「個人でも海外販売を始めたいけれど、語学力も経験もない自分にできるだろうか」
「海外向けに商品を売りたいが、手続きや法律面が不安」
このように、海外への販売に興味はあるものの、ハードルの高さに尻込みしていませんか。
昨今の円安により、日本製品は海外で売れやすくなっています。参入を考えているのなら、チャンスともいえるでしょう。ただし、失敗やトラブルを回避するためには正しい知識が不可欠です。
この記事では、個人がリスクを抑えて海外販売を始めるための手順や、成功のコツを解説します。
◆この記事を読むと得られるメリット
・海外販売を始める具体的な手順が把握できる
・関税や法律のリスクを事前に理解できる
世界の顧客に商品を届ける海外販売の可能性を、ぜひこの記事でつかんでください。
1.個人でも海外販売は可能!3つの販売方法と特徴
個人が海外に商品を販売する方法には、大きく3つのアプローチがあります。それぞれに異なる特性があり、取り扱う商品や運営スタイルによって最適な選択肢が変わります。
② ECサイトで海外販売する
③ SNSで直接販売する
1-1.海外対応ECモールに出品する
まず、海外販売に対応しているECモール(Amazonなど)を利用する方法があります。
世界規模のプラットフォームには、すでに膨大な顧客ベースが整っています。たとえばAmazonなら、月間で数億人の規模の訪問者を抱えています。
また、商品情報の登録から決済・発送まで、プラットフォーム側が用意したシステムに沿って進めるだけで完結します。専門的な技術知識やWeb開発のスキルは不要です。国際決済や通貨換算、返金処理などの複雑な金銭管理も、プラットフォームが代行してくれます。
ただし、販売手数料がかかる点や、多数の競合セラーとの価格競争が激しい点には注意が必要です。
なお、具体的なプラットフォームについては、後ほど詳しく解説します。ここでは大枠をつかんでいきましょう。
1-2.ECサイトで海外販売する
次に、自分でECサイトを構築して海外顧客に販売する方法は、ブランド価値を重視する個人に適しています。独自のオンラインストアを持つと、デザインから販売方針まで自由にコントロールでき、モール出品にはない独自性を打ち出せます。
サイト構築のコストはかかりますが、モール出品では発生する販売手数料がかからないことはメリットです。
配送は自社で手配する方法のほか、海外転送サービスを利用する方法があります。海外転送サービスについては、越境ECの始め方3つの中で手軽な「海外転送サービス」とは?をご確認ください。
近年のECプラットフォームは多言語対応しているものも多く、ターゲット国に合わせた最適な表示を簡単に実現できます。
一方で、集客とマーケティングをすべて自力で行う必要があり、SEO対策やSNS発信、ネット広告などへの継続的な投資が欠かせません。長期的に事業を育てたい個人にとっては、投資に見合うリターンが期待できます。
ECプラットフォームの具体例についても後ほど解説しますので、このまま読み進めてください。
1-3.SNSで直接販売する
SNSを活用した直接販売は、プラットフォーム手数料を回避しながら海外顧客とダイレクトにつながれる方法です。Instagram・Facebook・TikTokなどで商品を紹介し、興味を持った海外ユーザーとメッセージでやりとりして取引を成立させます。
ECプラットフォームを介さないため、販売手数料がかかりません。サイト構築のコストも不要です。決済方法も当事者間で自由に決められますが、PayPalなどの国際送金サービスを活用するケースが多いでしょう。
一方で、取引の記録管理や顧客とのコミュニケーションをすべて自分で行う必要があり、トラブルが起きた際の対応も個人の責任となります。ビジネスが拡大すれば対応に限界が生じるため、継続的な事業として本格的に取り組みたい方には、あまり適さない方法と言えます。
2.個人で海外販売を始める4ステップ
続いて、海外販売を実際に開始するまでに何をすれば良いのか、4つのステップに分けて確認しましょう。
② 輸出可能な商品か確認する
③ 関税・送料・決済方法を把握する
④ プラットフォーム登録・出品を進める
2-1.ターゲット国と販売商品を決める
最初に決めるべきは、どの国に向けてどのような商品を販売するかです。やみくもに全世界を相手にするのではなく、需要と競争環境を見極めて市場を絞り込みます。
◆ターゲット選定のポイント
・需要の見極め:たとえばアニメ関連グッズは北米・欧州で根強い需要があり、日本の伝統工芸品はアジアの富裕層から注目されています。需要の大きさを定量的に把握するためには、Googleトレンドや各国のECモールランキングを活用してみましょう。
・物流コストと配送期間:輸送距離が長いほど配送料が高額になり、到着までの日数も増えます。商品単価と送料のバランスを考慮し、採算が取れる市場を選ぶことも大切です。
・法規制の複雑さ:食品や化粧品、電気製品などは規制が厳しく、個人が対応するには難易度が高い場合があります。初めは規制の少ない雑貨やアクセサリーから始めるのが現実的です。
まずはターゲット国を1〜2か国程度に絞り込み、その市場に適した商品ラインナップを考えてみましょう。初期段階では広く浅く展開するより、特定の国・特定の商品で深く実績を作るほうが成功確率は高まります。
2-2.輸出可能な商品か確認する
商品が決まったら、その商品を海外に輸出できるかを必ず確認します。法規制だけでなく、配送上の制約や権利関係など、多角的な視点からチェックが必要です。
◆輸出前に確認すべきポイント
・配送業者の禁止品目:危険物やリチウム電池内蔵品など、航空便で配送できない可能性のある商品があります。配送業者のWebサイトで、発送禁止品リストを確認してください。
・サイズ・重量制限:国際配送には厳格なサイズ・重量制限があり、超過すると追加料金が発生します。梱包後の実寸と重量を事前に測定し、配送可能な範囲に収まるか確認しましょう。
・商標権・著作権の侵害リスク:ブランド品の並行輸入や、キャラクターグッズの無許諾販売は、権利侵害で訴えられる可能性があります。正規ルートで仕入れた商品か、販売許可を得ているかを確認してください。
・法規制品の基本確認:ワシントン条約該当品・電気製品・文化財など、輸出規制の対象となる商品も存在します(本記事の後半で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください)。
不明点がある場合は、配送業者のカスタマーサポートや各種専門家へ問い合わせを行い、事前に解決しておくことが重要です。確認を怠ると、発送後のトラブルや大きな損失につながります。
2-3.関税・送料・決済方法を把握する
海外で販売したい商品が定まったら、販売価格を設定する前に、関税・送料・決済手数料などのコストを正確に把握しましょう。これらを見誤ると、売れば売るほど赤字になる事態に陥ります。
◆コスト把握の重要ポイント
・送料の負担先を明確にする:国際配送料は、国内配送の数倍から十倍以上になる場合があります。配送業者ごとに料金体系が異なり、重量やサイズで大きく変動するため、事前にシミュレーションが必要です。
・決済手数料などのコストを利益計算に組み込む:クレジットカード決済やPayPal決済には手数料が発生します。また、商品原価・梱包資材費・送料・決済手数料・プラットフォーム手数料・その他経費をすべて差し引いて、最終的な利益額を算出してください。
為替レートの変動も考慮し、円高に振れても採算が取れる価格帯を設定することも重要です。
2-4.プラットフォーム登録・出品を進める
すべての準備が整ったら、実際にプラットフォームへの登録と商品出品を進めます。
具体的には、選択したプラットフォームで販売者アカウントを作成したり、商品ページの制作を進めたりします。
本人を確認する書類や銀行口座の情報の提出が求められる場合、審査に数日〜数週間かかることがあります。
具体的なプラットフォームの選択肢については、以下で見ていきましょう。
3.個人の海外販売におすすめプラットフォーム5選
海外販売の成否は、プラットフォーム選びで決まるといっても過言ではありません。ここでは、個人が実際に活用しやすい5つのプラットフォームを、それぞれの特徴とともに紹介します。
② minne:海外への代行連携を活用
③ eBay:個人出品に強い老舗オークションサイト
④ EBISUMART:成長を見据える人におすすめのECサイト構築
⑤ Shopify:多言語・多通貨対応の自社ECサイト構築
3-1.Amazonグローバルセリング:世界最大の規模の市場での販売
Amazonグローバルセリングは、北米・欧州・アジアなど世界の主要なAmazonマーケットプレイスで販売できるプログラムです。
商品を事前にAmazonの海外倉庫に送っておけば、注文後の梱包・発送・カスタマーサービスまでAmazonが代行するFBA(フルフィルメント by Amazon)も利用できます。
◆Amazonグローバルセリングの強み
・圧倒的な顧客基盤:プライム会員だけで2億人以上が存在し、これらの膨大な潜在顧客に自動的にリーチできます。Amazonブランドの信頼性により、無名の個人セラーでも購入されやすくなります。
・FBAによる業務効率化:国際配送の煩雑な作業を自分で行う必要がないので、本業に集中できます。返品・返金ポリシーもAmazonが統一管理するため、トラブル時の対応負担が軽減されます。
・多言語対応システム:各国のAmazonサイトは現地語で運営されており、商品ページも自動で翻訳する機能を使って多言語化できます。英語が苦手でも、システムのサポートで海外顧客とやりとりできます。
一方で、販売手数料が8〜15%(商品によってはそれ以上)かかる点や、FBA利用時には保管手数料も発生する点には注意が必要です。競合セラーも多く価格競争が激しいため、差別化できる商品やニッチな市場を狙う戦略が求められます。
詳しくはAmazon公式の「Amazon海外販売の始め方」のページをご覧ください。
参考:CNET Japan「『Amazonプライム』、会員数が2億人を突破」
3-2.minne:海外への代行連携を活用
minne(ミンネ)は日本最大級のハンドメイドマーケットです。海外向け購入代行サービスとの連携により、海外の購入希望者が代行業者を通じてminneの作品を購入できる仕組みがあります。
海外からの注文でも、作家は通常通り国内配送するだけで完結します。代行業者が海外発送を担当するため、国際配送の知識や英語対応は一切不要です。
◆minne海外販売の強み
・作家側の追加の対応は不要:ハンドメイド作家が本来の創作活動に専念できる環境が整っています。minneの管理画面はすべて日本語で、海外販売のために特別な設定変更や言語対応は必要ありません。
・ハンドメイド市場の強み:海外では日本のハンドメイド作品や工芸品への関心が高く、独自性のある作品は高値で取引される傾向があります。minneのブランド力と代行サービスの組み合わせで、個人作家が国際市場に参入しやすくなりました。
ただし、代行サービスを利用する分、購入者側に追加のコスト(購入代行手数料や海外への国際送料)がかかります。価格競争力が低下する可能性があり、独自性の高い作品やオーダーメイド品など、価格以外の価値で勝負できる商品が適しています。
詳しくはminne公式の「海外販売について – minne ヘルプとガイド」のページをご覧ください。
3-3.eBay:個人出品に強い老舗オークションサイト
eBayは世界190か国以上で利用される、個人間取引に強いオークション・マーケットプレイスです。日本からの出品も盛んで、個人セラーのコミュニティも充実しています。
固定の価格での販売とオークション形式の両方が選べるため、希少品やコレクターアイテムは入札形式で高値を狙えます。Amazonほど厳格なポリシーや品質基準がなく、中古品や少量在庫の商品でも気軽に出品できます。
◆eBayの強み
・オークション形式の柔軟性:希少品は入札形式で高値を狙え、日用品は固定価格で安定的に販売できる柔軟性があります。副業や趣味の延長で海外販売を試したい個人に適した環境です。
・日本語サポートの充実:eBay Japanが日本語の出品ガイドやセラー向けセミナーを提供しており、初心者でも学びながら出品を進められます。管理画面も一部が日本語化されており、言語の壁が低くなっています。
・配送サポートの提供:eBay Japanが提供する公式配送プラットフォーム「CPaSS」などを活用すれば、FedExやDHLなどの配送ラベルを簡単に発行できます。個別に配送業者と契約するよりもスムーズに発送業務を行えます。
eBayは落札手数料が15%前後かかり、取引が成立しないと収益にならない点には注意が必要です。詐欺や未払いなどのトラブルが発生するリスクもあるため、取引相手の評価確認や前払い決済の徹底など、自己防衛策が欠かせません。
詳しくはeBay公式の「【越境ECを始める】eBayセラーアカウント登録ガイド」のページをご覧ください。
3-4.EBISUMART:成長を見据える人におすすめのECサイト構築
EBISUMARTはインターファクトリーが提供するクラウド型ECサイト構築サービスで、越境EC(海外販売)サービスとの連携を標準搭載しています。中長期的に事業を拡大したい方に適したプラットフォームです。
サイトを多言語で表示でき、各国の通貨で価格表示が可能です。デザインや機能は、それぞれのニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできます。
◆EBISUMARTの強み
・越境EC対応サービスに標準連携:越境EC対応サービス「WorldShopping BIZ」と標準連携しています。申し込みするだけで、海外ユーザーも利用できるECサイトが運営できるようになります。
・豊富な拡張機能:多くの他社アプリケーションとシステム連携しています。海外販売に際して使いたいサービスがあるとき、カスタマイズを行わなくてもシステム連携で拡張できるケースが多くあります。
・日本企業によるサポートの安心感:保守契約によるサポート体制が整っており、トラブル時や不明点の相談を行えます。海外企業によるプラットフォームのサポートに不安を感じる方には、心強い存在です。
一方で、ECサイト構築には初期費用がかかるため、売上がまだ立っていない段階では負担が大きくなります。まずはどのような選択肢が取れるか、以下の詳細資料にてご確認ください。
3-5.Shopify:多言語・多通貨対応の自社ECサイト構築
Shopifyは世界175か国以上で利用される、ECサイト構築プラットフォームです。個人から大企業まで幅広く活用されており、越境ECに必要な機能が標準でそろっています。
専門知識がなくても、テンプレートを選んで商品を登録するだけでオンラインストアが完成します。100種類以上の決済方法に対応しており、各国の主要な決済手段を簡単に導入できます。
◆Shopifyの利点
・簡単な構築と運用:ドラッグ&ドロップ操作で直感的にデザインを調整でき、コーディング不要で本格的なサイトを作れます。
・アプリによる機能拡張:数千種類のアプリが用意されており、在庫管理・メールマーケティング・SEO対策・多言語化など、必要な機能を後から追加できます。成長に合わせて柔軟にサイトを進化させられる拡張性があります。
・多通貨表示と自動換算:顧客の所在地に応じて、自動的に現地通貨で価格を表示します。為替レートも自動更新されるため、手動での価格調整が不要です。
Shopifyは、月額料金や決済手数料などのコストがかかります。本気で海外への販売事業を育てたい方には、有力な選択肢となります。
Shopifyについて詳しくは、ShopifyでECを作るメリットはすぐに機能実装できることの記事で解説していますので、ご確認ください。
4.個人が海外販売するときに注意すべき関税や法律のリスク
海外販売では、関税・輸出規制・配送トラブル・返品対応など、国内販売にはないリスクが存在します。これらを事前に理解し、適切な対策を講じられるようにしましょう。
② ワシントン条約などの輸出禁止品や規制品を確認する
③ 配送遅延や紛失に備えて追跡番号付きで発送する
④ 返品ポリシーを設定しトラブル時の対応を決めておく
⑤ 売上規模に応じて消費税の免税制度の活用を検討する
4-1.関税は原則として購入者負担であることを明記する
国際取引における関税は、輸入国側で発生し、原則として購入者(輸入者)が負担します。
しかし、この原則を知らない購入者が、配達時に予想外の税金を請求されて驚き、クレームに発展するケースがあります。トラブル予防の対策をしましょう。
◆関税トラブルを防ぐ対策
・商品ページに明記する:購入前に顧客が理解できる状態を作ります。「よくある質問」や「利用規約」のページでも、関税負担について詳しく説明します。
・注文確認メールで再通知:注文完了後のメールに、関税に関する注意事項を再度記載します。購入直後のタイミングであらためて認識してもらうと、後のトラブルを減らせます。
・低価格申告の禁止:配送伝票に虚偽の低額を記載して関税を逃れようとする行為は、違法であり税関で摘発されます。正確な商品価格を申告し、適法な取引を徹底します。
商品説明欄や注文確認ページに「関税・輸入税は購入者負担となります」と明記したうえで、可能であれば、おおよその関税額や計算方法のリンクも提示すると親切です。
参考:税関「1103 関税の納税義務者(カスタムスアンサー)」
4-2.ワシントン条約などの輸出禁止品や規制品を確認する
海外に輸出できない商品や、許可が必要な商品を誤って販売すると、税関で差し止められるだけでなく、法的責任を問われる可能性があります。とくにワシントン条約や各国の輸入規制には細心の注意が必要です。
◆規制がかかる商品の例
・ワシントン条約該当品:絶滅危惧種に関連する素材(象牙・べっ甲・ワニ革など)を使った商品は、無許可で輸出すると法律違反となり刑事罰の対象です。経済産業省サイトの「ワシントン条約規制対象種の調べ方」で規制対象種を確認できます。
・食品・化粧品・医薬品:各国で安全基準や成分表示の義務が異なり、輸入許可や現地での登録が必要な場合があります。健康に関わる商品は規制が厳しく、販売するには専門知識と手続きが求められます。
・電気製品・無線機器:各国の安全規格への適合が必要で、無線機能を持つ製品は電波法の規制も受けます。技術基準への適合証明がないと、輸出後に販売できない事態に陥る可能性があります。
・文化財・芸術品:一定の年数を経過した美術品や骨董品は、文化財保護法で輸出が制限される場合があります。古い陶磁器や絵画を扱う際は、文化庁への届出が必要かどうかを事前に確認してください。
・輸入先国の独自規制:刃物類・アルコール・タバコ・植物・種子など、国や地域によって輸入が禁止・制限される品目は多岐にわたります。日本で合法でも、相手国で違法となるケースがあるため、両国の規制を調べる必要があります。
規制違反は取り返しのつかない損失を招くため、専門家のアドバイスも受けながら、しっかり確認しましょう。
不明点がある場合は、JETRO(日本の貿易を振興する機構)の相談窓口などに問い合わせると、専門的なアドバイスを受けられます。
参考:
・環境省「譲渡し等の規制及び手続きについて|ワシントン条約と種の保存法」
・経済産業省「ワシントン条約規制対象貨物の輸出承認手続き」
・経済産業省「国宝、重要文化財等の輸出について」
4-3.配送遅延や紛失に備えて追跡番号付きで発送する
国際配送は国内配送に比べて、遅延・紛失・破損のリスクが高くなります。これらのトラブルから身を守るため、追跡可能な配送方法を選ぶことが不可欠です。
追跡番号があれば、荷物の現在地を確認でき、「届いていない」というクレームにも冷静に対応できます。
◆配送リスクへの対策
・追跡番号付き配送の徹底:EMS(国際スピード郵便)や国際宅配便(例:DHL、FedEx)など、追跡番号が付与される配送方法を選んでください。追跡不可の配送方法は安くてもリスクが高すぎるため避けます。高額商品や壊れやすい商品には、配送保険を付けましょう。
・梱包の工夫:国際配送では荷物が乱暴に扱われる可能性が高いため、緩衝材を十分に使い、防水対策も施します。丁寧な梱包で破損トラブルを減らし、顧客満足度を高めましょう。
・配送状況の共有:発送後、顧客に追跡番号をすみやかに通知し、追跡ページのURLも合わせて送ります。顧客が自分で配送状況を確認できれば、不安が軽減され、問い合わせも減ります。
配送トラブルは販売者の評価につながるポイントです。追跡と保険によるリスク管理は、コストではなく必要な投資と考えましょう。
4-4.返品ポリシーを設定しトラブル時の対応を決めておく
海外販売では、「商品が思っていたものと違う」「破損していた」「サイズが合わなかった」など、さまざまな理由で返品・返金の要求が発生します。
国・地域によっては、日本よりも気軽に返品する文化の場合もあります。事前に返品ポリシーを明確にしておかないと、対応に追われて大きな損失を被りますので、注意しましょう。
◆返品ポリシー策定のポイント
・返品条件の明記:「未使用・タグ付き・元の梱包状態」など、返品を受け付ける商品の条件を詳細に記載します。一度使用した商品や、顧客都合による返品は受け付けないなど、明確な線引きをします。
・返品送料の負担者:販売者の責任による不良品や誤発送の場合は販売者が負担、顧客都合の場合は顧客が負担するのが一般的です。この点を曖昧にすると、後でトラブルになります。
・返金方法と時期:返金は商品を受け取ってから何日以内に行うか、どの方法で返金するかを明記します。返金プロセスが明確だと、顧客の不安が減り、スムーズな解決につながります。
返品ポリシーは、商品ページ・利用規約・注文確認メールなど、複数箇所に掲載します。顧客が購入前に確認できる状態を作り、後から「知らなかった」と言われない環境を整えてください。
4-5.売上規模に応じて消費税の免税制度の活用を検討する
日本から海外に商品を輸出する場合、日本の消費税は免税となります(参考:税関「5003 消費税の輸出免税について(事業者の場合)」)。この制度を理解し、適切に活用すれば、税負担を軽減できます。
◆消費税の免税制度の活用法
・還付申請の条件:消費税の還付は、課税事業者として消費税の申告を行い、仕入税額控除の要件(帳簿及び適格請求書等の保存)などを満たす必要があります。売上が年間1,000万円以下の免税事業者は、自動的に還付を受けられません。
・記録と証明の重要性:輸出免税を適用するには、輸出取引であることを証明する書類(輸出許可書や発送伝票の控えなど)を保管する必要があります。これらの書類を整理し、税務調査に備えた記録管理を行います。
・税理士への相談:消費税の還付申請は複雑で、誤ると税務トラブルにつながります。売上が一定規模に達したら、税理士に相談し、適切な税務処理を行う体制を整えましょう。
消費税の免税制度は、海外販売の大きなメリットの1つです。事業規模の拡大に合わせて、適切なタイミングで制度を活用し、利益率の向上を図りましょう。
参考:国税庁「No.6551 輸出取引の免税」
5.まとめ
本記事では「個人での海外販売」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
個人で海外販売する方法として、以下を解説しました。
② ECサイトで海外販売する
③ SNSで直接販売する
個人で海外販売を始める4ステップは以下のとおりです。
② 輸出可能な商品か確認する
③ 関税・送料・決済方法を把握する
④ プラットフォーム登録・出品を進める
個人の海外販売におすすめプラットフォーム5選をご紹介しました。
② minne:海外への代行連携を活用
③ eBay:個人出品に強い老舗オークションサイト
④ EBISUMART:成長を見据える人におすすめのECサイト構築
⑤ Shopify:多言語・多通貨対応の自社ECサイト構築
個人が海外販売するときに注意すべき関税や法律のリスクは以下のとおりです。
② ワシントン条約などの輸出禁止品や規制品を確認する
③ 配送遅延や紛失に備えて追跡番号付きで発送する
④ 返品ポリシーを設定しトラブル時の対応を決めておく
⑤ 売上規模に応じて消費税の免税制度の活用を検討する
個人であっても、適切な準備と正しい知識があれば、海外販売は可能です。本記事で紹介した方法とプラットフォームを活用し、世界中の顧客に自分の商品を届ける第一歩を踏み出してください。
























