ECの煩雑な業務を効率化して事業成長を促進するためには、事業の目的と課題に適したEコマースソリューションを採用する必要があります。
今回はさまざまなEコマースソリューションの中から、ECの用途や事業の目的によって異なる7つのソリューションを紹介します。
◆7つのEコマースソリューション
② マルチチャネルEコマース(販売戦略)
③ ユニファイドコマース(販売戦略)
④ 企業間電子取引(EDI/BtoB向けECサイト)
⑤ 社内向けサイト(自社業務専用の受発注Web/社販サイト)
⑥ 越境EC(海外向けECサイト)
⑦ ソーシャルコマース(販売戦略)
本日は、株式会社インターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、7つのEコマースソリューションを紹介します。
7つのEコマースソリューション
事業の目的や戦略によってさまざまなEコマースソリューションがあり、ソリューションを加速するためのデジタルツールやサービスも多く提供されています。
今回はEコマースソリューションの中から、用途あるいは目的によって異なる7つのソリューションを紹介します。
◆7つのEコマースソリューション
① オンラインショッピングサイト(BtoC向けECサイト)
② マルチチャネルEコマース(販売戦略)
③ ユニファイドコマース(販売戦略)
④ 企業間電子取引(EDI/BtoB向けECサイト)
⑤ 社内向けサイト(自社業務専用の受発注Web/社販サイト)
⑥ 越境EC(海外向けECサイト)
⑦ ソーシャルコマース(販売戦略)
① オンラインショッピングサイト(BtoC向けECサイト)
BtoC向けECサイトを自社構築するためのソリューションです。
◆オンラインショッピングサイト(BtoC向けECサイト)の例
・特産品や銘菓などの販売
・デジタルコンテンツの配信
BtoC向けECサイトは、ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)のクラウドプラットフォームサービスを利用することで手軽に構築することができます。初期費用が無料のプランもあるので、小規模の場合でも予算に合わせて短期間でECサイトの開設が可能です。
もし1日あたりの注文数が100件を超えるような規模の場合には、EC専用のパッケージやカスタマイズが可能なクラウドサービスなどを利用して他システム連携が可能なECサイトを構築することで、バックエンド業務を効率化してヒューマンエラーなども低減することができるでしょう。
② マルチチャネルEコマース(販売戦略)
EC事業では、自社のオンラインショッピングサイト(①)だけでなく、Amazonや楽天市場といったECモールなどにも出店している企業は少なくありません。このように、複数の販路(販売チャネル)でEC事業を同時展開する販売戦略を「マルチチャネルEコマース」と言います。
複数の販売チャネルで商品を販売する場合には在庫の管理が複雑になりやすくなります。各チャネルにあらかじめ在庫を割り当てて個別に管理するという方法もありますが、チャネルによっては品切れが続いたり、過剰在庫を抱えてしまったりする可能性があり、事業全体で最適化を図ることができません。
そのため、マルチチャネルEコマースでは各チャネルの在庫状況を一元管理し、全体最適の在庫管理を実現して在庫ロスを低減します。
在庫管理データを一元管理する方法としては、ECシステムの在庫管理機能を利用する方法、ECシステムに在庫管理機能を追加実装する方法、ECシステムの外部連携機能を使用して在庫管理システムとAPI連携する方法などが考えられます。
筆者のおすすめは、多くのECプラットフォームサービスが標準あるいはオプションで提供しているAPI連携機能を使用する方法で、他の方法と比べてデータ連携機能を手軽に実装できます。
またEC、在庫管理のいずれの場合も、専用サービス(あるいはシステム)であれば機能が充実していますので、よほどの理由がない限りは、ECシステムと在庫管理システムはそれぞれ最適なサービスを利用し、システム間で必要な情報だけを柔軟に連携できるような方法を採用することをおすすめします。
③ ユニファイドコマース(販売戦略)
「ユニファイドコマース」は、顧客のあらゆる情報を統合管理し、デジタルとリアルの垣根を越えて顧客ごとに最適化した価値と体験を提供するための販売戦略です。
具体的な取り組み例としては、ユーザーが1つのIDで、実店舗やECにかかわらずその企業とのあらゆるコミュニケーション履歴(問い合わせ履歴や購入履歴、ポイント取得履歴、所有ポイント数など)をいつでも確認できるアプリの開発・配布などが挙げられます。
特に小売市場などでは、商品の魅力だけで優位性を確立することが難しくなっているため、「顧客を中心とした価値やサービスをいかに提供していくか」というユニファイドコマース戦略が重要になってきているのです。
ユニファイドコマースを実現するためのソリューションには、システム統合も含まれます。店頭とECのシステムおよびデータ連携が不可欠なので、システムの大規模な開発あるいは改修が必要になります。
ユニファイドコマースのリーダー的な企業であるアパレル大手のユニクロでは、ECサイトで購入した商品を指定した実店舗で受け取ることができ、店頭ではアプリを通じて商品情報や在庫状況を確認できるなど、実店舗とECの垣根を越えてユーザーに利便性を提供しています。また資生堂、ポーラ、ロレアルなどの化粧品大手企業もユニファイドコマースに注力しています。
今後、競争の激しい市場で競争優位性を確立するためには、顧客中心のサービスを提供するためのデジタル基盤の整備が不可欠です。
「ユニファイドコマース」については関連記事で解説していますので、興味のある方はぜひあわせてご覧ください。
④ 企業間電子取引(EDI/BtoB向けECサイト)
デジタルで企業間取引を行うためのソリューションです。ここでは、「EDI」と「BtoB向けECサイト」を紹介します。
④-1 EDI(Electronic Data Interchange)
企業間取引では、手続きごとに見積書や請求書、発注書や納品書などの多様な文書が生成されます。これらの文書を電子化するための仕組みあるいはシステムを「EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)」と言います。
企業間の電子データ交換の多くはEDIの標準規格で行われており、小売業界でも、固定電話回線(ISDN回線など)を使った「レガシーEDI」が長く使われてきました。
しかし、NTTの固定電話網がIP網へ移行したことで、EDIなどで使われてきたISDN回線(INSネット)の「ディジタル通信モード」は、2024年1月から段階的に提供を終了しています。
現在は、移行が間に合わない企業向けの暫定措置である「補完策」で通信を続けている企業もありますが、この補完策を含むINSネットも、2028年12月31日をもってサービスを終了します。
そのため、レガシーEDIを使い続けている企業は、インターネット回線を使ったEDIへの移行が必要になりますが、移行先には「Web-EDI」や、流通業界の標準仕様としてすでに多くの企業が導入している「流通BMS」などがあります。
「EDI」については関連記事で解説していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
関連記事:
・7つのポイントでEDIを優しく解説!EDIの必要性と課題
・Web-EDIとはインターネット回線を利用した電子商取引のこと
企業間の取引業務だけであればEDIだけで十分ですが、マーケティング機能や新規顧客を受け入れるための機能はありません。そのため、それらの機能を利用したい場合は、BtoB向けECサイトを構築する必要があります。
④-2 BtoB向けECサイト
BtoB向けECサイトを構築する際には次のポイントを押さえておく必要があります。
◆BtoB向けECサイト構築時のポイント
・個別対応に細やかに対応できること
・例外ケースに対応できること
・クローズドサイトとしても利用できること
近年は、「Bカート」や「楽楽B2B」、飲食業界に特化した受発注システム「インフォマート」など、BtoBに特化したASPサービスも登場しており、小規模かつ複雑な外部連携が不要であれば、BtoB向けECサイトを手軽に開設できます。
外部システム連携やカスタマイズが必要な場合には、インターファクトリーの「EBISUMART(エビスマート)」のような、豊富なオプションを備えたフルカスタマイズ可能なECプラットフォームサービスの利用やパッケージの導入を検討しましょう。
⑤ 社内向けサイト(自社業務専用の受発注Web/社販サイト)
従業員だけが利用できるECサイトを構築するためのソリューションです。ここでは、自社業務専用の受発注Webと従業員向けの社販サイトについて紹介します。
⑤-1 自社業務専用の受発注Web
例えば、店舗を全国展開している場合や複数の拠点がある場合など、本社と拠点間で受発注等のやり取りが生じる場合に使用するためのWebシステムです。
商品と数量、納期等の基本項目だけであれば特別な仕組みは不要かもしれませんが、業務をWebシステム化することで、基本情報だけでなく、商品に関するより詳しい情報(賞味期限、生産者情報など)や取引履歴なども、効率的に管理・活用できるようになるので、ぜひ導入を検討してみるとよいでしょう。
⑤-2 従業員向けの社販サイト
従業員向けの社内販売用サイト(社販サイト)を構築する際のポイントは次の2点です。
◆社販サイト構築時のポイント
・社員番号をキーとするログインおよびデータ管理
社内販売は特別価格で提供することが多いため、会員制のクローズドサイトとして構築する必要があります。また、退職者がログインできないようにするための従業員管理システムとの自動連携機能や、アルバイトやパートのスタッフや従業員の家族なども利用できるようにするためのゲストユーザー機能などが必要となる場合もあります。
「社内販売」については関連記事で解説しているので、興味のある方はあわせてご覧ください。
⑥ 越境EC(海外向けECサイト)
海外の消費者に向けて商品を販売するためのソリューションです。近年、海外への販路拡大を考える企業が増えています。経済産業省の調査では、2024年に中国の消費者が日本の事業者から越境ECで購入した金額は2兆6,372億円で、前年より8.5%増えました。日本・米国・中国の3か国の間では、どの組み合わせでも越境ECの市場規模が拡大しています。
◆日米中3ヵ国間の越境EC市場規模(2024年推計値)
出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」
越境ECの始め方は、大きく以下の3つです。
◆越境ECの3つの始め方
方法② 自社で越境ECサイトを構築する
方法③ 海外転送サービスを利用する
①は集客力が大きい反面、出店条件が厳しいモールもあります。②は外国語対応・集客・決済・配送をすべて自社で用意する必要があるため、最も手間とコストがかかります。③は国内向けECサイトにタグを設置するだけで始められ、外国語対応・決済・配送を転送サービス事業者が代わりに担ってくれるため、最も手軽です。
海外での反響や売上を事前に予測するのは難しいので、筆者のおすすめは、まず①か③で試験的に始め、集客が見込めるようになってから②の自社サイト構築を検討する流れです。
インターファクトリーの「EBISUMART(エビスマート)」では、海外転送サービスの「Buyee Connect」「WorldShopping BIZ」や、Webサイトを多言語化できる「shutto翻訳」などの提携サービスを利用でき、国内向けECサイトを運営しながら越境ECを始めることができます。
「越境EC」については関連記事で解説していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
関連記事:
・越境ECの始め方3つの中で手軽な「海外転送サービス」とは?
・越境ECの基礎から始め方まで分かるガイド【2026】注意点も解説
⑦ ソーシャルコマース(販売戦略)
InstagramやTikTokなどのSNSを販売チャネルとして活用する販売戦略です。ソーシャルコマースには、大きく2つの型があります。
◆ソーシャルコマースの2つの型
・SNS完結型:商品の発見から購入までをSNSの中で完結させる
2025年には日本でもTikTok Shopが始まり、SNS完結型の選択肢が広がっています。
SNSも販売チャネルの1つであるため、②マルチチャネルEコマースと同じく、チャネルが増えるほど在庫や商品情報の管理は複雑になります。SNSで売れたのにECサイト側では欠品していた、という事態を防ぐには、在庫と商品情報を一元管理する仕組みが不可欠になります。
また、インフルエンサーや購入者に投稿を依頼する場合は、ステルスマーケティング規制(ステマ規制)にも注意が必要です。
EBISUMARTでは、InstagramのUGC(ユーザー投稿)を収集して商品と紐づけ、ECサイトに掲載できる「visumo social」や、Google検索結果やInstagramにECサイトの商品情報を連携できる「dfplus.io」などの提携サービスを利用できます。ECサイト誘導型のソーシャルコマースと特に相性のよい環境です。
「ソーシャルコマース」については関連記事で解説していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
関連記事:
・ソーシャルコマースの5つのSNSプラットフォームを解説
・CGMを理解するための3つの事例と具体的手法を解説
Eコマースソリューションによって最適なシステムを選定しよう
Eコマースソリューションを導入する場合には、目的や規模に最適なサービスやツールを選定するようにしましょう。
事業規模がさほど大きくない場合には、ASPサービスを利用することで、コストを抑えて短期間で見栄えの良いECサイトを構築することも可能です。事業規模が大きい場合や複雑な機能が必要な場合には、リソースの最適化やフルカスタマイズにも柔軟に対応できるクラウド型のECプラットフォームサービスを利用するのがよいでしょう。
インターファクトリーの「EBISUMART(エビスマート)」は、フルカスタマイズが可能なクラウド型のECプラットフォームで、Eコマースソリューションの導入実績も豊富です。ぜひ、公式サイトでサービスや事例を確認してみてください。


























