スイーツ・お菓子のECサイトでは、ブランドの「世界観」がひと目で伝わるデザインを実現したり、リピート購入を促進したりするための仕組みなどを含む7つの機能が必要です。
◆スイーツ・お菓子のECサイトで必要な7つの機能
機能② 店舗との顧客情報の一元化
機能③ リピート購入促進機能
機能④ 詰め合わせ・セット販売機能
機能⑤ 温度別配送機能
機能⑥ ギフト機能
機能⑦ レビュー機能
この記事では、インターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、スイーツ・お菓子のECサイトで特に必要な7つの機能と3つのマーケティング施策について解説します。
スイーツ・お菓子のECサイトリニューアル事例:「小樽洋菓子舗ルタオ(LeTAO)」
今回は、インターファクトリーのクラウドECプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」の導入事例の中から、株式会社ケイシイシイが運営する洋菓子ブランド「小樽洋菓子舗ルタオ(LeTAO)」のECサイトリニューアルの事例を紹介します。
◆「小樽洋菓子舗ルタオ(LeTAO)」のECサイト

引用(画像):【ルタオ公式】ケーキ・スイーツ・洋菓子の通販 ギフト
◆ECサイトリニューアルによる成果
・個別サービス対応の自動化
・ソーシャルギフト対応の導入
・セキュリティの向上
・ECサイトの表示速度の改善によるコンバージョン率の向上
同社はECサイトリニューアルによって、これまでアナログで対応していた会員向けの個別サービスを自動化し、ギフトやまとめ買いなどの機能を拡充して、業務の効率化とユーザーの利便性の向上を実現しています。
EBISUMARTで構築した柔軟性の高いECシステムでブランドの世界観を具現化し、ユーザーが満足する購入体験を提供しています。
「小樽洋菓子舗ルタオ(LeTAO)」のECサイトリニューアルについてさらに詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
関連記事:EC会員数170%に増加—ブランドのファンを大切にする「小樽洋菓子舗ルタオ」が独自サービスを実現するためにEBISUMARTと共に目指す未来とは
スイーツ・お菓子のECサイトに必要な7つの機能
ECサイトの会員と売上を増やすためには、ブランドや商品の魅力がひと目で伝わるデザインが重要になります。また、EC運用を効率化し、ECサイトの利便性を高めるためには、顧客情報の一元化と会員向けサービスやマーケティング施策を自動化するための仕組みが必要です。
ここでは、スイーツ・お菓子のECサイトに必要な7つの機能を、一つずつ解説します。
機能① ECサイトのデザインの自由度
スイーツ・お菓子は見た目も満足度に大きく影響する要素となるため、ECサイトのデザインがブランドや商品に対するイメージに直結しやすいという特徴があります。
そのため、商品画像やコンテンツのレイアウト、ブランドの世界観を想起させる色やフォントを自由に設定できるかどうかは、スイーツ・お菓子のECサイトにとって極めて重要な機能要件であり、デザインの自由度を担保できるECプラットフォームの採用がECサイトの成功要因の一つとなります。
スイーツ・お菓子のECサイトを構築する場合には、テンプレートを利用したWebページ作成機能ではなく、CSSを自由に編集して独自のWebページの作成・運用が可能なECプラットフォームを採用することをおすすめします。
機能② 店舗との顧客情報の一元化
ECサイトだけでなく実店舗も運営している場合は、顧客情報を一元管理するための仕組みが必要です。実店舗とECそれぞれの会員情報や購買履歴などのデータを統合することで、より高度な顧客対応とマーケティング活動が可能になります。
例えば、実店舗を利用しているお客様にインセンティブを提示してEC会員の新規登録をしてもらうことで、ECサイトでクーポンやポイントを発行したり、ECサイトで注文した商品を実店舗で受け取れるように手配したりというように、チャネルをまたいで利便性の高いサービスが提供できるようになります。
複数の実店舗や複数のECサイトでこうしたオムニチャネルを実現する場合には、外部システム連携とカスタマイズに柔軟に対応できるECプラットフォームが必要です。
外部システム連携は、店舗システムとECシステムとでAPI連携ができると連携機能の開発コストを抑えられるため、あらかじめAPI連携が可能なECプラットフォームの採用を検討するようにしましょう。もしAPI連携ができない場合は、ファイル転送やデータベース連携などの連携方法を検討することになります。
データ連携の実装方法については、関連記事で詳しく解説しています。興味のある方はあわせてご覧ください。
機能③ リピート購入促進機能
スイーツ・お菓子のようにギフトやイベントでの需要が高い商品の販売では、イベントのたびにユーザーに購入してもらえるように戦略的なコミュニケーションを継続することが安定した売上につながります。
そのためECサイトには、予約販売や、ポイント制度、会員ランクごとのアプローチや特典、次回購入時割引など、ユーザーにリピート購入を促すための活動を自動化するための仕組みが必要になります。
特にケーキやギフト商品には一年を通じて記念日やイベントといった明確な需要が生じるため、ユーザーが大事にしている行事やイベントに合わせてアプローチができると効果的です。
◆ケーキやギフト商品の需要が発生するイベントの例
・父の日/母の日
・お中元
・ハロウィン
・年末年始ギフト
・クリスマス
・誕生日
イベントに向けて特設ページを用意したり、メルマガでおすすめ商品を案内したりするなどして会員に積極的にアプローチしていきましょう。季節や一年のイベントを通じて商品を楽しみにしてくれるファンを育んでいくことが大切です。
メルマガ配信では、ECプラットフォームの標準機能を使用する方法と、外部のCRM/MAツールを導入してツールのメルマガ配信機能を使用する方法の2つがあります。予算がある場合には、外部のCRM/MAツールを導入する方法がおすすめですが、ECプラットフォームの標準機能でも基本的なメルマガ配信は十分可能です。
インターファクトリーのクラウドECプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」も、メルマガ配信機能を標準機能で提供しています。
機能④ 詰め合わせ・セット販売機能
スイーツ・お菓子には、いろいろな種類の商品を少しずつ楽しみたいというニーズもあります。そのためECサイトに商品を選んで詰め合わせにできるようなセット販売機能を実装することで、顧客満足度と客単価の向上が期待できます。
セット販売では、親となるセット商品と、単独にも子にもなる商品ごとに商品情報と在庫情報を管理する必要があるため、これらに対応したセット販売機能の有無と機能の詳細についても、ECプラットフォームの選定時に確認するようにしましょう。
EBISUMARTのように、セット販売機能を備えたECプラットフォームがおすすめです。
機能⑤ 温度別配送機能
生菓子やチョコレートのように温度管理が必要な商品を販売する場合には、常温・冷蔵・冷凍の中から商品ごとに適切な温度帯の配送区分を設定できる機能が必要です。特に、1回の注文の中に温度帯が異なる商品が複数ある場合には、最適な配送区分が自動で選択されるようにしておく必要があります。
例えば、1回の注文の中に複数の温度帯の商品がある場合には、最も低い温度帯の配送区分を注文に対して設定するか、商品ごとに配送区分を設定して温度帯別にまとめた形で配送するかを設定できる機能も必要になります。
このように複雑な設定が必要な場合にもECプラットフォームで柔軟に対応できるようにしておかないと、アナログ対応が増え、オペレーションミスも生じやすくなります。
機能⑥ ギフト機能
ギフト需要が高いスイーツ・お菓子のECサイトでは、ラッピングの要不要、熨斗(のし)の有無、メッセージカードを添えるかどうか、送り先の複数指定、納品書の送付先などを選択できるようにするなど、実店舗と同レベルのギフト対応サービスが求められます。
またギフト利用では、ギフトを受け取ったユーザーが、自分のギフト用途などでECサイトを利用してくれる可能性があるので、商品と一緒にECサイトのアドレスやSNSの公式アカウントなどの情報を掲載したチラシなどを同梱するようにしましょう。
ECサイトのギフト機能については、関連記事で詳しく解説しています。興味のある方はあわせてご覧ください。
機能⑦ レビュー機能
購入時のユーザーの不安に対し、商品レビューは大きな影響力があります。特にスイーツ・お菓子の場合は「甘さの加減」「食感」「家族の反応」といった主観的な要素も多いため、ポジティブなレビューが多いと購入時のハードルは低くなります。
また、レビューによって、画面では伝わりづらい商品の魅力や実際に利用したときの状況をイメージしやすいため、好意的なレビューは購入を後押しする強力なツールにもなるのです。
◆ポジティブな商品レビューの例
「冷凍で届いたのに解凍後もふわふわでびっくり。来客用にストックしておきたい」
もちろん、レビュー機能を用意するだけで自然にレビューが集まるわけではありませんから、商品を購入したユーザーに対し、レビューを書いてもらうためのアプローチが必要になります。
ECのレビュー機能については、関連記事で詳しく解説しています。興味のある方は参考にしてみてください。
スイーツ・お菓子のECサイトに必要な3つのマーケティング戦略
スイーツ・お菓子のECサイトでは、商品そのものの情報だけでなく、メッセージや演出を通して、ユーザーにより良いイメージを持ってもらうことも重要になります。
ここでは、スイーツ・お菓子のEC運営で求められる3つのマーケティング戦略を紹介します。
戦略① 「甘すぎない」などヘルシーなイメージの訴求も大切
スイーツ・お菓子に対しては、摂取カロリーや健康面への影響が気になる人も多いです。筆者は甘いものが大好きなので、商品ページはよく見るのですが、「食べすぎると太ってしまうかな……」ということが気になり、購入をやめてしまうことも少なくありません。そのようなユーザーの心理を踏まえて「甘すぎない」などの情報を添えることで、罪悪感を少し軽くする効果が期待できます。
つまり、「甘くておいしい」という表現よりも、ターゲットやシーンによっては「甘すぎない」「上品な甘さ」などを訴求するほうが心に響く場合もあるのです。
体重の増加や健康が気になり始める中年以上の世代がメインのターゲットとなる場合には、ユーザーの関心に寄り添ったメッセージを伝えていくと良いでしょう。
当然ですが、事実ではない、あるいは、かけ離れたメッセージを用いることは、絶対にしないようにしましょう。そうした悪質な行為が分かると、ユーザーは離れていきます。
戦略② 季節限定・イベント限定・期間限定などの訴求
スイーツ・お菓子のECサイトの強みとして、季節やイベントに合わせて商品を魅力的に演出しやすく、特に「今だけ」「数量限定」「予約販売」といった限定販売の場合はユーザーが購入意欲を促進されやすくなるという点があります。
お菓子やスイーツは「贅沢だけど手が届く」価格帯の商品が多いため、ちょっとしたきっかけを作ることで、購入の後押しにつながる可能性が高まりますので、ぜひ季節やイベント、商品の発売時期などに合わせて、ECサイトのトップページや特設ページで積極的に訴求していきましょう。
戦略③ 賞味期限・保存方法・アレルギー表示
商品の見た目やパッケージデザインと同じくらい重要なのが安心と安全を提供することです。スイーツ・お菓子は、ギフトや子ども向けに購入されることも多いため、賞味期限、保存方法、アレルギー表示などの食品販売における基本情報をきちんと明示する必要があります。
◆表記する文言の例
「開封後はなるべく早めに」
「小麦・乳成分を含みます」
これらは購入の判断材料となるためユーザーも重視する情報ですから、表示が見つけにくかったり、必要な情報が網羅されていなかったりすると、ユーザーはそのECサイトに対してネガティブな印象を抱きます。安全性をきちんと伝えてユーザーに安心して購入してもらうことは、マーケティングの面でも非常に大切です。
スイーツ・お菓子のECサイトの注意点
華やかで見栄えの良いスイーツ・お菓子は、ECと非常に相性の良い商材ですが、実店舗と異なり、ECサイトでは実物を見ることができないためトラブルが起こりやすくなります。本記事では2つの注意点を紹介します。
注意点① 配達方法で「宅配ボックス」を選択できない
スイーツ・お菓子の中には冷蔵や冷凍での配送が必要な商品もあるため、宅配ボックスへの配達ができない場合があります。その場合、不在時には商品を届けられないので、勘違いしたユーザーから「いつまでたっても商品が届かない」というクレームを受ける可能性があります。
こうした勘違いや認識のズレを減らすために、商品ページなどの目につきやすい場所だけでなく、カート画面や注文完了メールなど、ユーザーの目に触れる機会がある場所に分かりやすい文章を掲載して注意喚起するようにしましょう。
◆ユーザーへのメッセージの例
「必ず対面でのお受け取りが必要です」
また、受取時のトラブルを少なくするために「受取日時指定」の利用を積極的に促進するのも良いでしょう。その場合も、ユーザーが理解しやすい伝え方を意識するようにしましょう。
注意点② 写真と実物との差を小さくする
写真で商品を魅力的に見せることはECサイトマーケティングの基本ですが、写真と実物との乖離が大きいとユーザーの期待を裏切ってしまうことになります。特にスイーツは見た目の美しさが印象に直結するため、過度な加工や演出は控え、実際のサイズ感や質感が伝わる撮影と説明を心掛けましょう。
「思いのほか小さい」「写真と色が違う」「写真はかわいかったのに実物は別物!」などの不満がSNSに投稿されるとあっという間に炎上してしまう可能性もあります。当たり前のことですが、過剰な演出による一時的な効果を狙うのではなく、ユーザーと誠実に向き合いながら信頼を築いていくことが大切であり、また、それが成功への一番の近道となるはずです。
まとめ
ECサイトを構築する際には、ブランドと商品の魅力が伝わるデザインの工夫と、ユーザーがまた次回も購入したいと感じる購入体験を丁寧に設計することが大切です。
スイーツ・お菓子の販売では、ブランドの世界観がひと目で伝わるデザインを実現するための機能だけでなく、温度管理やギフト対応などの機能も必要になります。
またEC運営では、ユーザーの立場に立ったマーケティング戦略が重要となりますが、特にギフトや特別な日に選ばれることも多いスイーツ・お菓子のECでは、商品の品質だけでなく、梱包や配送でもこだわりのあるサービスを提供すると良いでしょう。
スイーツ・お菓子のECサイトの構築を検討されている方には、インターファクトリーの「EBISUMART(エビスマート)」がおすすめです。EBISUMARTは、スイーツ・お菓子のECサイトに必要な7つの機能はもちろん、複雑なシステム連携やカスタマイズにも柔軟に対応できるクラウドECプラットフォームです。
ECサイトの構築事例やサービスの詳細は、下記の公式サイトをご覧ください。