スマホで払込票のバーコードを読み取る「コンビニ決済」4社紹介


通販代金や税金の支払いの際、自宅に郵送されてきた払込票をコンビニに持参して支払いをしたことがある方は多いのではないでしょうか?コンビニ決済は老若男女問わずカンタンに支払える便利な決済方法で、利用件数は年々伸びております。

しかし、コンビニに行くことが面倒だったり、10万円を超えるような高額の代金支払いの場合は、コンビニで支払うことに抵抗があるものです。そういったときに、家にいながら代金を支払うことができる便利な決済方法が、スマホで払込票のバーコードを読み取る「コンビニ決済」です。

本日はインターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、導入を検討している事業者様向けに「コンビニ決済」を解説いたします。

年間収納件数が「10億件」年々増加するコンビニ決済!

昔ながらの「コンビニ決済」は変わらず利用ニーズが高い決済方法です。下記は大手コンビニチェーンのコンビニ収納金額と件数の推移となっています。

出典:金融庁ウェブサイト

集計は2017年度まででファミリーマートについては最新の結果がありませんが、ファミリーマートの2016年度以降の件数を加味すれば、2019年度は10億件に達していることが推測され、取扱額は年々伸びていることがわかります。

2つのコンビニ決済方法

日頃利用しているコンビニ決済には、店舗で支払う場合に大きく分けて2つの方法があります。

(1) 払込票方式
(2) ペーパーレス方式

(1) 払込票方式

バーコードが印字された用紙(払込票)を渡し、店員がPOSレジで読み取ることで代金を支払う方式です。最もシンプルで、公共料金の支払いで使われることからも老若男女問わず普及しているコンビニ決済方法です。

しかし、支払いには払込票が必要になり、事業者はユーザーの手元に払込票を届けなくてはなりませんし、ユーザー側も払込票を紛失してしまった場合、再発行の手続きを事業者側に申請するので支払うまでに相当な時間を要するデメリットがあります。

(2) ペーパーレス方式

この方式は払込票など物理的な「紙」を使わず、ユーザーにメルマガなどで支払いに必要な「番号」を案内することで決済を可能にする方式です。コンビニ店舗に置いてある端末機に番号を入力することで代金の支払いを行います。端末はファミリーマートのFamiポート、ローソンのLoppiなどが該当します。

◆ペーパーレス決済の流れ

① ネットなどで 商品購入、サービス申し込み
② ネットの決済画面の支払い方法でコンビニを選択
③ 支払うための「番号」を入手(決済代行会社→事業者→購入者の流れで番号を配布)
④ 番号をコンビニ端末機(Famiポート等)に入力
⑤ 端末から出力されたレシートをコンビニ店員に渡して、支払い

大手コンビニチェーンの中で、セブン-イレブンは端末機を通さず直接レジで番号を店員に見せる、もしくは口頭で伝えることで支払いができます

デメリットは、番号だけでスマートに決済できるペーパーレス方式であっても、ユーザーがコンビニまで行く手間はかかってしまうことです。また、両方式ともに「前払い」と「後払い」の支払い方法がありますが、これに関しては下記の過去記事で詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。

関連記事:【全解説】ネットショップ必見!4つのコンビニ決済方式をプロが解説

払込票方式もペーパーレス方式も一長一短で、メリットデメリットがある!

下記の表に、各方式のメリットとデメリットをまとめてみました。

◆各方式のメリット・デメリット表

若いユーザーだけをターゲットにしている事業者であれば「ペーパーレス方式」で良いかもしれません。しかし、中高年以上のユーザーだとなじみが薄いためコンビニでの端末操作を難しく感じることが多くなるので、やはり若いユーザー向けの方式と言えます

ターゲットの対象者が幅広いのであれば、ユーザビリティを考え「払込票方式」を用意することをおススメいたします。

しかし、どちらの方式にしてもユーザーがコンビニに行く手間は残ります。このデメリットを払拭する「新しい支払い方法」が2017年よりリリースされています。それがLINE PayやPayPayなどを利用した「スマホで払込票を読み取る方式」です。

スマホで払込票を読み取る方式は「LINE Pay」や「PayPay」で使える!

下記のように届いた払込票のバーコードをスマホカメラで読み取って、LINE PayやPayPayなど別の決済手段で支払うことができのです。

画像引用元:【LINE Pay】請求書支払い、導入数1,000団体を突破 うち公共料金は120団体に

注意点として、全ての払込票のバーコードが読み取りできるわけではありませんので、事業者からの案内やホームページで知るか、もしくは下記のように「払込票の裏面」を見て、対象かどうかを判断する必要があります。下記は「PayB」に対応している「宮崎銀行」の例です。

◆払込票裏面

画像引用元:宮崎銀行公式ホームページ

それでは、実際にこのサービスを展開している4社を紹介いたします。

スマホで払込票のバーコードを読み取る決済方法を行っている4社の紹介

1社目:LINE Pay 請求書支払い

多くの方がスマホにインストールしているLINEアプリには、バーコードを読み取る機能があります。

参考URL:【LINE Pay】「LINE Pay 請求書支払い」を開始

メニューボタンの中に「ウォレット」があり、その画面からLINE Payに遷移すると「請求書支払い」というメニューがあります。タップするとカメラが自動で起動します。このカメラで払込票のバーコードを読み取ることで、チャージしている金額から支払うことができます。

当然、LINE Payに支払う金額以上を事前にチャージしている必要があります。もし、チャージ金額が不足している(全くない)場合は、スマホ操作で銀行口座を設定することでチャージを行うことも可能です。

2社目:PayPay請求書払い

2018年のサービス開始以降から急速に利用者を増やし続け、2023年10月時点で登録ユーザーが6,000万人を突破しているPayPayですが、これもまたLINE Pay 請求書支払いと同様に、アプリで払込票のバーコードを読み取る機能が付いています。

◆PayPay請求書払いの使い方(PayPay残高)

PayPay請求書払いの支払い方法

アプリのメニューより「スキャン」を押すとカメラが起動します。読み取ると確認画面が表示され間違いがないことを確認しチャージ金額から支払うことができます。

チャージが足りない場合は、クレジットカードや銀行口座をひも付けることで、その場でチャージを行うことが可能です。

また、チャージ金額からの支払いだけではなく、当月の利用分を翌月にまとめて支払う「PayPayクレジット払い」という方法もあります。

◆PayPayクレジットの支払いイメージ

PayPayクレジットの支払いイメージ

支払日の予約も可能

さらに、PayPayの請求書払いは支払日の予約も可能です。バーコードをスキャン後、支払日を指定(予約)することで、予約日になるとPayPayが自動決済してくれます。

◆予約支払い

PayPay請求書払いの予約支払い方法

画像引用元:PayPay請求書払いの使い方

3社目:楽天ペイ

楽天ペイもまた、国内ユーザー数の多い人気の決済サービスですが、楽天ペイアプリでもバーコードを読み取って支払いすることが可能です。

◆楽天ペイの請求書払いの使い方

楽天ペイ請求書払いの支払い方法

画像引用元:楽天ペイの請求書払いとは

楽天ペイによる支払いの最も大きな特徴は、支払いに楽天ポイントや楽天キャッシュが利用できることです。(一部請求書は利用不可)

日常的に楽天市場での買い物や他の楽天サービスを利用していれば、楽天ポイントは非常に貯まりやすいポイントです。サービス提供開始は2023年の4月でまだ日が浅いですが、支払い先が順調に増えていけば、楽天ポイントで支払いできる本サービスは、一気に利用者数を増やすことになるはずです。

4社目:PayB

あまり聞き慣れないサービス名ですが、ユーザーの銀行口座から即時引き落としができる決済手段です。利用できる金融機関は限定的ですが、ご自身が利用している銀行が対象であれば、その場で銀行口座の残金から支払うことができます。

流れとしては、以下になります。

◆PayBの使い方

PayBの利用方法

① 事前に「PayB」のアプリをインストール
② 個人情報を登録。その流れで銀行の設定を行う
③ 払込票のバーコードを読み取る
④ 銀行残高から支払い

画像引用元:PayB公式ページ

2024年5月末時点での取り扱い可能な金融機関は以下です。

みずほ銀行 三井住友銀行 三菱UFJ銀行 ゆうちょ銀行 auじぶん銀行 PayPay銀行 青森銀行 足利銀行 池田泉州銀行 愛媛銀行 沖縄銀行 北九州銀行 きらぼし銀行 きらやか銀行 佐賀共栄銀行 荘内銀行 常陽銀行 中国銀行 筑波銀行 トマト銀行 名古屋銀行 南都銀行 百十四銀行 豊和銀行 北都銀行 南日本銀行 宮崎太陽銀行 もみじ銀行 山口銀行

上記以外の銀行口座からの即時支払いは、各銀行のアプリや「〇〇銀行PayB」などのアプリが存在しますが、利用可能な払込票は限られます。

今後も決済代行会社に浸透するには相当な時間を要しますが、「PayB」が普及すれば多くの金融機関で利用することができるはずです。

コンビニ決済の手数料は「100円前後」が相場

コンビニ決済の手数料は、導入企業の決済件数などにより異なり、一概には言えませんが、一般的には1件収納当たり100円前後となります。

事業者にとって、一般的に決済方法を追加する最大のポイントは「手数料」です。導入にあたっては以下の3つの効果が見込めるかが検討ポイントです。

① 売上アップにつながるか
② どれだけユーザビリティが向上するか
③ 消し込みにかかる業務コストを削減できるか

導入にあたっては、コンビニ決済に対応している決済代行会社に依頼する必要があり、カスタマイズなどが発生すると別途導入費用がかかりますので、決済代行会社に問い合わせてみてください。

そして、今回ご紹介している「スマホで払込票のバーコードを読み取る」方法も、コンビニ決済のオプションとして提供されていることが多く、まずはコンビニ決済の導入を決済代行会社に問い合わせる必要があります。

まとめ

コンビニ店舗は、自宅や会社の近所にあり探す手間はなく不便さを感じることは少ないですが、いざ支払いだけでコンビニに行くとなると「面倒」でもあり、支払いを忘れてしまうこともよくあります。

ですから自宅にいながら「LINE Pay」や「PayPay」のアプリを利用すればカンタンに決済できる非常に良いサービスです。

これからコンビニ決済を導入する事業者は「スマホで払込票のバーコードを読み取る」決済を利用できるか否かを事前に確認してください。決済代行会社の選び方については下記の記事で解説しております。

関連記事:【全解説】ゼロから理解する「決済代行」が必要な理由と会社の選び方


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井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。