コロナ禍をキッカケにして、人々にUber Eatsや出前館などの飲食のデリバリーやECサイトが普及するにいたりました。
デリバリーやECを使った通販などを検討する経営者も多いと思います。飲食店においてデリバリーや通販を行う方法は以下の4つの方法が考えられます。
①Uber Eats等のサービスに登録
②飲食専用ECの利用
③無料ECサイトの利用
④スマホ決済端末のオンライン決済機能を利用
①のUber Eatsなどのサービスを利用すると1注文あたり、約35%の手数料がかかると言われていますが、集客力があります。一方、自分で通販のためのECサイトや自店専用の決済用ページ(URL)を作る②③④のやり方は、費用は安く済むものの、ネット集客を自分で行わなくてはいけないデメリットがあります。
本日は、インターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、飲食店経営者のためにECサイトを利用するための4つの方法を詳しく解説します。
飲食店がEC(デリバリーを含む)を始めるための4つの方法
それでは、飲食店がECサイトを始めるための4つの方法を紹介します。Uber Eatsなどは、厳密にECサイトと言えないかもしれませんが、ネットを介した代表的なサービスなので併せて紹介いたします。
方法① デリバリーを増やすためには「Uber Eats」や「出前館」などのサービスに登録する
自社でECサイトを始めるには時間もかかりますし、ノウハウが必要となります。今すぐデリバリーを増やしたいと考えるのであれば、有名サービスを利用する方法にすべきです。
Uber Eatsは集客力もありますし、サービス側で事前決済してくれるので、経営者の労力を減らすことができるからです。ただし、費用は決して安くはなく、1注文ごとに35%程度の手数料がかかります。ちなみに出前館は手数料を公開しております。
◆出前館のサービス利用料
出前館も、配送代行を依頼するとUber Eatsとほぼ同じ料率の手数料がかかります。そのため、原価率の高いメニューでは採算をとることが難しいのです。また、両サービスともにエリアが限られているので、上記の公式サイトで、自店が対象エリアかどうか?を確認する必要があります。
また、上記以外にも様々なサービスがありますが、これらのサービスの多くは月額費用はかからない成果報酬タイプが多いため、余裕があれば、複数のサービスに登録する方法もあります。その場合は、受付体制が混乱しないようにしなければなりません。
方法② 飲食の注文サービスに特化したECサービス(ASP※)を利用してみる
緊急を要する場合にはおススメしませんが、もし中・長期的に自社専用デリバリーシステムの導入を検討する場合には、飲食に特化したECサービス(ASP)を提供している会社が複数ありますので、業者と連絡を取って検討する余地があります。なぜならUber Eatsなどのサービスを利用するより、コストがずいぶん安くなるからです。
筆者が調べたところ、飲食専門のECサービス(ASP)の費用感は以下のような価格帯が多く、数店舗を運営する飲食店経営者にとってもリーズナブルな価格帯と言えるでしょう。
◆飲食専門のECシステム(ASP)の費用感
初期費用は3~5万円
月額費用は6千~2万円
※ASPとは、アプリケーション・サービス・プロバイダーの略で、カンタンに説明するとブラウザーの管理画面があり、その管理画面で、システムを運用するサービスの総称です
飲食店がこれらのECシステムを導入するメリットは、Uber Eatsなどに比べて費用が安いことがありますが、デメリットとしては以下のようなものがあります。
◆デメリット
・ネットでの集客は自社努力が必要
・EC管理者が必要となる
・配送は自社でする必要あり
特にネットでの集客はノウハウや経験がないとカンタンではなく、例えば、Googleで「餃子 飯田橋 デリバリー」と検索したときに、検索結果の上位に表示されるようにするなど、リアル店舗の集客とは全く異なるノウハウが必要となります。
EC担当者を置き、WEB集客に関する情報を集めトライアル&エラーを重ねながらノウハウを重ねる余裕がある場合には、費用対効果が高くなりますが、緊急事態の場合は、成功確率が低くなるためにおススメできる方法ではありません。
方法③ 無料ECシステムの「STORES」や「BASE」を利用して通販を行う
もし、お酒やお菓子などの通販をECサイトで行う場合は、無料のECシステムを利用する方法があります。完全に無料というわけではなく、初期費用も月額費用もかかりませんが、決済手数料が3.6~5%程度かかります。
代表的なサービスは「STORES」や「BASE」というECサービスです。操作方法もカンタンで、SNSで自分のプロフィールを作るくらいのITリテラシーがあれば、誰でも利用することができます。この方法について、詳しくは下記の過去記事をご覧ください。
ただし、この方法もECサイトを作るのはカンタンですが、ネットでの集客にはWEBマーケティングのノウハウが必要となります。ECサイトを作ったからといって新規顧客がすぐにサイトに来るわけではありませんが、常連客のリストがあれば、その既存顧客を中心にECサイトで取引を始めるには最適な方法と言えます。
まずは既存顧客を中心にECサイトの利用を進めて、新規顧客も獲得していくべきでしょう。もし、全国にお客さんがいるような人気の飲食店の方なら、すぐに売上を上げることができます。
方法④「STORES決済」や「スクエア」などのスマホ決済端末のオンライン決済機能を使って、デリバリーを行う
スマホ決済とは、下記のような端末を使った決済のことであり、実店舗を持つ飲食店の中にはクレジットカード決済や電子マネー決済のために、導入した経営者も多いことだと思います。
◆スマホ決済の端末
画像引用先:STORES決済公式ホームページ
関連記事:スマホ決済大手4社比較!店舗に導入するべき決済端末とは?
もし、導入した端末が「STORES決済」か「スクエア」の端末であれば、オンライン決済を行うことができます。下記をご覧ください。
画像引用先:STORES決済公式ホームページ
たった3ステップで、自店専用の決済用ページ(URL)を作ることができます。
お客様へのメールやLINEなどにURLを送付することで、お客様のスマホやPCでクレジットカード決済を行うことが可能です。この仕組みを利用すれば、事前に決済してから、食品を配送することができるので、決済手数料の3.24%だけの負担で始めることができます。
そして、ECサイトはもちろん、ホームページがない場合でも利用できるので、最も手軽に自店で始められる方法と言えます。しかし、この方法もまた常連客などの顧客リストがあることを前提としたやり方となります。
もし、人気店で「既存顧客リストがない」という場合は、ホームページに通販を開始したことと、電話受付をすることで、ホームページを見たお客様から連絡が来る可能性もあるので、通販開始時は、ホームページやSNSで告知をしましょう。
Uber Eatsでも、自社ECサイトでも料理は「写真」が全て!
どんな仕組みを導入するにしても、ネットを介する注文である場合には、料理の写真が非常に大切となります。一眼レフで撮影したり、プロに頼むことができればベストですが、それが難しい場合は、せめて画質の良い最新のスマートフォンで撮るなど一工夫が必要です。
ご自身で写真を撮影されるという経営者の方は、せめて下記のような食品の写真のコツを教えているサイトの情報を一読しておくべきです。
デリバリーや通販の宣伝は「ホームページ」「SNS」「看板」「口コミ」をフル活用する!
デリバリーや通販を始める場合は、まずは持っている媒体をフル活用することです。デリバリーをやっていることがお客様に知られなくては、購入されることはありません。そのために考えられる媒体は全てフル活用しましょう。
◆飲食店が持つ宣伝媒体
・ホームページ
・SNS
・お店の看板
・口コミ
もし、普段からスマートフォンを使わないご高齢の経営者や、SNSが苦手であったりする場合であっても、従業員や家族の力を借りて宣伝すべきです。現在Twitter上には飲食店を応援するための様々なハッシュタグがあり、ハッシュタグをつけてつぶやくことで、デリバリー利用者を増やすことができる可能性があります。
まずはハッシュタグから他店のツイートをたくさん見て、自店の宣伝の参考にしましょう。その際には、ツイートだけではなく、フォロワーの反応も必ず確認するようにしてください。
デリバリーやECサイトを利用するなら、固定費をなるべくかけずに行う
新たなサービスやシステムを利用する時は、少なからず費用がかかりますが、まずは固定費が低いものを利用すべきでしょう。ただし、固定費が下がると必然的に集客力の低いサービスが多いために、まずは既存顧客リストを利用したり、ホームページや看板を利用するなど、集客のための工夫が必要となります。
採算が見込めるならUber Eatsを利用する手もありますが、その場合は原価率を下げるか、商品力を高めて値段も高めに設定するなど、利益を計算しながらメニューを組まないといけません。
ECサイトを作る前に保健所に相談しよう
もし、ECサイトで食品を販売する場合には、事前に保健所に相談してみるべきです。それもECシステムの検討に入る前に行うべきでしょう。食品や提供方法によって違法となる場合があるからです。
東京都内(東京23区、八王子市及び町田市を除く。東京23区、八王子市、町田市及び東京都外の方は下記サイトではなく、所管の保健所等に相談してください)の場合は、東京都福祉保健局が下記のようなサイトを運営しているので、事前に目を通しておきましょう。
また、お酒をテイクアウトで販売する場合は「酒類小売業免許」が必要となります。お酒のテイクアウト販売を考えている場合は、必ず免許の申請を行う必要があります。
まずはSNSから始めよう!
飲食のECサイトを始める場合は、まずはInstagramなどのSNSから始めましょう。特にZ世代はグルメや旅行に関しては、Instagramで情報収集をするため、自社のおいしそうなメニューを撮ることで、認知を広めることができます。
SNS運用は、飲食のECを始める前から始めるべきですし、始めるにあたりスマホ一台あれば十分です。ただし、フォロワーを増やしリするコツはあるため、YouTubeでインスタフォロワーの増やし方の動画が無数に公開されているので、Instagramを開始する前に、Instagramの使い方を学んでから開始しましょう。