WordPressでECサイトを作るメリットとデメリット


WordPress(ワードプレス)は世界一のブログプラットフォームで、無料でカンタンにサイトを作れるため、個人から大手企業まで幅広く仕様されています。そのためECサイトをWordPressで実現したい方も多いのではないでしょうか?

WordPressは使い方がカンタンで、機能拡張も無数にあるプラグインの中から導入すれば、大抵のことは実現でき、ECサイトのカート機能も「Welcart」などのプラグインを使えばカンタンにWordPressをECサイトにすることができます。しかし、筆者は、WordPressでECサイトを立ち上げるのはおススメではないと考えます。

なぜならECにはECの売上を伸ばすために必要な機能があるため、WordPressでは最低限のカート機能の実装に終始してしまうからです。筆者はWordPressとECサイトは分けて使い「WordPressで集客」を行い「ECサイトでCVRを上げる」使い方が、ECサイトとして最適だと考えます。

本日はWordPressでECサイト構築を考えている方に向けて、ebisumartでWEBマーケティングを担当している筆者が、WordPressとECサイトの適正な役割分担を解説いたします。

WordPressでECサイトを作る場合は「Welcart」が安心

WordPressをECサイトにするために下記のような便利なプラグインが提供されております。

Welcart(ウェルカート)

この他にも、海外の有名なプラグインなどありますが決済などを考えると日本製のWelcartが最も安心なプラットフォームであり、日本の事業者がWordPressでECサイトを作る場合は、必然的にWelcartになるでしょう。WordPressのプラグイン検索からインストール可能で無料で実装できます。

Welcartの使用は初期費用は無料ですが決済手数料がかかります。詳しくは公式サイトの手数料ページをご覧ください。

WordPressでECサイトをつくるメリットは?

まず、WordPressでECサイトをつくるメリットを整理してみましょう。

①WordPressは使い方がカンタン
②WordPressの管理画面で「ブログ」も「EC」の2つ管理できて運営が楽
③プラグインのインストールだけで、機能拡張がカンタン
④すでにブログで集客できている場合にURLを変えずにECサイトを実装可能なため、別でECサイトのURLを設けないためECサイトへの誘導の際の離脱がない

といったところでしょう。つまり「カンタン」で「ブログもECも同じサイト」という点がポイントになります。

しかし、同時にWordPressとECサイトを一緒にしてしまうデメリットも存在しますので、次に紹介いたします。

WordPressでECサイトをつくるデメリットは?

下記にデメリットをあげてみました。

◆WordPressでECサイトをつくる3つのデメリット

①WordPressのECサイトの最大のリスクはセキュリティー
②WordPressではECとしての最適化マーケティングや施策が行いづらい
③新しい決済方法に対応ができない

それでは一つずつ解説します。

①WordPressのECサイトの最大のリスクはセキュリティー

大きなリスクとなるのは「セキュリティー」です。2017年初旬に世界中のWordPressの改ざん被害があり、150万件のサイトが改ざんされてしまいました。

IT mediaニュース:WordPressサイトの改ざん被害は150万件超に 「最悪級の脆弱性」

改ざんされた場合、WordPressとECサイトが別であれば、ECサイトに被害がないため活動を続けることが可能ですが、WordPressの場合は、ECカートも被害を受けてしまいます。またブランディングも棄損し、信用を失うことになります。

WordPressはWindowsと同様の理屈で、世界で最も使用されているブログプラットフォームのために、世界中の悪意のあるハッカーに狙われやすいのです。ちなみに筆者の知り合いのクライアントのブログも改ざんされた経験があり、実はWordPress利用者にとってサイト改ざんは結構身近なことであり、ECサイトとしてはリスクが高くなります。

このような経緯から高いセキュリティー基準が求められる金融系の会社では、WordPressを使うことはほとんどありません。

②WordPressではECとしての最適化マーケティングや施策が行いづらい

導入したECサイトプラグインでECの機能が限定されてしまうため、例えば「AmazonPay」を導入したり、「定期販売」や「レンタルEC」を行うなど、ECサイトでよくある機能を実装することができませんので、縛りがあります。

そして餅は餅屋という言葉があるとおり、ECサイトはECサイトベンダーが日々機能追加を行っているため、ECの最大化を行う場合は、ECのASPやパッケージなどを検討した方が良いのです。

③新しい決済方法に対応ができない

例えば、先に紹介したWelcartを使う場合は、クレジットカード決済に限られますが、ECサイトにおいては日々利用する決済方法も増えております。例えば、アパレルショップでは「ペイディ決済」が人気ですが、WordPressには直接導入することができず、ペイディに対応しているECプラットフォームが必要となります。

そのため、新しい決済方法に対応できないと、ターゲット層にあう決済を追加できないためCVを増やしづらいメリットがあるのです。

WordPressよりも手軽な無料のECサイトのASP

また、手軽さという観点でも、実は「BASE」や「STORES」などのECシステムのASPを使えば、SNSのアカウント設定くらいの手間でカンタンに誰でもECサイトを作ることができるのです。

また、こういったASPも年々機能を拡張しており、ユーザーが見た時に「無料のプラットフォーム」ということは誰も気がづかないでしょう。ECのフロント機能としてはASPでも十分なものがあります。

しかし、ブログ機能は貧弱であり、WordPressで実現できるブログの機能やデザイン面におとります。また。「BASE」や「STORES」にはWordPressとの連携機能がないので、ブログ集客やSEOを前提で考えると、デメリットがありますが、すでにWordPressで十分に集客力のあるブログがある場合は、商品カートシステムとして、BASEやSTORESを使うのは最適であると言えます。

集客ではWordPressは世界最強のブログプラットフォーム!使わない手はない!

ECには向いていませんが、WordPressはSEOの集客に非常に向いているプラットフォームです。下記はこのブログ(WordPress)での集客実績ですが、コンテンツマーケティングを行うことで、わずか8ヵ月で流入を5倍にし、問い合わせ数を2倍にしました。

このようにWordPressは、SEO施策を行うためのプラグインが無料で提供されており、集客するには最高のプラットフォームなのです。

集客と売上を最大化するためにECサイトとブログの役割を分けよう!

それぞれのプラットフォームには目的が異なります。下記のようなECサイトのディレクトリを作ることが、集客とCVRを高めるためのサイト構成になります。

・WordPressの役割はSEOによる集客
・ECサイトの役割はCVRの最大化

WordPressとECサイトはプラットフォームを分けるのが理想です。

WordPressのブログにリバースプロキシを使って、ECサイトURL配下にWordPressのブログを設置すれば、ECプラットフォームとワードプレスの併存が可能になります。

つまりサーバーがECサイトとWordPressが別々であっても、ユーザーからは同じURLで見せることが可能なため、ユーザーの離脱が起きません。しかも、SEOのドメインパワーを補完しあえるので、SEO施策としても最適なのです。

この方法でebisumart(弊社のクラウドECプラットフォーム)では、ECサイト配下にWordPressを設置することが可能で、実はこのブログもリバーシプロキシを使っていますが、EC業界のSEOをほぼ独占しています。

◆リバーシプロキシを使っていてもSEOには影響がない当ブログのSEO事例

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リバーシプロキシやSEOの最大化については下記の記事をご覧ください。

関連記事:ECサイトの商品ページに流入を増やすSEO施策

まとめ

本日はECサイトをWordPressで作る場合のメリットやデメリットを紹介し、その上で集客とCVRを最大化するためには、ECとブログを分けた方が良いことを解説いたしました。

しかし、気軽にWordPressでECサイトを作れるのは大きなメリットですから、まずは試してみてはいかがでしょうか?その上で、もっとECサイトの売上を伸ばす必要性が出てくれば、別途ECサイトのプラットフォームを用意しても、遅くはありません。

その際は、ebisumart zeroをご検討ください。小・中規模向けのECプラットフォームであり、様々な機能がありますので、是非公式サイトをご覧ください。

公式サイト:ebisumart zero


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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。