単品通販のメリットと成功させるための5つのポイントを解説


「単品通販」という言葉は聞いたことがあるが、詳しくは分からない、または始めようと検討しているのでメリットを知りたい、というEC担当者の方もいるのではないでしょうか。

単品通販は取り扱い商品を限定したECサイトのことで、リピート販売が中心になるビジネスモデルです。そのため、成功させるためには、しっかりとターゲットを絞ってリピート施策を行うことが重要になります。

この記事では、インターファクトリーでマーケティングの部署に所属する筆者が、単品通販のメリット・デメリットから、成功させるためのポイントまで詳しく解説します。

単品通販と総合通販の違い

単品通販とは、1種類の商品を販売するビジネスモデルのことです。ここで言う1種類とは商品の数ではなく、あくまで種類のため、例えば1つのブランドの中で複数の商品展開をしている場合も、単品通販に含まれます。

反対に、よくイメージされるAmazonなどのECサイトは「総合通販」と呼ばれ、多くのブランドやカテゴリの商品を取り扱っています

それぞれの違いを表にまとめたので、以下をご覧ください。

◆単品通販と総合通販の違い

単品通販は化粧品や健康食品などの消耗品を商材にすることがほとんどのため、リピート販売に力を入れています。また、商品の種類を絞っているため、自社ブランドの商品を販売をしていることも多く、必然的にDtoCのモデルが多くなり、収益率も高くなることが特徴です。

単品通販のメリット、デメリット

続いて、単品通販のメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

メリット①初期投資が少なく始められる

総合通販との大きな違いは取り扱う商品の数です。単品通販は1種類のため、総合通販と比べて商品の在庫管理や発送作業、ECサイト運営の人件費などを抑えることができます

初期投資を抑えて事業を始めることができるため、予算が限られている場合でも始めやすいことがメリットです。

メリット②収益予想が立てやすい

単品通販は取り扱う商品が限られている分、リピート購入や定期販売のユーザーが多くなります。リピーターが増えればECサイトの売上は安定しますし、定期販売であれば毎月売上が積み重なっていくので、どちらの場合でも収益予想が立てやすくなります。

また、自社ブランドの商品を扱うDtoCのECサイトの場合は、価格競争になる可能性が低いこともメリットです。

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メリット③販売促進がしやすい

単品通販では取り扱う商品が少ないため、総合通販と比べてECサイトのページ数も少なくなります。そのため、1つのページにかける時間や労力も多くなると言えます。

つまり、商品情報を詳しく記載したり、広告出稿にも予算を割くことができるため、商品をユーザーにアピールしやすくなります。EC運営に関わる部署や担当者も少ないと仮定すると、それだけECサイトの自由度が高いと言えるので、改善施策なども短いサイクルで行いやすくなることもメリットでしょう。

次に、デメリットについて解説します。

デメリット①アプローチできる顧客が限られる

取り扱う商品が少ないため、顧客数はどうしても少なくなります。ターゲットが絞られている場合も多いので、アプローチできる層が限定されるためです。

そのため、いかにリピート購入をしてもらうか、という点が重要になります。

デメリット②売れなかったときのリスクが高い

総合通販であれば、売れない商品があっても他の人気商品でカバーできますが、単品通販の場合はそうはいきません。取り扱い商品が少ないという点は、メリットにもデメリットにもなります。

また、自社ブランドの商品を扱う場合、認知度が上がるまでは広告費なども多くかかる可能性がありますので注意しましょう。

デメリット③SEOで上位表示されにくい

ECサイトの集客施策としてSEO対策は有効ですが、単品通販では上位表示を狙うのは難しい場合があります。なぜならGoogleは網羅性のあるサイトを重視すると言われているため、幅広い商品を取り扱っている総合通販のECサイトの方が上位表示されやすいと考えられるからです。

アイテムキーワードでの上位表示が難しいとなると、やはり広告などでユーザーの目に留まる機会を増やすことが必要になります。

詳しくは、以下のネットショップ担当者フォーラムの記事が参考になるので、ぜひご一読ください。

参考:ネットショップ担当者フォーラム単品系通販サイトでやるべきSEO施策① アイテムキーワードからの脱却! 商品名の対策と周辺ニーズから“売れる”コンテンツを作ろう

単品通販を成功させる5つのポイント

ここからは、単品通販を成功させるために押さえておくべきポイントを5つ解説します。

ポイント①ターゲットだけでなくペルソナまで設定する

単品通販では、ターゲットを絞って訴求することが重要です。「40代男性」などのように年齢や性別だけではなく、なるべく細かくペルソナを設定しましょう。

◆ペルソナ設定の例

・年齢
・性別
・職業
・居住地
・家族構成
・趣味

詳細に設定することで、広告もより高い効果が期待できますし、ECサイトやSNSでの集客でどんな情報を伝えるべきなのか考えやすくなります

単品通販とSNSの相性については、以下のネットショップ担当者フォーラムの記事が参考になるので、ぜひご一読ください。

参考:ネットショップ担当者フォーラム単品系通販サイトでやるべき広告施策① 単品系こそSNSを最大限に活用しよう! ショッピング機能やオーガニックと広告の使い分けを解説

また、ターゲットによって適した決済方法を準備することも重要です。自社ECサイトで選ぶべき決済方法について、詳しくは以下の記事にまとめてありますので、ぜひあわせてご覧ください。

関連記事:【徹底解説】自社ECサイトで使うべき9つの決済方法

ポイント②初回購入を成功させる

どのECサイトでも重要なポイントですが、単品通販でも初回購入は重要です。リピート購入を前提とした消耗品という商材の特性を生かし、無料のサンプルを配布することも有効でしょう。

まずは初回購入を成功させることで、次のリピート施策へとつなげることができます。

ポイント③リピート施策に注力する

無料のサンプルを送ったユーザーや、初回購入をしてくれたユーザーには、ステップメールなどで接点を持ち続けることが重要です。

◆ステップメールによるリピート施策の例

【サンプル送付後のシナリオ例】
・1週間後:「商品の使い方」
・2週間後:「ユーザーの声や役立つ情報」
・3週間後:「定期購入キャンペーンの案内」

上記のようにユーザーと接点を持ち続け、定期販売へ誘導するなど、リピーターとなってもらうための施策を行いましょう。ステップメールの他にもリピート施策について詳しく知りたいという方は、過去の記事にまとめてありますので、あわせてご覧ください。

関連記事:EC担当者が仕掛ける!ファンを増やすリピート施策5選 

ポイント④LPを工夫する

広告などで商品に興味を持ったユーザーがアクセスするのが、ランディングページ(LP)です。EC事業者はまずこのLPに集客することを目指すと思いますが、もちろん集客だけでなくCVも意識しなければなりません

まずはターゲットに合わせて訴求する内容を絞り、LP内の情報量が多くなりすぎないように気を付けます。そして画面遷移が多くなると、ユーザーは購入を面倒に感じてサイトから離脱してしまうことがあるので、LP内に入力フォームを作ることも効果があると言えます。

弊社のEC構築ツールである「ebisumart(エビスマート)」でも、LP内に入力フォームを設置することができます。機能について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

参考:集客施策の代表例!ランディングページ(LP)を作る2つの手法とは!?ebisumart サポートサイト

ポイント⑤分析をする

ポイント①~④を意識して施策を行ったら、「狙い通りにユーザーに届いているのか」を分析して確かめましょう。

アクセス数だけでなく、どのような年齢層のユーザーが多く見ているのかなど、設定したターゲットに届いているのか確認したり、LPからのCVが思うように伸びなければ、どこで離脱しているのかを確認して、ユーザーの迷いをなくすページに改善します。

Google Analyticsなどの無料ツールでも良いですし、ECシステムに分析機能が実装されていれば、それを活用するのも良いです。データを蓄積することで、より効果的な施策を実行できたり、ECサイトを改善していくことが可能になるので、分析は必ず行いましょう

単品通販に必要な機能

続いて、単品通販のECサイトを構築する場合に必要な機能について解説します。

①定期販売機能

単品通販では、定期販売のユーザーを獲得することが売上を安定させるためにも重要なので、初めから定期販売に対応できるECサイトを構築する必要があります

定期販売機能があるECシステムは多くありますが、詳細はシステムごとに異なるので、自社の実現したい定期販売モデルを明確にした上で、「お届け日」「お届け周期」「決済方法」「初回割引に対応できるか」などを事前に確認することが大切です。

②ステップメール機能

単品通販を成功させるポイントでも解説しましたが、リピート施策の一つとしてステップメールを送りたい場合、ステップメール機能が必要です。

ステップメール機能は、「対象のユーザー」「対象商品」「配信タイミング」「テキスト」などのシナリオ登録をすることで、条件に当てはまったときに自動でメール送信ができる機能で、定期販売のモデル以外にも、会員登録したユーザーとのコミュニケーションなど幅広い場面で活用できます。

③販促機能

リピーターを増やすためには、「キャンペーン機能」や「クーポン機能」などの販促機能も有効です。まずは例をご覧ください。

◆販促施策の例

・サンプル商品を受け取ったユーザー限定「割引キャンペーン」
・初回購入したユーザーに2回目の購入で使える「クーポン発行」
・定期購入中のユーザーに他商品のサンプルを「ノベルティとして送付」

特に「キャンペーン機能」では、割引期間や割引率だけではなく、「サンプル商品を受け取ったユーザー限定」など、細かい条件が設定できる方がいろいろなアイデアでキャンペーンを実行しやすくなります

「ノベルティ機能」は指定された商品を購入したユーザーの受注情報に、ノベルティ商品の情報も作成する機能です。同じブランドから新しい商品を発売するなど、ユーザーにサンプル商品を送って試してもらいたいときに活用できます。一人のユーザーに付与できるノベルティ数の上限を設定できる機能なども実装されていると良いです。

このように販促機能を使ってユーザーにアプローチすることで、リピート率を上げましょう。

単品通販が可能なECプラットフォームの選定

単品通販に特化したECシステムもあれば、オプション機能として定期販売機能などを用意しているECシステムもあります。

単品通販のECサイトを構築するには、まずプラットフォームを選びましょう。最初はECサイトの年商を目安に選定することをおすすめします。

◆ECサイト構築費用の相場と年商規模

「ASP」は低価格で簡単にECサイトを作ることができる点が特徴ですが、デザインや機能のカスタマイズには制限があるので、注意が必要です

「オープンソース」は無料で公開されているソースコードを利用する方法のため、自社に技術力があれば費用を抑えてECサイトを構築することができますが、障害やトラブル対応もすべて自社で行う必要があります。

「パッケージ」と「クラウドEC」は年商1億円以上の事業者に適したクオリティーの高いECサイトを作ることができる方法です。カスタマイズにも対応しているので、単品通販に必要な機能を実装することが可能です。

「フルスクラッチ」はすべてのデザインや機能を自由に設計できるため、最も費用がかかります。年商50億円以上の大規模ECサイトを作るような大企業で採用される方法です。

詳しい構築方法などは、関連記事にまとめてありますのであわせてご覧ください。

関連記事:EC初心者が10分で理解するECサイト制作の手順と費用相場

単品通販のまとめ

単品通販は総合通販に比べて初期投資も少なく、始めやすいビジネスモデルです。しかし、取り扱う商品が少ない分、リピーターが増えないと売上を伸ばすことは難しいでしょう。

この記事で紹介したポイントを踏まえた上で、魅力的な商品とターゲットに合った戦略を用意し、単品通販を始めてみてください。

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ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。