アパレルECでは、1つの商品に想像以上に多くの情報がひも付いています。商品名や価格といった基本情報に加え、素材、サイズ展開、カラー、着用イメージ画像、コーディネート提案、洗濯表示、採寸情報など、販売に必要な情報も含まれるため多岐にわたります。
商品情報はシーズンごとに更新が発生し、更新内容を自社ECサイト、ECモール、SNS、実店舗といったすべての販売チャネルに一斉に反映させる必要があります。
アパレルECでは、「商品情報をどのように整理し、どのように運用するか」が、日々の業務効率だけでなく、顧客体験や売上にも影響することから、アパレル業界では近年、「PIM(ピム)」(Product Information Management:商品情報管理システム)への関心が急速に高まっています。
アパレルECで求められるPIMの機能は以下の5つです。
◆アパレルECで求められるPIMの5つの機能
機能② 商品特性に合わせたデータ項目設計
機能③ 画像/動画のひも付け管理
機能④ 他システムや販売チャネルとの連携
機能⑤ チャネルごとの個別情報のひも付け管理
アパレルECにおいて「正確な商品情報を、適切なタイミングで、必要な人に届ける」ための仕組みと体制を確立することは、運用上の課題というだけでなく、市場競争力を左右する重要な経営課題でもあるのです。
この記事では、インターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、アパレルECにおけるPIMの役割や求められる機能について解説します。
アパレルECにおける「PIM」の役割
まずは、アパレルECの商品情報管理におけるPIMの役割について理解しましょう。
◆アパレルECの商品情報管理におけるPIMの役割
出典:筆者作成
商品情報が生成・利用される場所は1か所ではなく、さまざまな部門やシステムに散在しており、PIMはそれらを集約し、効率的に利用できるように統合管理する商品情報プラットフォームとしての役割を果たします。
下表は「商品情報の情報元」(上図左端)が持つ情報と、PIMが果たす役割をまとめた表です。
◆商品情報の情報元が管理する主な情報とPIMの役割(例)
| 情報元 | 主な情報 | PIMの役割 |
|---|---|---|
| 商品企画・MD | 商品名、シーズン、カラー展開、価格方針、販売計画 | 商品の基本方針を他部門と共有する |
| メーカー・仕入先 | 品番、素材、原産国、洗濯表示、下げ札情報 | 仕入先からの情報を販売用データに反映する |
| 品質管理・生産管理 | 仕様書、サイズ規格、採寸情報、品質表示 | 品質・仕様情報の抜け漏れを防ぐ |
| 撮影・ささげ | 商品画像、着用画像、動画、置き画像、切り抜き素材 | 画像や動画を他の商品情報とひも付けて管理する |
| EC運営・マーケティング | 商品説明文、SEO用テキスト、訴求コピー、特集掲載用文言、コーディネート提案、キャンペーン情報 | 販売チャネルごとの異なる情報と形式に最適化して利用できるように管理する |
| 販促・店舗 | POP用文言、店頭掲示用情報、QRコード、カタログ情報 | オンラインチャネルと実店舗とで一貫した情報活用を行えるようにする |
PIMでは、すべての情報元が持っている商品情報を集めて商品単位にひも付けて整理し、すべての利用者が商品情報を効率よく利用できるように管理します。商品の基本情報と色・サイズ・SKU、素材や仕様、画像/動画、チャネル別の情報などを関連付けて管理することで、情報の重複管理による非効率性やデータ精度の低下などを防ぎます。
また、自社ECサイトでは詳細情報、ECモールではECモールの仕様に沿った情報、SNSでは短文でビジュアルを中心とした情報というような、チャネル固有の情報管理と形式(見せ方)への対応も自動化できます。
アパレルECのような大量かつ多様な商品情報を、人手やファイルで管理していくことは困難です。あらゆる商品情報を集約して商品単位で整理し、適切なタイミングで、必要なチャネルに、最適な形式で、いつでも配信できる環境を、早急に構築する必要があります。
アパレルECの商品情報管理の難関は「SKU管理」
アパレルECの商品情報管理で特に難しい点が「SKU管理」です。アパレル商品では1つの商品(モデル)に対し、色・サイズ・素材などの違いをSKUコードで管理することが多く、近年主流の多品種小ロット販売によりSKUは増大しています。
さらに、販売方法やチャネルなどの販売情報もひも付けて管理する必要があるので、SKUのコード体系は極めて複雑で、運用が煩雑化しやすくなります。
◆アパレルECのSKU管理(イメージ)
出典:筆者作成
上図のように、1つの商品について、色とサイズの組み合わせごとにSKUコードを割り当てるとします。さらに、素材、販売方法、販売チャネルなどもSKUコードで区別できるようにすることで、SKUは激増します。
ECでは、こうした細分化したSKUごとに、商品の画像や説明文、採寸情報などを作成・運用する必要があり、SKU数が増えることで関連する情報の更新漏れや不一致が生じやすくなるのです。
このように複雑で煩雑化しやすいSKU管理もPIMで最適化することができます。SKU管理については関連記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
アパレルECで求められるPIMの5つの機能
アパレルEC運営においてPIMを導入する際には、アパレルECならではの運用に対応できる機能を備えているか、という視点で選定することが重要です。ここでは、アパレルECで活用されるPIMに求められる機能を5つに絞って解説します。
機能① 色・サイズ・SKUの柔軟な管理
アパレルECでは、1つの商品でも色やサイズの違いによって管理単位が細かくなります。また、同じ商品でも素材違いやセット違いなどが加わると、SKU構造はさらに複雑になります。
そのためPIMには、商品として共通で持つ情報と、SKUごとに異なる情報を整理しながら管理できる柔軟性が求められます。
特にアパレル商材では、商品単位とSKU単位の情報を無理なく持ち分けられることが重要です。共通情報と差分情報を整理しにくい構造だと、更新時に手作業が増えやすくなり、運用負荷や入力ミスの原因にもなります。
機能② 商品特性に合わせたデータ項目設計
アパレル商品の商品情報には、基本情報に加えて、素材、袖丈、形状、原産国、洗濯表示、採寸項目といったさまざまな情報があり、同じ商品でも、企業やブランドごとに管理したい項目が違うため、商品やSKUのコード体系は異なります。
そのためPIMでは、自社の商品や販売の特性に最適化したデータ項目設計が行える機能が求められます。
アパレルECの商品情報管理の中でも特に重要なポイントとして、PIM導入当初は必要十分だった項目でも、商品や販売チャネルが増えるにつれて足りなくなることがよくあります。商品情報管理の長期的な安定運用を実現するためには、管理項目の増減や変更に柔軟に対応できるツールを選ぶことが大切です。
例えば、インターファクトリーが提供しているクラウドPIMサービス「EBISU PIM(エビス ピム)」は、データ項目の追加・変更も柔軟に行えるため運用に合わせたカスタマイズがしやすく、商品の属性情報の変更が高頻度で発生するアパレルECとは相性の良いサービスの1つです。
◆任意のデータ項目を設定できる「EBISU PIM(エビスピム)」(イメージ)
出典(画像):EBISU PIM(エビス ピム)
機能③ 画像/動画のひも付け管理
アパレル販売では、商品画像、着用イメージ画像、動画、コーディネート用の素材などのビジュアル情報も重要な商品情報の一部になるため、PIMには商品の基本情報とメディアデータをひも付けて管理するための機能が求められます。
アパレルECは画像の差し替えや追加も頻繁に発生しがちで、販売チャネルや販促施策に応じて使い分ける運用も多いため、商品情報とメディアデータがひも付けされていない状態だと、どの画像をどのチャネルで使用しているのかが把握しづらく、情報更新時の作業量とトラブルが増えやすくなります。
機能④ 他システムや販売チャネルとの連携
PIMは単独で完結するシステムではなく、基幹システム、PLM、WMS、ECサイトをはじめとする販売チャネルのシステムなど、商品情報が生成・使用される複数のシステムとの連携が必要になります。そのため、商品情報を取り込みやすく、必要な形式で出力(配信)するための柔軟な連携機能を備えている必要があります。
特に商品情報や販売チャネルの増減などによって連携機能の仕様変更が発生しやすいアパレルECでは、仕様変更のたびに大がかりな開発・実装を行っていたら業務が遅滞して負荷が高まり、PIMの効果を十分に生かし切ることができません。
例えば、「EBISU PIM(エビスピム)」は、他システムの情報を商品データとして取り込んでマスタとして管理する機能や、チャネル別に最適な形式で情報を配信する機能を実装しています。また、ノーコードでのデータマッピング機能やファイル連携機能も備えているので、柔軟な外部連携を実現できます。
機能⑤ チャネルごとの個別情報のひも付け管理
マルチチャネル/オムニチャネルの運用(自社ECサイト、ECモール、SNS、実店舗など)では、同じ商品の情報でも販売チャネルごとに必要になる情報や形式が異なります。例えば、自社ECサイトでは詳細な説明や採寸情報、SNSでは短い訴求やビジュアルの見せ方が重視されます。
そのためPIMでは、商品の基本情報だけでなく、チャネル固有の情報も一連の商品情報として管理するための機能が必要になります。
この機能がないと、各チャネルの担当者が自チャネルに必要な商品情報だけをファイルなどで個別に管理し、手作業で更新するといった運用になりやすくなります。その結果、チャネル間での情報のズレや表記ゆれ、更新漏れなどの問題が起こりやすくなり、せっかくPIMを導入しても情報の一貫性を維持できなくなります。
「EBISU PIM(エビスピム)」では、チャネルごとに異なるフォーマットや画像サイズへのデータ変換機能など、商品情報の統合運用を支援するための機能を提供しているため、マルチチャネル/オムニチャネルの運用にも適したサービスです。
アパレルECのオムニチャネルでも「PIM」が活躍!
アパレル業界ではオムニチャネルに注力する企業が多く、ECと実店舗を横断した顧客体験を提供するための多くの取り組みが行われており、チャネルを横断して商品情報を管理・運用できるPIMの導入効果への期待が高まっています。
例えば、「ECサイトでは“店舗受け取り可”と書いてある商品なのに、店頭で“このカラーは対象外”だと言われた」「SNSでは“自宅で洗える”と書いてあるのに、ECサイトには “ドライクリーニング推奨”と書いてある」など、同じ商品なのにチャネルによって掲載されている情報が違っていたら、顧客は混乱し、不信感を持つでしょう。
特にアパレル販売では顧客が複数のチャネルを利用する機会も多く、チャネル間での商品情報のズレが招く顧客体験の質の低下は、深刻な問題となります。
オムニチャネルでは、すべてのチャネルで商品の基本情報や制限事項についての一貫性のある情報提供と、各販売チャネルの特性に合わせた固有の情報提供との両方が求められます。
そのためPIMを使って、商品の属性情報やメディアデータ、チャネル固有の情報を商品にひも付けて整理して管理し、必要に応じてチャネルごとに最適化した形式で情報を配信できるようにすることで、オムニチャネルでの表現の最適化と情報の一貫性を両立することが可能になります。
オムニチャネルにおけるPIMの効果については、関連記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
アパレルECにPIMを導入するなら、拡張性を重視しよう
アパレルECでは商品やSKU、販売チャネルの増減などによって管理対象とすべき情報や連携対象が変動するため、現状の課題を解決するだけでなく、将来的な運用の変更にも対応可能な、拡張性の高いPIMを選ぶことが重要になります。
例えば「EBISU PIM(エビス ピム)」は、社内に散在している商品情報を集約し、マスタ管理・データ変換・外部連携を一気通貫で支援できるため、運用変更が発生しやすいアパレルECにも最適なサービスです。
◆EBISU PIM(エビスピム)の仕組み(イメージ)
◆EBISU PIMの特長
・業務に合わせてデータ項目を追加・変更できる
・商品画像、説明動画、ブランドロゴ、仕様書などを商品と関連付けて管理できる
・各チャネルへの連携機能を備えており、ノーコードのデータマッピングが行える
・チャネルごとに異なるフォーマットや画像サイズにも対応
参考・引用(画像):EBISU PIM(エビス ピム)
PIMの選定では、現在の運用をどこまで置き換えられるかだけでなく、将来的なSKU数やチャネル数の増減や運用の変更に柔軟に対応できるかを確認することが重要です。
まとめ
アパレルECでは、商品名や価格だけなどの基本情報に加え、色・サイズ・SKU、素材、洗濯表示、画像/動画、着用イメージ、チャネル別の仕様や見せ方なども含めたあらゆる商品情報を管理・運用しています。また、販売チャネルが多くなるほど、使用する情報の精度と展開速度の両立が求められます。
そのため、膨大な商品情報を統合管理し、複数のチャネルに最適な形で自動配信できるPIMは、アパレルEC運営において重要な商品情報管理のプラットフォームとして機能します。
PIMを導入する際には、将来的なSKUの増減や商品属性の変更、マルチチャネル/オムニチャネルの拡大戦略などにより変化する管理・運用と外部連携の要件に、柔軟に対応し続けることができるサービスを選定することが重要です。
インターファクトリーのクラウドサービス「EBISU PIM(エビス ピム)」は、多種多様で膨大な商品情報管理を最適化し、複数チャネルでのデータ活用を効率化します。
EBISU PIMの詳細については下記の公式サイトをご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。
























