ネットショップより手軽な「ホームページ型ネットショップ」の始め方


最近は、コーディングなどの専門的な知識や技術がなくてもネットショップを始められるようになりました。

とはいえ、いざネットショップを始めようと思っても、

「決済システムが多すぎて対応できない」
「ショップページの管理に手間がかかる」

といった、さまざまな懸念点が浮き彫りになることもあると思います。

ホームページ型ネットショップは、一般的なネットショップよりも難易度が低く取り入れやすいため、初心者におすすめの形態です。本日は、ネットショップの基本知識を押さえたうえで、ホームページ型ネットショップの始め方や、覚えておきたいことなどについて解説します。

関連記事:ネットショップ開業の基礎知識!失敗しないコツも徹底解説

目次

① ネットショップの基礎知識
② ネットショップとホームページ型ネットショップはどう違う?
③ ホームページ型ネットショップの選び方
④ ホームページ型ネットショップの代表的な6つのサービス
⑤ ネットショップを始めるために覚えておきたい3つのこと

ネットショップの基礎知識

ネットショップは、低予算で、いつでもどこでも購入できるショップを手軽に開業できることが大きなメリットです。ネットショップの魅力や特長として、主に次のようなものが挙げられます。

・場所を問わず、全国各地ならびに海外でショップを展開できる
・時間に捉われることなく、ネット環境があれば基本的に24時間営業ができる
・店舗の賃料や光熱費などの固定費がかからず、予算を抑えて運営できる
・開業するのが実店舗よりも容易であり、短期間かつ低予算で始められる
・個人での運営も可能

ネットショップの基礎については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:ネットショップ開業の基礎知識!失敗しないコツも徹底解説

ネットショップとホームページ型ネットショップはどう違う?

それでは、ネットショップと、ホームページ型ネットショップはどのように違うのでしょうか。ここでは、両者について解説していきます。

① 一般的なネットショップ

一般的なネットショップとは、ネットショップの構築および運営に特化しているサービスです。STORES、BASE、Makeshop、カラーミーショップなどが該当します。

② ホームページ型ネットショップ

ホームページ型ネットショップとは、通常のホームページ作成機能がメインであり、ネットショップの機能が補助的な位置付けとなっているものを指します。ペライチ、Jimdo、Wix、Ameba Ownd、WordPressなどがこのタイプに該当します。

ホームページ型ネットショップを作成する際は、ホームページ制作会社やネットショップ制作会社に依頼する場合もあるでしょう。両者とも商品の登録および決済などといったショップの運営をする上で必要な機能を備えられますが、それぞれに得意不得意があるので、確認しておきたいところです。具体的には、一般的にホームページ制作会社は「実店舗への集客」を、ネットショップ制作会社であれば「ネット通販で売れるページづくり」を得意としています。

また、ネットショップに関しては、特定のショッピングモールに絞っている制作会社や、「Shopify」のみ対応しているなど、あらゆる種類の業者が存在しています。どのようなネットショップを目指していきたいかによって、依頼する業者を選定するとよいでしょう。

ホームページ型ネットショップの選び方

ネットショップを選ぶ場合に必ず確認しておきたいポイントを、以下にまとめました。

① 使用料金

まずは、予算に合ったサービスを選ぶことが大切です。傾向として、「ASPサービス」「オープンソース」は安価である場合が多く、「ショッピングモール」は手数料などの費用がかかるため、確認が必要です。

② デザイン

自身でネットショップを制作する場合、デザインも自分で手掛けることになります。デザインによって競合他社との差別化を図りやすいため、デザインの自由度や、テンプレートの豊富さなどは、ぜひ確認しておきましょう。

③ 使い勝手

機能やデザインの豊富さももちろん重要なポイントですが、実際に利用する際の使用感も見極めたいところです。実際の操作をイメージしながら、使い勝手のよさにも注目しておきましょう。また、トラブルが起きた場合のサポート体制や、セキュリティ対策についても必ず確認しておきたいポイントです。

④ 自由度(カスタマイズ性)

ネットショップの機能やデザインなどによりこだわりたい場合は、サービスの拡張性も確認しておきたいポイントです。「フルスクラッチ」はもちろん、「パッケージ」「オープンソース」「クラウドEC」も高い拡張性を備えています。

関連記事:ネットショップ構築サービス12選!選び方と特長を徹底比較

ホームページ型ネットショップの代表的な6つのサービス

ここでは、ホームページ型ネットショップのサービスの種類を解説していきます。

① ペライチ

ペライチは、オンライン決済や予約にも対応しており、専門知識やプログラミングのスキルがなくても低価格で高品質なホームページが簡単に作成できるサービスです。豊富なテンプレートからデザインを選べるため、より自社らしいページを作成できるでしょう。

フォーム、決済、予約、メルマガといったビジネスに必要な機能を備えており、オンライン決済の手数料の低さも特徴です。

参考:ペライチ

② ジンドゥー

ジンドゥーは、利用者を200万人以上有するホームページ作成サービス。専門的な知識やスキルを持っていなくても、デザイン性に優れたホームページを作成できます。

「ジンドゥーAIビルダー」を使えば、ナビに従って操作していくだけで、AIによるホームページ作成が可能ドイツで誕生し、世界中で利用されているサービスで、日本語でのサポートも整っていることが特長です。

参考:ジンドゥー

③ Wix(ウィックス)

Wix(ウィックス)は、大企業でも採用されているホームページ作成サービスで、無料で最高水準のセキュリティとパフォーマンスを備えたホームページを作ることが可能です。ノーコードで、洗練されたデザインと高度な機能を装備でき、ネットショップやサービス予約などの機能も導入。ビジネスの成長に伴って、ホームページの機能もブラッシュアップしていくことができるのが特長です。

参考:Wix

④ Ameba Ownd (アメーバ オウンド)

Ameba Ownd (アメーバ オウンド)は、オリジナルのホームページやブログを簡単に作成できるサービスです。おしゃれなデザインテンプレートも多く、スマートフォン上に表示されるサイトの作成にも対応しています。アクセス解析やSEO対策などの機能も無料で利用可能。また、各種SNSと連携することで、SNSに投稿した写真を、再アップロードすることなく利用することができます

参考:Ameba Ownd

⑤ WordPress

日本はもちろん、世界中で圧倒的な利用者数を誇るWordPressは、無料で始められ、初心者でもシンプルな操作で高機能なサイトを作成できるソフトウェアです。55,000個以上のプラグインが無料で利用でき、ネットショップなど、サイトの目的に応じた拡張が可能です。

参考:WordPress.com

⑥ グーペ

グーペは、専門的な知識がない状態でも、ビジネス向けのホームページが最短1日で作成できるサービスです。パソコンやスマートフォンから時間や場所を問わず情報の更新ができ、さまざまな機能をワンクリックで追加できる手軽さが特長です。

また、独自ドメインの取得やイベント予約、問い合わせフォームといった、ネットショップに必要な機能にも対応しています。

参考:グーペ

ネットショップを始めるために覚えておきたい3つのこと

ネットショップを始めるにあたり、覚えておきたいことは次の3点です。

① インボイス制度

インボイス制度とは、正式には「適格請求書等保存方式」のことで、複数税率の仕組みに対応する制度で、主に個人事業主や企業向けの制度です。この制度により、消費税の仕入税額控除の適用条件が変更になります。ネットショップ運営者の中には、請求書の書き方や保存方式がこれまでよりも複雑になったことで、新たに効率的なフローを検討している企業も多いことでしょう。

インボイス制度は仕入税額控除の適用条件に絡むため、インボイス制度への対応は取引先との信頼関係にもつながりますまずはインボイス制度についての基本知識を得たうえで、ルールや注意点を踏まえて支援制度やIT補助金を利用するなど、うまく活用していきましょう。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

関連記事:インボイス制度でネットショップ事業者・経営者が知っておくべきこととは? 

② ネットショップで使える補助金

「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」は、ネットショップ構築や運営の際に利用できる補助金です。それぞれ要件を満たしているか確認し、申請を進めましょう。

IT導入補助金は、ネットショップの構築に対する最大補助額が350万円、補助率は3分の2以下の金額となっています。また、支給のタイミングが補助金の金額の確定から約1か月後という早さが特徴です。

小規模事業者持続化補助金のうち、ネットショップの構築に対する補助金の上限額は50万円、補助率は必要経費の3分の2までの金額となっています。

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス(COVID-19)や物価高騰の影響により事業の存続が懸念されている中小企業等に対し、新分野展開や事業転換、事業再編といった事業再構築を支援する補助金です。他の補助金よりも補助額が大きいことが特徴ですが、提出された事業計画をもとに厳格な審査が行われるため、事業計画の提出が鍵となります。

参考:IT補助金2023「通常枠(A・B類型)

補助金の申請時にあたり、書類の準備などの手間がかかりますが、安定したネットショップの運営のために、補助金制度の活用をおすすめします。ネットショップの開業やリニューアルをする際には、補助金の利用についてもぜひ検討してみてください。

詳しくは以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:ネットショップの開業やリニューアルで申請できる補助金とは

③ ホームページ型ネットショップに物足りなさを感じたら

ホームページ型ネットショップに物足りなさを感じたら、本格的なネットショップの開業を検討してみましょう。その場合、BASEやSTORESなどの無料で始められるネットショップ構築サービスを活用するのがおすすめです。

サービスごとの特長やネットショップの運営業務については、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:
無料で始められる!個人向けのネットショップおすすめサービス
ネットショップ運営を効率化!運営業務の基礎から運営代行まで

まとめ

ホームページ型ネットショップは、通常のホームページ作成機能をメインに補助的にネットショップ機能を付帯したものとなっており、常のネットショップよりも手軽に始められます。ホームページ制作会社やネットショップ制作会社に依頼する場合は、使用料金やデザイン、使い勝手、自由度といったポイントを押さえて依頼しましょう。

ホームページ型ネットショップの代表的な作成サービスとしては、「ペライチ」や「Wix」、「WordPress」などが挙げられます。デザインの自由度が高いサービスを選ぶことで、よりオリジナリティを表現することができるため、他のネットショップとの差別化も図れるでしょう。

ネットショップの規模が大きくなるにつれてインボイス制度などへの理解を深める必要性が高まりますが、趣味の範囲に収まる小さなショップであれば、最初のうちはそこまで気にしなくても大丈夫です。まずは気軽に、ホームページ上で自分のショップを持つことから始めてみてはいかがでしょうか。


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ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。