「韓国向けに商品を販売したいけど、どうすればいいのか分からない」
「韓国の越境ECの現状や参入方法を知りたい」
このような疑問を調べている方も多いのではないでしょうか。
韓国の越境EC市場は、近年急成長を遂げており、日本企業にとって大きなチャンスが広がっています。
この記事では、韓国越境ECの市場規模や成長性、プラットフォームの選択肢、参入前の準備、参入ステップなど、韓国越境EC参入に必要な情報を解説します。
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最後までお読みいただくと、韓国越境ECへどのように参入したら良いのか、具体的なイメージがつかめるはずです。韓国の巨大なEC市場へ進出するためにお役立てください。
1. 韓国越境EC市場の可能性とメリット・デメリット
韓国の越境EC市場は、近年目覚ましい成長を遂げています。まずは、市場規模や人気商品カテゴリ、参入メリット・デメリットといった基礎情報から確認していきましょう。
② 韓国の越境ECを主導するのは中国・米国・日本
③ 韓国で人気の高い日本の商品カテゴリ
④ 韓国越境EC参入のメリット・デメリット
1-1. 韓国におけるEC市場と越境ECの規模
韓国のEC市場は、世界的に見ても大きく、中国・米国・英国・日本に次ぐ世界第4位の電子商取引市場となっています(韓国統計局2023年データ)。
韓国統計庁のデータによると、2023年の韓国におけるEC市場規模は約227兆3,500億ウォン(約25兆円)に達しました。前年比8.3%・過去10年では約13倍に成長しており、今後も成長が見込まれています。
この韓国のEC市場拡大の一因として分析されているのが、越境ECです。
韓国関税庁が発表した2023年の韓国の越境EC輸入額(速報値)は、約6兆7,567億ウォン(約7,432億円)であり、前年比26.9%増加で過去最高値を記録しています。
※円換算は執筆時(1ウォン=約0.11円)のレートを用いた概算であり、実際の為替は変動しますので目安としてご参照ください。
出典:中国电商军团,席卷全球第四大电商市场-36氪、[단독]택배 뜯어보고 “반품이요”…4조5000억 쓰셨네요 – 머니투데이
1-2. 韓国の越境ECを主導するのは中国・米国・日本
急成長を遂げている韓国の越境ECを主導するのは、中国・米国・日本です。
2022年までは米国が韓国越境ECのシェア第1位でしたが、2023年にその座を中国に譲っています。日本のシェアは、中国・米国に次いで第3位です。
◆2023年の韓国における海外直購入(越境EC輸入)
・米国:4,645億ウォン(前年比17億ウォン増加、0.4%増)
・日本:1,292億ウォン(前年比39億ウォン増加、3.1%増)
これから日本企業が越境ECにチャレンジする場合、中国企業および米国企業と競争することになります。とくに、中国の勢いが強いことに留意する必要があるでしょう。
1-3. 韓国で人気の高い日本の商品カテゴリ
韓国の消費者は、日本製品に対して品質やデザイン、安全性などの面で高い評価をしています。とくに、以下のような商品カテゴリが人気です。
・化粧品:日本の化粧品は、高品質で肌に優しいというイメージがあり、韓国でも人気があります。スキンケア用品、メイクアップ用品、ヘアケア用品など、幅広い商品が売れています。
・アパレル:日本のファッションブランドは、韓国でも注目を集めています。ストリート系ブランドや、シンプルで洗練されたデザインのブランドが人気です。
・食品:日本の食品は、安全性が高く、おいしいというイメージがあります。お菓子、調味料、インスタント食品、健康食品などが人気です。
・エンタメグッズ:日本のアニメや漫画、ゲームなどのコンテンツは、韓国でも人気があります。関連グッズ(フィギュア、アパレル、雑貨など)の需要も高い傾向です。
・生活雑貨:日本の生活雑貨は、品質の高さや機能性、デザイン性に優れているという評価を受けています。キッチン用品、バス用品、文房具などが人気です。
これらの商品カテゴリは、韓国越境ECで成功する可能性が高いと言えるでしょう。ただし、競合も多いため、商品の選定や価格設定、プロモーション方法などを工夫する必要があります。
1-4. 韓国越境EC参入のメリット・デメリット
韓国の越境ECは魅力的な市場ですが、メリットもあればデメリットもあります。ここで整理しておきましょう。
まず、メリットとして挙げられるのが以下のポイントです。
◆メリット
・市場規模の大きさ・成長性の高さ:前述の通り、韓国のEC市場は大きく、今後も成長が見込まれています。中でも越境ECは成長分野であり、日本企業にとって大きなビジネスチャンスとなります。
・日本製品への高い関心・好感度:韓国の消費者は、日本製品に対して品質やデザイン、安全性などの面で高い評価をしています。日本製品は韓国市場で受け入れられやすく、販売しやすい環境です。
・地理的近接性による配送コストの削減:韓国は日本から地理的に近いため、他国への越境ECに比べて、配送コストを抑えられます。
一方、デメリットとしては以下が挙げられます。
◆デメリット
・厳しい競争環境:韓国のEC市場は競争が非常に激しく、韓国国内企業だけでなく、前述のとおり中国や米国の企業が参入しています。価格競争に陥らないために差別化戦略が必要です。
・決済の課題:韓国では、日本とは異なる決済方法が主流です。Naver Pay、Kakao Payなどの電子決済サービスへの対応が必要です。
・返品対応の負荷:韓国では消費者保護が手厚く返品ポリシーが厳格なこともあり、返品率が高い傾向にあります。返品対応を含めた物流コストを見積もる必要があります。
・法規制・認証対応の必要性:韓国のEC関連法規制や、商品ごとの認証制度への対応が必要です。これらの対応には、専門知識やコストが必要となります。
・物流・配送面の課題:韓国への配送には、通関手続きや関税の支払いなどが必要です。また、日本国内とは配送事情が異なるため、配送トラブルが発生するリスクもあります。
このように、韓国はEC市場の大きさや日本製品への好感度などから、越境ECにとって魅力的な成長領域といえます。
一方で、競合の激しさや決済習慣の違い、返品対応や法規制などの課題も多く、入念な準備と差別化戦略が不可欠です。
2. 韓国越境ECのプラットフォームの選択肢
韓国の消費者にリーチするには、適切な越境ECプラットフォームを選択することが重要です。大きく分けて3つの選択肢があります。
・選択肢2:自社ECサイトを構築する
・選択肢3:海外転送サービスを利用する
以下で詳しく見ていきましょう。
2-1. 選択肢1:韓国の大手ECモールへ出店する
韓国には、NAVER、新世界グループ、SKグループなどが出資する大手ECモールが存在します。これらのモールへの出店は、高い集客力とブランド認知度向上の面でメリットがあります。
以下は、韓国で代表的なECモールです。
・NAVERスマートストア:韓国最大の検索ポータルサイト「NAVER」が運営するECモールです。NAVERの膨大なユーザー基盤を活用できる点が最大の強みです。
・Coupang(クーパン):韓国最大のECプラットフォームです。「ロケット配送」と呼ばれる迅速な配送サービスで支持を集めています。日本製品専用ページを設けるなど、越境ECにも注力しています。越境販売を希望する日本企業は、クーパンのマーケットプレイスへの出店が可能です。
・Gmarket(Gマーケット):新世界グループが運営する韓国の大手ECモールです。多様な商品カテゴリを取り扱っており、越境ECにも積極的に取り組んでいます。日本語の出品者向けサポートも提供されているため、参入障壁は比較的低いと言えるでしょう。
・11番街(11st):SKテレコム系列のECモールです。韓国国内での知名度が高く、幅広い年齢層のユーザーを抱えています。日本企業向けの越境ECプログラムを提供しており、出品から配送、カスタマーサポートまで一貫した支援を受けることが可能です。
・Qoo10(キューテン):日本を含むアジア各国で展開されている越境ECプラットフォームです。とくに、ファッションやコスメ分野に強く、日本の販売事業者も多く出店しています。多言語対応や充実したサポート体制が特徴です。
一方、ECモール出店のデメリットとしては、出店審査の厳しさ、出品者間の価格競争の激しさ、手数料の負担などが挙げられます。自社の製品特性や価格戦略に合わせて、出店の是非を判断しましょう。
2-2. 選択肢2:自社ECサイトを構築する
次に、2つ目の選択肢となるのが「韓国語に対応した自社ECサイトの構築」です。
自社ECでは、独自のブランドイメージや商品へのこだわり・ストーリーをアピールしやすいメリットがあります。
商品ラインナップや価格設定も自由度が高いため、機動的に販売戦略を調整可能です。顧客データを自前で収集・分析しやすいことや、サポート体制を柔軟に設計できる点も魅力です。
一方で、最初にかかるサイト構築費や運用リソースが大きく、韓国特有の法規制や決済方法への対応、さらには自力での集客が課題になる場合があります。
自社のリソースやノウハウを見極めながら、構築と運営にかかる手間とコストに見合うメリットを得られるかどうかを検討することが重要です。
2-3. 選択肢3:海外転送サービスを利用する
3つ目の選択肢となる海外転送サービスは、国内ECサイトで受注した商品を、海外に転送する仲介業者を活用する方法です。
新たなECサイトを構築せずに越境ECを始められるため、導入ハードルが低く、言語対応や国際配送にまつわる複雑な業務を委託できるメリットがあります。
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ただし、この方法では海外ユーザーへの認知拡大を自社で行う必要があり、ブランドマネジメントや顧客との直接的なコミュニケーションが難しくなることがあります。
転送サービスの手数料や配送地域の制限が利益率や事業拡大に影響するケースもあるため、手数料やサービス内容を確認しながら、長期的な事業方針との整合性を図ることが大切です。
2-4. 3つの選択肢の比較表
以上、3つの方法を表にまとめておきましょう。
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2-5. 選び方のポイント
企業やブランドごとに状況はさまざまですが、ここでは目安となる選択基準を紹介します。
まず、“有名ブランドを保有している”場合は、韓国の大手ECモールへの出店を優先的に検討すると良いでしょう。モール内に既存の顧客層がいるため、売上に直結しやすいためです。同じ市場内の競合プレイヤーの情報を収集しながら事業を伸ばせる利点もあります。
一方、“国内向けECサイトをすでに運営していて、越境ECを試したい”場合は、海外転送サービスの活用が手軽で始めやすい選択肢です。追加コストや開発リソースを抑えたまま、短期間で海外販売を体験できる点が魅力です。
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なお、自社で越境ECサイトを新たに構築する方法については、売上がある程度伸びてからの段階で導入したほうがリスクが少ないでしょう。
初期段階では韓国での販売ノウハウや集客が不十分なケースが多く、大規模な自社サイト運営に乗り出すのは負担が大きい、という理由からです。
まずは韓国市場に慣れることを重視し、必要に応じて後から独自サイトの構築を検討するのが賢明と言えます。
2-6. 海外転送サービスの利用を検討している方へ
海外転送サービスを活用した越境ECの展開をお考えの方は、インターファクトリーが提供するECプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」を選択肢の一つとしてご検討ください。
EBISUMARTは、「WorldShopping BIZ for EBISUMART」という海外転送サービスを標準機能として実装しています。また、その他の提携サービスを利用することも可能です。
越境ECの具体的な始め方や構築費用については、以下の資料にまとめました。ダウンロードしてご確認ください。
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3. 韓国越境EC参入ステップ
韓国の越境ECへ参入する際は、しっかりとしたステップを踏むことが重要です。各ステップで必要な取り組みを着実に進め、スムーズな参入を目指しましょう。
・ステップ2:越境ECサイトの構築・出店
・ステップ3:韓国向け決済手段の導入
・ステップ4:韓国向け配送方法の選定
・ステップ5:韓国向けマーケティング・プロモーション
・ステップ6:韓国向けカスタマーサポート体制の構築
3-1. ステップ1:販売戦略・事業計画の策定
韓国越境ECへの参入を成功させるためには、まず販売戦略と事業計画を綿密に策定する必要があります。
◆販売戦略・事業計画策定のポイント
・ターゲット顧客の設定:韓国のどのような顧客層をターゲットにするのかを明確にします。年齢・性別・所得層・趣味嗜好・関心など、ターゲットとなる顧客像を具体的に定義することが大切です。
・商品選定:ターゲット顧客のニーズに合致した商品を選定します。韓国で人気の商品カテゴリや、競合他社の動向などを詳細にリサーチし、自社の強みを生かせる商品を厳選します。
・価格設定:現地の市場価格や競合商品の価格帯を調査し、最適な価格設定を行います。為替レートの変動なども考慮に入れ、採算が取れる価格帯を設定することが重要です。
・販売目標の設定:月次・年次の販売目標を数値化します。目標達成に向けて、必要な施策とスケジュールを綿密に計画します。
販売戦略と事業計画の策定は、韓国越境ECへの参入において土台となる重要なステップです。市場調査を緻密に行い、自社の強みを最大限に生かせる戦略を立案しましょう。
3-2. ステップ2:越境ECサイトの構築・出店
販売戦略・事業計画が固まったら、次は越境ECサイトの構築と出店です。韓国の消費者に効果的にアプローチするには、最適なプラットフォームの選定が鍵を握ります。
◆越境ECサイトの構築・出店の流れ
・プラットフォームの選定:自社ECサイトの構築、韓国の大手ECモールへの出店、海外転送サービスの利用など、最適なプラットフォームを選定します。商品特性や販売戦略に合ったプラットフォームを吟味しましょう。
・出店準備:出店に必要な情報を整理し、出品リストを作成します。商品ページの制作、価格設定、配送設定など、韓国の消費者に合わせたローカライズを徹底することが重要です。
・テスト販売の実施:本格的な販売開始前に、テスト販売を実施することをおすすめします。小ロットでの販売を通して、現地の反応を確かめ、必要な修正を加えていきます。
・販売開始:十分な準備が整ったら、本格的に販売を開始します。注文管理から商品発送、カスタマーサポートまで、一連の業務フローを円滑に回せる体制を整えましょう。
最適なプラットフォームを選定し、現地に合わせたECサイトを構築することが、販売成功の鍵となります。十分な準備を行い、スムーズな販売オペレーションを目指しましょう。
どのような構築方法が最適か迷ったときには、以下のリンクよりお気軽にご相談ください。
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3-3. ステップ3:韓国向け決済手段の導入
ステップ2と前後しますが、韓国の決済事情に適した決済手段を導入し、充実させていきます。
◆韓国での主要な決済手段
・クレジットカード:韓国ではクレジットカードの利用率が高く、越境ECでも主要な決済手段となっています。
・Naver Pay:Naverが提供するオンライン決済サービスです。韓国最大のポータルサイトが運営しているため、高い信頼性があり、韓国の消費者に広く利用されています。
・Kakao Pay:Kakaoが提供するモバイル決済サービスです。KakaoTalkの利用者を中心に、若年層を中心とした幅広いユーザーを抱えています。スマートフォンでの決済に強みを持つ決済サービスと言えます。
・銀行振込:オンラインバンキングでの銀行振込も、依然として一定の利用があります。主要な韓国の銀行との連携を検討する価値はあるでしょう。
各決済手段の特徴を理解し、自社の商品特性やターゲット層に合わせて最適な決済手段を選定することが大切です。韓国の消費者の利便性を高める決済手段の導入は、売上向上に直結します。
3-4. ステップ4:韓国向け配送方法の選定
韓国へスムーズに商品を届けるためには、最適な配送方法を選定する必要があります。コスト、リードタイム、トラッキング、返品対応など、総合的に判断しましょう。
※モール出店や海外転送サービスで配送が一括サポートされる場合は、自社で配送手段を細かく選定・準備する必要はありません。
◆韓国向け配送の選択肢
・国際郵便:EMS・エアメール・SALなど、郵便局の国際郵便サービスを利用する方法です。追跡サービスの有無、配送スピード、コストなどを比較検討し、最適な郵便サービスを選びましょう。
・国際宅配便:FedEx・DHL・UPSなどの国際宅配便サービスの利用も選択肢の一つです。リアルタイムの追跡、迅速な配送などが強みですが、コストは比較的高くなる傾向にあります。
・海外倉庫の活用:韓国国内または近隣国に倉庫を設け、現地から配送する方法です。リードタイムの短縮、送料の削減、返品対応の容易さなどのメリットがありますが、倉庫の運営コストや管理の手間を考慮する必要があります。
・越境EC物流代行の利用:越境EC向けの物流代行サービスの活用も有力な選択肢です。各社の強みを比較し、自社に最適な物流代行会社を選定することが重要です。
配送コストと配送スピードのバランスを取りつつ、現地の顧客にとって最適な配送方法を選択することが大切です。適切な配送オプションを用意し、顧客満足度の向上につなげましょう。
3-5. ステップ5:韓国向けマーケティング・プロモーション
韓国の消費者の心をつかみ、売上を伸ばしていくためには、韓国市場に適したマーケティング施策が不可欠です。
◆韓国で効果的なマーケティング・プロモーション
・Naverなどでのリスティング広告:韓国の主要ポータルサイトでのリスティング広告は、高い効果が期待できます。適切なキーワード選定と出稿設定で、効率的に見込み顧客を獲得しましょう。
・ソーシャルメディアマーケティング:韓国ではInstagramなどのSNSが盛んです。インフルエンサーマーケティングも有効な手段の一つです。現地の文化や習慣を理解し、共感を呼ぶコンテンツを発信することが鍵となります。
・割引・クーポンの展開:韓国の消費者は、お得感のある商品に反応しやすい傾向があります。セールの実施や割引クーポンの配布など、魅力的な価格訴求も検討に値するでしょう。
・現地の口コミサイト活用:韓国の口コミサイトやブログでの情報発信も見逃せません。良質な商品レビューを獲得するための施策を講じることが有効です。
韓国の消費者の嗜好や習慣を踏まえ、現地に合わせたマーケティング施策を展開することが重要です。継続的な効果検証を通して、最適なプロモーションミックスを追求していきましょう。
3-6. ステップ6:韓国向けカスタマーサポート体制の構築
韓国の消費者から信頼を獲得し、ファンを増やしていくためには、手厚いカスタマーサポートが欠かせません。
◆韓国の顧客が求めるカスタマーサポート
・韓国語での対応:韓国語でのサポート対応は必須です。言語の壁を感じさせないコミュニケーションを心掛けましょう。
・迅速な返信:韓国の消費者は、問い合わせへの速やかな返信を求める傾向にあります。24時間以内の返信を徹底し、迅速な対応を行います。
・丁寧な対応:単に速さだけでなく、親切で丁寧な対応も重要なポイントです。一人一人の問い合わせに誠実に向き合う姿勢が求められます。
・チャットサポート:メールだけでなく、リアルタイムチャットでのサポートを用意することも検討すべきでしょう。簡単な質問にはチャットで迅速に回答すると、顧客満足度の向上が期待できます。
韓国の顧客の信頼を得られるよう、サポート体制を充実させていきましょう。現地スタッフの採用や、外部の専門会社の活用など、自社に合った最適な方法を検討してください。
4. 韓国越境ECで失敗を避けるためのポイント
韓国の越境ECに参入する際は、さまざまな落とし穴があります。失敗を避け、成功へと導くためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
② 信頼できるパートナー企業と連携する
③ リスク管理(為替変動リスク・物流トラブルなど)を行う
4-1. 韓国の法律・規制に抵触しないようにする
韓国で越境ECを展開する際には、韓国の法律・規制を遵守することが不可欠です。
とくに、日本の「特定商取引法」「個人情報保護法」「景品表示法」に相当する以下の法律には注意が必要です。
◆韓国の主な関連法規
・電子商取引法:通信販売業者としての表示義務、広告規制、消費者保護などについて定めた法律です。通信販売業者は、法律で定められた事項(身元情報、商品の情報、取引条件など)をWebサイト上に明示する必要があります。
・個人情報保護法:個人情報の収集、利用、提供に関する規制を定めた法律です。個人情報を収集・利用する際には、情報主体(顧客)の同意を得る必要があります。
・表示・広告の公正化に関する法律:不当表示や不当景品類を規制し、公正な競争を促進するための法律です。商品の品質や価格について、消費者に誤解を与えるような表示や広告は禁止されています。
上記に加えて、特定の法律遵守が必要な商材がある点にも留意しなければなりません。
たとえば、化粧品や医療機器、子ども向け商品、電気電子機器などは、「化粧品法」「医療機器法」「電気用品安全管理法(KC認証)」など、追加の認証や表示義務を伴うケースがあります。自社の取り扱う商材の関連法規を確認したうえで、必要な認証を取得する必要があります。
4-2. 信頼できるパートナー企業と連携する
韓国での円滑な事業運営のためには、信頼できるパートナー企業との連携が不可欠です。とくに、物流や顧客対応、マーケティングなどの分野で、現地事情に精通したパートナーを見つけることが重要です。
◆パートナー企業選定のポイント
・実績と専門性:韓国での豊富な実績と、高い専門性を兼ね備えた企業を選ぶことが大切です。言語の壁を越えて、円滑なコミュニケーションが取れるかどうかも重要なポイントです。
・経営基盤の安定性:長期的な視点でパートナーシップを組める企業を選びたいところです。経営基盤の安定性は、安心してビジネスを任せられるかどうかの判断材料となります。
・コストパフォーマンス:サービスの品質と価格のバランスを慎重に見極めましょう。初期コストを抑えることも大切ですが、中長期的なビジネスの発展につながるパートナー選びを心掛ける必要があります。
信頼と実績のあるパートナーとタッグを組めば、自社リソースを最大限に有効活用できます。単独で進出する際のリスクを避けつつ、パートナー企業の知見を存分に活用し、成功確率を高めていきましょう。
越境EC構築に関しては、当社インターファクトリーが専門的なサポートをご提供できます。以下のリンクよりお気軽にご相談ください。
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4-3. リスク管理(為替変動リスク・物流トラブルなど)を行う
越境ECでは、さまざまなリスクへの備えが求められます。為替変動リスクや、物流トラブルなど、起こり得るリスクを想定し、対策を講じておきましょう。
◆リスクへの主な対策
・為替変動リスクへの備え:為替相場が大きく動くと、収益に影響が及びます。販売価格や仕入れ計画を複数の為替レートで試算し、ある程度の変動にも耐えられる利益構造を設計しておくことが重要です。
・徹底した在庫管理:在庫切れは販売機会の損失に直結します。需要予測を適切に行い、最適な在庫水準を維持しましょう。緊急時の代替調達先の確保など、柔軟な対応力も必要です。
・物流トラブルへの対処:国際物流では、予期せぬトラブルが起こり得ます。あらかじめトラブル時の対応マニュアルを整備し、迅速な問題解決のための体制を整えることが大切です。
リスク対策の観点からシミュレーションを重ね、ビジネス環境の変化に耐え得る事業運営を心掛けましょう。
5. まとめ
本記事では「韓国の越境EC」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
最初に韓国越境EC市場の基礎情報として以下を解説しました。
・中国・米国・日本の企業が韓国越境ECを主導しており、厳しい競争環境にある
・化粧品・アパレル・食品などの日本製品は韓国消費者から高い人気を集めている
・巨大な市場規模や日本製品への高評価がメリットだが、競争の激しさや法規制対応などのデメリットも考慮する必要がある
韓国越境ECのプラットフォームの選択肢として、以下を解説しました。
・それぞれに一長一短があるため、自社の状況に合わせて最適な方法を選ぶ必要がある
・有名ブランドはモール出店、国内ECサイト保有企業は海外転送サービスの活用がおすすめ
韓国越境EC参入ステップを6つのフェーズに分けてご紹介しました。
・ステップ2:越境ECサイトの構築・出店
・ステップ3:韓国向け決済手段の導入
・ステップ4:韓国向け配送方法の選定
・ステップ5:韓国向けマーケティング・プロモーション
・ステップ6:韓国向けカスタマーサポート体制の構築
韓国越境ECで失敗を避けるためのポイントは、以下のとおりです。
・現地事情に精通した信頼できるパートナー企業と連携することが円滑な事業運営につながる
・為替変動や物流トラブルなど、起こりうるリスクを想定した対策を講じることが重要
韓国は日本企業にとって魅力的な越境EC市場ですが、参入には入念な準備と適切な対策が欠かせません。自社の強みを生かしつつ、韓国の消費者の心をつかむ丁寧な取り組みを継続することが、この有望市場での成功につながります。