事例で学ぶ「花・フラワーギフトEC」構築に必要な5つのポイント

矢野経済研究所の調査によると、花き(かき)類の末端市場は、2023年で9,738億円見込みと1兆円規模となっているものの、古くからの卸売市場を中心とする流通構造により、他の業界よりもEC化が遅れていました。しかし近年は、切り花が届くサブスクやeギフトなどのようなECサービスも登場しています。

生花・フラワーギフトのECサイトを構築/運用する際に押さえておきたいポイントは、次の5つです。

◆生花・フラワーギフトECサイトの5つのポイント

① 鮮度を保つ梱包設計と配送体制の構築【重要】
② ECサイトのギフト対応機能を充実させる
③ 商品の魅力を写真や動画で正確に伝える
④ 用途別/シーン別の検索性を高める
⑤ サブスクリプション(花の定期便)で安定収益とリピーターを確保する

特にポイント①の配送体制は、生花のEC販売の成否を分ける重要なポイントです。どれだけ魅力的な商品ラインナップやギフト機能をそろえても、届いた花が折れていたりしおれていたりしたら、顧客の信頼を大きく損ねることになるでしょう。

この記事では、株式会社インターファクトリーでマーケティングを担当する筆者が、事例を示しながら、花・フラワーギフトのECサイトの5つのポイントを紹介します。

花き類の末端市場規模は1兆円前後で推移

花き類の末端市場規模は、近年は1兆円前後(2023年は9,738億円見込み)で推移しています。現在は、世界情勢の不安定化や円安、生産・物流コストの増加に伴い花の価格は高騰しており、参入事業者は価格の改定に踏み切っている状況です。

小売では、生花店が品質の高さやアレンジメントのデザイン性で差別化を図る一方、自家用需要はスーパーマーケットやホームセンターなどの量販店にシフトしています。

花き市場の取扱金額は3,426億円(令和5年度)で、農林水産省のデータによると花き類の市場経由率は72.8%(令和4年度)と、依然として卸売市場中心の業界構造であることがうかがえます。

参考:農林水産省「花きの現状について(令和8年2月)

しかし近年はこうした従来の流通に加え、ECやサブスクリプションといった新しい販売モデルが急速に拡大しています。生花のサブスクの最大手「bloomee(ブルーミー)」では、累計会員数30万世帯以上に達し、老舗の日比谷花壇や青山フラワーマーケットなどの大手ブランドもEC販売を強化しています。

花き業界でECを成功させるためには、商材特有の課題を正しく理解し、それらに対応した仕組みを構築することが不可欠でしょう。

本記事では、生花・フラワーギフトECについて事例を交えて詳しく解説します。

花き市場のEC化が進まない3つの理由

他の物販分野と比較すると、花き市場のEC化は遅れています。その主な理由として、下記の3つが挙げられます。

花き市場のEC化が進みにくい3つの理由

それぞれ詳しく見ていきましょう。

理由① 鮮度管理が難しい

生鮮食品と同様に、生花は鮮度が命の商品です。切り花の日持ちは1週間〜10日程度で、温度や湿度が変化すると商品の価値が大きく損なわれます。また、生花店での廃棄率は約30%とも言われており、在庫管理の難しさがEC化のハードルの1つとなっています。

理由② 実物を見て選びたいという消費者心理が強い

花は色や形に個体差があるため、「実際に状態を見て選びたい」という消費者のニーズが根強い商材です。そのため、ECサイトの写真と実物との間でギャップが生じやすいことも、オンライン購入をためらわせる要因の1つです。

理由③ 配送時の品質保持コストが高い

花の配送には、蒸れや花傷を防ぐための専用梱包資材が必要です。また、夏場はクール便での配送が不可欠で、通常の物販より配送コストがかかります。加えて、2024年4月から適用されたトラックドライバーの時間外労働の上限規制(いわゆる「物流の「2024年問題」)の影響もあり、配送コストは高騰しやすくなります。

これらは、花き類のEC販売において高い障壁ではありますが、見方を変えれば「参入の障壁が高い=先行者が有利な状況」でもあります。実際に、配送品質の向上やeギフトなどの対応にいち早く取り組んできた企業は、すでに生花・フラワーギフトEC市場で確固たるポジションを築いています。

特に注目すべきは、現代のギフト需要ではECのほうが実店舗よりも利便性が高くなっている点でしょう。例えば、住所不要で贈れるeギフト、配送日時の自由な指定、メッセージカードのカスタマイズのしやすさなどで言えば、ECのほうが優れていると言えるでしょう。

花・フラワーギフトECサイトの構築/運用時の5つのポイント

ここからは、花・フラワーギフトECサイトの構築/運用時に押さえておくべき5つのポイントを、花き企業のECサイト事例とともに紹介します。中でも、ポイント①の配送体制については、生花・フラワーギフトECの成否を左右する重要なポイントなので重点的に解説します。

花・フラワーギフトECサイトの構築/運用時の5つのポイント

ポイント① 鮮度を保つ梱包設計と配送体制の構築【重要】

生花のEC販売では、配送設計は最も重要なポイントになります。理由は至ってシンプルで、生花は「体験商品」でもある一方で、ECは「非接触チャネル」だからです。

実店舗であれば購入前に花の色や香り、状態を実際に見ることができますが、ECでは商品と顧客の接点は配送後になります。ECサイトのデザイン、商品ラインナップ、広告や施策などがどんなに優れていても、購入して届いた花がしおれたり折れたりしていたら、顧客は失望するでしょう。

青山フラワーマーケットでは、ECサイトの店長も参加して開発された、蒸れにくく、花傷が付きづらい構造のオリジナルの配送ボックスを使用することで、配送時のリスクを軽減しています。また、EC販売専用の作業拠点を設けて、花の仕入れ・商品の制作・商品写真の撮影を一気に行えるようにして、生花の状態を管理しています。

◆オリジナル配送箱|青山フラワーマーケット

ギフトラッピングサービスの画像

引用(画像):青山フラワーマーケット 公式オンラインショップ|For Daily ご自宅用 旬の花-INFORMATION ギフトのご案内

生花のEC販売で気を付けなければいけないのが、配送コストの正確な見積もりと価格転嫁です。

生花の配送では通常の宅配便に加え、専用ボックス箱、保水材(保水ゼリーなど)、クール便などのオプション料金が上乗せされるため、1件あたりの配送コストが通常物販の1.5〜2倍になることも珍しくありません。そのため、配送コストを適切に価格転嫁しなければ、利益率が大きく圧迫されてしまいます。

また、店頭在庫をECで販売するのはやめたほうが良いでしょう。実店舗とECとでは、花材の状態管理の基準が変わってくるため、青山フラワーマーケットのように、EC専用の在庫管理・制作拠点を設けるほうが好ましいです。

生花・フラワーギフトのECサイトを構築する際は、以下の点も検討しましょう。

鮮度を保つための梱包設計と配送体制を構築するためのポイント

・花専用の通気性と耐衝撃性の高い配送ボックスを導入する
・夏場はクール便に切り替える仕組みを用意する
・保水材(保水ゼリーなど)を使用して配送中の水分を確保する
・EC専用の制作拠点を設け、受注から発送までのリードタイムを短縮する

生花・フラワーギフトECでは、配送関連への投資は「商品とブランド価値への投資」となります。

ECでは商品が届いた瞬間の体験が重要になります。生花販売では配送ボックスから商品を取り出した時に、「きれい」だと感じてもらえるかどうかが、リピート率とクチコミの評価を決める鍵となりやすいことを理解しておきましょう。

ポイント② ECサイトのギフト対応機能を充実させる

生花の購入目的のほとんどは「ギフト」です。つまり、生花。フラワーギフトのECサイトでは、ギフト購入を前提としたUX設計が不可欠になるでしょう。

例えば、日比谷花壇のECサイトでは、2025年5月にeギフトサービス「AnyGift」を導入し、贈り先の住所を知らなくてもLINEやメール、SNSを通じて、同社のフラワーギフトを気軽に贈れるようにしています。

参考:日比谷花壇プレスリリース(2025年5月9日発表)

eギフトサービスの導入と実装にはコストがかかりますが、気軽に花を贈れることで売上向上が期待でき、また、贈られる側が配送日を指定できるので、不在で商品を受け取れないといったトラブルの低減にもつながるでしょう。

◆eギフトサービス|日比谷花壇

引用(画像): 日比谷花壇 公式オンラインショップ

また、同社は2026年2月にモバイルオーダーサービス(実店舗受け取り)もリニューアルし、ラッピングカラーの指定やPayPay決済の提供など、ギフト購入時の利便性をさらに向上させています。

参考:日比谷花壇プレスリリース(2026年2月5日発表)

生花・フラワーギフトのECサイトに実装したいギフト向け機能は、以下のとおりです。

◆ECサイトの主要なギフト対応機能

・メッセージカード(デジタル/紙カードの選択)
・ラッピング指定(カラーや包装タイプの選択)
・配送先の複数指定(法人ギフトなど一度に複数箇所への配送)
・eギフト/ソーシャルギフト(住所不要でSNS経由で贈れる仕組み)
・配送日時指定(指定日に確実に届けるための仕組み)

以下は、生花・フラワーギフトEC大手3社のECサイトのギフト対応機能の実装状況をまとめた表です(筆者調べ)。

◆生花・フラワーギフトEC大手3社のギフト対応機能

機能 日比谷花壇 青山フラワーマーケット bloomee
メッセージカード ○(デジタル/紙) ○(無料)
eギフト ○(AnyGift)
ラッピング指定 ○(カラー指定可) ○(7色)
配送日時指定 △(曜日指定)
配送先の複数指定

出典:各社のECサイトの機能をもとに筆者が作成(2026年3月時点)

ECサイトのギフト対応機能で見落とされがちな機能としては「配送先の複数指定」と、上表にはありませんが「法人利用時の請求書払い」です。

例えば法人取引では、お歳暮シーズンに3〜5か所の配送手配を1回の注文で済ませたいといったニーズもあるため、BtoB-ECでは配送先の複数指定機能は重要な機能の1つです。

インターファクトリーのクラウドECプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」は、メッセージカード、配送日時指定、配送先の複数指定のギフト対応機能も標準機能として備えています。外部のeギフトサービスとの連携にも対応しており、これから生花・フラワーギフトのECサイトを構築する場合には、有力な選択肢となるでしょう。

参考:EBISUMART(エビスマート)

ギフト向けECサイトについては、関連記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

関連記事:ギフト向けECサイトに必要な5つの機能をECのプロが徹底解説

ポイント③ 商品の魅力を写真や動画で正確に伝える

生花のEC販売では特に、「届いた商品がイメージと違った」という不満が生じやすいため、写真と実物のギャップの大小が購入率とクレーム率に直結します

青山フラワーマーケットのECサイトでは、EC専用の制作拠点で商品写真を撮影してECサイトに掲載することで、写真と実際の商品とのギャップを小さくしています。

また、同社は、ECサイトに7色のカラーパレットを掲載し、商品の色とイメージを伝えています。顧客は、花を贈る相手のイメージや好みに合わせてカラーパレットで色を指定することで、「自分が選んだ」という納得感を持って商品を購入することができます

◆カラーパレット|青山フラワーマーケット

引用(画像):青山フラワーマーケット 公式オンラインショップ|誕生日にプレゼントしたい花・誕生日フラワーギフト特集

ECサイトに写真や動画を掲載する際は、以下のポイントを押さえるようにしましょう。

写真や動画で商品の魅力を正確に伝えるポイント

・複数アングル(正面・上面・サイド)の写真を掲載する
・サイズ感が分かる比較写真を掲載する(花瓶に生けた状態など)
・動画で花の質感やボリューム感を見せる
・カラーパレットなどで、カラーバリエーションを視覚化する
・商品の写真には「実際の商品は写真と異なる場合があります」等の注記を表示して、あらかじめ期待値を適切にコントロールする

花は個体差が大きい商材ですが、写真や動画、カラーパレットといった複数のコンテンツを組み合わせることで、実物とのギャップを小さくすることができます。

ポイント④ 用途別/シーン別の検索性を高める

生花のEC販売では、「母の日用のカーネーション」「送別用のブーケ」「お供えの花」というように、用途やシーンをキーに商品を検索するケースが多いため、生花・フラワーギフトのECサイトでは用途別/シーン別のカテゴリ設計が極めて重要になります。

例えば、青山フラワーマーケットのECサイトでは、トップページにタブ型のカテゴリナビゲーションを実装しています。「送別/卒業」「母の日」「誕生日」「お供えの花」「自宅の花」「産地直送」「観葉植物」といった用途別カテゴリをタブで切り替えられるようになっており、ユーザーが目的の商品にスムーズにたどり着ける仕組みです。

用途別のカテゴリナビゲーション|青山フラワーマーケット

青山フラワーマーケットの用途別カテゴリーナビゲーション

引用(画像):青山フラワーマーケット 公式オンラインショップ

青山フラワーマーケットのECサイトのように、用途別のカテゴリをトップページに分かりやすく配置することで、ユーザーのサイト回遊率は大きく向上します。

生花・フラワーギフトのECサイトでは、以下のような検索軸を設定すると良いでしょう。

生花・フラワーギフトのECサイトの検索軸(例)

・用途別(誕生日、母の日、送別、お供え、開店祝い、結婚祝い など)
・贈る相手別(友人、恋人、両親、上司、同僚 など)
・価格帯別(3,000円台、5,000円台、10,000円以上 など)
・カラー別(ピンク、レッド、イエロー、ホワイト など)
・商品タイプ別(花束、アレンジメント、鉢植え、プリザーブド など)

さらに、複数の検索軸を組み合わせて絞り込む「ファセットナビゲーション」の実装も効果的です。例えば「母の日 ピンク 5,000円台」というように、複数の条件を指定して商品を検索できるようにすることで、購入率の向上にもつながります。

ポイント⑤ サブスクリプション(花の定期便)で安定収益とリピーターを確保する

生花のEC販売では、ギフト需要だけでは1人あたりの年間購入回数は1〜2回程度にとどまる傾向があり、自家用需要の拡大に有効な方法として、近年、サブスクリプション(花の定期便)サービスが注目されています。

日本最大級の花のサブスクサービス「bloomee(ブルーミー)」は、累計会員数が30万世帯以上に達し、累計お届け本数は3,000万本を超えています。お試しプランもある手頃な価格設定、ポスト投函による受け取りの手軽さ、お届け周期を毎週/隔週から選択できる柔軟なプラン設計などにより、幅広い層で顧客を獲得しています。

◆bloomee(ブルーミー)のサブスクリプションサービス

bloomeeのサービスイメージ

引用(画像):bloomee(ブルーミー)

注目すべき点は、サブスクモデルがフラワーロス(花の廃棄)削減にも貢献できる点です。サービスは会員数に応じて必要な量を仕入れるため、過剰在庫による廃棄を削減できます。

実際に、同社のサブスクリプションサービスは「日本スタートアップ大賞2022」で農林水産大臣賞(農業スタートアップ賞)を受賞するなど、高い評価を受けています。

bloomeeの成功からも、サブスクは、「売上の安定化」と「廃棄ロスの削減」を同時に実現できるモデルであることが分かります。つまり、サブスクは、花き業界の構造的な課題(廃棄率の高さ、リピート率の低さ)を根本から解消しうる仕組みと言えるでしょう。

以下は国内の3つの生花のサブスクリプションサービスの特徴をまとめた表です。

◆生花のサブスクリプションサービスの特徴

bloomee hanameku medelu
最低価格(税込) 980円〜 1,210円〜 698円〜
配送方法 ポスト投函/宅配 ポスト投函/宅配 ポスト投函
配送頻度 毎週/隔週 毎週/隔週/月1 毎週/隔週
品質保証 ○(無料再送)
法人プラン ○(bloomee biz)

出典:各サービスの公式サイトに掲載されている情報をもとに筆者が作成(2026年3月時点)

生花・フラワーギフトのECサイトにサブスク機能を導入する場合には、まずは「お試しプラン」や「季節限定の定期便」などを用意して、スモールスタートで反応を見ると良いでしょう。サブスクリプションサービスでは品質が安定した商品を定期的に仕入れるための体制が必要になるため、自社の事業規模に見合ったサービスでスタートすることが大切です。

インターファクトリーのクラウド型プラットフォーム「EBISUMART」であれば、定期購入とサブスクリプション機能も実装できます。

参考:EBISUMART(エビスマート)

花き業界のEC事例:フレネットHIBIYA(ハナノヒmarket)

花き業界のEC事例として、株式会社フレネットHIBIYAの取り組みを紹介します。

フレネットHIBIYAは日比谷花壇グループの花き仲卸企業で、東京・大阪・福岡の卸売市場に拠点を持ち、花の流通を支えています。従来はBtoBの市場取引が中心でしたが、新たにECサイトを構築し、花の生産者がユーザーに直接販売できるマーケットプレイス「ハナノヒmarket」を開設しました。

ハナノヒmarketでは、生産者が自分で出品・価格設定・販売できる仕組みを提供することで、「ECを始めたいが自分では手を出せない」「新たな販路を広げたい」という生産者のニーズを満たす、花き業界の新しい流通モデルを構築しています。

現在は法人利用が中心ですが、2024年度からは個人利用拡大に向けた取り組みにも着手しています。

フレネットHIBIYAのEC事例の詳細は関連記事で紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

関連記事:生産者が直接花きを出品・販売できるマーケットプレイスを提供するフレネットHIBIYAの自社ECサイト活用方法とは

生花・フラワーギフトECサイトの4つの構築方法

生花・フラワーギフトのECサイトを構築する際には、事業の規模や予算、必要な機能に応じて最適な構築方法を選定する必要があります。ここでは、代表的な4つの構築方法を紹介します。

方法① ASPサービスを利用する

ASP(Application Service Provider)サービスを利用し、低コストかつ短期間でECサイトを開設する方法です。代表的なASPサービスとして「Shopify」「BASE」「STORES」などがあります。

初期費用なしで月額数千〜数万円程度で利用できるため、個人経営の生花店でオンライン販売を始めたい場合やECサイトをスモールスタートで立ち上げたい場合に適しています

ただし、本記事で紹介したギフト対応機能やサブスクリプション機能、外部サービスとの連携などには対応できない可能性があるため、選定時には注意しましょう。

方法② パッケージをカスタマイズして構築する

パッケージソフトで構築し、自社の要件に合わせてカスタマイズして使用する方法です。基本的なEC機能は標準搭載されているので、比較的短期間でECサイトを構築できます

ただし、ギフト対応機能や高度なEC機能はカスタマイズで追加実装する必要があるため、開発費用と保守費用は高額になる場合もあります

パッケージソフトは導入時点の仕様が基本機能となるため、導入後のパッケージ製品のバージョンアップや機能追加への対応可否や料金等について、事前に確認しておくようにしましょう。

方法③ カスタマイズが可能なクラウドサービス(SaaS)を利用する

SaaS型のECプラットフォームを利用して、自社の要件をカスタマイズで追加していく方法です。クラウドサービスなので、システムのアップデートやセキュリティ対応をベンダーに任せられる点も魅力の1つです。

以下の3つの理由より、生花・フラワーギフトECとの相性が特に良い方法です。

◆SaaS型ECプラットフォームと生花・フラワーギフトECとの相性が良い3つの理由

・基本的なギフト対応機能を標準で備えているサービスが多い
・外部のサブスクリプション機能との連携が容易で、定期便モデルをスムーズに導入できる
・API連携に対応しており、eギフトや物流システムとのスムーズな連携が可能

ただし、ほとんどの場合カスタマイズできる範囲には制限があるため、方法④のフルスクラッチでなければ実現できない場合もあります。

インターファクトリーの「EBISUMART(エビスマート)」もSaaS型のECプラットフォームです。本記事で紹介したフレネットHIBIYAの「ハナノヒmarket」のようなマーケットプレイス型のECサイトを構築することもでき、生花・フラワーギフトECに必要なギフト対応機能やサブスクリプション機能はもちろん、在庫管理システムや物流システムとの外部連携にも柔軟に対応できます。

参考:EBISUMART(エビスマート)

方法④ フルスクラッチで構築する

フルスクラッチとは、ゼロからシステムを設計・開発する方法です。デザイン・機能ともに完全に自由に構築できますが、初期費用は数千万〜数億円規模となり、構築期間も1年以上かかるケースがほとんどです。

また構築後も、サーバのセキュリティ対策などをすべて自社で行う必要があるため、開発と保守・運用体制を整備あるいは外部委託をコントロールできない場合には、選択すべきではありません。

全国規模のマーケットプレイスの構築が必要な場合や、大規模かつ独自性の高いECサイトを構築したい場合には有力な選択肢となります。

以下は、4つの構築方法の特徴をまとめた表です。

◆生花・フラワーギフトのECサイトの4つの構築方法

① ASP ② パッケージ ③ カスタマイズが可能な
クラウドサービス(SaaS)
④ フルスクラッチ
初期費用 無料〜数万円 数百万〜数千万円 数百万〜数千万円 数千万〜数億円
構築期間 数日〜数週間 数か月 数か月 1年以上
カスタマイズ性 低い 高い 高い 高い
ギフト機能対応 △(限定的)
サブスク対応 △(限定的)
保守・運用 ベンダー 自社/ベンダー ベンダー 自社
適した規模 小規模 中〜大規模 中〜大規模 大規模

出典:筆者作成

生花・フラワーギフトECをこれから本格的に展開するのであれば、カスタマイズが可能なクラウドサービス(SaaS)の利用から検討することをおすすめします。

生花・フラワーギフトECには、ギフト対応機能やサブスク機能の実装や、eギフトなど外部サービスとの柔軟な連携が求められるため、柔軟な拡張性とベンダーによる継続的なアップデートを兼ね備えたSaaSは、最もバランスの良い選択肢です。

まとめ

この記事では、生花・フラワーギフトECサイトを構築/運用する際に押さえておくべき5つのポイントを紹介しました。

◆生花・フラワーギフトECサイトの構築/運用時の5つのポイント

① 鮮度を保つ梱包設計と配送体制の構築【重要】
② ECサイトのギフト対応機能を充実させる
③ 商品の魅力を写真や動画で正確に伝える
④ 用途別/シーン別の検索性を高める
⑤ サブスクリプション(花の定期便)で安定収益とリピーターを確保する

生花ECの成否はポイント①の梱包設計・配送体制で決まるといっても過言ではないでしょう。生花の配送サービスでは商品が届いた時の鮮度と状態が重要になります。優れたマーケティング活動を展開して大量に注文を取ることができたとしても、配送された商品に不備があったら、顧客は二度と利用してくれません。

逆に、配送品質さえ安定させることができれば、生花ECはギフト需要とサブスク需要の両輪で、成長が望めるビジネスであるとも言えるでしょう。

花き業界は1兆円規模の市場を持つもののEC化はまだ発展途上にあり、今後の生花・フラワーギフトEC市場は、「ギフトEC」と「サブスクEC」が主流となる可能性が高いです。ギフトECが花の「贈りやすさ」を飛躍的に高め、サブスクECが「花のある暮らし」の日常化を後押ししていくことでしょう。

花き類のECを成功させるためには、配送設計とギフト機能を備えたECサイトの構築が不可欠と言えるでしょう。インターファクトリーのEBISUMART(エビスマート)」をはじめとするSaaSのECプラットフォームを利用することで、中長期的な安定運用が可能なECサイトを構築しましょう。

EBISUMARTの詳細や資料請求は、下記の公式サイトをご覧のうえお気軽にお問い合わせください。

公式サイト:EBISUMART(エビスマート)

セミナー情報

ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表取締役。 株式会社インターファクトリーのWEBマーケティングシニアアドバイザーとして、EBISUMARTやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作には「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」などあり、執筆活動にも力を入れている。