「初めてネットショップを開業するけれど、何から始めるべき?」
ネットショップ開業で失敗しないためには、正しい方法でネットショップ開業を進めていく必要があります。
この記事では、インターファクトリーでマーケティングを担当する筆者が、ネットショップ開業の一連の流れを、ステップごとに分かりやすく解説します。
◆ネットショップ開業の流れ
STEP2:決済方法を決める
STEP3:必要な届出や法律関係を確認する
STEP4:必要な機能やシステムを洗い出す
STEP5:利用するプラットフォームを決める
STEP6:ショップのデザイン・構築をする
STEP7:商品登録をする
STEP8:ネットショップ運営を開始する
※すぐに具体的なSTEPについて読み進めたい方は、上記リンクからもご覧いただけます。
この流れに沿って準備を進めていけば、下記のような失敗をせずにネットショップを開業・運営していけます。
・せっかくネットショップを開業したのに、一向に注文が入らない
・想像以上にネットショップ管理に手間と時間がかかる
・ネットショップを運営していく上で、追加機能が欲しくなったが、簡単に追加できない
新たにネットショップを開業することは、会社にとっても販路拡大や売上増加のチャンスにつながるでしょう。
だからこそ、闇雲にネットショップを作り始めてしまい、失敗・後悔・二度手間を感じないためにも、正しい手順でネットショップ開業の準備を進めていってください。
ぜひ、この記事を参考に失敗しないネットショップ開業の第一歩を踏み出していきましょう。
1. 【ネットショップ開業STEP1】ショップのコンセプトや販売商品を決める
ネットショップを開業する最初のステップは、ネットショップ自体のコンセプトや販売商品を決めることです。
ネットショップ全体のサイトデザインや運営の方向性など必要となる「コンセプト」を決めておくことで、サイト構築自体もスムーズに進められるでしょう。
コンセプトや販売商品を考える際には、最初にターゲット層を明確にしておくのがおすすめです。
◆ターゲット層を絞り込むための項目の例
・年齢層
・収入(買い物に費やせる予算目安)
・商品を購入する目的(自分用、贈答用、定期購入など)
・他社と差別化できる要素
もちろん、中にはすでに実店舗を運営している事業者も多いかと思います。その場合は、既存の顧客層をターゲットとして落とし込んでみましょう。そうすることで、ネットショップ全体のコンセプトが決まってきます。
たとえば下記のようなイメージです。
◆ターゲットのイメージ
上記のように、ターゲットが明確になることで、サイト構築に欠かせない要素を決めていきます。
・サイトデザイン(使う色、全体の雰囲気、文字やイメージのサイズ感など)
・販売する商品(ジャンル、価格帯、ネット限定商品販売など)
・特殊な販売方法(贈答用、複数配送、定期購入、予約購入など)
ネットショップ全体のコンセプトや、ネットショップで販売する商品選びにも大きく関わってくるからこそ、しっかりと考えるようにしましょう。
2. 【ネットショップ開業STEP2】決済方法を決める
次に重要なのが、ネットショップ上で導入する決済方法を決めることです。
SBペイメントサービス株式会社が行った調査では、「ネットショップで買い物をする際に利用したい決済方法がない場合、男女ともに約6割がそこでは購入せずに他のネットショップや店舗で購入する※」という結果が出ています。
※出典:SBペイメントサービス株式会社プレスリリース「2024年度版EC利用実態調査結果」(2024年7月18日発表)
ネットショップでの購入機会を逃さないためにも、必要な決済方法を事前に決めておくことを忘れてはいけません。
事前に洗い出しておいた、ターゲット・コンセプトなどを元に、どのような決済方法を導入するべきか考えていきましょう。
ネットショップで利用されている決済方法の中でも、代表的なものは主に下記の9つです。
◆代表的なネットショップ決済方法9つ
・銀行決済
・キャリア決済
・ID決済(Amazon Pay、楽天ペイ、PayPayなど)
・電子マネー決済(Suica、Edy、QUICPayなど)
・コンビニ決済(前払い・後払い)
・代金引換
・後払い決済
・銀行決済
決済方法の種類がさまざまで、どの決済方法を優先すべきか分からないという場合もあるでしょう。
そのような場合は、ネットショップを利用するユーザーが必要としている決済方法を優先して導入するべきです。
たとえば、ユーザーによって利用したい決済方法は変わります。
「インターネットに不慣れなので、振り込みやコンビニ払いなど現金で支払いたい」
「通勤中でもクレジットカードを取り出さずに決済できる、ID決済がうれしい」
「サイズが合うか分からないから、商品を確認してから後払いしたい」
参考までに、同調査による最も利用されている決済手段を見てみましょう。
出典(画像):SBペイメントサービス株式会社プレスリリース「2024年度版 EC利用実態調査結果(物販サイト版)」(2024年7月18日発表)
ユーザーの購入意欲を維持したまま買い物を続けてもらうためにも、ネットショップ作りの段階から決済方法についてしっかりと考えておきましょう。
決済方法ごとの違いについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
関連記事:
・事業者が「オンライン決済」を導入するための5つの方法
・【徹底解説】自社ECサイトで使うべき9つの決済方法
3. 【ネットショップ開業STEP3】必要な届出や法律関係を確認する
ネットショップで商品やサービスを販売するうえで忘れてはいけない項目に、許可申請・法律関係の届出や、サイトへの必須情報の記載などがあります。
もちろん実店舗を運営している場合は、すでに許可を取得している場合も多いかと思いますが、念のため必要な手続きに不備がないのか確認しておきましょう。
参考までに、販売商品によって下記のように許可申請や届出が変わります。
販売する商品・サービス | 必要な届出など |
中古品 | 古物商許可 |
食品 | 食品衛生法に基づく営業許可 |
健康食品・サプリメント | 食品衛生法に基づく営業許可 薬機法に基づく許可※種類による |
酒 | 通信販売酒類小売業免許 |
医薬品 | 薬局開設許可(実店舗が必須) 特定販売届 |
化粧品 | 化粧品製造販売許可 ※自社で製造する場合は製造許可も必要 |
※上記はあくまでも一例です。
ネットショップで商品やサービスを販売するために必要な許可申請や届出をしていなければ、法的に問題が出てきてしまいます。
◆必要な許可申請や届出の例
・景品表示法:広告表示に関する法律
・電子契約法:消費者の保護を目的とした法律
・不正競争防止法:不正な競争手段の規制方法
ネットショップ運営だけではなく、実店舗での営業に支障をきたす可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。
4. 【ネットショップ開業STEP4】必要な機能やシステムを洗い出す
ネットショップの構築をスタートする前に、「どのような機能があると良いのか」を洗い出しておくことも必要です。
事前に必要な機能やシステムについて考えておくことで、標準機能だけでサイト構築できるのか、独自の機能を開発するべきなのかも考えられるでしょう。
たとえば下記のようなイメージで、考えてみてください。
商品登録機能 | ・細分化されたカテゴリ ・商品一覧・詳細ページ |
会員機能 | ・ユーザーの情報登録(性別や誕生日) ・お届け先リストの登録 ・会員ページの作り込み ・お気に入り商品の機能 |
受注機能 | ・ギフト対応 ・定期販売 ・予約販売 ・複数配送対応 |
その他機能 | ・FAQ ・商品検索機能 ・口コミ機能 ・ランキング機能 ・メルマガ機能 ・ブログ機能 |
ネットショップで利用できる機能はさまざまです。これからネットショップを運営していくうえで、どのような機能があると便利なのか考えてみましょう。
「定期販売できる機能が欲しい」
「一回の注文で、複数箇所に配送できる受注システムがいい」
「消費者だけではなく、業務用販売も対応していきたい」
もちろん、すべての機能を追加費用なしで導入できる可能性もあれば、独自機能を開発しなければいけない場合もあります。
次のステップ「ネットショップを開業するプラットフォーム決め」に役立つので、ある程度のイメージを作っておくことが重要になります。
5. 【ネットショップ開業STEP5】利用するプラットフォームを決める
ネットショップの全体の設計が整ってきたら、次は実際にネットショップに利用するプラットフォームを決める必要があります。
自社でネットショップを作れるプラットフォームは、主に下記の5種類です(2024年現在)。
クラウドEC | ASP | パッケージ | フルスクラッチ | オープンソース | |
初期費用 | 100~500万円 | 無料~30万円 | 300~500万円 | 500~数千万円 | 無料~300万円 |
月額費用 | 数十万円 | 無料~数万円 | 数十万円 | 数十万円 | 無料~数万円 |
導入期間 | 3か月~ | 1か月~ | 3か月~ | 1年程度 | 3か月~ |
カスタマイズ | ○ | 原則難しい | ○ | ○ | ○ |
システムの 自動更新 |
○ | ○ | 更新作業が必要 | 更新作業が必要 | 更新作業が必要 |
セキュリティ | ○ | ○ | 別対応必須 | 別対応必須 | 別対応必須 |
向いている 企業規模 |
年商1億円以上 | 個人もしくは 年商1億円未満 |
年商1億円以上 | 年商20億円以上 | 年商1億円以上 |
どのプラットフォームを利用するのかによって、初期費用や運用費用はもちろんですが「柔軟にカスタマイズできるのか」や「自動更新されるのか」などが変わってきます。
ネットショップ作りは、長期間にわたりネット販売をしていくための大切な土台作りだからこそ、しっかりと利用するプラットフォームを選ばなければいけません。
最適なプラットフォームを選ぶポイントは3つです。
・最新性
・安心性
それぞれについて、具体的に解説していきます。
5-1. 選び方のポイント① 拡張性
ネットショップを作るためのプラットフォームを選ぶ際には、デザインや機能面をどこまでカスタマイズできるのかを比較して選ぶことをおすすめします。
たとえば、下記のような要素を比較してみましょう。
◆拡張性の比較項目
デザイン面 | ・使いたいサイトデザインテンプレートはあるのか ・テンプレートを使わずに独自デザインで作れるページはあるのか ・スマートフォンで見ても違和感のないデザインで作れるのか |
システム面 | ・標準機能で使える機能はどれだけあるのか ・追加オプション機能の中に、使いたい機能はあるのか ・どのような外部サービスと連携しているのか |
これからネットショップを作りたいと考えている方の中には「とりあえず手軽にネットショップを始められれば良い」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、深く考えずにとりあえずネットショップを作ってしまうと、後に以下のような後悔をしてしまう可能性が高いのです。
・デザインや機能を変えたいと思っても、カスタマイズできなくて不便に感じる
・サイトデザインが古くなったと感じても、思うようにデザインを変えられない
・必要な機能が使えず、結果的に実務で補うことで業務効率が悪くなる
もちろん、中には最低限の機能やデザインで十分だという場合もあれば、業務効率を上げるために便利な機能が必要だという場合もあるかと思います。
ネットショップを運営していくうえで、会社としてどれほどの「拡張性」が必要なのか明確にしておくと、プラットフォームを選びやすくなります。
5-2. 選び方のポイント② 最新性
ネットショップを作るためのプラットフォーム選びで重要な最新性とは、常に最新の状態・情報を維持してネットショップ運営できるかどうかです。
「今利用できるプラットフォームを選べば、それは最新の状態だ」と考える方もいるかもしれません。しかし、実際のところはそうではありません。
ネットショッピングに関わるルールや法律は、何年か経てば新しくなっていきます。ルールや法律の変更に合わせて、ネットショップ運営をする会社にもその都度対応が求められるのです。
そのため、機能面やシステム面が、常に最新の状態にアップデートされるかどうかも重要な判断基準になります。
具体的には、システム面やセキュリティ面において、下記のような要素について調べてみましょう。
◆最新性の比較項目
・アップデートを手動で行う必要があるのか
・手動アップデートの作業は大変か
・自動アップデートが行われる回数目安
最近の例でいうと、消費税増税や適格請求書の発行などにあわせて、機能面やシステム面で大きなアップデートが必要になりました。
このようなアップデートが自動で行われる場合は、常に最新性を保ちながらネットショップ運営ができます。
反対に、手動アップデートの場合は自社での作業負担が増えてしまいますが、その分月額費用を抑えられるのです。
ネットショップの機能・システム面の最新性を維持するために、自社でどこまで作業できるのかを考えながら、プラットフォームの最新性を比較して選ぶようにしましょう。
5-3. 選び方のポイント③ 安心性
ネットショップを作るために必要なプラットフォームを選ぶうえで、どれほどの安心性(セキュリティ面)があるのかも重要です。
ネットショップを運営するということは、顧客情報や決済情報などの個人情報が漏えいするリスクと隣り合わせになります。
利用するプラットフォームがセキュリティ対策にどこまで力を入れているのか調べることで、より安心性の高いプラットフォームを選べるでしょう。
◆安心性の比較項目
・個人情報の取り扱い
・オプションで追加できるセキュリティ対策の範囲
・導入しているセキュリティの基準の高さ
中には、プラットフォーム側で上記のようなセキュリティ対策を実施している場合もあれば、すべて自社で別途対策しておかなければいけない場合もあります。
セキュリティ対策を任せるべきか、自社ですべてのセキュリティ対策をするべきなのかをしっかりと考えて比較してみましょう。
ネットショップを運営するうえで知っておくべきセキュリティ対策について知りたい方は、下記の記事も参考にご覧ください。
関連記事:
・EC担当も知っておくべきWebサイトのセキュリティ対策
・クレジットカード決済を扱う事業者が知るべきセキュリティ対策
6. 【ネットショップ開業STEP6】ショップのデザイン・構築をする
利用するプラットフォームが決まったら、ネットショップのデザイン・構築をすすめていきましょう。
もちろん、利用するプラットフォームによって、デザインやシステムの自由度は大きく異なります。
自社ですべてのデザイン・構築を行う場合もあれば、サービス提供会社がデザインやサイト構築を請け負うことも可能です。
どちらの方法を選ぶにしても、納得のいくネットショップを作るためにも、見た目だけではなく下記のポイントも意識しましょう。
◆サイトデザイン・構築で大切なポイント
・ユーザーが商品を見やすく理解しやすくなっているか
・どんなネットショップなのか一目で分かるか
・購入までの導線がスムーズになっているか
・受注から発送までのフローで無駄は発生しないか
・スマートフォンで閲覧してもストレスを感じないか
はじめてネットショップを作ろうとする場合に多いのが、「とにかくかっこいいモノを」や「●●ショップをまねして」というようなケースです。
もちろん、他のネットショップを参考にすることは間違いではありませんが、しっかりと自社商品やサービスの魅力を伝えられるサイトデザインも忘れてはいけません。
納得できるサイトデザインが決まれば、デザイン面でのサイト構築と、受発注を管理するシステム面の構築(設定)を行っていきましょう。
どのようなサイトデザインをするべきか悩んでしまう場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
関連記事:
・売れるネットショップをデザインするための5つのポイント
・ECサイトのトップページを5つのパーツからデザインする!
7. 【ネットショップ開業STEP7】商品登録をする
サイトデザイン・システム面などの構築が完了すると、インターネット上でネットショップを閲覧・アクセスできる状態になります。
ユーザーにネットショップを公開する前に、販売する商品を登録していきましょう。
商品登録には、さまざまな情報が必要になるので、事前にまとめておくのがおすすめです。
◆商品登録に必要な項目の例
・商品価格
・商品ごとの税率
・商品サムネイル画像
・その他のイメージ画像複数枚
・商品説明文
・商品在庫数
・商品ごとの個別送料、ギフト、決済方法の指定
利用するプラットフォームによっては、上記の項目をCSVで一括入力ができる場合もあるので活用してみましょう。
もちろん、単純に最低限の文章と写真だけを登録すれば良いというわけではありません。ネットショップで主力商品となるものから、商品個別ページをしっかりと作り込んでいくのがおすすめです。
商品の良さや、利用している姿をイメージしやすい写真や文章を追加することで、よりユーザーに伝わりやすい商品ページを作ることができます。
8. 【ネットショップ開業STEP8】ネットショップ運営を開始する
商品登録まで完了すると、実際にネットショップ運営のスタートです。
ネットショップの運営は大きく分けると、下記の2種類の業務に分かれます。
フロント業務 | 既存客や見込み客など、より多くの人の目に触れる部分の業務 |
バックエンド業務 | お客さまの目に触れない、事務的な部分の業務 |
ネットショップを作っても、しっかりと運営業務をしていなければ売上を伸ばすことはできません。
フロント業務とバックエンド業務の両方に力を入れられるような体制を社内で整えながら、売上アップにつながるネットショップ運営を実現していきましょう。
8-1. フロント業務
ネットショップのフロント業務は、主に以下の4種類に細分化されます。
◆4つのフロント業務
・ネットショップ構築・制作:ショップ自体のデザイン制作や更新作業
・仕入:販売予測に基づいて仕入をする(在庫確保をする)
・プロモーション:SNSや広告などでネットショップに集客する
フロント業務は、簡単に言うと「より多くの人に、ネットショップを知ってもらい、訪問してもらう」ための業務です。
そのため、Webマーケティングやネットショップ制作に関する知識を使って、いかに効果的なアピールができるのかが重要になってくるでしょう。
8-2. バックエンド業務
ユーザーの目に触れることのないバックエンド業務ですが、顧客満足度に大きく影響する要素なので、ネットショップ運営に欠かせない大切な業務です。
具体的には、下記の5種類の業務がバックエンド業務に含まれます。
◆5つのバックエンド業務
・在庫管理:品切れ回避のために適切な在庫を確保する
・出荷梱包:商品を梱包し配送準備、配送業者への引き渡し
・配送:商品の種類や重量によって、適切な配送業者の使い分け
・アフターフォロー:発送完了後のメール送信や、クレーム対応
バックエンド業務は、商品がユーザーの手元に届くまでに欠かせない一連の業務が含まれています。
万が一、どこか一つの業務でミスが起きてしまうと、それが顧客満足に影響を与えてしまうので、最後まで気を抜かずに対応しなければいけません。
ネットショップ運営に欠かせないフロント業務とバックエンド業務について、より詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
関連記事:
・ネットショップ運営効率化!業務の基礎から運営代行までを解説
・EC担当者を目指す方が押さえる9つのECサイト運営業務
9. ネットショップ開業で失敗しないためのポイント5つ
ネットショップ開業の流れについて解説してきましたが、ネットショップ事業は開業して終了というわけではありません。
いかにネットショップ運営業務に力を入れられるかが、ネットショップの売上を左右するのです。
ネットショップ開業で失敗しないためにも、運営後に意識するべき下記のポイントを覚えておきましょう。
◆失敗しないためのポイント5つ
② 受注後の出荷梱包などにも気を配る
③ 最新のセキュリティを維持する
④ 法改正などに合わせて機能をアップデートしていく
⑤ 事業規模が大きくなったときの移行も見据えておく
せっかくネットショップを開業するからこそ、ネットショップの売上を伸ばしていけるような運営をするために、参考にしてみてください。
9-1. 実店舗と連携して、ネットショップの在庫切れを回避する
実店舗を持っている会社のネットショップ運営で注意したいのが、商品の在庫切れです。
ネットショップと実店舗の両方で商品在庫を共有している場合、ネットショップ単体で在庫を持っている場合よりも、在庫切れの可能性が高くなります。
在庫切れを回避するためにも、下記のような対策を取るようにしましょう。
◆在庫切れを回避するためにできること
・プラットフォームの在庫管理連携システムを導入する
・実店舗の在庫管理システムとネットショップを連携させる機能を独自開発する
実店舗とネットショップの在庫を連携していない場合、せっかく受注が入っても実店舗ですでにその商品が完売している場合は、ユーザーにお断りの連絡をしなければいけません。
「せっかく注文できたのに、売り切れていてがっかりだ……」とユーザーに感じさせないためにも、実店舗とネットショップの在庫状況を連携させるようにしましょう。
9-2. 受注後の出荷梱包などにも気を配る
ネットショップに注文が入った後の、バックエンド業務の中でも「出荷梱包」には最大の注意を払わなければいけません。
なぜなら、出荷梱包時のミスがクレームにつながる場合が多いからです。
商品や配送先のミスだけではなく、商品破損などを回避するためにも、以下のポイントを意識しながら業務を行いましょう。
◆出荷梱包時に大切なポイント
・配送先を間違えないように、配送伝票と配送指示をチェックする
・破損する可能性がある商品は、しっかりと梱包する
・環境を考えた梱包資材を採用する
・商品や配送先ごとに適切な配送会社を選ぶ
上記のポイントはあくまでも一例ですが、意識するとしないではトラブルが発生するリスクが大きく違います。
少しでもリスクを回避するためにも、出荷梱包業務の重要性も理解しておきましょう。
9-3. 最新のセキュリティを維持する
「5-3. 選び方のポイント③ 安心性」でもお伝えしたように、ネットショップ運営においてセキュリティ対策は疎かにしてはいけない要素の一つです。
一度でも個人情報漏えいをしてしまうと、それが会社の信頼度を大きく下げる要因にもなってしまいます。
ネットショップ運営だけではなく、会社の信頼度を守るためにも、常に最新のセキュリティ対策を行うようにしましょう。
自社でできる対策には、以下のようなものがあります。
◆自社でできるセキュリティ対策
・SSL証明書を常に最新の状態にアップデートする
・最新のサイバー攻撃情報にアンテナを張っておく
・WAFの導入などで、不正アクセスや不審な挙動を監視する
・セキュリティ対策を自動更新してくれるサービスを導入する
ネットショップ運営で必要なセキュリティ対策は、常にアップデートされていきます。
社内にセキュリティ対策に特化したチームを配置できる場合もありますが、専門知識なしでは万全の対策が難しい場合がほとんどです。
そのような場合は、社内だけで対応するのではなく、セキュリティ対策まで請け負ってくれるプラットフォームを選ぶのも一つの方法でしょう。
9-4. 法改正などに合わせて機能をアップデートしていく
本格的にネットショップ運営をしていくためには、開業時の機能やシステムのままで運営していくことは難しいでしょう。
なぜなら、法改正やルールの変更などで、機能面やシステム面のアップデートが必要になるからです。
たとえば近年で言うと、下記のような変更がありました。
◆近年発生した主な変更項目(2019年~2023年)
・税率の変更
・商品ごとに軽減税率(8%)と標準税率(10%)での登録
・インボイス発行事業者としての情報掲載
・インボイス制度による適格請求書の発行 など
もちろん機能をアップデートせずに、ネットショップを運営していくことはできます。
しかし、以下のように不便さを感じるようになってくるでしょう。
「適格請求書をその都度、別ソフトで作成する必要がある」
「商品ごとに税率計算して、単価をすべて変更しなければいけない」
もちろん、機能やシステム面を自動更新するような、ASPやクラウドECを使っている場合は、このようなアップデートを心配する必要はありません。
しかし、自社でサイト構築をしている場合は、新たな機能開発や改善作業を行っていく必要があります。
9-5. 事業規模が大きくなったときの移行も見据えておく
これからネットショップを作ろうとしているほとんどの会社が、「ネットショップでより多くの人に商品、サービスを届けたい」と考えているかと思います。
ネットショップ運営をしていくうえで、事業規模が拡大していくことを見据えて計画を立てておくことも大切です。
たとえば、事業規模が拡大していくにつれて、ネットショップに対して求める要素も増えてくる可能性があります。
◆規模拡大とともに変わるニーズの例
・業務効率を上げるために独自機能を開発したい
・取り扱い商品を大幅に拡大したい
・ネットショップでもBtoBに力を入れたい
・よりオリジナリティのあるデザインにしたい
ネットショップ開業当初と同じプラットフォームでは、上記のような希望を満たせない場合がほとんどです。
その結果、より拡張性・安心性・最新性を満たす別のプラットフォームに移行することになるでしょう。
たとえば以下のように、プラットフォームを移行する会社も少なくありません。
・無料ASP→より拡張性とデザイン性のある有料ASPへ
・有料ASP→独自のデザイン・機能拡張性のあるクラウドECへ
・有料ASP→ゼロからデザイン・機能を開発できるフルスクラッチへ
数年後に事業規模が拡大することをしっかりと見据えながら、事業規模拡大後のネットショップ運営について念頭におきながら運営・計画していくことが、EC事業での成功の近道です。
事業規模が大きくなっても安心!
クラウドECにスムーズに移行できる「ebisumart zero」
ネットショップの売上を伸ばして事業拡大したいけれど、まずはコストを抑えてネットショップ開業したい場合は、ebisumart zeroにお任せください。
ebisumart zeroは、ネットショップを手軽に作れるだけでなく、クラウドECであるebisumartに簡単移行できるスモールスタート向けクラウドコマースプラットフォームです。
・ネットショップ運営に欠かせない機能が標準装備されている
・オプション機能を追加できる
・システムやセキュリティが自動更新される
・クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」への移行がスムーズ
ネットショップに欠かせない拡張性・安心性・最新性を満たしているだけでなく、事業規模が大きくなった際にも困らないのが大きな特徴です。
特に、これから新たにEC事業に力を入れていこうと考えている事業者の最初のネットショップとして力を発揮できるでしょう。
ebisumart zeroについてより詳しい情報は、下記の資料請求からご覧いただけます。
まとめ
この記事では、新たにネットショップを開業するSTEPについて具体的に解説してきました。
◆ネットショップ開業のSTEP
STEP2:決済方法を決める
STEP3:必要な届出や法律関係を確認する
STEP4:必要な機能やシステムを洗い出す
STEP5:利用するプラットフォームを決める
STEP6:ショップのデザイン・構築をする
STEP7:商品登録をする
STEP8:ネットショップ運営を開始する
ネットショップは、さまざまなプラットフォームを使うことで手軽に作れるようになってきました。
その結果、サイト設計や事業の今後の展開などを考えずに、とりあえず手軽に無料でネットショップを作ってしまうケースも少なくありません。
もちろん「とりあえず」で作ったネットショップが上手くいく可能性は低いのです。
ネットショップ開業・運営で失敗しないためにも、最適な開業までの流れを理解したうえでネットショップを作っていきましょう。