PIM(Product Information Management:商品情報管理)は、商品の説明や仕様、画像などの情報を扱う重要なシステムで、導入費用もそれなりに必要になります。
そのため、導入前に使用感や運用イメージを検証したい場合の選択肢となるのが、一定期間サービスを無料で利用できる「無料トライアル」です。
PIMの無料トライアルでは、画面の操作感だけで判断するのではなく、既存データの取り込み、権限・承認フローの設定、他システムとの連携方法など、導入後に問題となりやすいポイントを想定し、トライアル期間で何をどのように確認するかを決めておくことが重要です。
この記事では、インターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、無料トライアルを提供している5つのPIMサービスの違い、トライアル期間で評価すべきポイント、PIMの導入を検討するうえでの考え方について解説します。
無料トライアルが可能な5つのPIMサービス
以下は、無料トライアルを提供している国内の5つのPIMサービスの特徴をまとめた表です。
◆無料トライアルを提供している国内PIMサービス
| 製品名 | 概要 | 特徴 | 無料トライアル期間 | 基本料金 |
| ① HANABI Data | データ登録を自動化できるAI搭載のクラウドPIM | AI機能を搭載し、1万〜数十万点規模の商品データや関連ファイルをクラウド上で管理できる | 30日間 | ◼︎初期費用 ・ライト:無料 ・ビジネス:無料 ・ビジネスプラス:無料 ・エンタープライズ:個別見積もり ◼︎月額費用 ・ライト:50,000円 ・ビジネス:100,000万円 ・ビジネスプラス:200,000円 ・エンタープライズ:個別見積もり |
| ② motolist | 共有のしやすさを追求した、製造・卸売業向けのクラウドPIM | 取引先ごとに閲覧権限が設定でき、個別フォーマットでのデータダウンロードが可能 | 30日間 | ◼︎月額費用 ・スタンダード:3,828円 ・プレミアム:6,578円 |
| ③ PlaPi | 使いやすいUIと柔軟なカスタマイズ性が特徴のクラウドPIM | ノーコードで管理項目を自由に設定でき、権限管理やワークフロー機能も搭載。最短1週間で導入できる | 30日間 | ◼︎月額費用 ・ライト:10,000円 ・スタンダード:100,000円 ・プレミアム:200,000円 |
| ④ OpenPIM | ノーコードで商品データベースを構築できるAI搭載型の高機能PIM | ノーコードで柔軟な商品DB設計が可能。多言語・多通貨対応に対応しており、説明文自動生成・スペルチェック・チャットボットなどの豊富なAI機能を搭載 | 30日間 | ■費用 ・スタンダード ・ビジネス ・プレミアム ・カスタム 全プラン個別見積もり |
| ⑤ CIERTO PIM | 同社のDAMサービス(CIETRO DAM)と密接に連動した販促特化型PIM | 外部のECやCMSとのAPI連携が可能。組版ソフトと連動した自動組版を実現できる | 申込時に 要確認 |
個別見積もり |
参考:HANABI Data、motolist、PlaPi、OpenPIM、CIERTO PIMの掲載情報に基づき筆者作成
いずれも1か月程度の無料トライアル期間が設けられており、操作感と必要な機能の有無について確認できます。
それでは、5つのサービスを1つずつ詳しく見ていきましょう。
① HANABI Data(ハナビ データ)
HANABI Dataは、AI機能を搭載したクラウド型のPIMサービスです。商品情報に加え、画像・仕様書・販促物などを一元管理でき、Excel/CSV/TSV形式ファイルでのデータの取り組み/書き出しも行えます。
また、AIによる商品情報コンテンツの生成・校正が可能で、誤字・脱字や表記ゆれの修正やキャッチコピー、商品概要、metaタグなどを生成できます。
② motolist(モトリスト)
motolistは、製造・卸売業における取引先との商品情報の共有に適したクラウド型のPIMサービスです。商品情報を一元管理でき、CSV形式ファイルでのデータの一括登録・一括編集も行えます。
また、取引先ごとにアカウントと権限を設定することができ、最新の商品情報をクラウドサーバで共有できるため、商品関連データの受け渡しや更新連絡などの対応にかかる時間を大幅に短縮できます。
トライアル期間中は、ビデオチャットで操作や設定方法などについての無料サポートを受けられます。
③ PlaPi(プラピ)
PlaPiは、現場が使いやすいUIと、自社の運用に合わせて柔軟に項目設計が行えるクラウド型のPIMサービスです。
最短で1週間ほどで導入できるため、短期間で環境を構築し、運用しながら管理項目やルールを整備していくことも可能です。
また、規模と運用要件に合わせて3種類のプランがあり、さらに、APIやセキュリティ関連などの拡張オプションも用意されているため、導入後の拡張性にも優れたサービスの1つです。
④ OpenPIM(オープンピム)
OpenPIMは、ノーコードで商品データベース設計が行え、複数チャネルへの自動配信運用にも対応できる高機能PIMサービスです。
チャットボット、説明文の自動生成、多言語変換、スペルチェックなどのAI機能を搭載しており、商品データ作成の負担を大幅に削減できます。
規模と機能要件に合わせて4種類のプランが提供されており、各プランの料金等については公式サイトから問い合わせることができます。
⑤ CIERTO PIM(シエルト ピム)
CIERTO PIMは、同社のDAM(デジタル資産管理)サービス(CIETRO DAM)と密接に連動した販促特化型のPIMサービスです。商品カテゴリごとに項目を設計でき、商品の画像や動画などのコンテンツを商品情報にひも付けて統合管理できます。
ECやCMSなどの外部サービスとのAPI連携や、Adobe InDesignなどの自動組版ツールとのデータ連携が可能なので、大規模な商品カタログや販促媒体の制作業務を自動化することができます。
PIM選定時の8つの評価ポイント
PIMは、機能一覧を眺めるだけでは良し悪しを判断しにくいツールであるため、無料トライアル期間中の検証は非常に重要です。トライアル中に最低限チェックしたい評価ポイントは下記の8つです。
◆PIMの選定時の8つの評価ポイント
② 管理画面を直観的に操作できるか
③ データ設計の自由度に不足はないか
④ 自社のSKU/バリエーションを問題なく管理できるか
⑤ ワークフロー/権限管理/履歴管理機能が業務に適しているか
⑥ 外部システム連携用のデータファイルを出力できるか
⑦ データ登録から配信までの一連のフローを遂行できるか
⑧ サポート体制は十分に整っているか
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
ポイント① 現行のデータファイルをスムーズにインポートできるか
トライアルを開始して最初にやるべきは、デモ用の整ったデータではなく、業務で使用しているデータファイルを使用してデータをインポートしてみることです。
データ移行は、PIM導入で問題が発生しやすい工程の1つです。
簡単な手順でインポートできるか、エラーが発生した場合に原因をすぐに切り分け・特定できるか、表記や単位の揺らぎなどの不備があるデータをインポート時またはインポート後に修正、または、エラーを無視してそのまま登録できるかといった点をチェックします。
ポイント② 管理画面を直観的に操作できるか
PIMは使用しながら育てていくシステムなので、毎回マニュアルを読まないと管理画面の操作ができないようでは、運用の負荷が高くなり、定着しづらくなります。
検索/絞り込み、編集、保存、一括更新などの基本機能を、誰でも簡単に操作できるか、実際に管理画面を操作してチェックしましょう。業務で使用する画面は、直観的に操作できることが大切です。
ポイント③ データ設計の自由度に不足はないか
PIMを運用していると、項目や属性を追加したいという要望が必ず出てきます。
そのため、トライアルで管理項目はどれくらい追加できるか、カテゴリごとに属性を管理できるか、マスタデータに必須/任意の設定ができるかなど、細部までより具体的にチェックすることで、自社の運用に必要な拡張性と柔軟性を評価できます。
ポイント④ 自社のSKU/バリエーションを問題なく管理できるか
ECやカタログでは特に、親(製品)と子(SKU)の構造管理や、共通情報と個別情報の管理といったSKU/バリエーション管理の精度が運用効率に直結します。
そのため、トライアルでは実際のデータと同じ親子構造のデータを用意し、自社のSKU構造を管理できるか、バリエーションごとに異なるスペック情報をひも付けている場合でも簡潔に管理・運用できるか、といった点も必ずチェックするようにしましょう。
ポイント⑤ ワークフロー/権限管理/履歴管理機能が業務に適しているか
PIMの商品情報は社内外の複数の人が利用するため、「誰がデータを編集できて、誰が許可し、どのデータをいつ公開するのか」といった運用ルールを明確化しておく必要があります。
そのため、トライアルで自社の業務フローに沿って運用できるか、権限を適切に設定できるか、操作履歴で何をどこまで遡って閲覧できるかなどをチェックしましょう。
目的の異なる複数の部門や担当者の業務に関連する機能のチェックをおろそかにすると、導入後に大きな問題が生じる可能性があります。
ポイント⑥ 外部システム連携用のデータファイルを出力できるか
トライアルでは、API連携やデータ連携の機能は制限があったり使用できなかったりすることが多いため、トライアルで実現できる要件と実現できない要件を明確にしておくことが重要です。
また、データの項目や並びを変更できるか、複数のフォーマットで出力できるかといった出力の柔軟性や拡張性についても必ずチェックしておきましょう。
複数のデータファイルの出力が自動化できない場合には、せっかくPIMを導入してもデータの加工とファイル作成の手作業が残ってしまいます。
ポイント⑦ データ登録から配信までの一連のフローを遂行できるか
トライアルで、データの登録から配信までの一連のフローを1回以上実行し、スムーズに業務を遂行できるかをチェックすることが重要です。
PIMのように複数の部門や担当者が利用するシステムの導入では、個々の業務よりも業務の連携部分の機能で問題が生じるケースが多いため、トライアルでひと通りの流れをチェックし、負荷が高い作業や停滞や手戻りが発生しやすい工程を洗い出し、それぞれの対応方法を検討しましょう。
ポイント⑧ サポート体制は十分に整っているか
サポート体制の有無は、サービスの導入時や、導入後の運用に大きく影響します。
特にPIMは、設定項目が多く、データの構造設計も必要になるため、導入段階からサポートを受けられるか、困ったときに気軽に相談できるか、問い合わせ方法が明確になっているかなど、サポートメニューとサポート体制をチェックし、自社に合ったサポートを受けられるようにすることで、導入/運用コストを抑えられるとともに、PIMの安定運用を維持できるようになります。
サービス選定時には、必ずデモや個別相談を依頼しよう
PIMの運用規模が中・大規模となる場合には、無料トライアルの有無に関わらず、デモや個別相談も依頼し、自社の運用・要件とのFit&Gap分析を行うようにしましょう。
デモンストレーションや個別相談では、現行のデータファイルや運用フロー、チャネルごとの情報(自社EC、ECモール、カタログなど)を用意し、機能追加や見直しが必要になる運用を完全に洗い出すことが大切です。
デモでチェックすべきポイント
デモでは、画面や操作感だけでなく、運用後に問題が起こりやすい機能や設定についてもチェックすることが大切です。例えば、下記のポイントは必ず確認しておきましょう。
◆デモでチェックすべきポイント
・標準機能、オプション機能、追加開発が必要な機能の区別
・権限や申請・承認フローの設計/設定方法
・導入後に追加や変更ができる項目
特に、無料トライアルのないPIMサービスの場合は、デモンストレーションや個別相談を実質的なトライアルと考え、自社の要件や懸念点について確実に検証するようにしましょう。
まとめ
PIMは長期にわたり使用するシステムなので、機能と操作性はもちろんのこと、拡張性や柔軟性についても、サービス選定時に十分に見極める必要があります。
本記事で紹介した5つのPIMサービスの比較方法などを参考にして、自社の要件に合っていそうなPIMサービスをいくつかピックアップし、無料トライアルで操作感やサンプルデータの取り込み/書き出しなどを、自社の業務フローに沿って行ってみると良いでしょう。
無料トライアル期間内に、PIMを使用して一連の業務運用が行えることを確認しておくことで、導入後のトラブルや手戻りが発生するリスクを低減できます。
今回の記事では割愛しましたが、インターファクトリーの「EBISU PIM(エビス ピム)」も、商品説明・価格・サイズ・画像などを含む、さまざまな商品データの統合管理が可能なクラウド型PIMサービスです。ノーコードで項目設計が行え、API連携やファイル連携も可能なので、導入後に連携先のシステムやサービスで仕様変更が発生した場合も、柔軟に対処していくことができます。
EBISU PIMの詳細は、下記の公式サイトをご覧のうえ、お気軽にご相談ください。
























