品と仕入れ方法が決まったら、実際に商品を販売するネットショップのプラットフォームを構築します。プラットフォームには集客率の高いショッピングモールや既存のシステムを利用するオープンソース、オリジナルプログラムを構築するフルスクラッチなどさまざまなものがありますが、費用を抑え比較的簡単に自社ネットショップを立ち上げたい場合には、ASPを利用するのがおすすめです。

ここでいうASPとはASPカートシステムのことで、クラウド上にあるカートシステムを利用できるものです。ASPカートシステムには、商品管理や決済機能など、ネットショップを構築するのに必要な機能が組み込まれており、サーバを用意する必要もないため、手軽にかつ初期費用を抑えて始めることができます。そのため、特別な知識や経験がなくてもネットショップを開設、運営することが可能です。

ただ、手軽な反面、カスタマイズ性は少し低くなる傾向があります。テンプレートがある程度決められていることも多く、他のシステムとの連携に制限がある場合もあります。ASPには有料のものと無料のものがあり、機能も異なりますので、自社にとって必要な機能がそろっているかをしっかりと比較検討したうえで選ぶことが大切です。

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③ 商品を出品、注文を受けて商品を仕入れる

サイト構築が完了したら、実際にショップを開設して商品登録を行い、出品してみましょう。無在庫販売の場合は受注してからの仕入れになるため、有在庫販売に比べてどうしても商品の到着までに時間がかかります。ページには発送日の目安を記載するなど、お客様に分かりやすい表記を心がけましょう

数多くのショップのなかでお客様の目に留まるためには、集客施策を推進することも重要です。Web広告やSEO対策をしていくことが望ましいですが、コストを抑えたい場合はSNSを効果的に運用するのもおすすめです。

無在庫ネットショップの場合、販売者はお客様が注文した商品についての情報を把握しきれていないことが多くなります。仕入れ先の対応を確認する意味でも、事前にご自身でも発注してみるとよいでしょう商品理解も深まりますし、問い合わせにも適切に対応することができるようになります

商品の仕入れにはいくつかの方法がありますので、後ほど説明します。

④ 仕入れた商品を発送する

仕入れが完了したら速やかに商品を検品し梱包して発送しましょう。受注を請けたら迅速に発注できるよう、対応の早い仕入れ先を選択するというように、受注から発送までにかかる時間をいかに短縮するか、工夫を凝らしたいところです。仕入れ先によっては、検品から梱包、発送に至るまで対応してくれるところもあります。

お客様に商品到着についての不安を与えないよう、確実で速やかな対応が不可欠です。トラブルが発生した場合や商品到着の遅延の問い合わせといったお客様への対応は、基本的に受注先であるネットショップが行うことになります。また返品や交換、キャンセル対応などの場合には仕入れ先との交渉も必要になるでしょう。

お客様にも取引先にも日頃から丁寧なコミュニケーションを心がけ、信頼できるショップとして実績を重ねていくことが大切です。

⑤ 仕入れ先に費用を支払う

仕入れ先に代金を支払いましょう。支払いのタイミングは仕入れ先のシステムによってさまざまです。仕入れ後の売上金で支払いできるところもありますし、発注後すぐに商品代金を支払わなければならないところもあります。

代金の回収がいつになるか、仕入れ費用はいつまでに支払うか、方法はどのようなものがあるのかなど、仕入れ先に事前に確認することが大切です。お金に関する対応が速やかであることは、仕入れ先からの信頼度にも直結します。仕入れ先との良好な関係を築いておくことが円滑なやりとりにもつながりますので、毎回の取引を丁寧に行い、信頼関係を築いていきましょう。

無在庫ネットショップの注意点

在庫リスクを抑えて商品を販売できる無在庫ネットショップは、少ない資金での開業ができるため競合も多い世界です。取り組む際には以下のポイントに注意していきましょう。

① 競合調査を徹底し、差別化を図る

無在庫ネットショップには、同様の商品を販売する競合が多数存在します。売れ筋商品を取り入れることも大切ですが、先に述べたように、それだけでは価格競争に陥ってしまったり、競合に埋もれてしまったりする可能性もあります。ユーザーから支持されやすい商品を取り入れながら自社のブランドコンセプトをしっかり確立し、他のショップとの差別化を図ることが重要です。オリジナリティを出せるショップを目指しましょう。

たとえば、未開拓の市場の中でこれから需要が高まりそうなアイテムを検討するのも一つの方法です。また、新規顧客の獲得だけでなく、リピーターを増やせるよう、SNSでの意見や商品ページのレビューなども参考にし、お客様にとって利用しやすいと思ってもらえるような創意工夫が大切です。ネットショップの競合優位性を築くには、自社の置かれている環境や強みを把握するために、STP分析や4P分析といったフレームワークを活用することも有効でしょう。

② 無在庫販売の規制が強化されている

無在庫販売は、商品がない状態で注文を受け付け受注後に仕入れるという性質上、トラブルが起こる可能性も低くありません。そのため、国内大手のプラットフォームでは無在庫販売自体を禁止していたり、強い規制をかけていたりするケースも多くあります。仕入れがうまくいかず商品が発送できなかったり、注文と異なる商品を発送してしまったりすると違法行為とみなされる場合もあるのです

注文後にショップ側からのキャンセルが続いたり、発送遅延が多かったりと、お客様に迷惑がかかる事態が続けて発生した場合、アカウントの制限やアカウント停止の処置を受けてしまうこともあります。アカウントが停止されると、復活することはほぼ不可能といえます。

また、化粧品や食品など、販売する商品によっては資格が必要なものもあったり、写真の無断利用など不正に当たる場合があったりと、さまざまな制限が存在します。無在庫販売の規制だけでなく、物販に関わるさまざまなルールも確認し、規制対象にならないよう法令に則って運用することが重要です。

③ 個人情報の取り扱いについて

無在庫販売に限ったことではありませんが、個人情報の取り扱いについては特に慎重に行うことが大切です。情報漏えいなどに敏感な世相と相まって、法規制だけでなく世間の目も個人情報の取り扱いについては非常に厳しくなっています。個人情報の保護はもちろん、何らかの理由で個人情報を第三者に開示する必要がある場合には、必ずお客様の同意を得るようにしましょう。

自身の運営するネットショップにも、個人情報の取り扱いについての方針を明記しておくといいでしょう。注文情報の管理や顧客情報の管理についてはセキュリティ対策を万全にし、徹底した管理体制を整えることが重要です。

④ 迅速な対応が必要

無在庫販売では注文後に商品を用意するため、受注後の速やかな対応が必要です。しかし、直前で仕入れ先が在庫切れになってしまったり、配送先でトラブルが発生してお客様の手元に商品をお届けすることが難しくなったりしてしまうことも考えられます。

仕入れ先からお客様に直送する場合、手元で商品が確認できないため、届いた商品に不具合があるなどといったトラブルが発生してしまうこともあります。ネットショップはお互いに顔の見えない取引になりますので、些細なことでもお客様や仕入れ先からの印象や信用度は大きく変わります。特にトラブルに発展しそうな事態には、事実確認を行ったうえでお客様の要望に応じて誠実に対応しましょう

お客様や仕入れ先からの信用を失わないためにも、迅速かつ丁寧で誠実な対応をしていくことが重要です。

無在庫販売に対応しているネットショップ

無在庫販売をするにはたくさんのサービスがあります。どのショップも特色がありますが、比較的利用者が多いサービスはサポート体制も整っていると考えてよいでしょう。ショップを選ぶ際には、費用やセキュリティ、拡張性やカスタマイズの範囲などを確認していくことが大切です。

以下でご紹介する4つのネットショップのうち、2~4はASPに該当します。

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① BUYMA(バイマ)

BUYMAは、海外にある商品を買い付け販売するサイトです。人気ブランドが比較的安く買えたり、海外の限定品が買えたりするといった点から高い支持を集めており、会員数も800万人以上と集客力にも定評があります。海外からの商品発送を前提としているため、正式に無在庫販売を許可しています。

偽物販売防止にも取り組んでおり、出品禁止サイトも明示されています。規約違反があると出品資格停止処分などの対象になる場合があるため、始める際には注意事項なども含めてよく理解しておきましょう。

参考:BUYMA

② BASE(ベイス)

BASEは現在日本国内でトップの開設数を誇るショップサイトで、現在の開設数は200万以上です。初期費用や月額使用料が不要で、売り上げに対して利用料が発生する仕組みです。デザインもテンプレートから選べるスタイルになっており、初期費用を抑えて立ち上げたい方に人気のサービスです。

月商によって利用料と決済手数料が異なるプランがあります。SNSとの連携にも対応しており、商品の出品から料金の回収までスムーズにできることも使いやすさの理由と考えられます。

参考:BASE

③ makeshop(メイクショップ)

makeshopはカスタマイズ性に優れているのが特徴のASPです。レイアウトは170種類以上あり、SEO対策やランキング、広告タグの設置などといった650以上の機能が搭載されているため、ネットショップ作成から運営、集客まで幅広く対応しています。電話やメール、オンライン掲示板といったサポート体制も整備されており、運営や売り上げに悩む人向けのアドバイザーサポートシステムもあります。

ただし、他のプラットフォームに比べると、固定費が高めに設定されています。また高機能なシステムの利用についてはスキルやノウハウが必要なものもありますので、ご自身で設定などの対応ができるかどうかも事前に検討しておくとよいでしょう。オリジナリティの高いネットショップの構築や、将来的に大規模なネットショップ運営を目指す方にメリットが大きいサービスといえます。

参考:makeshop

④ Shopify(ショッピファイ)

Shopifyは世界の多くの国で利用されているECプラットフォームで、カナダの企業が運営しているサービスです。現在世界175か国160万以上のショップが開設されており、海外通貨や海外発送への対応もしているため、グローバル展開を検討している方にもおすすめのサイトです。無料で開設できますが、利用には月額課金制が採用されています。

デザインのカスタマイズもしやすく、顧客管理から決済サービスまでサポートしてくれる体制が整っています。事業規模や成長度合いに合わせて選択できる有償プランもあり、決済サービスも各国対応の幅広い選択肢が備わっています。

ただし開発会社の多くが海外にあるため、一部日本語に対応していない機能もあるので、利用にはある程度の英語力があると安心でしょう。

参考:Shopify

無在庫ネットショップで使える仕入れ先

ネットショッピングの普及により、注文した商品が届くまでにかかる時間はますます短くなっています。商品の仕入れに関しては、迅速に発送してくれる仕入れ先を選びたいところです。また、受注後の仕入れになることから、安定的な仕入れができることも必要な条件の一つと言えるでしょう。

無在庫販売のネットショップを作る際に利用される仕入れ先は、主に以下のようなサービスがあります。

◆無在庫販売のネットショップで利用される仕入れ先

・TopSeller
・NETSEA
・オリジナルプリント.jp
・Aliexpress
・Qoo10
・eBay

利用手数料や支払いシステムも、サイトによってさまざまです。利用者数や出店企業数なども異なりますので、事前に調べたうえで安心して取引できる仕入れ先を選びましょう。

信頼されるネットショップになるための4つのポイント

無在庫販売の成功の秘訣は、お客様にも仕入れ先にも信頼されるショップになることです。次の4つのポイントを押さえることで、より円滑な運営ができるようになるでしょう。

① 仕入れ値はできるだけ安く

仕入れ値と販売価格の差額が利益になることが物販の基本です。仕入れ値を安く抑えることができればその分利益率が上がります。仕入れ先を選ぶ際は、必ず複数のショップを比較検討しましょう。

また、リピート購入割引などショップによって値引き制度を導入しているところもありますので、各ショップの購入システムについても理解を深めておくといいでしょう。

なお、法外に安い場合は粗悪品を販売しているなど悪質なサイトも存在するため、注意が必要です。仕入れ商品の原価や適正価格を調べておくなど、あらかじめ販売する商品についてリサーチしておくことも大切です。

② とにかく販売経験を重ねる

ネットショップの運営に関しては、さまざまなノウハウが存在していますが、実は「これさえしておけば大丈夫」といったものはありません。

お客様も仕入れ先も、その都度変わるもの。何度も販売経験を重ね、実際のやり取りの中でコツやノウハウを積み重ねていくことが、ショップにとってのなによりの財産になります

商品を素早く届けるための業務フローや各種業務の効率化も、販売経験を積み重ねていくことでどんどんブラッシュアップされていくでしょう。利益が出ないうちは焦ってしまうこともあるかもしれませんが、お客様や仕入れ先との信頼関係も一朝一夕には築けないものです。一つ一つの販売を丁寧に確実に対応していくことが、信頼されるショップへの一番の近道といえるのです。

③ 他と違う商品で差をつける

無在庫販売を軌道に乗せていくには、人気の商品を選ぶだけでなく競合ショップとの差別化を図ることも重要です。人気のある商品を扱えば在庫切れのリスクは軽減されるかもしれませんが、当然扱うショップも多くなり、自身のショップが埋もれてしまう可能性も高くなります。他とは違う商品を取りそろえたり、オリジナリティの高い商品を用意したりするなど、自身のショップの独自性と質を高めていきましょう

完全受注商品にしても、ショップの特徴を分かりやすく打ち出すことが大切です。SNSやレビューなども参考に、需要はあるけれどもライバルの少ない商品を探し出して、他のショップとの差をつけていきたいものです。

④ 誠意をもってネットショップを運営する

顔の見えないネットショップでは、対応の仕方一つでお客様の印象も仕入れ先からの印象も大きく変わってしまいます。思いがけないトラブルに遭ってしまった際も、誠意をもって丁寧に対応していきましょう。

お客様のクレーム対応を間違えれば、そのお客様は二度と利用してくれないでしょう。悪い口コミはあっという間に広まります。しかし、大変なときこそお客様に寄り添い、精一杯の対応をしていくことができれば、深い信頼を勝ち取るチャンスにもなりえます。

発送の遅延などでお客様に不安を与えないよう、あらかじめ期間を表記しておくなどの対応も、ショップの誠意を伝えられる方法の一つです。ご自身がネットショップで買い物をするときにあるといいなと思うものを形にしていくと、理想的なショップに近づけるのではないでしょうか。

なお、ネットショップ運営の基本については、以下の記事で解説しています。

関連記事:ネットショップ運営を効率化!運営業務の基礎から運営代行まで

まとめ

無在庫販売は、在庫リスクや仕入れコストを抑えることができるため、初期投資が少なく、比較的取り組みやすいビジネス形態といえるでしょう。具体的な運営手法には、ドロップシッピング、メーカー直送、発送代行などがあります。

在庫リスクを抑えるのに有効ではありますが、有在庫販売とは違った特徴をもっており、軌道にのせるコツやデメリットもあるため、始める前にはそれらをしっかり理解しておくことが大切です。

また、無在庫販売は商品がない状態で販売するという性質上、トラブルになったり利益が得られなかったりするリスクもはらんでいます。実際に、国内大手のプラットフォームでは無在庫販売自体を禁止していたり、強い規制をかけていたりするケースも多くあります。

繰り返しになりますが、事前に無在庫販売に関する規制やルールをしっかりと理解し、こうしたルールに対応可能なプラットフォームを利用してネットショップを構築するなど、対策したうえで取り組んでいくことが大切なのです。

最後に、無在庫販売においては、何よりもお客様から信頼を得ることが重要になってきます。発送の遅延などでお客様に不安を与えないよう、あらかじめ期間を表記しておくなど、誠意を伝える方法を考え、実施することが大切です。

この記事を読んで無在庫販売に少しでも関心をお持ちいただけたら、ぜひこの記事を参考に、お客様に信頼されるショップ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。


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首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。