ネットショップ開設のハードルが下がり、誰でも簡単にネットショップを始められるようになった昨今。ネットショップを立ち上げたものの、売上に伸び悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
その主な原因として、次のような点が考えられます。
・集客ができていない
・コンセプトが定まっていない
・商品の魅力が伝わってない
こういった問題を解決するためには、コンセプトやターゲットをしっかりと定めてSEO対策や広告での宣伝を実施し、ショップの魅力や知名度を高めていく必要があります。
本日は、売れないネットショップの共通点とその対策について詳しく解説します。
目次
① ネットショップに人が来ていないケース
② ネットショップから離脱しているケース
③ 商品ページで購入されずに離脱しているケース
④ ネットショップが売れない理由の一つ「カゴ落ち」とは?
⑤ ネットショップの売上が落ちたときは
ネットショップに人が来ていないケース
ネットショップの売れ行きに伸び悩む原因はさまざまです。では、具体的にどのような理由が考えられるのでしょうか。ここでは、その理由とそれぞれの対策についても解説していきます。
①集客ができていない
ネットショップの商品が売れない原因の一つとして、集客対策ができていない可能性があります。ネットショップは、開業すれば自然と認知が広がっていくわけではなく、集客に関する何らかの対策は必要です。なぜなら、今日、ネットショップは数多く存在しているため、集客対策を行わないと自分が立ち上げたネットショップが埋もれてしまい、認知度が上がらないからです。
対策としては、以下のようなものが挙げられます。
対策①SEO対策をする
SEOとは「Search Engine Optimization」の略称であり、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、自分のWebサイトを検索結果上位に表示させる対策を指します。検索結果の上位に表示されると、ユーザーの目に留まりやすくなるので、自然な流れで自分のネットショップへと誘導しやすくなります。
ただし、商品ページでSEO対策を行うのは難しく、競合商品との差別化を図る工夫が必要です。たとえば、商品ページとは別に、コラムやお役立ち情報などの有益な記事を作成し掲載する「コンテンツSEO」などがおすすめです。
対策②広告で宣伝する
SEOは中長期的な施策であるため、並行して短期間での集客効果があるWeb広告を活用すると有効です。具体的なWeb広告には、リスティング広告、Googleショッピング広告、リターゲティング広告などの種類があります。
リスティング広告は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果画面に掲載されるテキスト形式の広告で、検索連動型広告とも呼ばれます。検索によって表示されることから、商品やサービスに興味を持つユーザーにアプローチがしやすく、効果がすぐに出やすい広告手法です。商品やサービスにより費用が大きく異なりますが、小規模事業者は、1日数百円や月1万円程度から出稿するケースもあります。
Googleショッピング広告は、Google検索結果のショッピングタブ内や、検索結果画面などに表示され、画像と合わせて金額や送料などを掲載できる広告です。リスティング広告と同様、ユーザーの検索により表示されるため、効率的に潜在顧客へのアプローチが可能です。出稿時に一日の広告予算を設定しますが、Googleによると初めての出稿は1,000円程度の少額からスタートすることが推奨されています。
リターゲティング広告は、自社ネットショップにアクセスした後サイトから離脱したユーザーを追跡し、広告を表示する方法です。一度サイトに訪れたユーザーを対象とするため、コンバージョン率が上がり、コストパフォーマンスが高くなる傾向にあります。
課金方式は、クリックされるごとに課金される「クリック課金」と、広告表示1,000回ごとに課金される「インプレッション課金」の2通りです。クリック課金の場合は、1クリックの単価が数十円程度、インプレッション課金では1,000回の表示ごとに数十円~数百円の費用がかかるといわれています。
広告は無計画に出すと高額になる可能性もありますので、無理のない範囲で、効果的に活用することが重要です。
対策③SNSを活用する
InstagramやX(Twitter)、Facebook、TikTokといったSNSの活用も、ネットショップの認知度を上げる効果が期待できます。無料でできる集客方法の一つであり、SNSでは、スマートフォンやタブレットを用いて手軽に発信できます。
SNSによる集客の最大のメリットは、拡散力です。SNS上で話題になれば、検索エンジンに上位表示されていなかったショップでも知名度が急上昇し、注文や問い合わせの件数が一気に増える見込みがあります。
②コンセプトが定まっていない
ネットショップのコンセプトがあいまいであることも、売れない理由の一つです。明確なコンセプトやターゲットが定まらないままネットショップを運営しても、扱う商品のジャンルに一貫性がなくなりやすく、ユーザーへの訴求力に欠けるおそれもあります。品数や品質に注力するのも大切ですが、まずはコンセプトをはっきり定める必要があるでしょう。
対策としては、以下のようなものが考えられます。
対策:コンセプトとターゲットを細分化する
明確なコンセプトを定めるためには、まず自身のネットショップの特徴や強みを洗い出すことが重要です。それと同時に、ネットショップのターゲットとなるユーザー層について、年齢や嗜好など、細かく設定しましょう。すると、設定したコンセプトやターゲットに合わせてキャッチコピーを考えたりSNSに掲載する写真を選択したりする際に、方向性が定まりやすくなります。
また、コンセプトを伝える際には、インパクトを与えることも大切です。ネットショップのトップページやヘッダーといった目立ちやすい箇所にキャッチコピーを掲載するなどの工夫をするとよいでしょう。
③リピーターやファンが少ない
ネットショップで安定した売上を継続するには、リピートしてくれる既存ユーザーを増やすことが重要です。新規ユーザーの開拓には、広告やSEO対策などで時間とコストをかけて認知を拡大する必要がありますが、自身のネットショップを利用したことのあるリピーターに対しては、認知拡大のためのコストをかける必要がありません。つまり、リピーターが多ければ多いほど、集客のためのコストや時間をかけずに、効率のよい収益アップが見込めるのです。
対策としては、以下のようなものが考えられます。
対策①アフターフォローのメールやクーポンを配信する
購入した商品にお礼の手紙を同梱したり、配送が終わった後にお礼のメールを送ったりすると効果的です。「お届けした商品に問題はございませんか」といったアフターフォローは、自身のネットショップへの信頼につながる上、ユーザーの「また利用したい」という気持ちを促します。
さらに、アフターフォローと同時に次回の割引クーポンなどを配信することで、再び利用するきっかけとなる可能性も。また、梱包の方法によっても好印象を持ってもらえることがあります。
対策②会員登録の促進やポイントを付与する
初回の購入時にユーザーに会員登録を促し、その後にポイントを付与することも有効です。ユーザーは「ポイントがあるから次に使おう」という意欲が湧き、リピートにつながりやすくなります。
ただし、会員登録の作業はユーザーの離脱の原因になりやすく、購入時のハードルを上げてしまうことがあります。そういったときは、たとえば「会員になれば送料無料」といった会員限定のお得なサービスを用意し、会員登録数を増やすことも、リピーター確保に有効です。
対策③カスタマー対応を充実させる
実店舗と違い、お店のスタッフの顔を見ずにショッピングが完結するネットショップでは、ユーザーとの信頼関係がリピーターやファンの獲得に直結します。購入商品に不具合があったり、発送に不備があったりすると、そのサイトから離れてしまうユーザーも少なくないでしょう。
カスタマー対応のなかでも、特に返品や交換時は、ネットショップの印象に大きな影響を与えるため、より丁寧に行いたいものです。
ネットショップから離脱しているケース
ネットショップを運営する人にとって気掛かりなのが、ユーザーの定着ではないでしょうか。ここではユーザーがネットショップから離脱してしまうケースについて解説します。
①ネットショップが使いづらい
ネットショップの離脱の原因として最初に考えられるのは、自社のネットショップのサイト自体が見づらい可能性です。たとえば、「商品の画像が粗い」「商品を探しにくい」「購入ボタンが小さい」「ページ移動がしにくい」など、ユーザーにとって見づらいと感じる要素があった場合、再度訪問する確率が減ってしまいます。また、画像のリンク切れやテキストの誤字脱字も、ネットショップの信頼度に影響するため、注意が必要です。
対策としては、以下のようなものが考えられます。
対策:ネットショップのWebサイトを見直す
自分のネットショップのWebサイトについて、コンセプトが明確に伝わるか、検索窓やCTAボタンが分かりやすく配置されているか、サイトの導線は分かりやすいか、探しやすいようカテゴリーに分けられているか、配色やフォントサイズのデザインが最適化されているかなど、ユーザビリティの確認が必要です。定期的に自分のネットショップのWebサイトを見直し、改善していきましょう。
併せて、スマートフォンやタブレットに対応したレイアウトになっているか、リンク切れや誤字脱字がないかなど、ユーザー目線でチェックして信頼度を上げていくことを意識しましょう。
②商品の魅力が伝わっていない
ネットショップのデザインと同じように、商品自体の魅力を伝えることにも注力しましょう。ネットショップは実店舗と違い、実際に商品を手に取れないので、画像の品質が勝負です。また、商品説明の文言に関しても、キャッチコピーや興味を引く内容を意識し、詳しく記載する必要があります。
対策としては、以下のようなものが考えられます。
対策:商品画像や商品説明を見直す
商品の魅力が伝わる内容になっているかどうか、ユーザー視点で見直してみましょう。商品によっても変わってきますが、明るく見やすい写真を複数の角度から撮影する、商品を活用している場面を撮影する、「購入したい」と思わせるような説明にするなどが効果的です。
③商品価格が適正でない
しっかりとしたコンセプトのネットショップでターゲットに適切にアプローチしていても、ターゲットと商品が合っていなければ売上は伸びにくいです。例えば、若年層向けの商品に高額な価格設定をしてしまうと、購入がされづらくなります。
対策:商品のターゲットや価格を見直す
この可能性がある場合、商品そのものや価格設定が実際のターゲットと合っているかを確認しましょう。イメージするだけでなく、似た特徴を持つ商品やそのターゲット、集客について実際に調査することが重要です。場合によっては、ターゲット層を変えてみることも有効でしょう。
商品ページで購入されずに離脱しているケース
広告やSNSなどで宣伝を行い、ユーザーに自社商品のページが閲覧されたとしても、必ずしも購入に至るわけではありません。これもネットショップではよくみられるケースです。
①商品の詳細が分からない
ネットショップでは商品の実物を見ることができないので、情報が足りず商品に関する不安が残ると購入されづらくなってしまいます。
対策:商品情報や確認の手段を追加する
原則として、基本的な情報を記載するだけでは不足していると考えた方がよいでしょう。特にサイズ感が重要となるアパレル商材などを扱う場合は、寸法やあらゆる角度からの写真、着用画像、取り扱い方法の情報は必須です。
より詳しく確認できるよう動画を追加したり、質問可能なチャットツールを設置したりするなど、ユーザーが気になるポイントを解決しながら、商品をよりイメージしやすいように工夫することが大切です。
②レビューなどユーザーの意見が少ない
事業者による商品説明だけでなく、ユーザーの声があることで、安心感を与えやすくなります。購入者によるレビューや口コミなど、実際のユーザーの意見を読めるようにしておくことが大切です。
対策:特典を付けてレビューを促進する
モールでも目にしますが、「レビューしてくれた方に特典・ポイントをプレゼント!」のような施策を実施するのが有効です。商材によっては、SNSを活用したハッシュタグキャンペーンを実施するのもよいでしょう。これらは、リピーターの獲得や認知度の向上につながるメリットもあります。
③決済手段が少なく、手間がかかっている
ユーザーが商品を買い物かごに入れ、レジまで進んだとしても、決済手段が限られている・フォームで入力する情報が多いなどの理由から購入されず、離脱してしまうことがあります。これは「カゴ落ち」と呼ばれ、ネットショップ運営者の頭を悩ませる代表的な課題の一つです。詳しくは後の章で解説します。
対策:決済手段を追加し、入力情報を減らす
クレジットカードに抵抗のあるユーザーもいるため、スマホ決済やコンビニ払い、後払いなど決済手段を多数用意し、ユーザーが必要に応じて選べるようにしましょう。フォームで入力する情報を減らし、ユーザーの手間を軽くすることも、注文のしやすさにつながります。
④不安・不信感が残っている
初めて利用するネットショップでは、ユーザーに不安が残ってしまい、購入まで至らないことがあります。少しでも疑問に思う点があると、ユーザーは別のネットショップに流れてしまうこともあるかもしれません。
そうしたことを防ぐために、たとえば、商品購入から到着までの配送スケジュールを分かりやすく明記したり、トラッキングができる仕組みを整えたりすることも必要です。初めてネットショップを利用するユーザーに安心して利用してもらえるサイトを心がけましょう。
対策:会社情報や運営者情報を記載する
会社情報をしっかりと記載することで、ネットショップを信頼してもらいやすくなります。できるだけ分かりやすい場所に会社情報へのリンクを設置するほか、ユーザーが必要なときに問い合わせができるよう、問い合わせ先の記載やフォームを設置することも大切です。
ネットショップが売れない理由の一つ「カゴ落ち」とは?
前述の通り「カゴ落ち」とは、ユーザーが商品をカートに入れたものの、何らかの理由で決済を完了せずに購入に至っていない状態を指します。カゴ落ちの割合は、一般的に約7割ともいわれており、大きな機会損失となっていることが分かります。
カゴ落ちの理由としては、購入手続き中の予期せぬシステムエラーや、情報入力の煩わしさ、支払い方法の選択肢不足、価格比較などが挙げられます。カゴ落ち率を定期的に分析し、購入手続きの簡略化やユーザーエクスペリエンスの改善などの施策を講じることで、カゴ落ち率を減らしていくことが大切です。
ネットショップの売上が落ちたときは
ネットショップの売上が思うように伸びない、または低下している際に確認したいポイントや対策をまとめていきます。
① 顧客のニーズを再確認
そもそも顧客のニーズや要望が変わっている可能性がないか、現在の市場動向や競合他社の動向を分析して再評価しましょう。売上が低迷している商品については、需要があるかどうかを再検討し、必要に応じて商品ラインを見直すことも大切です。
② プロモーションやセールの実施
割引キャンペーンやクーポンを配布し、購入意欲を刺激するのも効果的です。また、既存の顧客に対しては、新商品のお知らせや限定的なプロモーションを実施することでリピートのきっかけづくりができます。
③ ユーザーエクスペリエンスの改善
ショッピングサイトの改善を行い、ユーザーの利便性やショッピング体験を向上させることで、購買率の向上につながります。サイト内のコンテンツを充実させることで、SEO対策にも効果が期待でき、集客にもつながるでしょう。
まとめ
ネットショップは実店舗よりもコストを抑えて気軽に始められることがメリットですが、それだけ競合も多く競争率が高いという一面も押さえておく必要があります。「売れない」と一言で言っても、その原因はさまざまです。ネットショップでよくみられる原因と対策をまとめると、次のようになります。
・そもそもネットショップに人が来ていない
→ネットショップの個性や認知度に改善の余地があるので、集客やリピーター施策を実施し、コンセプトを明確にする
・サイトや商品をしっかり見てもらえない
→使い勝手やターゲット設定に改善の余地があるので、デザインや商品写真を見直し、ターゲットが合っているかを確認する
・商品ページは見られているが購入がされない
→購入ステップやネットショップの信頼性に改善の余地があるので、決済手段を増やし、会社情報などを明記する
商品がユーザーに購入されない理由を探るには、ネットショップをユーザー目線で見直し、常に改善していくことが重要です。ネットショップのデザインや設計、商品ページの写真や説明、決済手段への対応、購入したユーザーへのアフターフォローまでしっかりと対策し、ユーザーにとって使い勝手のよい、売れるネットショップへと育てていきましょう。
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