ECサイトの売上を10%アップさせる7つのカゴ落ち対策とは?


ECサイトを運営して3年も過ぎると「売上をアップさせる手法は何かないか?」と打ち手に困る局面がやってきます。新規広告も良いのですが、リスティング広告やリマーケティング広告以外は効果が薄いので劇的な売上向上とはなりませんから、それよりもカゴ落ち対策をしっかり行って売上を確実に伸ばす施策が良いでしょう。

なぜならカゴ落ちの世界平均は69.23%で、どんなECサイトであっても半数以上がカゴ落ちしています。ですからこの数値を改善するアクションをとれば、売上の大きな影響があるのは明白です。

カゴ落ちの世界平均データ引用先:https://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate

本日はebisumartでマーケティングを担当している筆者が、カゴ落ちの理由から、その7つのカゴ落ち対策について詳しく解説してまいります。

カゴ落ち対策を今すぐ行う理由

まずは、カゴ落ち対策がECの売上をあげる上でいかに大切な施策かをお伝えします。下記の表をご覧ください。

結論から言えば、カゴ落ち対策を行い10%改善すれば、CVRを10%以上改善することができるのです。売上にすれば1割に相当するはずですから、相当なインパクトです。

ECサイトの運営を行っていると「新規ユーザーへの集客」ばかりに注力しがちですが、カゴ落ち対策をしっかり行うことは「リピーター施策」と同様に、売上を確実に伸ばすために重要な要素なのです。

それではユーザーはどのような理由で「カゴ落ち」してしまうのでしょうか?

ユーザーがカゴ落ちする10の理由!

海外の調査機関が主要なECサイトにおいてのカゴ落ちする理由のデータを提供しております。日本語に翻訳したものが下記表です。

カゴ落ちする理由のデータ引用先:https://baymard.com/lists/cart-abandonment-rate

 

◆カゴ落ちする10の理由

海外の主要サイトからのデータではありますが、日本においても傾向として大差はありません。まずは上記の理由を自社ECサイトに当てはめて、一つずつ「改善できないか?」検討することから始めるのがよいでしょう。

また、上記以外にも下記のような離脱理由も多いでしょう。

①セッションがタイムアウトしてしまった
②商品購入中に電話や用事が入ってしまった
③使いたい決済方法がなかった

こういった点も踏まえてカゴ落ち対策を行いましょう。では具体的なカゴ落ち対策を解説いたします。

10%売上を伸ばすための7つのカゴ落ち対策!

対策①カゴ落ちメールのツールを導入する

カゴ落ちメールとは、カゴ落ちした人に対してURLのパラメータがついたメールを送ることで、ユーザーがそのURLをクリックするとカートインを復活させ、サイトの再訪問を促すツールです。各社からツールが提供されています。まずはユーザーのメールアドレスをフォームから取得しているので、技術的に可能になのです。

下記のような理由に対して、このツールは特に有効です。

「セッションタイムアウトしてしまった」
「商品購入中に電話や用事が入ってしまった」

リテラシーの高い人は、会社の昼休みや隙間時間でオンラインで商品を購入しますが、スマートフォンで行う以上、電話やメール、LINEなどのスマートフォンで通知されるものが、商品購入の邪魔をするのです。こういった理由で購入を止める方も一定数いますからカゴ落ちメールによって、メールが届けば

ユーザー「お!忘れた!さっきの買い物の続きができる!」

という印象を受けるでしょう。それ以外にも

ユーザー「商品の購入を迷っている!」

という方が、気持ちが変わって購入される可能性もあります。導入も難しくはなく「指定されたタグ」を貼ることで導入が可能です。ASP-ECでも導入可能なものがありますし、ECパッケージやクラウドECなどのカスタマイズ可能なプラットフォームだと確実に導入できます。

対策②ゲスト購入への導線を強くする

先のカゴ落ちの理由でも35%にも上るものが

「会員登録が面倒だ」:35%

という点です。現在世界のECサイトの潮流は「ゲスト購入」です。そもそもユーザーはAmazonや楽天市場あるいはメーカー大手のECサイトならば、登録してくれますが、それ以外のサイトとなるとカンタンには会員登録をしてくれません。

ショッピングモール大手の楽天市場でさえも「ゲスト購入」の導線を強くしています。下記をご覧ください。下記は楽天で購入手続をする画面ですが、「会員登録しなくても購入」できることを強くアピールしています。

対策③Amazon Payや楽天ペイの導入する

ID決済と呼ばれる「Amazon Pay」や「楽天ペイ」の導入を検討します。つまりAmazonや楽天市場の会員ならば、そのログインIDで、ECサイトで決済させる手段になり、日本のほとんどのユーザーはどちらかのIDを持っており、かつ安心してログイン&決済が可能なのです。

対策②での解説しましたが、

「会員登録が面倒だった」:35%

という理由に対して、有効です。オンラインで買い物する人のほとんどが「Amazon」か「楽天市場」の会員になっていますから、カゴ落ち対策として有力な施策です。また

「カード情報を入力したくない」:18%

このようなカゴ落ちの理由に対しても、ID決済を導入するのは有力な方法です。こちらもASP-ECでも多くの会社が導入をはじめていますし、ECパッケージや弊社ebisumartでも導入可能です。

対策④EFO(エントリーフォームの最適化)を行う

EFOはWEB業界で古くからある施策です。ツールを導入して「入力アシスト」を行うものから、単にフォームの数を減らしたり、サポート文言を変更するカンタンな方法まで様々です。

下記の理由もカゴ落ちの理由として大きな比重を占めています。

「購入までのプロセスが長すぎ」:27%

入力項目がたくさん必要なECサイトには入力アシスト機能のあるEFOは有効な施策です。また、そのような長い入力項目が本当に必要なのか?抜本的に見直すのも良いでしょう。

対策⑤WEB接客ツールのチャットボックスを導入する

ECサイトにおいて、初回購入していただくお客様は絶対に決済を失敗させてはいけません。初回購入が上手くいけば、リピーターとなる可能性が増えるのに対して、上手くいかなければ、二度と購入してくれません。

リテラシーの低いユーザーや、カード情報入力でエラーを出すユーザーは一定数おります。

「エラーが出た」:22%

こういったユーザーの特徴は購入手続きの画面から、なかなかページ遷移しないことです。ですからWEB接客ツールのチャットボックスを導入します。チャットボックスの設定は「ページ遷移後2分後」などに設定しておけば、全ユーザーではなく、決済方法で困っている可能性の高いユーザーに対してチャットボックスを出現させることが可能なのです。

WEB接客ツールも、導入はタグ挿入だけのものが多く、非常にカンタンです。EC-ASPから、ECパッケージ、クラウドECなど幅広く導入可能です。

チャットボックスの設置は、AI型も出始めていますが、現段階では担当をつけるのが現実的です。チャットボックスでは営業時間を指定するのも可能ですから、担当の出社している時間を割り当てましょう。

また、2023年にはChat GPTの出現により、今後はAIでまるで人間のような自然なチャット対応を行うことができるWEB接客ツールも生まれてくるはずであり、チャット対応のAI化も進んでおります。

対策⑥配送費用負担の検討

購入するユーザーには「配送費用」を全く考慮していないユーザーもおり、カートインさせてみると、

「なんだ、配送費用が500円も追加でかかるのか。。」
「トータルだと結構費用かかるなー!」

という方が、カゴ落ちの理由の中で最も多いのです。

「予期しない費用がかかってしまった」:61%

配送費用の負担する場合は、当然、利益に直結しますから、単に売上が伸びれば良いという話ではありません。ですからまず「配送無料キャンペーン」などを行い、どれくらい注文が増えるか?テストしてみる価値はあるでしょう。

対策⑦返品条件を明確にシンプルに表示する

「返品条件が満足できない」:10%

アパレルのECサイトは特にサイズ感に不安が残ります。ですから返品条件をクリアに、シンプルに表記するだけで、ユーザーが安心して注文ができるようになります。

また、アパレル業界のECサイトに限りますが、WEB上でユーザーの体のサイズを登録するサービスが各社から出てきておりますので、こういったサービスを利用することも、カゴ落ち対策になります。

カゴ落ち対策のまとめ

以上、7つのカゴ落ち対策を解説いたしました。カゴ落ち対策を徹底的に行えば、どの業種であっても10%の改善は容易です。その結果、売上も10%以上高めることも難しくはないでしょう。しかし、これらの7つの改善ができない場合もあります。それはECシステムに縛りがあるケースです。

システムがカスタマイズできない「ASP-EC」であれば、カート部分のカスタマイズができない場合がほとんどです。カゴ落ち対策を徹底的に行う場合は、カスタマイズ可能な

・ECパッケージ
・フルスクラッチEC
・カスタマイズ可能なクラウドEC(ebisumart)

の3点です。その中でもASPのようにファームウェアが自動アップデートされる「フルカスタマイズ可能なクラウドEC」の弊社ebisumartであれば、多くのカゴ落ち対策のパートナーもおりますので、こういったことを念頭にECプラットフォームの入れ替えを検討している方は、下記の公式サイトよりebisumartもご検討くださいませ。

ebisumart(エビスマート)公式サイト


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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。