「ECサイトをリニューアルしたい、クラウドECって実際どうだろう?」
「独自の機能を使えるECサイトに移行したい、クラウドECを導入すべき?」
EC事業をより拡大していきたいときや、現在のECサイトの機能に満足できなくなってきたときに検討材料となるのが、クラウドECを導入したECサイト構築ではないでしょうか。
◆クラウドECとは
近年、多くの企業が導入し始めているクラウドECですが、他のサービスと比較すると以下のような共通点と違いがあります。
サイトデザインや機能面での拡張性が高く、機能やシステムが自動更新されるクラウドECは、多くの会社にとってEC事業を拡大する第一歩になるでしょう。
ただし、事業規模や今後の展開次第では、一概にクラウドECを導入すべきだと断言できるわけではありません。
EC事業を展開していくにあたり、事業の土台となるECサイト構築はしっかりと考えた上でサービス導入を考えるべきです。
「クラウドECを導入したけれど、使いこなせていない」
「クラウドEC導入を見送ったけれど、売上が伸びてきて今のECサイトでは手狭になってきた」
このような失敗をしないためにも、本当にクラウドEC導入が会社のEC事業に必要なのか考えてみましょう。
そこでこの記事では、以下のポイントを分かりやすく解説していきます。
◆この記事で分かること
・クラウドECと他サービス4つを比較できる
・クラウドECを導入すべき会社の特徴が分かる
クラウドECは、より独自性のある管理機能やデザインでサイト構築ができるだけではなく、クラウド環境上にあるメリットを享受できるECサイト構築サービスです。
「今よりももっとECサイトに力を入れて、どんどん拡大していきたい」
クラウドECは、事業者のEC事業に対する思いをしっかりと支える、ECサイトの土台となるでしょう。
ぜひ、この記事を参考にして、クラウドECを導入すべきか検討してみてください。
1. クラウドECとは
クラウドECとは、クラウド環境上にあるECサイト構築システムを利用してECサイトを構築できるサービスのことを指します。
提供形態としては、SaaS(Software as a Service)に分類分けされるのが一般的です。
ECサイトに欠かせないさまざまなシステムを、自社サーバにアップロードするのとは違い、必要なシステムはクラウド上で管理されているのが大きな特徴と言えます。
◆クラウドECの特徴
インターネット上で買い物をするためには、Web上での受注・顧客・商品管理など、お客様の目には見えない業務(バックエンド業務)が欠かせません。
従来のECサイトでは、バックエンド業務に必要な機能も独自にシステム開発を行い、自社サーバにアップロードするのが一般的でした。
しかし、ほとんどのシステム面を自社サーバで管理するため、機能追加や度重なるアップデート、そしてセキュリティ面での不安などの課題を抱えていた企業がほとんどではないでしょうか。
クラウドECの場合は、以下の要素を満たしたECサイトを作ることができます。
・自社でのサイト構築・開発コストを抑えられる
・豊富な機能があるので開発期間を大幅に短縮できる
・独自性の高いECサイトを構築できる
・セキュリティ面の不安を少なくできる
長期的に考えると、機能面やセキュリティ面を最新に維持する手間を抑えながら、比較的自由度の高いECサイトを運営していきたい場合に向いているのが、クラウドECと言えます。
2. クラウドECと他のサービスとの違い
クラウドECの仕組みについて簡単に説明しましたが、「他のECサイト構築サービスにも似たようなものがあるけれど……」と疑問に感じる方もいるかと思います。
そこで、クラウドECと他の代表的なECサイト構築サービスの違いを、以下の表にまとめました。
クラウドEC | ASP | パッケージ | フルスクラッチ | オープンソース | |
初期費用 | 100~500万円 | 無料~30万円 | 300~500万円 | 500~数千万円 | 無料~300万円 |
月額費用 | 数十万円 | 無料~数万円 | 数十万円 | 数十万円 | 無料~数万円 |
導入期間 | 3か月~ | 1か月~ | 3か月~ | 1年程度 | 3か月~ |
カスタマイズ | ○ | 原則難しい | ○ | ○ | ○ |
システムの 自動更新 |
○ | ○ | 更新作業が必要 | 更新作業が必要 | 更新作業が必要 |
セキュリティ | ○ | ○ | 別対応必須 | 別対応必須 | 別対応必須 |
向いている 企業規模 |
年商1億円以上 | 個人もしくは 年商1億円未満 |
年商1億円以上 | 年商20億円以上 | 年商1億円以上 |
どのECサイト構築サービスを利用するかによって、コスト面が大きく変わるのは一目瞭然です。
しかし、長期的にECサイトを運営していくのであれば、カスタマイズの柔軟性・システムの更新頻度・セキュリティ面などの要素も欠かせません。
最適なECサイト構築サービスを選べるようになるために、それぞれの違いについて簡単に解説していきます。
2-1. ASPとクラウドECの違い
ASP(Application Service Provider)とクラウドECの大きな違いは、サイトデザインと機能システム面における拡張性の幅広さです。
両者ともクラウド環境上にあるサービスを利用できることは共通していますが、主に以下の点が違いとして挙げられます。
クラウドEC | ASP | |
機能 | 豊富で拡張性あり | 最低限で拡張性は低い |
デザイン | 幅広い | 制限あり |
導入までの期間 | 長い(3か月以上) | 短い(1か月程度) |
費用 | 100〜500万円 | 無料〜30万円 |
例えば、ASPの場合だと初期費用や月額費用を抑えることはできますが、機能やデザイン面での拡張性が高いとは言い切れません。
反対にクラウドECの場合は、機能やデザイン面の拡張性が高いため、サイト構築に時間がかかり費用も高くなるのが一般的です。
そのため、クラウドECとASPを比較した場合、デザインや機能面などの「拡張性の高さ」と「期間と費用」のどちらを優先するのかが、選ぶ基準の一つになるでしょう。
2-2. パッケージとクラウドECの違い
パッケージ(ECパッケージ)とクラウドECの大きな違いは、クラウド環境上と自社サーバ上のどちらでサイト構築をするかです。
クラウド環境上と自社サーバ上では、機能面やセキュリティ面での更新頻度やコスト面が大きく違います。
クラウドEC | パッケージ | |
サーバ | クラウド | 自社 |
セキュリティ | 最新の状態に維持 | 自社で更新作業が必要 |
自動更新 | 機能やシステムを自動更新 | 新たな機能やシステムは 開発作業が必要 |
サイト構築をクラウド環境上で行うのか、自社サーバで行うのかによって、サイト運営を開始してからのセキュリティや機能などを更新する手間とコストが大きく変わるのです。
クラウドECとパッケージを比較する場合、セキュリティや機能面の更新をサービス会社に任せるのか、自社で独自開発・更新していきたいのかも判断基準になり得るでしょう。
2-3. フルスクラッチとクラウドECの違い
フルスクラッチとクラウドECを比較した際の大きな違いは、主に拡張性の高さとサイト構築するサーバの違いと言えるでしょう。
具体的には、以下のとおりです。
クラウドEC | フルスクラッチ | |
サーバ | クラウド | 自社 |
開発難易度 | 比較的容易 | 非常に高い |
機能・デザイン | 豊富で拡張性あり | 自由に作り込める |
セキュリティ | 最新の状態に維持 | 自社で更新作業が必要 |
自動更新 | 機能やシステムを自動更新 | 新たな機能やシステムは 開発作業が必要 |
フルスクラッチは、デザインや機能を作り込めますが、パッケージと同様に運用開始後の機能追加やアップデートに手間がかかってきてしまいます。
反対に、クラウドECは自動更新してくれるメリットがありますが、フルスクラッチほど機能やデザイン面での自由度が高いわけではありません。
クラウドECとフルスクラッチを比較する際には、費用や更新の手間をとってでも、会社独自の機能開発やサイトデザインでECサイト構築したいのかどうかを考えてみましょう。
2-4. オープンソースとクラウドECの違い
オープンソースとクラウドECの違いには、パッケージとフルスクラッチと同様に「自社サーバにECサイトを構築する」という点があります。
さらに加えると、ソースコードが無償でWeb上で公開されているため、セキュリティ面での不安が大きいという点も挙げられるでしょう。
具体的には以下のとおりです。
クラウドEC | オープンソース | |
サーバ | クラウド | 自社 |
システム利用料 | 有料 | 基本は無料 |
セキュリティ | 最新の状態に維持 | 自社で更新作業が必要 |
自動更新 | 機能やシステムを自動更新 | 新たな機能やシステムは 開発作業が必要 |
※オープンソースがパッケージ化されたものではなく、自社で開発を行う場合
クラウドECは、ECサイト構築プラットフォーム自体のソースが公開されているわけではないので、比較的セキュリティ面では安心できると言えます。
しかし、オープンソースの場合は、Web上で無償公開されているため、いつサイバー攻撃にあってもおかしくないのです。
クラウドECとオープンソースを比較する場合は、発生する可能性の高いリスクを事前に考えておく必要があります。
多少のリスクを負ったとしても、ネットショップ開業にかかるコストを少しでも抑えたいと考えるかどうかで、クラウドECとオープンソースどちらを選ぶべきかが変わってくるでしょう。
3. クラウドECの導入メリット5つ
クラウドECと他のサービス4つそれぞれに共通点がありながらも、ECサイトを構築・運営する上で考えなければいけない違いがあることを解説してきました。
ここでは、クラウドECを導入してECサイトを構築する場合のメリット5つをみていきましょう。
◆クラウドECの導入メリット5つ
・希望に合わせてサイトデザインを作り込める
・自社でインフラを整備する必要がない
・機能の改善や追加を自動で行ってくれる
・セキュリティが自動更新される
メリットについて理解を深めるためにも、ぜひ長期的なECサイト運営を想像しながら読み進めてみてください。
3-1. さまざまな機能や仕様が標準装備されている
クラウドECは、クラウド環境上で「ECサイト構築に必要だ」と多くの会社が考える機能やシステムを標準装備しています。
標準装備されている機能やシステムだけでも、十分にECサイト運営を始められるでしょう。
たとえば、クラウド型EC構築サービス「ebisumart」では、以下のような機能を標準装備として利用可能です。
◆クラウドECの機能の一例
・商品管理機能
・顧客管理機能
・ランキング機能
・まとめ買い割引機能
・デザインテンプレート
・SEO対策
・メルマガ配信
・広告媒体管理
・分析/解析
・簡易CMS機能
・画像管理機能
・データ拡張機能 など
参考:ebisumartの機能の一部より
上記の機能を、ゼロから開発しようとすると、膨大な手間と時間がかかってしまいます。
たとえゼロから独自の機能を開発したとしても、運用開始後に不備が見つかったり、仕様変更が求められる可能性も出てくるでしょう。
しかしクラウドECの場合は、初めからECサイト構築・運用に欠かせないさまざまな機能や仕様が標準装備されているので、安心してECサイトを構築できます。
3-2. 希望に合わせてサイトデザインを作り込める
クラウドECを使ってECサイトを構築する場合、サービス提供会社がサイトデザイン制作から携わることが一般的です。
サイトデザイン作成段階でしっかりと希望を出しておけば、独自のデザイン性を重視したサイトデザインのECサイトを作ることができます。
特に無料で利用できるECサイト構築サービスの場合、デザイン面でできることが少ないと感じたことがある方も少なくありません。
・用意されたデザインテンプレートを使うしか選択肢がない
・デザインテンプレートが少ないので似たようなサイトデザインになる
・カスタマイズできる範囲が制限されている
EC事業の規模が大きくなるほど、独自のサイトデザインでECサイトを運営していきたいと考える事業者が多いでしょう。
サイト構築の段階から機能面だけではなくサイトデザインも作り込める点が、クラウドECのメリットの一つです。
3-3. 自社でインフラを整備する必要がない
クラウドECを利用する場合は、自社サーバを用意・整備する必要はありません。
たとえば、社内にサーバ設備を整えてサーバ管理専門部署を設置し、専任担当者を置く必要はないのです。
パッケージ・フルスクラッチ・オープンソースなどを利用する場合は、どうしても自社でサーバの確保と整備が求められます。
サーバで不備が発生した場合や、更新作業が必要になると、自社で責任をもって管理していかなければいけないのです。
しかし、クラウドECであれば、サービス提供会社がサーバの維持・管理を行ってくれるので、社内対応を最低限にできるでしょう。
3-4. 機能の改善や追加を自動で行ってくれる
クラウドECの大きなメリットの一つとも言えるのが、機能面のアップデートがクラウド環境上で自動で行われる点です。
長期間にわたりECサイトを運営していると、法改正などさまざまな変化にあわせて、システムや機能を新たにしていく必要があります。
たとえば、最近では以下のような機能の追加・変更が求められました。
◆近年発生した主な変更項目(2019年~2023年)
・税率の変更
・商品ごとに軽減税率(8%)と標準税率(10%)での登録
・インボイス発行事業者としての情報掲載
・インボイス制度による適格請求書の発行 など
過去5年ほどで、上記のような新たな機能やシステムが必要になったことを考えると、今後も機能のアップデートが必要になることが想像できます。
万が一、機能やシステムを更新せずにECサイトを運営し続けてしまうと、手間がかかるだけではなく顧客満足度も下がってしまうでしょう。
多数の会社が利用するクラウドECの場合は、サービス提供会社がその都度必要な機能のアップデートを行うため、新たな機能開発を心配する必要もありません。
3-5. セキュリティが自動更新される
クラウドECを利用した場合、ECサイトのセキュリティ対策が自動で更新されるので、セキュリティ面での不安を軽減できます。
ECサイトでは、顧客情報や決済情報など重要な個人情報のデータを取り扱う必要があるため、個人情報漏えいをしないためにも、常に高水準のセキュリティ対策が必要です。
「そろそろSSL証明書の更新をしなければ……」
「新しいウイルスの情報が出たけれど、対策はどうすれば?」
よほどの専門家でない限りは、高水準のセキュリティ対策を維持するのは大変です。
クラウドECを導入していれば、サービス提供会社側がセキュリティ対策を行っているため、自社でセキュリティ面の不安を抱える必要はありません。
4. クラウドEC導入の注意点3つ
ECサイト構築においてメリットの多いクラウドECですが、導入するにあたり理解しておかなければいけない注意点もあります。
◆クラウドEC導入の注意点3つ
・クラウド環境を利用するための、毎月のコストを予算に組み込んでおく
・事業拡大とともに他サービスへの移行をする前提で運営していくべき
それぞれについて、具体的に解説します。
4-1. 構築・導入までに時間がかかるので、開業までの期間に余裕を持つ
サイトデザインや機能面の拡張性が高いのが特徴のクラウドECですが、拡張性が高い分、サイト構築・導入に長い期間が必要になってしまいます。
「●月までに開業したかったのに、間に合わない!」とならないためにも、開業までのスケジュールには余裕を持って取り組みましょう。
もちろん、デザインテンプレートを利用してサイトデザインをするASPなどの場合は、早ければ数週間でECサイト開業も可能です。
しかしクラウドECの場合は、より独自性のある機能やデザイン開発ができるので、開発に時間が必要になります。
「独自の機能を開発したい」や「コンセプト通りのデザインでなければ満足できない」とこだわりすぎてしまうと、予定以上に時間がかかってしまうかもしれません。
無料ASPなどと比較すると、開発に時間が必要な点を把握した上で、しっかりと余裕を持って取り組めるようにスケジュールを立てましょう。
4-2. クラウド環境を利用するための、毎月のコストを予算に組み込んでおく
クラウドECを利用する場合、場合によってはECサイトを運営するために毎月数十万円のコストが発生する可能性があります。
そのため、システム導入の初期費用だけではなく、毎月の利用料も予算に含めて考えておくべきです。
もちろん、クラウドECのシステム利用料だけではなく、決済手数料や商品の配送費などさまざまなコストが発生します。
クラウドECでサイト構築をした場合は、そのシステムを使い続ける限り、毎月のECサイト運営コストが発生することを念頭に入れて、予算を考えていきましょう。
4-3. 事業拡大とともに他サービスへの移行をする前提で運営していくべき
ECサイトを構築・運用している中で、事業拡大などのタイミングでプラットフォーム移行を考え始める事業者は少なくありません。
本格的にEC事業に力を入れていくのであれば、事業拡大とともに規模に見合ったプラットフォームへの移行をする前提で運営していくようにしましょう。
しかし、いざクラウドECから他のサービスへ移行しようとすると、今まで使っていた機能をそのまま移行できるわけではないので、注意が必要です。
クラウドECで使っていた機能やシステムは、すべてクラウド環境上でサービス提供会社が管理している機能になります。
そのため「今まで使っていた機能をそのまま、自社サーバに置き換えれば良い」というような考えは通用しません。
特に、パッケージやフルスクラッチのように、自社サーバにECサイトを新たに構築する場合は、クラウドECで利用していた管理機能をそのまま使い続けられないのです。
事業拡大した際に、同じクラウドECサービス内で独自機能を追加しながら対応していく場合と、まるごと新しいプラットフォームで新たにECサイトを構築する場合があると覚えておきましょう。
5. クラウドECの導入がおすすめの企業
近年注目されているクラウドECですが、必ずしもすべての会社に向いているわけではありません。
クラウドECの導入を検討する場合は、以下の要素を判断基準にしてみてください。
◆クラウドECの導入がおすすめの企業の特徴
・独自の顧客管理機能や受注機能を開発したい
・システムやセキュリティの専門知識がある人材の配置が難しい
・EC事業だけで年商1億円以上を目指している
自社にとってクラウドECが必要なのか見極めることができれば、EC事業での成功に近づくことができます。
これから紹介する要素はそこまで重要視していない事業者の場合は、クラウドECではなくASPなどの他サービスが向いている可能性もあるのです。
しっかりと会社にとって必要なサービスを導入するためにも、クラウドEC導入に向いている企業の特徴について理解しておきましょう。
5-1. 実店舗とECサイトを連携させたい
すでに実店舗運営や他ECモールなどへの展開をしており、自社ECサイトとの連携をしっかりと取りたい場合は、基幹システムと連携できるクラウドECがおすすめです。
クラウドECを導入することによって、以下のように実店舗との連携を実現できます。
・会員情報やポイント情報を連動させて、顧客満足度を上げる
・購入した商品を実店舗で受け取れるように連携する
・特定の情報だけをCSV抽出して、基幹システムにインポートする など
「ECサイトで注文が入ったのに、店舗在庫を見たら在庫がゼロだった……」
「実店舗とECサイトで、顧客情報が重複してしまっている」
というような状態になってしまうと、業務効率が悪いだけでなく、顧客満足度にも影響してしまうでしょう。
実店舗とECサイトを連携させることができれば、社内でのバックエンド業務の効率化と顧客満足度向上につながります。
5-2. 独自の顧客管理機能や受注機能を開発したい
ECサイトに独自の顧客管理機能や受注機能などを加えたいという場合も、クラウドECであれば、機能開発を行い新たに機能追加できる場合があります。
たとえば、以下のようなケースでは独自の機能が必要になるでしょう。
・会員ランクによって特典や割引を付与する
・独自の配送設定やギフト設定(複数配送・まとめて配送・海外配送・特殊なギフト対応など)
・オーダーメイド注文への対応
・領収書や請求書、見積書などのPDF書類のダウンロード対応 など
独自の顧客管理や受注機能があることで、販売販路と顧客層の拡大や顧客サポートの充実を実現できます。
もちろん、クラウドECの中にもバックエンド業務でカスタマイズできる範囲に限りがある場合もあるので、求めている要件を満たしてくれるサービスを選ぶことが重要です。
5-3. システムやセキュリティの専門知識がある人材の配置が難しい
EC事業を拡大していきたいけれど、自社にはシステム面やセキュリティ面の専門家を配置するのが難しい会社こそ、クラウドECを導入すべきです。
すでに繰り返しお伝えしてきたように、クラウドECではシステム面やセキュリティ対策を自動で更新してくれます。
もちろん中には「本当に他社にシステムやセキュリティを任せて大丈夫だろうか」と、不安に感じる方もいるかと思います。
しかし、これから自社でシステムやセキュリティの専門知識を習得・アップデートしていくのと、すでに多数の会社のシステム面やセキュリティ面を管理しているサービス提供会社に任せるのでは、大違いです。
社内に専門部署や専門知識のある社員がいない場合は、クラウドECのようにシステムとセキュリティ面の更新を任せられるクラウドECが適していると言えるでしょう。
5-4. EC事業だけで年商1億円以上を目指している
そして忘れてはいけないのが、ECサイトを運営していく上で将来的に目指す事業規模です。
本格的にECサイト運営に力を入れて、将来的に年商1億円以上を目指している会社にこそ、クラウドECが向いているでしょう。
なぜなら、クラウドECを導入することで、業務効率化と顧客満足度維持をサポートしてくれるからです。
今後の事業展開や目標を考えた上で、以下の年商を目安にしてみてください。
・年商1億円未満:クラウドECではなくASPで十分な可能性がある
・年商1億円〜20億円:クラウドECが向いている
・年商20億円以上:クラウドECもしくはフルスクラッチなどが向いている
今後もEC業界は成長していくからこそ、目指す事業規模を見据えながら、会社のECサイト構築にクラウドECを選ぶべきかを考えておくべきです。
6. クラウドECの費用は100〜500万円円以上が目安
クラウドECを実際に導入する場合に必要になる費用も気になるところかと思います。
これからECサイト構築をする場合に、理解しておくべきコストは大きく分けて初期費用と月額費用の2つです。
初期費用 | 100〜500万円以上(追加機能の内容によって変動する)
・初期費用+オプション機能初期費用+カスタマイズ費用+管理費用 |
月額費用 | 数十万円〜
・基本保守料金 |
初期費用に関しては、最低でも100〜500万円以上が必要になると考えておきましょう。
ECサイト構築の段階で、独自機能のカスタマイズを行わない場合は最低限の初期費用でサイト構築可能です。反対に、独自の機能開発や追加オプションの導入を行う場合は、初期費用も増額します。
月額費用に関しては、サービス提供会社によって提供プランが違うので注意が必要です。
・月額費用が固定料金
・基本料金+カスタマイズ機能の保守料金
・その月のECサイトの売上によって一定の料率
上記のように、さまざまな料金プランが用意されています。
ECサイトの規模や機能などによって、必要になる料金は大きく変わるため、初期費用が300万円になる場合もあれば、1,000万円かかる場合もあるのです。
ECサイトの構築・運営費用で失敗しないためにも、しっかりと事業計画や今後の展望を考えた上で年商を基準にしてみるのも一つの方法です。
7. クラウドECを選ぶときのポイント
クラウドECと一言で言っても、さまざまな会社がサービスを提供しています。自社にとって最適なサービス提供会社を選ぶためにも、以下の選ぶときのポイントを把握しておきましょう。
◆クラウドECを選ぶときのポイント
・安心性(セキュリティ面)
・最新性(アップデート頻度)
それぞれについて、具体的に解説していきます。
7-1. 拡張性(カスタマイズ性)
クラウドECを選ぶときには、サイトデザインと機能などのシステム面、両方においてどれだけの拡張性(カスタマイズ性)があるのかを比較してみましょう。
たとえば、それぞれ以下のような要素を調べてみるのがおすすめです。
サイトデザイン面 | ・利用できるデザインテンプレートの豊富さ ・パーツごとの表示やレイアウト変更のしやすさ ・カテゴリ別や商品別にカスタマイズできるデザイン性 ・レスポンシブやモバイル対応の有無 |
システム面 | ・標準装備されている機能の幅広さ ・オプション機能追加で利用できる機能の幅広さ ・販売方法の幅広さ(定期販売・ダウンロード販売・BtoB・越境ECなど) ・管理画面のカスタマイズできる範囲 ・過去の外部システムとの連携実績 など |
さまざまなクラウドECを比較してみると、拡張性が低いものもあれば柔軟に対応できるものもあることが見えてきます。
他社ではオプション機能として開発が必要になる機能もあれば、別の会社では標準機能として装備されている場合もあるでしょう。
クラウドEC自体に、どこまでの拡張性があるのかをしっかりと見極めておけば、サイト構築段階で立ち止まることも減ってきます。
7-2. 安心性(セキュリティ面)
さまざまなデータをクラウド環境上で管理するからこそ、システムレベルと運用レベルでのセキュリティ対策に力を入れている会社を選ぶべきです。
たとえば、以下のようなセキュリティ対策に、どれだけ力を入れているのか調べてみてください。
・個人情報の取り扱い
・オプションで追加できるセキュリティ対策の範囲
・導入しているセキュリティの基準の高さ
セキュリティ面に関しては、サービス提供会社によって提供しているセキュリティの基準が違います。
どこまで高水準のセキュリティ対策が施されているのか、しっかりと調べてみましょう。
特にクレジットカード決済を導入しようと考えている場合は、しっかりと情報漏えい対策に力を入れているクラウドECを選ぶべきです。
7-3. 最新性(アップデート頻度)
機能面やセキュリティ面を自動で更新してくれるクラウドECだからこそ、どのくらいの頻度でアップデートを行っているのかも比較基準になります。
たとえば、以下のような要素について調べてみるのがおすすめです。
・セキュリティ面のアップデート頻度
ビジネスの流れは日々変化しています。だからこそ、頻繁に機能アップデートをしてくれるクラウドECを選ぶのが得策です。
極端な話ですが、月1回しかアップデートしないクラウドECと、毎週1回アップデートするクラウドECでは、後者の方が常に最新性を保てます。
より頻繁にアップデートを行ってくれるクラウドECを探すことで、最新の顧客ニーズと業界ニーズをECサイトの機能に反映できるでしょう。
8. クラウドECを選ぶなら構築実績No.1の「ebisumart」にお任せ
よりEC事業に力を入れて事業拡大してくためにクラウドEC導入を検討している方は、ebisumartにお任せください。
ECサイトの新規構築からリニューアルなど、さまざまな業界のECサイト構築でebisumartが選ばれてきた理由は主に以下の4つです。
◆ebisumartが選ばれてきた理由4つ
・多数の高水準セキュリティ対策で不正アクセス対策ができる
・外部提携サービスや基幹システムとの連携を活用できる
・累計750サイト以上の導入実績で幅広い業界の知識・経験がある
「ECで、すべての人を豊かに」を目的にサービス提供しているebisumartの特徴を、具体的にご紹介していきます。
8-1. 標準機能だけではなくオプション機能も豊富にある
ebisumartでは、ECサイト運営に欠かせないさまざまな機能を標準機能として実装しています。
また、新たに開発を行わずに追加できるオプション機能も豊富です。
参考として、オプション機能の一部をご紹介します。
・ダウンロード販売
・BtoBオプション
・ギフト販売(複数配送先)
・拡張版セールスキャンペーン
・越境EC対応
・SKU検索
・別生産ページ
・画像軽量化オプション(Webp対応あり)
・ノベルティ機能
・ステップメール(自動配信メールのシナリオ作成)
参考:ebisumartの機能の一部より
上記のオプション機能はあくまで一部ですが、新たに独自開発しなくても追加料金で利用できるオプション機能を豊富にご用意しています。
実際にebisumartでは、過去1年間で32機能の拡張オプションと提携サービスを追加してきました。
さまざまな業界に特化した販売方法にも、対応可能です。
もちろん、標準機能とオプション機能に含まれていない機能が必要な場合は、独自の機能開発のご相談も承れますのでご安心ください。
8-2. ISMS取得で常に高水準なセキュリティ対策を確保している
ebisumartを運営している株式会社インターファクトリーは、2015年にISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得し、会社としてもサイバー攻撃などによる情報漏えい等を防ぐために全力を注いでいます。
ebisumartのセキュリティ面でも、企業と利用者の両者が安心できるように、高水準のセキュリティ対策を確保しているのです。
たとえば、追加オプションで以下のセキュリティ対策を実装できます。
・WAF(アプリケーションへの攻撃を遮断)
・会員パスワード暗号化
・2段階ログイン
・自動ログイン停止
・ダウンロード時のパスワード入力
・カード情報非保持化パスワード入力
・PCIDSS(クレジットカード情報取り扱いの国際セキュリティ基準)
参考:ebisumartサポートサイト「セキュリティ対策機能について」
いつどんな時に、不正アクセスやサイバー攻撃を受けるのか予測は不可能なのが現実です。
万が一、お客様の個人情報が漏えいしてしまえば、企業としての信頼度を失ってしまうでしょう。
高水準のセキュリティ対策を提供できるebisumartを導入することで、セキュリティ対策の不備が原因による大損失を回避できる可能性を高められます。
実際に、過去1年間でebisumartがアップデートした機能は、合計107個にのぼります。
EC事業を取り巻くルールやトレンドは、目まぐるしく変わり続けているからこそ、常に最新のECサイト環境を利用していただくために迅速反映を心掛けているのです。
8-3. 外部提携サービスや基幹システムとの連携を活用できる
ebisumartでは、標準装備されているECサイト機能だけではなく、外部の提携サービスや基幹システムとの連携が可能です。
その結果、EC事業全体の業務効率改善につながり、顧客満足度向上も期待できるでしょう。
実際に、当社で連携しているサービスには、以下のようなものがあります。
・レコメンド
・動画配信
・接客ツール
・ログイン連携
・サイト内検索やサジェスト
・アプリやスマホ対応、表示最適化
・アクセス解析や行動分析
・フォーム入力最適化(EFO)
・在庫管理や商品管理
・店舗連携
・セキュリティ
・メール配信 / リターゲティング
・カスタムオーダー
・アフターサービス
・デジタルギフト
・SNS運用
・広告運用
・越境ECや多言語対応
・UGC運用
・サイズフィッティング
出典:ebisumart「提携サービス一覧」
※サービスそれぞれの具体的な解説については、出典元のページをご確認ください
これらの機能を、独自に開発しようとすると膨大な開発費用が必要になってしまいます。
外部提携サービスと連携できれば、開発コストを抑えながら欲しかった機能を利用できるようになるでしょう。
また、上記の提携サービス以外にも、社内の基幹システムやPOSシステム、決済システムなどとも連携しています。
実務でも毎日使っているシステムとECサイトを連携できれば、業務全体の効率アップも期待できるでしょう。
提携サービスを利用するべきかどうかについても、当社でしっかりと提案させていただくのでご安心ください。
8-4. 累計750サイト以上の導入実績で幅広い業界の知識・経験がある
私たちebisumartは、2024年段階で累計750サイト以上のECサイト構築をサポートしてきました。
構築実績のある業界は、以下のようにさまざまです。
◆構築実績のある業界
・インテリア/雑貨/書籍
・食品/飲料
・美容/健康/医療
・エンターテイメント
・アウトドア/スポーツ
・花き
・百貨店/スーパーマーケット/ホームセンター
・金融機関/官公庁
・旅行/研修予約サービス
・法人向け
参考:ebisumart「導入事例」より一部抜粋
業界ごとに違うニーズや求められる機能についても、実際にECサイト構築してきた経験と知識を生かすことができます。
導入事例をみると分かるように、業界や企業によってECサイトに求める機能や立ち位置は変わります。
より事業規模が大きくなるほど、デザインだけでなく機能・システム面にも独自性が必要になってくるのです。
さまざまな業界で構築実績のあるebisumartにお任せいただければ、お客様満足度を高めながら業務効率を上げ、なおかつ売上を伸ばしていけるECサイトの構築をサポートいたします。
ebisumartについて、より詳しく知りたい方は無料の資料請求をご利用ください。
9. まとめ
この記事では、クラウドECの仕組みと他のサービスとの違い、そしてクラウドEC導入を検討し始めた方が理解しておくべきポイントを紹介してきました。
簡単に結論をお伝えすると、クラウドECは従来のECサイト構築サービスのメリットを兼ね備えたサービスです。
◆クラウドECのメリット
・希望に合わせてサイトデザインを作り込める
・自社でインフラを整備する必要がない
・機能の改善や追加を自動で行ってくれる
・セキュリティが自動更新される
ECサイトを運営していく上で、機能やデザインの拡張性・セキュリティの安心性・システムの最新性などは必要不可欠です。
もちろん、自社エンジニアで対応できるのであれば問題ありません。
しかし、そこまで人員を割けない場合や専門知識のある人材がいない場合は、クラウドECがそのお悩みを解決できるでしょう。
まずは、クラウドECの特徴を理解した上で、自社に導入するべきなのか適切に判断していきましょう。