「ECサイトを運営したいけど、毎月のランニングコストが気に掛かる」
「実際にECサイトを開設する場合、いくらくらいのランニングコストを見込んでおけばいいの?」
新規導入時に一度きりの初期費用とは異なり、ECサイト運営を継続する限りずっと出ていくお金であるだけに、ECサイトの開設を検討しているなら、非常に気になる点ですよね。
しかし、ECサイト運営で発生するランニングコストは、まさにケースバイケース。一律の目安は存在しません。
なぜなら、ECサイト運営に関わる費用は、各種条件によりいかようにも変わってくるからです。
ECサイトのプラットフォームを維持するためのコストは、どのサービスを利用し、どの機能を追加し、何を外注するかといった条件により大きく変わってきます。
変動費である運用費は、利用する決済代行サービス、取扱商品の大きさや重さ、利用配送会社などによっても差が出る上、そもそも月ごとの売上に応じて変化する部分のため、なおのこと千差万別です。
そこで本記事では、「自社のケースはいくらくらいかかるのか?」をイメージしていただけるよう、複数の条件でシミュレーションしたランニングコスト目安をお伝えします。
前提として、年商1億円前後までの小〜中規模EC事業者を想定しており、これからECサイトを開設しようとお考えの方、EC事業を始めたばかりという方には特にお役立ていただける内容となっています。
ECサイトの構築方法、年商、平均顧客単価といった変数を組み合わせて算出した金額を多数ご紹介していますので、貴社のケースに近い条件でのシミュレーション結果がきっと見つかるはずです。
本記事をお読みになり、ECサイト運営の不安要素の一つであるランニングコストに関わる不安をぜひ解消してください。
1. ECサイトのランニングコストの内訳一覧表
ECサイトを運営していく中で、継続的に発生するランニングコストは見逃せません。
まずは下表でランニングコストの内訳を見てみましょう。それぞれ、
・水色のセル=維持・管理にかかるコスト
・赤色のセル=運用コスト
となっています。
◆ECサイトのランニングコストの金額目安(月額)
種類 | ASP | オープンソース | パッケージ | フルスクラッチ | ECモール |
システム利用料 | 無料〜10万円 | — | 数万〜数十万円 | — | — |
月額出店料 | — | — | — | — | 無料〜10万円 |
サーバ利用料* | — | 数百〜5万円 | 数百〜5万円 | 数百〜5万円 | — |
ドメイン代 | 無料〜数百円 | 数百円 | 数百円 | 数百円 | 無料 |
SSLサーバ証明書 | 無料〜1万円 | 数百〜2万円 | 数百〜2万円 | 数百〜2万円 | 無料 |
CDN料金 (アクセス集中時の安定通信確保コスト) |
基本的に無料 | 数千〜10万円 | 数千〜10万円 | 数千〜10万円 | — |
保守費用 | — | 構築費用の10〜15%(**オンプレミスの場合) | 構築費用の10〜15%(**オンプレミスの場合) | 構築費用の10〜15%(**オンプレミスの場合) | — |
決済代行サービス利用料金 | 決済手数料(売上の3〜10%) | 固定費(無料〜6千円) + 決済手数料(売上の3〜10%) |
固定費(無料〜6千円) + 決済手数料(売上の3〜10%) |
固定費(無料〜6千円) + 決済手数料(売上の3〜10%) |
決済手数料(売上の2.5〜10%) |
ロイヤリティ(販売手数料) | — | — | — | — | 無料または商品価格の2〜15%程度 |
フルフィルメント費用 (受注〜発送にかかる費用) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
Web集客費用 | 数万〜数十万円 | 数万〜数十万円 | 数万〜数十万円 | 数万〜数十万円 | 数万〜数十万円 |
コールセンター費用 | 数百円/件 | 数百円/件 | 数百円/件 | 数百円/件 | 数百円/件 |
ポイントやキャンペーンの元手の負担 | — | — | — | — | 売上の1% |
*クラウドサーバまたは物理サーバ
**オンプレミス:システムやサーバを自社で設置・管理するスタイルのこと
ECサイトのランニングコストは、以下の2種類に大きく分類されます。
・インターネット上のお店を構えるための維持管理費
・構えたお店を運営していくための運用費
それぞれの内訳を見ていきましょう。
1-1. ECサイトの維持・管理にかかるランニングコスト
ECサイトの維持・管理にかかるランニングコスト(維持管理費)には、下表に挙げるようなものがあります。
◆維持管理費一覧
種類 | ASP | オープンソース | パッケージ | フルスクラッチ | ECモール |
システム利用料 | 無料〜10万円 | — | 数万〜数十万円 | — | — |
月額出店料 | — | — | — | — | 無料〜10万円 |
サーバ利用料* | — | 数百〜5万円 | 数百〜5万円 | 数百〜5万円 | — |
ドメイン代 | 無料〜数百円 | 数百円 | 数百円 | 数百円 | 無料 |
SSLサーバ証明書 | 無料〜1万円 | 数百〜2万円 | 数百〜2万円 | 数百〜2万円 | 無料 |
CDN料金 (アクセス集中時の安定通信確保コスト) |
基本的に無料 | 数千〜10万円 | 数千〜10万円 | 数千〜10万円 | — |
保守費用 | — | 構築費用の10〜15%(**オンプレミスの場合) | 構築費用の10〜15%(**オンプレミスの場合) | 構築費用の10〜15%(**オンプレミスの場合) | — |
*クラウドサーバまたは物理サーバ
**オンプレミス:システムやサーバを自社で設置・管理するスタイルのこと
なお、オープンソース/パッケージ/フルスクラッチの場合、レンタルサーバならサーバのレンタル料が、オンプレミスなら保守費用が発生し、両方同時には発生しません。
それぞれの項目の詳細は、以下の通りです。
項目 | 概要 | 必要となるケース |
システム利用料 | ECサイトの基盤となるシステムを利用させてもらうために支払う料金 | ECサイトをASPまたはパッケージ方式で構築する場合 |
月額出店料 | ECモールに出店するために支払うテナント料 | ECモール(楽天市場、Amazonなど)に出店する場合 |
サーバ利用料 | サーバのレンタル料金 | サーバをレンタルする場合 |
ドメイン代 | ホームページのアドレスの後半部分(◯◯.com、◯◯.jpなど)の利用料金 | ECモール出店時以外 |
SSLサーバ証明書 | データ通信を暗号化する技術の利用料金 | ECモール出店時以外 |
CDN料金 (アクセス集中時の安定通信確保コスト) |
アクセス集中時でも安定通信を可能にするネットワークの利用料金 | ECサイトをオープンソース、パッケージ、フルスクラッチのいずれかの方式で構築する場合 |
保守費用 | システムやサーバを自社で保有する場合のメンテナンス費用 | システムやサーバを自社で保有する場合 |
1-2. ECサイトの運用にかかるランニングコスト
ECサイトの運用にかかるランニングコスト(運用費)には、下表に挙げるようなものがあります。
◆運用費一覧
種類 | ASP | オープンソース | パッケージ | フルスクラッチ | ECモール |
決済代行サービス利用料金 | 決済手数料(売上の3〜10%) | 固定費(無料〜6千円) + 決済手数料(売上の3〜10%) |
固定費(無料〜6千円) + 決済手数料(売上の3〜10%) |
固定費(無料〜6千円) + 決済手数料(売上の3〜10%) |
決済手数料(売上の2.5〜10%) |
ロイヤリティ(販売手数料) | — | — | — | — | 無料または商品価格の2〜15%程度 |
フルフィルメント費用 (受注〜発送にかかる費用) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
固定費(数十万円) + 変動費(数百〜2千円/件) |
Web集客費用 | 数万〜数十万円 | 数万〜数十万円 | 数万〜数十万円 | 数万〜数十万円 | 数万〜数十万円 |
コールセンター費用 | 数百円/件 | 数百円/件 | 数百円/件 | 数百円/件 | 数百円/件 |
ポイントやキャンペーンの元手の負担 | — | — | — | — | 売上の1% |
それぞれの項目の詳細は、以下の通りです。
項目 | 概要 | 必要となるケース |
決済代行サービス利用料金 | オンライン決済(クレジットカード決済、コンビニ決済など)の利用料金 | 全ケース |
ロイヤリティ (販売手数料) |
売上金額に応じてかかる販売手数料 | ECモールに出店する場合 |
フルフィルメント費用 (受注〜発送にかかる費用) |
受注〜発送にかかる各種費用(倉庫保管料、検品料、梱包資材費用、配送料など) | 全ケース |
Web集客費用 | 集客施策(広告出稿、SEO対策、SNS運用など)にかかるコスト | 全ケース |
コールセンター費用 | コールセンター業務の委託料 | コールセンター専門業者に業務委託する場合 |
ポイントやキャンペーンの元手負担 | ポイント制度やキャンペーンの元手としてECモール出店者に求められる出資金 | ECモールに出店する場合 |
◆ECサイトの運用代行業者に委託する場合のコストは数十〜数百万円/月
ECサイトの運用全般を専門業者に代行してもらう場合、維持管理費や運用費とは別に、委託費用として月額数十〜数百万円がかかります。
社員が行えば(少なくとも表面上は)コストがかからないことを考えると、それだけの費用を投じて運用を丸ごと外注するというのは勇気の要る決断かもしれません。
しかし、ECサイト運営業務の内製化にこだわり過ぎると、かえってコストがかかってしまう場合も多々あります。社員の負担が増して生産効率が落ちることも考えられるでしょう。
ECサイト運営に労力を割き過ぎていると感じるなら、アウトソーシングで効率化できるところは効率化してコストの最適化を図るために、運用代行も選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
2. 【計算例付き】ECサイトのランニングコストをシミュレーションしてみよう
ランニングコストは、ECサイトの構築方式によって大きく変わってきます。なぜなら、ECサイトの運用に必要となる費用種類やその金額は、構築方式ごとに異なるからです。
たとえば、下表の条件とした場合のランニングコストを、構築方式別にシミュレーションして比べてみましょう。
シミュレーション条件 | |
年商 | 1億円 |
平均顧客単価(1回の購入当たり支払額) | 7千円 |
決済代行サービス利用料金 | 月額固定費6千円+決済手数料 3.4% (※ASPとECモールは固定費なし) |
フルフィルメント費用 (受注〜発送にかかる費用) |
荷物1個当たり500円 |
Web集客費用 | 50万円/月 |
コールセンター費用 | 今回シミュレーションにおいては委託しない想定 |
上記の条件を当てはめたシミュレーション結果は、ざっくりと以下のようになります。
ECサイトの構築方式 | 維持管理費 | 運用費 | 毎月のランニングコスト |
ASP | 約3万円 | 約138万円 | 約141万円 |
オープンソース | 約6.5万円 | 約138万円 | 約145万円 |
パッケージ | 約13.5万円 | 約138万円 | 約152万円 |
ECモール | 約6.5万円 | 約188万円 | 約194万円 |
※上記の試算結果はあくまでシミュレーションです。各種料金には一例としての金額を採用して計算しています。実際のランニングコストは、利用サービスや取扱商品ジャンル、追加オプション有無、取扱商品の大きさや重さ、配送先までの距離などにより変わるため、自社のケースに当てはめて、各項目を変更してください
※フルスクラッチ方式を選択する目安は年商50億円と言われており、年商1億円設定の本シミュレーションで実際に近い金額を算出するのは困難なため、ここでは取り上げていません
同一条件下での構築方式別ランニングコストは上記のとおりですが、この結果だけを見てもよく分からないという方も多いと思います。
そこで以下では、よりリアルにイメージできるよう、年商と平均顧客単価のさまざまな組み合わせパターンで、ランニングコストを各構築方式別にシミュレーションします。
なお、今回シミュレーションの条件とする年商と平均顧客単価の組み合わせは、下記の9通りとします。
◆年商と顧客単価の組み合わせ表
年商 | 平均顧客単価 | 必要販売個数(月間) |
1億円 | 1万円 | 833個 |
5千円 | 1,667個 | |
2千円 | 4,167個 | |
3千万円 | 1万円 | 250個 |
5千円 | 500個 | |
2千円 | 1,250個 | |
1千万円 | 1万円 | 83個 |
5千円 | 167個 | |
2千円 | 417個 |
シミュレーション結果の見方は、下記の通りです。
【2】次に、想定される顧客単価(1人の顧客の買い物1回当たりの購入額)に近い平均顧客単価を選びます。
【3】最後に、上記1と2の組み合わせパターンの場合の月間ランニングコスト試算結果を参照します。
◆年商1億円、平均顧客単価5千円の場合の例
次項から、各構築方式のシミュレーション結果をご紹介していきます。
2-2. オープンソースで構築する場合のECサイトのランニングコスト
2-3. パッケージで構築する場合のECサイトのランニングコスト
2-4. ECモールで構築する場合のECサイトのランニングコスト
※以下でご紹介する試算結果はあくまでシミュレーションです。各種料金には一例としての金額を採用して計算しています。実際のランニングコストは、利用サービスや取扱商品ジャンル、追加オプション有無、取扱商品の大きさや重さ、配送先までの距離などにより変わるため、自社のケースに当てはめて、各項目を変更してください
2-1. ASPで構築する場合のECサイトのランニングコスト
ECサイトをASPで構築する場合、関係してくる主な項目を盛り込んだ計算式は次のようになります。
今回は下記の条件で考えてみましょう。
シミュレーション条件 | |
システム利用料 | 3万円 |
ドメイン代 | 100円 |
SSLサーバ証明書 | 無料 |
決済代行サービス利用料金 | 3.4% |
フルフィルメント費用 | 荷物1個当たり500円 |
Web集客費用 | 50万円/月 |
ASP方式で構築されたECサイトを運営する場合のランニングコストを、「年商×顧客単価」という変数ごとに確認していきましょう。
◆年商と顧客単価の組み合わせ表
年商 | 平均顧客単価 | 販売個数(月間) | 月間ランニングコスト |
1億円 | 1万円 | 833個 | 約123.0万円 |
5千円 | 1,667個 | 約164.7万円 | |
2千円 | 4,167個 | 約289.7万円 | |
3千万円 | 1万円 | 250個 | 約74.0万円 |
5千円 | 500個 | 約86.5万円 | |
2千円 | 1,250個 | 約124.0万円 | |
1千万円 | 1万円 | 83個 | 約60.0万円 |
5千円 | 167個 | 約64.2万円 | |
2千円 | 417個 | 約76.7万円 |
※上記試算結果はあくまでシミュレーションです。各種料金には一例としての金額を採用して計算しています。実際のランニングコストは、利用サービスや取扱商品ジャンル、追加オプション有無、取扱商品の大きさや重さ、配送先までの距離などにより変わるため、自社のケースに当てはめて、各項目を変更してください
2-2. オープンソースで構築する場合のECサイトのランニングコスト
ECサイトをオープンソースで構築する場合、関係してくる主な項目を盛り込んだ計算式は次のようになります。
※上記計算式では、サーバをレンタルするケースを想定しています。サーバをオンプレミスで運用する場合は、サーバ利用料はかからない代わりに保守費用が発生します
今回は下記の条件で考えてみましょう。
シミュレーション条件 | |
サーバ利用料 | 3万円 |
ドメイン代 | 100円 |
SSLサーバ証明書 | 5千円 |
CDN料金 | 3万円 |
決済代行サービス利用料金 | 月額固定費6千円+3.4% |
フルフィルメント費用 | 荷物1個当たり500円 |
Web集客費用 | 50万円/月 |
オープンソースで構築されたECサイトを運営する場合のランニングコストを、「年商×顧客単価」という変数ごとに確認していきましょう。
◆年商と顧客単価の組み合わせ表
年商 | 平均顧客単価 | 販売個数(月間) | 月間ランニングコスト |
1億円 | 1万円 | 833個 | 約127.1万円 |
5千円 | 1,667個 | 約168.8万円 | |
2千円 | 4,167個 | 約293.8万円 | |
3千万円 | 1万円 | 250個 | 約78.1万円 |
5千円 | 500個 | 約90.6万円 | |
2千円 | 1,250個 | 約128.1万円 | |
1千万円 | 1万円 | 83個 | 約64.1万円 |
5千円 | 167個 | 約68.3万円 | |
2千円 | 417個 | 約80.8万円 |
※上記試算結果はあくまでシミュレーションです。各種料金には一例としての金額を採用して計算しています。実際のランニングコストは、利用サービスや取扱商品ジャンル、追加オプション有無、取扱商品の大きさや重さ、配送先までの距離などにより変わるため、自社のケースに当てはめて、各項目を変更してください
2-3. パッケージで構築する場合のECサイトのランニングコスト
ECサイトをパッケージで構築する場合、関係してくる主な項目を盛り込んだ計算式は次のようになります。
※上記計算式では、サーバをオンプレミスで運用するケースを想定しています。サーバをレンタルする場合は、保守費用はかからない代わりにサーバ利用料が発生します
今回は下記の条件で考えてみましょう。
シミュレーション条件 | |
システム利用料 | 5万円 |
ドメイン代 | 100円 |
SSLサーバ証明書 | 5千円 |
CDN料金 | 3万円 |
保守費用 | 5万円 |
決済代行サービス利用料金 | 月額固定費6千円+3.4% |
フルフィルメント費用 | 荷物1個当たり500円 |
Web集客費用 | 50万円/月 |
パッケージで構築されたECサイトを運営する場合のランニングコストを、「年商×顧客単価」という変数ごとに確認していきましょう。
◆年商と顧客単価の組み合わせ表
年商 | 平均顧客単価 | 販売個数(月間) | 月間ランニングコスト |
1億円 | 1万円 | 833個 | 約134.1万円 |
5千円 | 1,667個 | 約175.8万円 | |
2千円 | 4,167個 | 約300.8万円 | |
3千万円 | 1万円 | 250個 | 約85.1万円 |
5千円 | 500個 | 約97.6万円 | |
2千円 | 1,250個 | 約135.1万円 | |
1千万円 | 1万円 | 83個 | 約71.1万円 |
5千円 | 167個 | 約75.3万円 | |
2千円 | 417個 | 約87.8万円 |
※上記試算結果はあくまでシミュレーションです。各種料金には一例としての金額を採用して計算しています。実際のランニングコストは、利用サービスや取扱商品ジャンル、追加オプション有無、取扱商品の大きさや重さ、配送先までの距離などにより変わるため、自社のケースに当てはめて、各項目を変更してください
2-4. ECモールで構築する場合のECサイトのランニングコスト
ECモール(ショッピングモール型ECサイト)に出店する形でECサイトを開設する場合、関係してくる主な項目を盛り込んだ計算式は次のようになります。
今回は下記の条件で考えてみましょう。
シミュレーション条件 | |
月額出店料 | 6.5万円 |
決済代行サービス利用料金 | 3.4% |
ロイヤリティ | 5.0% |
フルフィルメント費用 | 荷物1個当たり500円 |
Web集客費用 | 50万円/月 |
ポイントやキャンペーンの元手負担 | 1.0% |
ECモールに出店する形で開設されたECサイトを運営する場合のランニングコストを、「年商×顧客単価」という変数ごとに確認していきましょう。
◆年商と顧客単価の組み合わせ表
年商 | 平均顧客単価 | 販売個数(月間) | 月間ランニングコスト |
1億円 | 1万円 | 833個 | 約176.5万円 |
5千円 | 1,667個 | 約218.2万円 | |
2千円 | 4,167個 | 約343.2万円 | |
3千万円 | 1万円 | 250個 | 約92.5万円 |
5千円 | 500個 | 約105.0万円 | |
2千円 | 1,250個 | 約142.5万円 | |
1千万円 | 1万円 | 83個 | 約68.5万円 |
5千円 | 167個 | 約72.7万円 | |
2千円 | 417個 | 約85.2万円 |
※上記試算結果はあくまでシミュレーションです。各種料金には一例としての金額を採用して計算しています。実際のランニングコストは、利用サービスや取扱商品ジャンル、追加オプション有無、取扱商品の大きさや重さ、配送先までの距離などにより変わるため、自社のケースに当てはめて、各項目を変更してください
3. ECサイトはランニングコストだけでなく成長を見据えたプラットフォーム選びが重要
実際にECサイト開設を検討する際は、ランニングコストだけでなく、将来的な事業拡大も見据えることが重要です。
というのも、ランニングコストは確かにボディブローのようにジワジワと効いてくる負担ですが、それをはるかに上回る大きな負担を強いられるのが、事業拡大に伴うシステムのリプレースだからです。
初期費用だけでなくランニングコストに目配りした堅実な運用を行い、せっかく支出をセーブできていたとしても、リプレース費用で一気に吹き飛んでしまいます。
そんな大出費を防ぐ方策として有効なのは、大がかりなリプレースの回数を最小限に抑えられるようなECプラットフォームをはじめから導入しておくことです。
ニーズの高まりや法改正などによりECサイトの改修が必要となったときに、システムを乗り換えざるを得なくなるのは、カスタマイズや機能拡張ができないという事情があるからです。
もしも画面仕様の変更や機能追加が可能なプラットフォームなら、システムを乗り換えなくても十分対応できるため、リプレースを回避できます。
事業計画書を作成し、会員数の増加や外部システム連携の予定、事業拡大の見込みなど、EC事業の未来を見越した上で、ECプラットフォームを選定することが大切です。
4. 将来を見据えたECサイト開設にEBISUMART Liteでのスモールスタートがおすすめ
前章で言及したような将来的な改修までしっかりと考慮してECプラットフォームを選ぶなら、EBISUMART Liteがおすすめです。
おすすめ理由は次の4つの機能性です。
・カスタマイズ性
・拡張性
・最新性
・移行性
EBISUMART Liteは、ASPの最新性(常に最新の状態が維持される)と、パッケージ方式の柔軟なカスタマイズ性や拡張性という、両者のいいとこ取りをしているサービスです。
スモールスタートが可能でありながら、EC事業の成長とともに進化するプラットフォームの4つの機能性について、以下で解説します。
4-1. おすすめの理由1「カスタマイズ性」
EBISUMART Liteなら、ECサイトのデザインを自由にカスタマイズできます。
具体的には、以下に挙げるような自由度の高さを備えています。
・販売用テンプレートのセルフカスタマイズで独自性を出せる
たとえば、ASPはカスタマイズできないことがほとんどであり、パッケージは自由にデザイン変更可能ではあってもプログラミングの知識が必要です。
しかし、「ASPとパッケージのいいとこ取り」をしていると言えるEBISUMART Liteなら、特に無料のツールにありがちなデザイン機能制限がなく、しかも専門知識不要で容易にカスタマイズが可能です。
店舗の世界観を妥協することなく、ECサイトに落とし込めます。
4-2. おすすめの理由2「拡張性」
EBISUMART Liteなら、事業の成長に合わせてECサイトも成長させられます。
具体的には、下記のような対応が可能です。
・提携サービスを好きなタイミングで追加して、事業規模拡大による煩雑さを解消できる
メルマガ配信機能、まとめ買い割引機能、会員ランク機能など多彩な機能を標準搭載しているほか、各種オプション機能も追加できます。
さらに、チャットボットツールやサイト内検索ツールなど、連携できる提携サービスも豊富です。
たとえば、機能追加やサービス連携のできないASPは、より多くの機能を使いたいとなれば、システム入れ替えを検討せざるを得ません。
一方、必要に応じて機能を追加したりサービス連携したりできるEBISUMART Liteなら、リプレース不要で機能強化できます。
4-3. おすすめの理由3「最新性」
EBISUMART Liteなら、常に最新性を保てます。
・最新性が保たれるので、陳腐化しない(=時代遅れにならない)
たとえば、リリース時の状態のまま使い続けることになるパッケージの場合、どれだけカスタマイズを積み重ねても陳腐化は避けられず、数年に一度はシステムのリプレースが必要となります。
一方、継続的にアップデートされるEBISUMART Liteなら、時流に遅れたプラットフォームの使いづらさを我慢する必要はなく、リプレースの頻度も最低限に抑えられます。
4-4. おすすめの理由4「移行性」
EBISUMART Liteなら、上位サービスへの移行がスムーズです。
前述のようなカスタマイズ性や拡張性により、リプレースの時期を大幅に先送りできるEBISUMART Liteですが、EC事業が順調に成長する限り、いずれは乗り換えの必要性が出てくることも事実です。
なぜなら、事業規模の拡大に伴い、小規模ECサイト向きのプラットフォームではどうしても対応しきれなくなるからです。
しかし、より規模の大きいシステムへの乗り換えがいよいよ必要となった場合にも、EBISUMART Liteなら、大手企業も導入している上位サービス「EBISUMART」へとスムーズに移行可能です。
・導入企業側で行う作業はほとんどなし
・EBISUMART Liteと同一UIだから操作方法の覚え直し不要
・EBISUMART Liteで使っていた機能はそのまま利用可能
多大なコストと労力がかかるシステムのリプレースを最大限先送りでき、リプレースすることになっても最小限のコストと労力で対応できるのは、EBISUMART Liteの大きな強みです。
これからECサイトを開設したい方向けのお役立ち資料は、以下リンクより無料ダウンロードいただけます。ぜひお役立てください。
5. まとめ
▼ECサイトの維持管理費には、以下のようなものが挙げられる
・月額出店料
・サーバ利用料
・ドメイン代
・SSLサーバ証明書
・CDN料金(アクセス集中時の安定通信確保コスト)
・保守費用
▼ECサイトの運用費には、以下のようなものが挙げられる
・ロイヤリティ(販売手数料)
・フルフィルメント費用(受注〜発送にかかる費用)
・Web集客費用
・コールセンター費用
・ポイントやキャンペーンの元手負担
▼ランニングコストはECサイトの構築方式により変わり、たとえば「月商1億円、平均顧客単価7千円」の条件でランニングコストをシミュレーションした場合、構築方式ごとのシミュレーション結果は下表のとおり
ECサイトの構築方式 | 維持管理費 | 運用費 | 毎月のランニングコスト |
ASP | 約3万円 | 約138万円 | 約141万円 |
オープンソース | 約6.5万円 | 約138万円 | 約145万円 |
パッケージ | 約13.5万円 | 約138万円 | 約152万円 |
ECモール | 約6.5万円 | 約188万円 | 約194万円 |
▼ECサイトのプラットフォーム(基盤となるシステム)を選定する際は、将来の事業拡大を見据え、負担の大きいリプレースの回数を最小限に抑えることにつながる次の4つの機能性に着目する
・拡張性
・最新性
・移行性
本記事が、ECサイト開設を前向きに検討してはいても、ランニングコストに関する不安を拭えずにいた皆さまの悩み解消につながりましたら幸いです。