ECサイトにおける商品カテゴリの設計は、サイトを訪れた人が求める品物へ直感的に、かつ迷わずたどり着くための具体的な道筋です。
取り扱う商品数が増えるほどサイトの構造は複雑化しやすいため、いざ根本的に見直すとなると何から手をつけるべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サイト全体の回遊性を高める商品カテゴリ設計について、成果を上げるための3つのポイントや設計の6つのステップを解説します。
目次
① 成果を上げる商品カテゴリ設計の3つのポイント
② ECサイトにおける商品カテゴリ設計の6つのステップ
③ 商品カテゴリ設計で避けたい失敗例
④ ECサイトにおける商品カテゴリの最適化施策3選
成果を上げる商品カテゴリ設計の3つのポイント
カテゴリの作り方次第で、訪問者が商品を見つけやすくなるかどうかが決まります。
売上や集客に直結するカテゴリ設計において、押さえておきたい3つの重要ポイントを見ていきましょう。
ポイント① ユーザーの検索意図に合わせた直感的な分類
カテゴリを分ける際、作り手側の分類基準や業界内の専門用語だけで名前をつけてしまうのは避けたいところです。ここを間違えると、目当ての品物にたどり着けず離脱される原因になりかねません。
分類の基準は、買い手がどんな言葉で検索し、どう探すかに合わせます。たとえば衣服なら「上着」「ズボン」といった種類別のほか、「春物」「結婚式用」などの季節や用途で探す人もいます。
サイトを訪れた人が、パッと見ただけで「ここを開けば探しているものがある」と直感的に分かる状態を作ることが大前提です。まずは実際の検索キーワードを調べ、検索窓に打ち込まれる言葉をカテゴリ名に取り入れていきましょう。
ポイント② MECE(モレなくダブりなく)を意識した整理
前項で直感的な分類ができたら、次は「MECE(モレなくダブりなく)」の考え方に沿って全体の枠組みを整えます。商品を探す際、当てはまる場所が複数あったり、逆にどこにも属していなかったりすると、サイトを訪れた人が迷う原因になります。
具体的には、「アウター」と「ジャケット」のように意味が被る分類を統一します。分類の切り口を、種類や用途など1つの軸にそろえることが整理のコツです。
ここは後回しにすると、あとで手間が増えやすい部分です。最初から完璧を目指すと手が止まるため、まずは全体の8割を分けるつもりで進めてみてください。特殊な商品は特集ページで補完すれば、きれいな構造を保てます。
ポイント③ 目的のページへ3クリック以内で到達できる階層構造
トップページから目当ての商品まで、3回以内のクリックでたどり着ける構造を目指します。階層が深すぎると、途中で探すのを諦めてページを閉じてしまう原因につながります。
基本となるのは、大カテゴリから中カテゴリ、そして小カテゴリへと段階を踏む整理です。たとえば「アパレル」→「トップス」→「Tシャツ」のように絞り込める形を作ります。ここまで来れば、サイトを訪れた人が迷わずに商品を探せる土台ができます。
取扱商品が多い場合、すべてを細かく分けようとしてかえって階層が深くなるケースは少なくありません。まずは売れ筋のアイテムだけでも、少ない移動で到達できるか実際の画面で確認してみてください。
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ECサイトにおける商品カテゴリ設計の6つのステップ
ポイントを押さえたら、実際の作業へ進みましょう。ここからは、具体的な手順を6つの段階に分けて順番に組み立てていきます。
最初の全体像の把握から細かなURL設計まで、一つずつ着実に形にしていきましょう。
ステップ① 全取扱商品と今後の追加予定アイテムの洗い出し
具体的な設計作業は、現在扱っているすべてのアイテムを把握するところからスタートします。ここを飛ばして分類から始めると、後から当てはまらない商品が出て構成を作り直すことになりかねません。
まずは手元の商品データを、スプレッドシートなどに書き出します。カラー展開やサイズ違いなどのバリエーションも一つずつ拾い上げます。地道な作業ですが、ここで初めてお店の全体像が見えてきます。
あわせて、今後半年ほどで追加予定のアイテムもリストに加えます。将来のラインナップを見越しておくことで、後から新しいカテゴリを増設する際もバランスが崩れません。在庫データと仕入れ計画を一つの表にまとめることから手をつけてみてください。
ステップ② 競合ECサイトのカテゴリ構造と導線の分析
取扱商品の洗い出しが終わったら、次は同じ業界で売上を伸ばしている他社のサイトを観察します。いきなり手元の情報だけで構造を組み始めると、独りよがりな分類になりやすいためです。
具体的には、3〜5社程度の競合サイトをピックアップし、大カテゴリから小カテゴリへの分岐の仕方や、一覧ページから個別の商品へ至るまでの経路を確認します。まずは数社を見比べるだけでも、業界の標準的な分類の傾向が見えてくるはずです。
また、季節の特集や用途別など、探しやすさを補助するメニューがどこに配置されているかも記録しておきましょう。ここで集めた客観的な傾向が、その後の作業をスムーズに進める判断基準となります。
ステップ③ 検索ボリュームと関連キーワードの調査
カテゴリ名には、購入を考えている人が実際に検索で使う言葉を当てはめる必要があります。ここを感覚で決めてしまうと、せっかくの検索需要を取りこぼして集客に苦戦する要因になります。
調査では「Googleキーワードプランナー」などを利用し、月間検索ボリュームと関連キーワードを確認します。同じ商品でも「ワンピース」と「ドレス」のどちらで調べられやすいかを数値で比較し、ボリュームの大きい言葉を大カテゴリに据えるのが基本です。
また、一緒に検索されやすいサジェストキーワードは、小カテゴリや絞り込み条件を作る際のヒントになります。まずは主力商品のジャンルを2〜3個ピックアップして、実際の検索数を見比べてみてください。
ステップ④ 大カテゴリから小カテゴリへの階層構造の策定
洗い出した商品やキーワードのデータをもとに、実際の階層構造を組み立てていきます。ここで初めて、サイト全体の骨格が形になって見えてきます。
階層は、大カテゴリから小カテゴリへ向かって「3階層以内」に収めるのが基本です。ここが深すぎると、目的のページへたどり着く前に離脱しやすくなってしまいます。まずは大分類として「メンズ」などを置きます。そこから最終的に「Tシャツ」などの具体的な商品タイプへ絞り込めるように配置する仕組みです。
ただし、最初から細かく分類しすぎるのは禁物です。商品数が極端に少ない空のカテゴリが生まれ、かえって商品を探す人を迷わせてしまう要因になります。1つの小カテゴリにつき、最低でも5から10点の商品が入る状態を目指すと良いでしょう。
ステップ⑤ SEO評価を高めるディレクトリとURLの設計
カテゴリの階層が決まったら、次はそれをWeb上の住所であるURLに反映させる作業に入ります。ここは後から変更すると手間がかかりやすいため、階層図の作成と同時に決めてしまうのがおすすめです。
具体的には、大カテゴリから小カテゴリへの流れをそのままディレクトリ(URLの階層)として設定します。URLの文字列は、中身を端的に表す短い半角英数字で付けるのが基本ルールとなります。
たとえば靴のページなら、日本語のままではなく「shoes」のように設定します。日本語のURLは外部で共有される際に長大な記号の列に変換されやすいため、見た目の面でも英数字にそろえておくと安心です。
ステップ⑥ ユーザーを迷わせないパンくずリストの実装
階層構造が決まったら、それを訪問者の目に見える形で示すパンくずリストを設置します。これは「トップ > メンズ > トップス」のように、現在地と上の階層へのリンクを並べるナビゲーション機能です。
商品を探している途中で「もう少し広いカテゴリに戻って選び直したい」と感じる場面はよくあるはずです。パンくずリストがあれば、ブラウザの戻るボタンを使わずともワンクリックで直前の階層へ戻れます。
この仕組みにより、訪問者がサイト内で迷子にならずスムーズに回遊できるようになります。検索エンジンのクローラーにサイト構造を正しく伝える役割もあるため、全ページへ漏れなく実装しておく必要があります。
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商品カテゴリ設計で避けたい失敗例
設計の手順を把握したところで、陥りやすい落とし穴にも目を向けておきます。
良かれと思った分類が、かえって目的の品を見つけにくくする原因になりかねません。ここからは、よくある4つの失敗例とその回避策を確認します。
社内用語や業界の専門用語を用いたカテゴリ名称
せっかく商品を充実させても、名前の付け方ひとつで買い手が離れてしまうことがあります。ここを見落とすと、欲しい商品があるのに見つけてもらえない事態につながります。
代表的な失敗が、社内でのみ通用する略称や、業界の専門用語をそのままカテゴリ名にしてしまうケースです。たとえば、アパレルで「SS」「AW」といった業界用語を使っても、一般のお客さまには「春夏」「秋冬」とはすぐに伝わらない場合もあります。まずは普段の業務から離れて、買い手の目線で言葉を見直す必要があります。
目安としては、中学生が読んでも意味がすぐに分かる言葉を選ぶのがおすすめです。検索窓で実際に調べられている言葉を選ぶと、迷わず目的の商品へたどり着いてもらいやすくなります。
商品が登録されていない空のカテゴリページの放置
商品のない空のカテゴリページを残しておくことは、SEOの観点から避けるべき状態です。中身のない低品質なページが存在すると検索エンジンに判断され、サイト全体の評価を落とす原因になります。
カテゴリの枠組みだけを先に作ってしまい、あとで商品を登録しようと考えたまま忘れてしまうのは、意外と陥りがちなパターンです。しかし、商品を探しに来た人が空っぽの売り場を見れば、そのままサイトから離脱してしまいます。
現在商品が1つも登録されていないカテゴリは、商品が準備できるまで非公開にするか、削除の対応をとりましょう。定期的にサイト内を巡回し、中身のないページが放置されていないか確認するのがおすすめです。
重複コンテンツの原因となる過剰な多重登録
商品を少しでも目立たせようと、複数のカテゴリに同じアイテムを繰り返し登録したくなることはないでしょうか。
しかし過剰な多重登録は、検索順位の低下を招く重複コンテンツの引き金になります。「セール」「新作」「トップス」の3か所に同一商品を登録し、それぞれ別のURLが生成されると、検索エンジンは評価先を迷ってしまいます。
その結果として評価が分散し、検索上位に入りづらくなるのが一般的な傾向です。良かれと思った工夫が、かえって集客の足を引っ張る事態は避けたいところです。
複数の切り口で商品をアピールしたい場合は、評価先を一つにまとめるURLの正規化を行うか、カテゴリではなく絞り込み機能で対応する形で調整を進めてみてください。
階層の深すぎる細分化されたカテゴリ設定
商品を細かく分類しようとするあまり、カテゴリの階層構造を4階層、5階層と深くしすぎるのは典型的な失敗パターンです。良かれと思った細かな分類が、かえって訪問者を迷路に迷い込ませる原因になります。階層が深くなるほどクリック回数が増え、目的の商品にたどり着く前に探すのを諦められてしまいます。
運営側としては整理できているように見えても、サイトを訪れる人にとっては現在地を見失うストレスになりやすい部分です。また、階層が深すぎると検索エンジンのクローラーも末端のページまで巡回しにくくなり、SEO評価が低下する可能性もあります。カテゴリは原則として大・中・小の3階層以内に収め、それ以上は絞り込み機能でカバーする形へ見直しておきましょう。
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ECサイトにおける商品カテゴリの最適化施策3選
失敗例を把握できたら、次はサイトの利便性と検索エンジンからの評価を直接高める具体的なステップへ進みましょう。
売上改善に直結しやすい3つの最適化施策を見ていきます。自社で取り入れやすいものから順に導入を検討してみてください。
施策① サイト内検索とサジェスト機能の連動強化
カテゴリを整えたら、次は検索窓からの導線にも目を向けてみてください。せっかく分類を最適化しても、検索結果が0件で終わってしまっては機会を逃してしまいます。
ここで効果的なのが、キーワード入力時に候補を表示するサジェスト機能とカテゴリの連動です。たとえば「靴」と入力した際、「靴 > スニーカー」「靴 > メンズ」のように特定の分類を直接提案します。この設定により、表記ゆれやスペルミスによる検索漏れを防ぎつつ、目的のページへより確実に案内できるようになります。
まずは現在利用している分析ツールを開き、検索窓からの訪問割合を一度確認しておくのが確実です。ここから具体的な改善の優先順位が見えてきます。
施策② 構造化データマークアップによる検索エンジンへの情報伝達
カテゴリの構造がきれいに整ったら、その内容を検索エンジンにも正しく伝える工夫が必要です。サイト上の見た目だけを整えても、システム側が階層を把握できなければ評価にはつながりにくいためです。
そこで役立つのが、構造化データマークアップという技術になります。パンくずリストなどの情報を専用のコードで記述し、ページの階層関係を検索エンジンへ直接伝達します。少し専門的な知識が求められる領域なので、無理をせずシステム担当者と連携しながら進めると安心です。
正しく設定されれば、検索結果の画面に階層が分かりやすく表示されるようになります。まずは主要な大カテゴリのページから、対応状況を一度確認しておくことをおすすめします。
施策③ 属性で絞り込めるファセットナビゲーションの活用
検索エンジンへの情報伝達を整えたら、次はサイト内を歩く訪問者が迷わないための工夫です。ここで役立つのが、色やサイズ、価格帯といった複数の条件を掛け合わせて絞り込めるファセットナビゲーションの導入です。
商品数が多くなるほど、目当ての品を見つけられずに途中で諦めてしまう人は増えやすくなります。この絞り込み機能があれば、訪問者は自分の欲しい条件をクリックするだけで目的のページへ直行できます。結果として、サイトからの離脱を防ぐことにつながります。
ただし、条件を掛け合わせることで無数のURLが自動生成される点には注意が必要です。検索エンジンに同じ内容のページが複数あると誤解されないよう、正規のURLを指定するタグを設定して評価を一本化しておきましょう。
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まとめ
商品カテゴリの設計は、サイトを訪れる人が迷わず目的の品へたどり着くための枠組みです。ここが整理されていると、検索エンジンからの評価が高まり、結果として売上にもつながりやすくなります。
まずは現状の取扱商品をすべて洗い出し、過不足なく分類できているか見直す作業から手をつけてみましょう。競合サイトの構造も参考にしながら、3クリック以内で目当てのページへ到達できる階層を目指すのが基本です。
最初から完璧な構成を作ろうとせず、公開後も検索キーワードの動きなどを確認しながら、少しずつ改善を重ねていくことになります。さっそく、手元にある商品のリストアップから、サイト構造の見直しに着手してみてください。
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