「O2O」とはどういう意味?分かりやすく図解と具体例で解説


「O2Oって何だろう?ネットとリアル店舗の関係性みたいなものかな。でもよく分からない……」
と思っている方も多いのではないでしょうか。

O2Oは「Online to Offline(オンラインからオフラインへ)」の略で、オンライン(インターネット上)からオフライン(実店舗や物理的な場所)への顧客誘導を指すビジネス戦略のことです。

オンラインでのマーケティング活動や広告を通じて、ユーザーを実店舗に誘導し、そこで商品やサービスの購入を促進する仕組みをO2Oといいます。

この記事では、O2Oの意味や具体例を、初心者の方にも分かりやすく解説します。O2Oを実践するためのポイントや、業界別の成功事例も紹介しますので、実務の参考になるはずです。

本記事を通じてO2Oの考え方を身につけ、売上アップとファン獲得を実現しましょう。

1. O2Oって何?初心者でもサクッと分かる概要

まず、「O2Oって何?」という素朴な疑問からクリアにしていきましょう。以下のポイントを解説します。

① O2Oの意味:「オンラインからオフラインへ」
② 身近な具体例:ネットで見てお店に行く体験
③ オムニチャネルとO2Oとの違い
④ なぜO2Oが重要?スマホ時代の消費者行動

1-1. O2Oの意味:「オンラインからオフラインへ」

冒頭でも触れたとおり、O2Oとは「Online to Offline」の略称で、「オンラインからオフラインへ」という意味です。

インターネット上の情報や体験を起点として、実店舗での購買や体験につなげる、オンラインとオフラインを融合させたマーケティング手法をO2Oといいます。

具体的には、オンラインでの活動(広告・クーポン・情報提供など)を通じて、顧客を実店舗などのオフラインの場所に誘導して、購入を促進します。

1-2. 身近な具体例:ネットで見てお店に行く体験

分かりやすく具体例を見てみましょう。

O2Oの身近な事例としては、「ネットで情報を見てから実際に来店する体験」が挙げられます。

◆オンラインからオフラインへの誘導事例

オンライン事前予約:予約サイトや自社サイトに設置したネット予約機能を通じて、来店を促進します。

店舗限定クーポン:自社アプリやSNSで、店舗でしか使えない割引クーポンを配信し、実店舗への来店を後押しします。

スタッフとのオンラインチャット:サイトやアプリにチャット機能を設け、スタッフが商品相談に応じられるようにします。来店前の不安を解消できます。

このように、オンラインの施策で実店舗への送客を促し、オンラインとオフラインの体験をシームレスにつなげるのがO2Oの特徴です。

ここでいう「シームレス」とは、矛盾や途切れがなく一貫していることを指します。

つまり、顧客視点で見たときに、オンラインとオフラインの区別が意識されることなく、自然とつながっていて、同じ世界観やサービス品質が提供されている状態を目指すのです。

1-3. オムニチャネルとO2Oとの違い

O2Oと類似した概念に、「オムニチャネル」というマーケティング戦略があります。

オムニチャネルは、実店舗やECサイト、スマホアプリなど、あらゆる販売チャネルを連携させ、一元管理する考え方です。

※オムニ(omni)とは、“全体の・すべての” という意味です。

◆オムニチャネルとO2Oの違い

オムニチャネル (Omni-channel) O2O (Online to Offline)
目的 全チャネルで一貫した顧客体験を提供する オンラインからオフラインへの購買行動を促進する
アプローチ オンラインとオフラインのシームレスな統合 オンライン活動を通じてオフラインに誘導
焦点 顧客の全体的な体験向上 オフライン店舗への集客
実行範囲 すべてのチャネル(オンライン、実店舗、電話、モバイル他) オンラインからオフラインへの誘導に特化

O2Oは「オンライン→オフライン」に特化している一方、オムニチャネルは、より上位の概念(広範囲な意味合い)も内包していることが分かります。

別の表現をすれば、オムニチャネル戦略の実現には、O2Oの取り組みが欠かせませんその意味で、両者は密接に関連していると言えるでしょう。

1-4. なぜO2Oが重要?スマホ時代の消費者行動

今なぜ、O2Oが重視されるのでしょうか。

その背景には、スマートフォンの普及に伴う消費者行動の変化があります。

◆スマートフォンがもたらした消費者行動の変化

店舗に行く前にスマートフォンで下調べ:他のユーザーのレビューや、価格比較サイト・口コミサイトでの情報収集が当たり前になりました。実店舗に足を運ぶ前に、商品の評判や価格を入念にチェックします。

スマートフォンを片手に店舗内を回遊:店舗内でもスマートフォンを使って商品情報を検索したり、ECサイトの価格と比較したりしながら購入判断を下します。

SNSでの情報発信と拡散:購入した商品の写真をSNSに投稿したり、店舗の印象を口コミとしてシェアしたりする習慣が広がっています。

オンラインとオフラインの境目がなくなる:オンラインで購入してオフラインの店舗で受け取ったり、オフラインの店舗で試着してオンラインで購入したりと、オンラインとオフラインを自在に行き来するようになりました。

こうした消費者行動に対応するには、オンラインとオフラインの垣根を越えて、一貫した顧客体験を設計する必要があります。それがO2Oの基本的な発想です。

従来の「オンラインかオフラインか」という二者択一の視点ではなく、両者を連携させ、相乗効果を生み出すO2Oの考え方が欠かせません。

2. O2Oで何がうれしい?顧客と店舗それぞれのメリット

O2Oは、顧客と店舗の双方にメリットをもたらす戦略です。

ここでは、O2Oがもたらす顧客と店舗それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

2-1. 顧客のメリット

O2Oは、店舗でのショッピングをより便利で満足度の高いものに変える効果があります。オンラインの情報の活用によって、店舗での体験を最適化できるからです。

◆顧客のメリット

事前の情報収集による効率的な店舗選び:オンラインで商品情報を事前にチェックできるため、目的に合った店舗を効率的に選べます。口コミやレビューも参考にしながら、自分に最適な店舗を見つけられます。

来店前のレコメンドによる商品との出会い:来店前に、オンラインでレコメンド機能(好みに合う商品を自動提示する機能)を利用すれば、自分の好みに合った商品を発見できます。店舗での商品選びがスムーズになります。

オンラインクーポンなどの特典活用:会員限定のオンラインクーポンを利用すれば、店舗でお得に買い物できます。オンラインとオフラインのポイント連携により、より多くの特典を享受できます。

事前の在庫確認によるスムーズな購入:オンラインで在庫を確認してから来店すれば、無駄足を防げます。また、オンラインで取り置きの予約をしておけば、店舗での受け取りもスムーズです。

店舗スタッフとのコミュニケーション:オンラインである程度の下調べをしてから来店すれば、店舗スタッフとのコミュニケーションが円滑になります。より的確なアドバイスを受けられるでしょう。

2-2. 店舗のメリット

続いて、店舗(売り手)の視点から見たメリットを見てみましょう。

◆店舗のメリット

オンラインからの送客による来店客数の増加:オンラインでの商品の露出や、来店誘導の施策により、来店客数の増加が見込めます。とくに購買意欲の高い顧客を、効率的に呼び込めます。

オンラインとの在庫連動による在庫最適化:オンラインとオフラインの在庫を連動させれば、在庫切れや過剰在庫を防げます。需要予測の精度も上がるため、適切な在庫管理が可能です。

オンラインとの連携による店舗オペレーションの効率化:オンラインでの情報発信や予約管理などにより、店舗オペレーションの効率化が図れます。

事前情報を持った顧客への効果的な接客:オンラインであらかじめ商品を確認している顧客に対しては、より具体的で詳細なアドバイスができます。その結果、客単価のアップが期待できます。

オンラインの行動データを活用したマーケティング:顧客のオンラインでの行動データを分析すれば、効果的なマーケティング施策を打ち出せます。リピーター獲得にもつなげられるでしょう。

O2Oを導入すれば、店舗は集客力を高め、売上アップを実現できます。さらに、オンラインとの連携により、店舗オペレーションの効率化も期待できます。

このように、O2Oは顧客と店舗のWin-Winを実現するビジネスモデルと言えます。

3. O2Oはどうやって実践する?本質的な3つの視点

O2Oを実践するには、オンラインとオフラインの顧客データを連携し、シームレスな顧客体験を提供することが不可欠です。

ここでは、O2O実践の本質となる3つの視点を解説します。

① 顧客データの統合と活用
② シームレスな顧客体験の提供
③ 顧客起点のオペレーション

3-1. 顧客データの統合と活用

1つ目は「顧客データの統合と活用」です。

O2Oの根幹は、オンラインとオフラインの顧客データを統合し、一人一人に最適化したサービスを提供することです。

◆顧客データ統合の実践

会員IDの一元管理:オンラインとオフラインで共通の会員IDを使用して、顧客情報を一元的に管理します。チャネルを横断して顧客を把握できる状態を作ります。

オンラインとオフラインの行動データの連携:ECサイトでの閲覧履歴や検索履歴などのオンライン上の行動データと、実店舗での購買履歴や店舗内の動線データをひも付け、顧客の興味関心をより深く理解できるようにします。

「具体的にどうやるのか?」については、すべての顧客データを一元化できる機能を持つECプラットフォームを利用するのが、最も効率的かつ効果的な方法です。

たとえば、以下のebisumartのようなO2O戦略に対応できるECプラットフォームを導入することが、第一歩となります。

上記について詳しくは、以下のページでご紹介していますので、あわせてご覧ください。

参考:実店舗・アプリ連携、O2O・オムニチャネル│ebisumart

3-2. シームレスな顧客体験の提供

2つ目は「シームレスな顧客体験の提供」です。

O2Oのもう一つの重要な視点は、オンラインとオフラインの垣根を越えて、心地よく満足度の高い体験を顧客に届けることです。

◆シームレスな顧客体験のポイント

チャネル間の連携強化:実店舗とECサイト、モバイルアプリなどの各チャネルを連携させ、一貫した顧客体験を実現します。たとえば、オンラインで注文した商品を店舗で受け取るなど、顧客の利便性を高めるサービスを導入します。

パーソナライゼーションの深化:オンラインの行動データと実店舗での購買履歴を組み合わせ、顧客一人一人のニーズや嗜好を深く理解し、パーソナライズ(個別に最適化)された体験を提供します。たとえば、AIを活用した高精度の商品レコメンドや、店舗スタッフによる接客の最適化などが挙げられます。

顧客体験の質を高めるうえでは、“ネット→実店舗の送客” だけにこだわらず、オムニチャネル(チャネル全体の統合)を意識することをおすすめします。

そのほうが全体最適を図ることができ、効率的に効果が出やすいためです。

3-3. 顧客起点のオペレーション

3つ目は「顧客起点のオペレーション」です。

企業のあらゆる活動を顧客視点で見直し、顧客ニーズに即応できる体制を整備することが、O2O戦略成功の鍵を握ります。

◆顧客起点のオペレーションのポイント

顧客接点の強化:オンラインとオフラインのあらゆる顧客接点を強化します。顧客がどこで、どのスタッフと接しても一貫した高品質のコミュニケーションを実現し、顧客との関係性を深めていきます。

社内の連携体制の構築:全社的に顧客中心の価値観を浸透させ、顧客起点の意思決定を推進します。部門間の連携を強化し、顧客ニーズに迅速かつ柔軟に対応できる組織を目指します。

ITシステムの最適化:顧客データの統合や、オンラインとオフラインの連携を支えるITシステムの最適化を図ります。レガシーシステム(既存の古いシステム)の刷新や、クラウドの活用などにより、柔軟かつ俊敏なシステム基盤を構築します。

どれほど優れた戦略を立案しても、顧客起点のオペレーションが構築されていなければ、実行段階でつまずいてしまいます。組織文化として、顧客中心の価値観を根付かせ、全社一丸となって顧客ニーズに応えていく体制を整えましょう。

4. 業界別のO2O成功事例

続いて、業界別のO2O成功事例を見ていきましょう。ここでは、世界的に有名な4つの事例をご紹介します。

① 飲食業:スターバックスのモバイルオーダー
② サービス業:ウォルト・ディズニー・カンパニーのMagicBand
③ アパレル業:ユニクロのO2Oマーケティング
④ 小売業:ベストバイのオムニチャネル戦略

※オムニチャネル戦略も含まれていますが、O2Oの要素も持ち合わせているため、ここでは広義のO2Oの事例として紹介します。

4-1. 飲食業:スターバックスのモバイルオーダー

米国のコーヒーチェーン、スターバックスのアプリは、O2Oの成功モデルとして知られています。

モバイルオーダー機能により、店舗に到着する前(自宅やオフィス、外出先など)にドリンクを注文しておくことが可能です。

来店前の注文により、レジでの待ち時間を解消できます。店舗側も、事前注文のデータから需要予測を立てられるため、機会損失を防げます。

モバイルオーダーの売上は、米国内売上高の26%(2021年)を占めるまでに成長しました。

アプリ経由の決済は、ロイヤリティプログラム(顧客の継続的な支持や愛顧を促進するための仕組み)と連動しているため、利用者のリピート率向上にも寄与しています。

参考:GeekWire「More than a quarter of all Starbucks orders in the U.S. are now paid for with a smartphone」(2021年4月28日)

4-2. サービス業:ウォルト・ディズニー・カンパニーのMagicBand

テーマパーク運営のウォルト・ディズニー・カンパニーは、リストバンド型デバイス「MagicBand」による顧客体験のパーソナライズ化を含むオムニチャネル戦略を実現しました。

MagicBandは、パークへの入場やアトラクションの予約、施設内の決済に使用できるリストバンドです。利用者の行動データを分析し、パーソナライズされた体験を提供します。

たとえば、事前に予約したレストランの近くにいると、プッシュ通知で注文の催促が届きます。パーク内の移動履歴から、混雑予測も可能です。

MagicBandの導入により、顧客満足度が向上しました。魔法のような体験が、ゲストのロイヤリティ向上に直結した好事例と言えるでしょう。

※MagicBandは現在、米国のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで導入されているサービスです。

参考:Guest Services│Walt Disney World Resort

4-3. アパレル業:ユニクロのO2Oマーケティング

日本のファストファッションブランド、ユニクロもO2Oの先駆者です。

ユニクロのアプリには、店舗在庫の検索機能のほか、店舗で商品のバーコードを読み取ると、オンラインレビューや関連商品を表示する機能が搭載されています。

「指定の店舗に在庫があれば、アプリで事前に注文・最短1時間で店舗で商品を受け取れる」というサービスも展開しています。

オンラインとオフラインの垣根を超えた、シームレスな購買サポートを実現しているのが特徴です。

グローバルで強い店舗網を持つユニクロにとって、O2Oビジネスは、さらなる成長のエンジンとなっています。

参考:ファーストリテイリング「ユニクロは、服のイノベーションを起こし続ける」、ユニクロ公式│ユニクロアプリ

4-4. 小売業:ベストバイのオムニチャネル戦略

米国の家電量販店ベストバイは、店舗とECの在庫情報を連携し、店舗受取サービスを拡充して、オンラインとオフラインを融合させたオムニチャネル戦略を実現しました。

ベストバイは米国内に約1,000店舗、カナダとメキシコに約170店舗を有し、店舗網を生かした即日受け取りサービスの品ぞろえを拡大しています。

店舗では「ショールーミング」(実店舗で商品を確認し、オンラインで購入する行為)を推奨し、商品を手に取って確かめてから購入する選択肢を用意しています。

こうした施策を通じ、ベストバイのオンライン売上は大幅に増加し、在庫情報の透明化により、販売機会損失も防止できる結果となっています。

参考:Best Buy「Best Buy Reports Second Quarter Results

なお、さらに成功事例を確認したい方は、以下のリンクよりご確認ください。

参考:ebisumart 導入事例 > オムニチャネル

自社と親和性の高い企業の事例にできるだけ多く触れることが、実務の参考になるはずです。

5. 成功するO2O戦略の3つのポイント

ここまで、O2Oの具体例や業界別の成功事例を見てきました。最後に、O2O戦略を成功させるための3つのポイントをまとめます。

① クラウドECプラットフォームを選ぶ
② 顧客視点で「うれしいこと」を増やす
③ 自社の商品・サービスの魅力が最大化する方向を探る

5-1. クラウドECプラットフォームを選ぶ

1つ目のポイントは「クラウドECプラットフォームを選ぶ」です。

O2O戦略を成功させるには、適切なECサイトのプラットフォーム選択が重要です。

これから新規でEC構築される場合や、リプレース(新しいシステムへの刷新)を検討されている場合は、個別のシステム開発やASPではなく、「クラウドEC」を選ぶことを強く推奨します

◆ECプラットフォームの特徴

ECシステム開発:個社のニーズに合わせた調整が可能ですが、バージョンアップが難しく、システムが陳腐化するリスクがあります。

ASP:常に最新の状態が保たれますが、個社ごとのカスタマイズやシステム連携が困難な場合が多くなります。

クラウドEC:カスタマイズとシステム連携を行いつつ、常に最新の状態を維持できる理想的な選択肢です。国内の代表的なクラウドECとして「ebisumart」があります。

参考:公式サイト:「ebisumart(エビスマート)

クラウドECプラットフォームを採用すれば、常に進化するO2O戦略に対応し、顧客ニーズに素早く応える体制を整えられます。

O2O戦略の実行に必要な機能について詳細は以下の資料にまとめましたので、ダウンロードしてご確認ください。

5-2. 顧客視点で「うれしいこと」を増やす

2つ目のポイントは「顧客視点で『うれしいこと』を増やす」です。

O2O戦略を成功に導くには、顧客の隠れたニーズを捉え、独自の価値提供により「うれしいこと」を増やしていく発想が重要です。

別の表現をすると、「実店舗の売上向上のためにオンラインから顧客を誘導する」のではなく、「店舗に来店することが顧客にとって明確なベネフィット(利益・恩恵)をもたらす」状況を創出しなければなりません。

O2Oならではの発想で、顧客の期待を超える体験を創出していく必要があるのです。顧客の想像を超える価値を提供し、「お客様に喜んでいただけること」を考えましょう。

それが何なのか発見するためには、顧客アンケートやインタビュー、店頭で直接顧客と接するスタッフへのヒアリングなど、「生の声」に耳を傾けることが非常に有益です。

地道な取り組みを通じて顧客の本音や不満、本当のニーズを理解し、それらを解決する斬新なアイデアを生み出しましょう。

5-3. 自社の商品・サービスの魅力が最大化する方向を探る

3つ目のポイントは「自社の商品・サービスの魅力が最大化する方向を探る」です。

O2Oの施策を練る際には、最新のテクノロジーや先進企業の戦略を安易に取り入れるよりも、まず優先すべきことがあります。

それは、「自社の商品・サービスの魅力を最大限に引き出すには、何をすれば良いのか?」という根本的な問いです。前述の顧客視点と合わせて、非常に重要なポイントと言えます。

自社の強みや独自性をあらためて十分に分析し、それらを最大限に生かせる施策を考案することが求められます。

以下は、O2O施策の一例です。

◆自社の強みを生かすO2O施策の例

職人の技のライブ配信:伝統工芸品店が職人の製作過程をオンラインで生配信し、実店舗での商品価値理解を深めます。

地域特産品の物語共有:地方の特産品店が生産者のストーリーをオンラインで発信し、実店舗での購買意欲を高めます。

顧客参加型の商品開発:オンラインで顧客の意見を集め、それを反映した商品を実店舗で先行発売します。

従業員の専門知識活用:実店舗スタッフの専門知識をオンライン相談サービスとして提供し、実店舗来店を促進します。

コミュニティ形成:オンライン上で顧客同士の交流の場を設け、実店舗でのイベント開催につなげます。

O2Oの本質は、オンラインとオフラインの長所を融合させ、顧客満足度を高めることにあります。自社の強みと顧客視点を大切にしながら、新しい道を切り開いていきましょう。

6. まとめ

本記事では「O2Oとは?」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

最初にO2Oの基本概念と重要性を解説しました。

・O2Oは「Online to Offline」の略で、オンラインからオフラインへの顧客誘導を指す
・スマートフォンの普及により消費者行動が変化し、O2Oの重要性が増している
・オンラインとオフラインの垣根を越えた一貫した顧客体験の提供がO2Oの本質である

O2Oがもたらすメリットとして以下が挙げられます。

・顧客:効率的な店舗選び、特典活用、スムーズな購入体験が可能になる
・店舗:来店客数の増加、在庫最適化、効果的な接客、データ活用によるマーケティング強化ができる
・オンラインとオフラインの相乗効果により、双方にWin-Winの関係をもたらす

O2O戦略成功のポイントは以下のとおりです。

① クラウドECプラットフォームを選ぶ
② 顧客視点で「うれしいこと」を増やす
③ 自社の商品・サービスの魅力が最大化する方向を探る

O2Oは単なるトレンドではなく、デジタル時代の顧客体験を向上させる重要な戦略です。

自社の強みを生かしたO2O施策を展開し、顧客満足度と売上の向上を目指しましょう。


セミナー情報

ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。