「注意していても発注ミスがなくならなくて困っている」
「具体的な発注ミスの対策を立てたいから、なるべく多く方法を知っておきたい」
「システム化の前に、個人・組織で取り組める発注ミス対策を知りたい」
ただでさえ業務で手一杯のなか、発注ミスで現場が混乱するのを改善したいという事業者の方は多いのではないでしょうか。
発注ミスは、単なる「数量の間違い」だけでなく、商品・仕様に関するミスや納期・送付先に関する間違い、伝達・処理が上手くいかないケースなど、複雑な要因が絡まって起こるものです。
そのため、発注ミス対策を考える上では、個人・組織の「ミスをしないための心構え」と、システムで「ミスが起こりにくい仕組みを整えること」の両軸が重要です。
| 【個人でできる】即効性の高い発注ミス対策 |
| □手書き・手入力を廃止して「コピー&ペースト」を徹底する □入力後の確認時に「指差し」「音読」を徹底する □発注ミスが起こりにくい環境を整える(ディスプレイ・書類ラックなど) □発注作業中は他の業務をシャットアウトする |
| 【組織で取り組む】仕組みによる発注ミス対策 |
| □慣れない担当者はダブルチェックなどでフォローする □発注先ごとのルールをマニュアル化しておく □社内からの発注依頼のルートを1つに集約する □注文請書・受領メールなどの発注先からの受領確認を徹底する □エクセルなどで入力ミスを制御できるようにする □ミスを責めず事例を共有し合う文化を醸成する(ヒヤリハット報告) |
| 【根本解決を目指す】システムによる発注ミス対策 |
| □ワークフローシステムで発注依頼・承認をデジタル化する □在庫管理システムを導入して発注漏れ・過剰発注を防ぐ □受発注システムを導入して発注ミスが起こりにくい環境を整える |
この記事では、今すぐ取り組める発注ミス対策はもちろん、長期的に「ミスが起こらないようにするための仕組みづくり」としてシステムを導入する対策方法まで、網羅的に解説していきます。
発注ミスを個人の責任として責めるのではなく、できるだけ手書き・手入力をなくしたり、マニュアルを整えたり、仕組みを整えることが大切です。ぜひ今回紹介する発注ミス対策の中から、自社でも取り組める方法を見つけて実践してみてください。
1.発注ミスの原因は多岐に渡る!個人・組織両軸での対策が大切
本記事では発注ミスに対する具体的な対策を解説していきますが、その前にまずは「現場でどのようなミスが起こりえるのか」を把握しておくことが重要です。
なぜならば、発注ミスの種類・原因によって打ち出すべき対策が変わってくるためです。
発注ミスといっても単なる「数量間違い」もあれば、思い込みによる入力ミス、連絡手段の不備による送信漏れ、さらには取引先との認識のズレまで、その種類・要因は多岐にわたります。
◆数量に関するミスの具体例
・「ケース単位」での発注が必要な商品なのに、個数単位で発注してしまい大幅に足りなくなった
・前回の発注履歴をそのまま流用して発注してしまい、過不足が発生した
・FAXでのやりとりで手書きの数字の判別が難しく、結果的に発注ミスとなってしまった
数量に関する発注ミスは、手入力をやめて必ずコピペする、ダブルチェックを強化する、システムと連携してミスが起きない仕組みを整えるなどの対策が有効です。
◆商品・仕様に関するミスの具体例
・画面上では色が判別しにくく、本来は青なのに緑を発注してしまった
・後継モデルが発売されたことを把握しておらず、旧モデルを発注してしまった
・最小ロットの指定があることを失念して発注してしまい、正しく受理されていなかった
商品や仕様に関する発注ミスは、エクセルなどで品番マスタデータを作っておき品番を選択する運用に変える、在庫と連動させてミスが起きない仕組みを整えるなどの対策が有効です。
◆納期・送付先に関するミスの具体例
・複数の店舗や自社倉庫がある場合に、別拠点をデフォルト設定のまま選択してしまい届かなかった
・祝日や休業日を考慮せずに納期を設定してしまい、納品が遅れてトラブルになってしまった
・午前必着の部品の時間指定を忘れてしまい、社内工程に遅延が発生してしまった
納期や送付先に関する発注ミスは、エクセルやシステムで日付ミスが起きない仕組みを整えるなどの対策が有効です。
◆連絡・処理に関するミスの具体例
・出先から後輩に電話で口頭指示はしたが、後輩が処理を忘れていた
・特定の担当者しか発注の仕方を知らず、担当者不在時に処理が滞ってしまっていた
・FAXが送信エラーになったと思い込み、再送したことで二重発注してしまった
・システム上で「保存」はしたが「確定」まで処理できておらず、発注できていなかった
・正しい発注数を取引先には伝えていたが、伝達ミスにより間違ったものが届いてしまった
連絡や処理に関する発注ミスは、ダブルチェックなどでフォローする、発注作業中は他業務をシャットアウトして集中する環境を整える、発注依頼のルートを1つに集約する、ワークフローシステムで発注依頼・承認をデジタル化するなどの対策が有効です。
このように、一口に発注ミスと言っても、個人のちょっとした「ケアレスミス」もあれば、社内での伝達ミス、相手方との認識の齟齬、商品仕様上の問題、システムに起因する原因など、さまざまな発注ミスがあります。
そのため、社内担当者が「気を付けて作業すれば防げる」というものではなく、「ミスが起こりにくい仕組みや環境を整える」という方向性で発注ミスを減らしていくことが重要です。
2.個人でできる!即効性の高い発注ミス対策4選
発注ミスの種類や原因について確認したところで、2章〜4章ではいよいよ「発注ミスをどう防ぐか」という具体的な対策方法について詳しく解説していきます。
まずは、発注ミス対策として取り組みやすく確実性が高い方法で、「個人でもできる対策」を解説していきます。
◆個人でできる!即効性の高い発注ミス対策4選
・入力後の確認時に「指差し」「音読」を徹底する
・発注ミスが起こりにくい環境を整える(ディスプレイ・書類ラックなど)
・発注作業中は他の業務をシャットアウトする
人間だれしもミスは起こすものなので、「ミスが起こりにくくするにはどうしたらいいか」という視点を持って、発注ミス対策を考えていくのがベストです。
ご自身または自社でもすぐできる対策なので、取り入れた場合のイメージを想像しながら読み進めてみてください。
2-1.手書き・手入力を廃止して「コピー&ペースト」を徹底する
発注業務における品番や数量の入力ミスを防ぐための対策としては、手書きや手入力をできるだけなくし、画面上での「コピー&ペースト」の徹底が効果的です。
手書きや手入力での転記は、「見間違い」や「打ち間違い」のリスクがあるためです。特に数量ミスや品番ミスを完全になくすことは困難です。
◆手書き・手入力を廃止してコピペを徹底する発注ミス対策の具体例
・頻繁に発注する商品のリストをエクセルにまとめておき、そこから情報を転記する運用にする
・手書きのメモを預かった場合もそのまま入力せず、必ずデジタル上の文字情報をベースに作業を進める
・エクセルで発注書を作成している場合は、あらかじめ登録したプルダウンからしか発注番号を選べないようにする
手書き・手入力を廃止して、必ずカタログなどから転記するようにするだけで、転記ミスによる発注ミスを格段に減らすことができます。
2-2.入力後の確認時に「指差し」「音読」を徹底する
コピー&ペーストができない状況で、どうしても手作業による入力が発生してしまう場合の発注ミス対策には、指差しと音読による確認の徹底が有効です。
目視だけで確認しようとすると、品番の末尾間違いや桁数の見落としに気付けないことがあります。指を使い、声を出すことで、視覚・触覚・聴覚の複数を動員してチェックの精度を劇的に高めることが、発注ミスを防ぐ効果的な対策となります。
◆入力後の確認時に「指差し」「音読」を徹底する発注ミス対策の具体例
・数量を入力した際、数字を読み上げるとともに桁間違いがないかを確認する
・納期の日付をカレンダーの曜日と照らし合わせて、曜日違いなどがないかも音読で確認する
・元の発注書を流用して作成する場合に、最終確認時に全ての項目を新しい内容に書き換えたか指さし確認をする
指と声を使って一項目ずつ確認する対策を習慣化するだけで、うっかりミスによる発注ミスを未然に食い止めることができます。
2-3.発注ミスが起こりにくい環境を整える(ディスプレイ・書類ラックなど)
発注ミス対策として、視覚的な情報の見落としや処理状況の混同が起きないよう、物理的・デジタル面の両方で作業環境を整えることも極めて有効です。
狭い画面でのタブ切り替えや、デスク上に書類が散乱した状態だと、どうしても発注ミスが起こりやすくなるためです。また、発注業務を兼務で行っているような場合では、作業を中断して別の業務をする場合に、「どこまでやったか」が分からずミスを誘発してしまいます。
◆発注ミスが起こりにくい環境を整える発注ミス対策の具体例
・デスク上に「未処理」「保留」「処理済み(送信完了)」の3種類のラックを設けて、物理的に処理漏れや二重発注が起きないようにする
・FAX送信後は必ず「送信レポート」を原本にホチキス留めし、レポートがないものは未完了と一目で判断できるようにルール化する
・項目数や行数が多い発注の場合、入力が終わった行から「取り消し線」を引いて、どこまで作業したかが分かるようにする
このように発注ミスが起こりにくい環境を整えるだけで、判断ミスや操作ミスを劇的に減らし、正確な発注業務を継続できるようになります。
2-4.発注作業中は他の業務をシャットアウトする
発注ミス対策として、発注作業を行う時間帯をあらかじめ固定して、その間は他の業務や連絡を完全にシャットアウトする方法も効果的です。
なぜならば、発注作業中に電話対応や他の社員からの相談などの「割り込み」が入ると、集中力が途切れて発注ミスが起こりやすくなってしまうためです。
発注作業はデータ入力、確認、修正などの細かなプロセスが連続するため、割り込み業務が入ると集中力が途切れ、入力・確認漏れが誘発されます。
◆他の業務をシャットアウトする発注ミス対策の具体例
・周囲の社員にも協力してもらい、急ぎではない社内対応を発注作業タイムには行わないようにする
・一つ一つの発注作業が完全に完了するまで、次の案件の資料を開かないようにして集中して行う
脳がマルチタスク状態になるのを防ぎ、発注だけに没頭できる時間を確保することは、ヒューマンエラーをなくすための強力な対策となります。
3.組織で取り組む!仕組みによる発注ミス対策6選
前章では、ダブルチェックの習慣化や指差し確認など、個人の努力で今日から始められる発注ミス対策について解説しました。しかし、個人の集中力を高めても、防ぎきれないミスは必ず発生します。
そこで重要になるのが、属人的なスキルに頼らず、組織全体でミスを未然に防ぐ「仕組み」を構築することです。
この章では、チームや部署単位で取り組むべき発注ミス対策を以下のテーマに沿ってご紹介します。
◆組織で取り組む!仕組みによる発注ミス対策6選
・発注先ごとのルールをマニュアル化しておく
・社内からの発注依頼のルートを1つに集約する
・注文請書・受領メールなどの発注先からの受領確認を徹底する
・エクセルなどで入力ミスを制御できるようにする
・ミスを責めず事例を共有し合う文化を醸成する(ヒヤリハット報告)
製造業の現場で広く知られる考え方として「人を責めずに仕組みを責める」を念頭に置き、仕組みを整えることで物理的・制度的に発注ミスを防ぐ対策を講じていきましょう。
3-1.慣れない担当者はダブルチェックなどでフォローする
業務に慣れていない新人や異動者が発注を行う際には、必ず熟練者や責任者がフォローする体制を作ることで、発注ミスを防ぐことができます。
経験が浅い担当者の場合、「この商品はケース単位で発注する」などの発注単位・最小発注可能数や、「先に在庫確認をしてから発注しないといけない」などの独自の習慣を正しく把握することは困難です。
慣れている担当者なら「いつもはこんなに大量に発注しない」とすぐ気付くことができても、新人担当者だと気付かずにそのまま発注してしまうことがあるでしょう。そのため、慣れている担当者によるフォローが不可欠となります。
◆ダブルチェックなどでフォローする発注ミス対策の具体例
・二人一組で「読み合わせ確認」を行い、ケアレスミスが起きないようにする
・最小発注単位・ロットなど間違いやすい発注ルールについて、間違っていないか担当者がフォローする
・独自の特殊なルール・習慣について、先輩が後輩にしっかりと事前に共有しておく
全件のダブルチェックが難しい場合は、発注ルールが複雑な取引先だけでも行うことで、発注ミスの発生を抑えることができるでしょう。
3-2.発注先ごとのルールをマニュアル化しておく
組織的な発注ミス対策として、取引先ごとに異なる独自のルールや注意点を「見える化」し、誰でも参照できるマニュアルとして整備しておくことが不可欠です。
発注業務には、「この会社は午前中に送らないと当日出荷にならない」「この商品は先に在庫確認をしないといけない」などの、マニュアル化されていない現場独自の慣習が潜んでいることが多く存在します。
こうしたルールが一部のベテラン担当者の頭の中にしかない状態(=属人化)は、担当者が不在の際や新人が作業する際の発注ミスを引き起こす大きなリスクとなります。
◆発注先ルールをマニュアル化する発注ミス対策の具体例
・「1ケース=20個」「端数注文不可」など、間違いやすい数量単位やロットのルールを商品ごとに明文化し、発注画面の横に掲示する
・過去に発生したトラブルや「あそこの担当者はここを気にする」といった細かな注意点も備考欄に集約し、経験の浅い担当者でもベテランと同じ配慮ができる環境を整える
・取引先から注文方法の変更(FAXからWebへの移行など)があった場合、即座にマニュアルを更新し、組織全体で古いルールによる発注ミスを防ぐ対策をとる
組織として「暗黙の了解」をなくして正しい手順を標準化することで、担当者が誰であっても正確かつスムーズに発注業務を完遂できるようになります。また、しっかりマニュアルを作成しておくことで、業務の引き継ぎや教育、不在時の代理対応なども円滑に進みます。
3-3.社内からの発注依頼のルートを1つに集約する
組織全体での発注ミス対策として、社内からの発注依頼ルートを1つに集約し、口頭やメモによるバラバラな発注依頼をできる限り禁止することが非常に重要です。
依頼方法がバラバラだと、情報の聞き取り間違いやメモの紛失が発生しやすく、結果として「言ったはず」「聞いていない」といった連絡・処理ミスを招く原因になるためです。
依頼の窓口を一本化し、必ず「決まったフォーマットの文字情報」として証拠が残る仕組みを構築することは、組織として発注ミスを防ぐための第一歩となります。
◆発注依頼ルートを集約する発注ミス対策の具体例
・共有デスクの端に置かれた付箋やメモでの依頼を受け付けず、所定のフォーマット(発注依頼書など)以外は「受理しない」という運用を徹底する
・社内のグループウェア・ワークフローシステムを導入し、発注依頼を必ずそこから受け付けるようにする
・社内チャットに「発注依頼専用チャンネル」を作成し、依頼者、商品名、数量、希望納期が必ず一画面で確認できる状態を作る
発注依頼のルートを1つに集約すると、すべての発注依頼が同じフォーマットになっているため、発注処理もシンプルになり、発注ミスが起こらなくなります。
また、証拠・履歴が残るため、「自分は発注依頼した」「いや、依頼されていない」などの認識の齟齬がなくなるメリットもあります。
3-4.注文請書・受領メールなどの発注先からの受領確認を徹底する
発注ミス対策として、「こちらから発注したら完結」とするのではなく、先方から発行される「注文請書」や「受領メール」を必ず確認し、双方の認識が一致しているかをチェックすることも有効です。
もしも発注内容を間違えてしまった場合も、受領確認の連絡が来た時点でミスに気付ければリカバリーができます。また、自社にミスがなくても、先方の勘違いなどで発注内容に誤りがあれば、その時点で正すことができます。
◆発注先からの受領確認を徹底する発注ミス対策の具体例
・「受領確認が来ない場合は電話でフォローする」というルールを設け、発注が未手配になるのを防ぐ
・届いた注文請書は発注書とセットにして保管し、後から「いつ、誰が受け付けたか」を証跡としてたどれるようにルール化する
相手が正しく受け取ったことを確認するまでを発注業務の一環と捉えることで、取引先との連絡ミス・伝達ミスによる発注ミスを防ぐことができます。
3-5.エクセルなどで入力ミスを制御できるようにする
エクセルなどの表計算ソフトで発注書を作成している場合には、「間違った入力ができない設定」や「ミスを知らせる警告」を組み込む方法もあります。
あらかじめ関数やプルダウンで制御する仕組みを整えておくことで、存在しない型番入力や数量のありえない打ち間違いなどを「できなくする」ことが可能です。
◆エクセルなどで入力ミスを制御できるようにする発注ミス対策の具体例
・数量入力欄に「1〜20まで」といった制限をかけ、異常な数値が入力された場合に、エラーメッセージを表示して入力を確定させないようにする
・条件付き書式を設定し、納期が過去の日付になっていたり、必須項目が空欄のままだったりする場合に、セルを赤く光らせて視覚的に警告する対策をとる
・VLOOKUP関数などを使い、型番を入力するだけで商品名や単位が自動表示されるようにし、手入力による転記ミスを物理的に発生させない仕組みを作る
・入力規則の「入力時メッセージ」機能を使って、セルをアクティブにした際に入力時の注意を促すメッセージを表示させる
エクセルなどで上記のような関数・プルダウンなどを準備するのには少し手間が掛かりますが、一度設定してしまえば、ありえないミスが起こらないようにすることが可能です。物理的にミスを許さない環境を作ることは、組織的に発注ミスを未然に防ぐための確実な手段となります。
3-6.ミスを責めず事例を共有し合う文化を醸成する(ヒヤリハット報告)
究極の発注ミス対策として、ミスをした個人を責めるのではなく、発生したミスや「ミスになりかけた事例(ヒヤリハット)」をオープンに共有し、組織全体の知恵にする文化を醸成することが不可欠です。
ミスを厳しく追及する風土では、担当者が叱責を恐れてミスを隠蔽するようになり、結果として対策が遅れてしまう傾向があります。ミスを「担当者のミス・責任」ではなく「仕組みの欠陥」と捉えることで、仕組みを整えていこうという方向性にすることが重要です。
◆ミスを責めず事例を共有し合う文化を醸成する発注ミス対策の具体例
・実際にミスに至らなくても、「間違えそうになった」というヒヤリハット事例を報告した人を評価し、組織の危機管理能力を高める対策をとる
・共有されたミス事例を蓄積してマニュアルに反映させるなどして、新人に同じ轍を踏ませない仕組みを作る
・朝礼や定例会議で、最近起きた軽微なミスや工夫したリカバリー方法をフラットに発表し合う時間を設け、ミスを隠さないことが「当たり前」の空気を作る
ミスを責めずに「共有して改善して組織を強くする」文化を整えるだけで、発注ミス対策を継続的に「より良くしていく」ことができるでしょう。
4.根本解決を目指す!システムによる発注ミス対策3選
前章までは、チェック体制の強化やルールの明文化など、個人や組織の意識を変えることでミスを防ぐアプローチについて解説してきました。しかし、どれほど注意深く業務を行っていても、手作業やアナログな業務が残る限り、ヒューマンエラーを完全にゼロにすることは困難です。
そこで本章では、業務の各プロセスにデジタルツールを導入し、手入力や二重管理の手間を物理的に排除する方法を解説していきます。
◆根本解決を目指す!システムによる発注ミス対策3選
・在庫管理システムを導入して発注漏れ・過剰発注を防ぐ
・受発注システムを導入して発注ミスが起こりにくい環境を整える
これらのシステムにはミスを防ぐための工夫が凝らされており、単に間違いを減らすだけでなく、業務スピードの向上やコスト削減、さらには組織全体の平準化を同時に達成することが期待できます。
「自社にこのシステムを入れたらどう変わるか」をイメージしながら、読み進めてみてください。
4-1.ワークフローシステムで発注依頼・承認をデジタル化する
発注ミス対策を根本から強化するには、社内の発注依頼から承認までのプロセスをワークフローシステムでデジタル化することが非常に効果的です。
「3-3.社内からの発注依頼のルートを1つに集約する」で触れた「依頼ルートの集約」をシステム上で強制することにより、口頭やメモによる曖昧な依頼を物理的に排除できるためです。
また、承認ルートが自動化されることで、最終的な発注者が「正しい内容か」を確認するプロセスが必ず発生し、二重、三重のチェックが自然に組み込まれます。これにより、依頼内容の聞き取り間違いや、未承認のまま発注してしまうといった重大なミスを根絶できます。
◆ワークフローシステムによる発注ミス対策の具体例
・金額や重要度に応じた承認ルートをあらかじめ設定し、適切な権限を持つ上長が内容を検閲してからでないと発注処理に進めない仕組みを作る
・「いつ、誰が、どのような内容で依頼し、誰が承認したか」の履歴を自動で残し、後からミスの原因を正確に振り返ることができる環境を整える
・過去の申請データをコピーして再利用できる機能などを活用し、複雑な型番や取引先情報の再入力による手間とミスを削減する
※全てのシステムで同様のことができるとは限らないため、システムの仕様をご確認ください。
社内の承認プロセスをデジタル化して、複数のチェックの目が入ることで、発注ミスを大幅に防ぐことが可能になります。
ワークフローシステムは、無料のシステムや月額1人500円以内のクラウドシステムなどもあり、比較的導入しやすいメリットがあります。社内からの発注依頼がミスの原因になっている場合には、ぜひ導入を検討してみるのがおすすめです。
4-2.在庫管理システムを導入して発注漏れ・過剰発注を防ぐ
発注ミスの中でも特に深刻な「発注漏れ」や「過剰発注」を根本から防ぐには、リアルタイムで在庫状況を把握できる在庫管理システムの導入が有効です。
「まだ在庫があると思い込んで発注しなかった」あるいは「在庫がないことに気づかず欠品させた」といったミスは、正確な在庫数が可視化されていないために起こる「判断のミス」です。
システムによって「今、何が、どこに、いくつあるか」を常に正しく把握できる環境を整えることは、こうした属人的な判断ミスを排除するための強力な対策となります。
◆在庫管理システムによる発注ミス対策の具体例
・在庫が一定数を下回った際に自動でアラートを出す「発注点管理」機能を活用し、担当者の記憶や感覚に頼らない正確な発注タイミングを確保する
・複数の倉庫や店舗の在庫を一括管理し、組織全体での在庫の偏りや、不要な二重発注をシステム的に防止する対策をとる
・過去の出庫データに基づいた需要予測機能を使い、季節変動やトレンドを考慮した適切な発注量を算出することで、過剰発注によるロスを防ぐ
※全てのシステムで同様のことができるとは限らないため、システムの仕様をご確認ください。
正確な在庫データに基づいた発注判断の仕組みを構築することで、個人の「思い込み」や「数え間違い」に起因する重大な発注ミスを未然に防ぐことが可能になります。
ただし、こうした発注と在庫を連動できる高精度な在庫管理システムは、月額3万円〜(別途初期費用)など高額なコストや準備期間が必要になる点は理解しておかなければなりません。さらに、倉庫へのハンディターミナルの導入や、実在庫の棚卸しフローの徹底など、コストと労力がかかる点も注意が必要です。
4-3.受発注システムを導入して発注ミスが起こりにくい環境を整える
「注文書の書き間違い」や「送り間違い」といった外部への伝達ミスを大幅に削減する発注ミス対策としては、取引先とのデータのやり取りを直接デジタル化する受発注システムの導入が効果的です。
電話やFAX、メール、フォーマットがそろっていない発注書などで運用している場合、どうしても転記ミスや見落としといったリスクを完全に排除することは困難です。
しかしながら、受発注システムを受発注の窓口に統一すれば、取引双方が「常に同じ最新データ」を参照できるため、品番の打ち間違いや「言った・言わない」のトラブルを物理的に防ぐことが可能になります。
◆受発注システムによる発注ミス対策の具体例
・受発注の履歴がシステムに残るため、処理漏れや二重発注も防止できる
・最小発注単位に満たない注文や、無効な品番の入力をシステムが自動で弾いてくれるため、発注ミスが起こりにくい
・電話やFAXの聞き間違いや漏れがなくなり、「言った・聞いてない」などの取引先との認識の齟齬も起こらない
・事前に取引先ごとの独自ルールなどを登録できるため、誰が対応しても同じ手順で迷わず発注できる
※全てのシステムで同様のことができるとは限らないため、システムの仕様をご確認ください。
アナログな作業を排除して受発注をシステムで完結させることで、ミスを最小限に抑えつつ業務効率化も図ることが可能です。
もちろん受発注システムの導入には、システム費用や運用ルールの再構築、取引先の理解など、コストや準備が必要になる点は理解しておかなければなりません。しかしながら、発注ミスを大幅に削減できるという点においては、受発注システムの効果は非常に大きいと言えます。
まずは自社や取引先の状況を見ながら、発注ミスを削減するための費用対効果がどうなのか、具体的なサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
5.発注ミス対策にシステムを活用するなら「EBISUMART BtoB」
前章までで詳しく見てきたように、人の注意だけに頼る対策には限界があります。属人化を排除し、手入力をなくして物理的にエラーを許さない環境を整えることが、発注ミスをなくすための確実なアプローチです。
そのためにおすすめなのが、エンタープライズSaaS基盤「EBISUMART BtoB」です。
EBISUMART BtoBの「商品一括投入機能」を使えば、手入力・転記をせずに商品を一括でカートに投入することができます。
CSVファイルを用意して、商品一括投入ページからアップロードすることで、複数の商品を一つ一つクリックしていく手間を省いた迅速な受発注業務が可能となります。
さらに「類似した品番が多くて注文を間違える」「カタログの品番と自社コードの読み替えでミスが起きる」といった商品仕様に関するトラブルも、「EBISUMART BtoB」なら以下のようにさまざまなケースに対応できるため、取引先の利便性を保ったままスマートに解決できます。
・ケース1:自社の商品コードをそのまま活用する
・ケース2:物流現場で使い慣れたGTINやJANコードをキーにする
・ケース3:取引先が指定する「メーカー品番」で注文を受ける
EBISUMARTを使うことで、FAX注文の入力時間を約半分、返品処理の処理時間を限りなくゼロに近づけることに成功した事例もあります。
発注ミス対策に限界を感じているならば、顧客ごとの掛け率・価格設定、まとめ買い対応、見積もり・請求書発行など、複雑なBtoB商習慣をシステム化して業務効率化・DX推進を実現できる「EBISUMART BtoB」の導入を、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。
6.まとめ
本記事では「発注ミス対策」について解説してきました。最後に、要点を簡単にまとめておきます。
◆発注ミスの原因は多岐に渡る!個人・組織両軸での対策が大切
◆個人でできる!即効性の高い発注ミス対策4選
・入力後の確認時に「指差し」「音読」を徹底する
・発注ミスが起こりにくい環境を整える(ディスプレイ・書類ラックなど)
・発注作業中は他の業務をシャットアウトする
◆組織で取り組む!仕組みによる発注ミス対策6選
・発注先ごとのルールをマニュアル化しておく
・社内からの発注依頼のルートを1つに集約する
・注文請書・受領メールなどの発注先からの受領確認を徹底する
・エクセルなどで入力ミスを制御できるようにする
・ミスを責めず事例を共有し合う文化を醸成する(ヒヤリハット報告)
◆根本解決を目指す!システムによる発注ミス対策3選
・在庫管理システムを導入して発注漏れ・過剰発注を防ぐ
・受発注システムを導入して発注ミスが起こりにくい環境を整える
発注ミス対策は、個人・組織の「ミスをしないための心構え」と、システムで「ミスが起こりにくい仕組みを整えること」の両軸が重要です。発注ミス対策にシステムを活用するなら「EBISUMART BtoB」をぜひご検討ください。
























