BtoB-ECへの挑戦。玩具メーカー兼問屋カワダが実現した業務効率化と事業拡大


株式会社カワダは、70年以上にわたりブロック玩具や知育玩具、クラフト用品を手がける老舗企業です。玩具の製造・販売を行うメーカーであると同時に、国内外の約300社の商品を取り扱う問屋としても事業を展開しています。

2009年からBtoB向けECを開始した同社は、アナログで行っていた問屋業をECで効率化したいという思いからスタート。2013年には、既存システムの限界を感じたことをきっかけにEBISUMARTを導入し、本格的な運用に乗り出しました。

今回は、EC部のご担当者様に、ECサイトの役割や大規模改修後の効果、今後の展望について伺いました。

<お客様プロフィール>
株式会社カワダ
EC部
次長
長岡 隆太 様

主任
大島 小夜子 様

目的

・より法人のお客様にとって使いやすいECサイトを実現

課題

・大量注文がしにくいシステムだった
・予約注文など業界の特性に合わせた設計になっていなかった

効果

・一括注文で注文単価が約1.6倍に向上
・契約締結までの期間を短縮し、販路拡大

 

問屋の業務をECで。手探り状態からスタートした株式会社カワダ

株式会社カワダ 長岡様(以下、長岡様):
当社はおもちゃメーカーとして、ブロック玩具やアイロンビーズなどの製品を製造・販売する一方、問屋としても国内外の多様な玩具を仕入れ、小売店様に提供しています。ECを始めたのは2009年。当時社長が「アナログな問屋業をECで効率化できないか」と考えたのがきっかけでした。

ただ、当時はBtoB向けのECカートがほとんどなく、BtoC用のカートを無理やり活用していたので、ユーザーにとっても我々にとっても不便が多かったです。マニュアル作業も多く、このままのシステムではこれ以上事業の拡大が難しいという判断から、2013年にEBISUMARTへ乗り換えました。

当時の記事はこちら
会員数・売上高が右肩上がりになりました:カワダ様

 


▲株式会社カワダ
EC部
次長
長岡 隆太 様

 

─ECサイトの役割について教えてください。

長岡様:
主に小売店向けのBtoB取引での受発注システムとしてECサイトを利用しています。

私たちのお客様として、元々は玩具専門の小売店を対象にしていました。しかし今では、少子化の影響もあり、スポーツショップなど異業種のお客様も増えています。通常のお取引を開始するときに行う口座開設では契約に3〜6か月かかるケースもありますが、ECを通じてであれば最短2営業日程度で取引をスタートできます。ECのこのスピード感が新たな販路開拓に寄与しています。

 EC経由の売上比率はまだ2〜3%ですが、社内では5〜6%への引き上げも視野に入れていますので、小規模な販売店様などへも積極的にEC利用をご案内しています。

 

一括注文で注文単価が約1.6倍に。ECが販路拡大の起点に

 ─EBISUMART導入後、大規模なサイト改修にも着手されました。改修後はいかがでしょうか。

長岡様:
2022年にBtoBに特化した大幅なサイト改修を実施しました。

従来のECサイトはBtoB向け業務の機能に課題がありました。法人のお客様と一般消費者の方の注文の仕方はやはり大きく異なります。例えば、法人のお客様は一度に多品種の商品を注文されます。そういった法人のお客様がより注文しやすいECサイトにするために、インターファクトリーさんの力もお借りしながら改修を進めました。

改修後、やはり効果を実感しているのが、商品を一括で注文できる機能です。
法人のお客様はエクセルで商品や在庫を管理していることが多く、発注もそのデータを基に行われます。従来のシステムでは、画面上で1商品ずつカートに入れる必要があり大変煩雑でしたが、この機能により、商品リストをアップロードすればまとめて注文できるようになりました。その結果、平均注文単価は約3万円から5万円にアップし、約1.6倍の成長につながりました。

また、新製品の予約注文にも対応したことで、リピーター獲得や月次の売上予測がしやすくなった点も大きな効果です。玩具業界はメーカー各社から新商品が毎週数10種類と発売されるため、事前予約によって在庫管理や営業活動もスムーズになりました。この業界は新しいものをどんどん売り出していく業界で、販売店の担当者様も新製品の情報を知りたい、早めに注文したいというニーズがあります。ですので、予約注文に対応ができたことは双方にとって良かったですね。

 

株式会社カワダ 大島様(以下、大島様):
サイト改修前から感じている点になりますが、業務効率化につながっています。販売店様からFAXなどで注文を受けている他部署では、受発注処理だけで1日の業務時間の半分近くかかる場合もあります。一方で私たちのEC部では、受発注処理が6〜8倍くらい効率化できていると感じています。


▲株式会社カワダ
EC部
主任
大島 小夜子 様

 

─EBISUMARTを活用した今後の強化ポイントなども教えてください。

長岡様:
現在課題として挙がっているのが、「UI/UXの改善」です。
BtoBならではの受発注ツールとしての要素が強く、現在のECサイトは例えば製品が探しづらいなど、ユーザー目線での操作性が不足している部分がありました。2025年中にはUI改修を進め、より使いやすいサイトへと整備する予定です。

また、スマートフォン対応については、個人事業主のお客様を中心に「スマホで見て、PCで購入する」といった利用傾向があるのではないかと感じています。現在はスマホサイトも立ち上げたばかりなので、業務用途でのニーズとどう棲み分けていくか、引き続き検証していきたいと考えています。

 

サポート力の高さが決め手。安心して任せられるパートナー

─EBISUMARTのサポート面などについてはいかがでしょうか。

長岡様:
導入時もそうでしたが、サポートのレスポンスが非常に早く、何か困ったときにはすぐ対応していただける点がとても助かっています。

長く利用する中で他のカートへの乗り換えを検討したこともありましたが、やはり「困ったときにすぐ相談できる安心感」は何ものにも代えがたいと感じました。社内にECやITの専門知識が少ない中でも、丁寧にフォローしていただけるEBISUMARTは、我々にとって信頼できるパートナーです。

 

今後の展望 ━ お客様と自社、双方の業務効率化を目指して

大島様:
ECは「やらなければならないもの」として社内に浸透してきました。今後はUIを改善し、会員様の購入率を今以上に高めていきたいと考えています。

また、既存の取引先様にもECを活用していただけるよう、利便性の向上に注力していきます。結果として、お客様と我々双方の業務効率もさらに高められると期待しています。

 


▲撮影時はEC運営チームの皆さまにもご参加いただきました

 

カワダ様
お忙しい中 ありがとうございました。
(取材日:2025年5月)

PROFILE
会社名:株式会社カワダ
本社:東京都新宿区

SITE PROFILE
サイト名:カワダオンライン
https://ganguoroshi.jp/

株式会社カワダ様が運営する、玩具と雑貨の会員制卸売サイト「カワダ オンライン」です。創業70年を誇る玩具総合問屋であり、自社商品である「nanoblock」「diablock」をはじめ、数多くの玩具を卸売しています。当サイトでは、従来システムから、在庫データ管理システムや受注管理システムの改善を行い、業務効率化を実現いたしました。

 

「EBISUMART」について

提供会社:株式会社インターファクトリー
「EBISUMART」はECパッケージとASPの両システムのメリットを兼ね備えており、常に最新・最適化されたクラウドコマースプラットフォームです。
サイトリニューアルやオムニチャネル、BtoB-ECなど、業界業種問わず累計800サイト以上の構築実績があり、お客様のニーズを迅速に反映しながら、EC事業の成長をお手伝いさせていただきます。

URL:https://ebisumart.com/


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