売れるECサイトの作り方!これさえやれば売上アップの成功戦略


「ECサイトを立ち上げたけど、なかなか売上が伸びない……。何か効果的な施策はないだろうか?」

このような悩みを抱えていませんか。

ネット通販の利用率が上昇し、ECサイトを開設する企業が増加しています。しかし、競合サイトが乱立する中、いかにして自社サイトへの集客を増やし、購入率を高めるかが重要な課題です。

本記事では、売れるECサイトを作るために必要不可欠な要素を詳しく解説します。たとえば、以下はこれからご紹介する “売れるECサイトの3要素” です。

上記に加えて、商品ページの最適化方法からリピート戦略まで、ECサイト運営のプロが実践している成功ノウハウが満載です。

お読みいただくと、ECサイトの売上を飛躍的に伸ばすための具体的なアクションプランが手に入ります。お伝えする戦略を着実に実行に移せば、低迷する売上から脱却し、利益を最大化できるはずです。

1. 売れるECサイトに必須の3つの要素

ECサイトを運営していくうえで、売上アップの鍵を握るのが「ユーザー体験」「コンテンツ」「ブランディング」の3要素です。

この3要素は外せませんから、まずはそれぞれの要素を高めるために何をすべきか、見ていきましょう。

① ユーザー体験を最適化
② 購買意欲を高めるコンテンツ
③ ブランディングで信頼を醸成

1-1. ユーザー体験を最適化

まず、ECサイトの成功を左右するのが、ユーザー体験(UX)の質の高さです。訪問者にストレスを与えず、欲しい商品に簡単にたどり着けるサイト設計が求められます。

売れるECサイトを作るためには、最初に以下のポイントを実践してください。

◆売れるECサイトのUX設計のコツ

シンプルで一貫性のあるデザイン:余計な装飾は排除し、主役の商品を引き立てるレイアウトにします。サイト全体で配色やフォント、ボタンの形状などのデザイン要素を統一します。

直感的なナビゲーション:訪問者が迷わずに目的のページに行けるよう、カテゴリを明確に分類し、検索機能を充実させます。どのページからでもトップページやカートページに戻れるようにします。

スマホ対応のレスポンシブデザイン:スマートフォンでの閲覧時にもストレスのないよう、サイトをスマートフォンの画面サイズに最適化します。タップ操作がしやすいボタンサイズにするなど、使い勝手を向上します。

ページの表示速度の高速化:画像のファイルサイズを圧縮し、サーバのレスポンス速度を上げます。表示速度が0.1秒遅れるだけでも購入率に影響すると考えましょう。

購入フローのシンプル化:カートに入れてから決済完了までのステップ数を最小限に減らします。ゲストでの購入を可能にし会員登録は任意にする、といった手法も検討します。

基本に思えるかもしれませんが、売上を上げるためには、このようなUXの改善が欠かせません。

「使いやすさ」を徹底的に追求したサイト設計を心がけましょう。

さらに詳しい実践ステップは、以下の記事で解説しました。あわせてご覧ください。

関連記事:売れるネットショップをデザインするための5つのポイント

1-2. 購買意欲を高めるコンテンツ

商品を魅力的に見せるコンテンツは、ECサイトで売上を伸ばすために非常に重要な要素です。

商品の特徴や使い方を詳しく伝え、購入への心理的ハードルを下げる巧みな説得力と表現力が求められます。

◆効果的なコンテンツ制作のポイント

ペルソナ(※)の具体化:商品を購入する人物像を明確にし、ペルソナのニーズや課題意識に合わせたメッセージを打ち出します。ターゲット像が具体的であるほど、説得力のある訴求が可能になります。

生活シーンの想起:商品の使用イメージが思い浮かぶよう、日常生活の具体的な場面を交えて商品説明を書きます。購入後の生活が鮮明に想像できる表現を心掛けます。

客観的根拠の提示:商品の素材・品質・機能性について、客観的なデータを示します。図表やグラフを効果的に使い、理性に訴える論理的な説明を加えます。

ストーリー性のある展開:単に商品の良さを主張するだけでなく、ストーリー性のある文章で心情に訴えかけます。商品開発秘話やお客様の体験談を物語として描き、感情移入を促します。

行動を促すCTA(Call to Action:行動喚起):「今すぐ試してみる」「お気に入り登録する」など、次のアクションを想起させるコピーを配置します。一歩を踏み出すきっかけとなる、行動喚起力のある言葉選びが大切です。

(※)ペルソナとは、典型的・代表的なユーザーを具体的に描写した人物像のことです。ペルソナ設定の例は、以下の記事でご紹介していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:単品通販のメリットと成功させるための5つのポイントを解説

なお、特に重要となる「商品ページ」の最適化については、この後により詳しく取り上げますので、続けてご覧ください。

1-3. ブランディングで信頼を醸成

初めてECサイトを訪れる人に安心して購入してもらうには、ブランドの信頼性を高めるブランディング施策が不可欠です。

具体的には、ブランディングを通じてソーシャルプルーフ(社会的証明:多くの人々からの支持や評価)を獲得することを目指します。

◆ブランド信頼性を高めるアクション

ブランドストーリーの言語化:創業の思いやブランドにかける熱意を伝えるブランドストーリーを用意します。ECサイトのAboutページなどで、強いメッセージ性のある発信をしましょう。

専門性の訴求:取り扱う商品カテゴリについて、専門知識や技術を持つことを伝えます。カテゴリに関する有益なコラムを定期的に公開し、高度な情報発信力を印象付けます。

著名人からの推奨:著名人やインフルエンサーから推奨コメントをもらい、サイトやSNSで発信します。信頼できる第三者からのお墨付きにより、信用度が高まります。

メディア露出の告知:新聞・雑誌・テレビなどのメディアに取り上げられた実績を、サイトの目立つ位置に掲載します。メディアに評価された実績は、信頼獲得の強力な後ろ盾となります。

公的機関の安全性評価:商品の品質や安全性について、公的機関や専門家による評価を得ましょう。高評価の結果をアピールすれば、安心感を与えられます。

ブランドの信頼性は一朝一夕では築けません。長期的視点に立ち、ブランディング施策を一貫して行うことが不可欠です。地道な活動の積み重ねにより、揺るぎないブランド信頼を勝ち取っていきましょう。

なお、ソーシャルプルーフ獲得の鍵を握るものとして、「UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)」があります。

UGCは、SNS・YouTube・Note・ブログなど、企業ではなく一般ユーザー(顧客)が制作・発信しているコンテンツのことです。

UGCについては、以下の記事にて詳しく解説しました。あわせてご覧ください。

関連記事:UGCが今後のマーケティングに絶対欠かせない理由を解説

ここまでの話をまとめておきましょう。

これらは、ECサイトを支える基盤となる要素です。自社ECの現況をあらためて見つめ直してみてください。

続いて以下では、さらに深堀りした内容に踏み込んでいきましょう。

2. 商品ページを最適化する3つのステップ

次に、「商品ページ」の最適化に特化して、詳しい改善方法を掘り下げたいと思います。

商品ページのブラッシュアップは、売上に直結する即効性があるため、すぐに取り組みたいアプローチです。

以下の3ステップを実践しましょう。

ステップ① 購買行動を促進する商品画像を用意する
ステップ② 購入者の心理を突く説得力のある商品説明文を書く
ステップ③ 顧客の不安を解消する情報を効果的に配置する

2-1. ステップ① 購買行動を促進する商品画像を用意する

1つ目のステップは「購買行動を促進する商品画像を用意する」です。

商品画像は、ECサイトで購買意欲を高めるうえで最も重要な要素の一つです。商品の特徴や使用感が一目で分かる、説得力のある画像を用意することが大切です。

◆商品画像の効果を最大化するテクニック

多角的な撮影アングル:商品を正面・背面・斜め・接写など、あらゆる角度から撮影します。360度どの方向からも商品の特徴が視認できるよう、網羅的にカバーします。

リアルなスケール感の表現:商品の大きさが正確に伝わるよう、定規や硬貨などの身近なものと並べて撮影します。サイズ感をつかみやすくし、実物との誤差を防ぎます。

ユースケース別の使用イメージ:商品の使用シーンを複数パターン用意します。たとえばアパレルなら、ビジネス・カジュアル・アウトドアなど、TPOに合わせた着こなし方を提示し、購入後のイメージが膨らむようにします。

シズル感のあるキービジュアル:商品写真以外に、シズル感(「おいしそう」「みずみずしい」など五感が強く刺激される感覚)のあるキービジュアルを準備しましょう。特に食品・飲料・化粧品・アクセサリーなどの商材は、魅力を視覚的に訴求することが重要です。

インタラクティブな拡大機能:画像をクリックやタップで拡大できる機能を実装します。素材の質感や細部のディテールまで、より具体的に確認できるようにします。

言葉だけでは伝えきれない、商品の魅力的な特徴を余すところなく画像で表現しましょう。商品画像が充実しているほど、その商品は売れやすくなります。

2-2. ステップ② 購入者の心理を突く説得力のある商品説明文を書く

2つ目のステップは「購入者の心理を突く説得力のある商品説明文を書く」です。

商品説明文は、ECサイト上で重要なセールストークとなるテキストです。商品の価値や利点を最大限にアピールし、購入への心理的障壁を下げる巧みな表現力が問われます。

◆心に届く商品説明文の書き方

ペルソナの口語表現の効果的な活用:商品を手に取る人物像を具体的にイメージし、その人が日常的に使う言葉を採用します。親しみやすい言い回しを随所に盛り込み、ターゲット像との一体感を醸成します。

起承転結のストーリー:商品の誕生秘話から、その商品を手にすることで得られるゴールまでを、物語仕立てで展開します。読み手を引き込む起承転結の構成で、商品と出会うことが、人生の転機になるようなドラマ性がある商品は、売れやすくなります。

定量的な優位性の提示:商品の優れた点を、数値データを用いて客観的に示します。「●●%の時短」「▲▲dB 極静音」など、他社製品と比較した具体的な優位点を際立たせ、合理的な選択を促します。

悩みへの共感と解決策の提案:顧客の立場に立ち、真摯に向き合う姿勢が大切です。抱えている悩みへの深い理解と最適解を導く誠実なサポートを、商品ページ内で提供してください。

顧客の心情を先回りして配慮する、心に寄り添う言葉の数々が、琴線に触れる説得力となります。

顧客が賢い選択(=購入)をできるように伴走するつもりで、商品説明文を磨き上げてください。

2-3. ステップ③ 顧客の不安を解消する情報を効果的に配置する

3つ目のステップは「顧客の不安を解消する情報を効果的に配置する」です。

購入するか・しないか迷うとき、顧客の脳裏にはさまざまな懸念や心配事が浮かんでいます。

商品ページには、顧客の抱く不安をあらかじめ払拭する情報も、効果的に盛り込む必要があります。

よくある質問への回答集(FAQ)とユーザーレビューを中心に、戦略的に情報を提供しましょう。

◆顧客の不安を払拭する実践的な施策

購入前の疑問に先手を打つFAQ:サイズ感・素材・使用感など、商品選びで必ず出てくる定番の質問に答えます。実際の問い合わせ内容を反映し、リアリティのあるFAQを用意しましょう。購入に際しての不明点を一切残さないFAQを目指します。

図解入りのサイズ選択ガイド:サイズ展開のある商品は、自分に合ったサイズ選びに迷いが生じます。各部位の採寸方法を、詳細な図解とともに解説しましょう。モデルが着用している写真と適合サイズ表を添え、体型別のフィッティングを具体的にイメージできるようにします。

フィルタリング機能を備えたレビュー一覧:ユーザーレビューは点数別に分類し、評価の高い順に並べ替えられると良いでしょう。参考になるレビューを見つけやすくし、納得感のある選択をサポートします。

ネガティブ評価への真摯な対応:厳しい内容の評価やクレームにも、前向きな姿勢で向き合います。率直に非を認め、具体的な改善策を約束します。二度と同じ過ちを繰り返さない決意を示し、顧客からの信頼回復に努めます。

信頼できる専門家のコメント:商品カテゴリに造詣の深い専門家や、その業界で影響力のある著名人のコメントも有益です。良い点・悪い点を客観的に評価した、第三者視点からのコメントは、信頼につながります。

購入をためらわせる要因は、可能な限り事前に払拭しておくと、売上がジワジワと上がり始めます。

「購入しないお客様は、何かが不安なのだ」と念頭に置き、その不安を解消するためにできることは、すべて実行しましょう。

3. 売れるECサイトの集客:新規顧客の集め方

ここまでに解説した内容を実践していただくと、「売れるECの箱」が準備された状態になります。

次にすべきことは、たくさんのお客様に来ていただくこと、すなわち「集客」です。

ECサイトでは、新規顧客をどのように集めていけば良いのでしょうか。その道筋を、以下4つのポイントに分けて見ていきましょう。

① ターゲットを徹底的に絞り込む
② 流行より自社に最適な手法を探る
③ 勝ちパターンを徹底的に回す
④ 同時に次の一手を仕込んでいく

3-1. ターゲットを徹底的に絞り込む

1つ目のポイントは「ターゲットを徹底的に絞り込む」です。

新規顧客を効果的に集めるには、まず集客すべきターゲットを明確に設定することが大切です。

ターゲットを絞り込むと、無駄のない的を射た施策を打てるようになります

◆ターゲット像を具体化するステップ

年齢・性別・職業・居住地の分析:自社商品の実際の購買者層を浮き彫りにします。購買データやアンケート結果を丹念に分析し、ターゲットの属性を詳細に把握します。

ペルソナのニーズ・悩み・関心事の洗い出し:ターゲット層に具体的な人物像(ペルソナ)を与え、その人物が抱えている課題や理想とする状態を書き出します。インタビューやアンケートで実際の「生の声」を集め、ペルソナ像にリアルさを持たせましょう。

競合他社の顧客層との違いの認識:自社商品を選ぶ人と、競合商品を選ぶ人の違いを分析します。他社にはない自社ならではの独自価値を見出し、差別化ポイントを明確にします。

購買行動の観察とパターン化:顧客の実店舗での購買行動や、サイト内での回遊状況を観察します。試供品の反応の良し悪しや、レビューでの言及内容から、顧客の購買動機を推し量りましょう。反復される行動パターンをもとに、効果的なアプローチ方法を編み出します。

売れているECサイトの担当者は、自分たちのお客様がどのような人なのか、極めて詳しく語ります。

顧客に対する解像度が上がると、集客のために何をすべきか、見えてくるはずです。

3-2. 流行より自社に最適な手法を探る

2つ目のポイントは「流行より自社に最適な手法を探る」です。

ECサイトの集客方法にはトレンドがありますが、現在トレンドの手法が、必ずしも自社にとって費用対効果の高い方法とは限りません

むしろ、まだ自社が新規顧客の獲得に参入したことのない、古い手法に勝算があることも多いのです。

SNS・SEO・リスティング……といったWeb施策以外にも、たとえば、テレビのインフォマーシャル、ラジオCM、新聞折込チラシ、同梱チラシ、雑誌の連合広告など、さまざまな選択肢があります。

市場にとっての新しさより、自社にとっての新しさ、つまり「未開拓の領域」を探してください

前述のターゲット層とマッチしていれば、競争の激しいトレンド手法で戦うよりも、はるかに優れた成果を収められる可能性があります。

3-3. 勝ちパターンを徹底的に回す

3つ目のポイントは「勝ちパターンを徹底的に回す」です。

未開拓の領域を開拓し、試行錯誤の中でコンバージョン率の高いクリエイティブ(広告文やデザインなどの制作物)を見出したら、それが勝ちパターンです。

発見した勝ちパターンは、徹底的に回し続けることが重要です。勝ちパターンは、簡単に手放すべきではありません。

多くの成功しているECサイトは、独自の領域で勝ちパターンを持っており、その効果が薄れるまで繰り返し投資し続けています。

3-4. 同時に次の一手を仕込んでいく

4つ目のポイントは「同時に次の一手を仕込んでいく」です。

発見した勝ちパターンは、何年にもわたって高収益をたたき出すケースもありますが、いつまでも通用し続ける保証はありません。

そこで、勝ちパターンを回しながら、同時に次の一手を探していくサイクルが、鍵となります。ここで重要なのが、勝ちパターンの深掘りと応用です。

発見済みの勝ちパターンを深く分析し、その本質を見極めます。なぜこのパターンが成功しているのか、どのような心理的要因が作用しているのかを探り、得られた知見を新たな施策に応用しましょう。

勝ちパターンの本質を別の形で再現し、さらなる成長の糸口をつかみます。

以上、4つのポイントをご紹介しました。

集客について、より実践的な方法を知りたい方には、以下の記事がおすすめです。あわせてご覧ください。

関連記事:ECサイト売上を集客とCVR改善でアップする具体的方法

4. 「また買いたい」と思われるECサイトを作るテクニック

ECサイトの売上を伸ばすには、一度購入してくれた顧客のリピート率を上げることも重要な鍵となります。

買い物体験に満足してもらい、「また利用したい」と思ってもらえるサイト作りを目指しましょう。

ここでは、以下のポイントを解説します。

① 感謝の気持ちを伝え続ける
② カスタマーサポートを手厚くする
③ サプライズで感動を生む
④ ロイヤリティプログラムを競争力にする

4-1. 感謝の気持ちを伝え続ける

購入してくださったお客様には、とにかく感謝の気持ちを丁寧に伝え続けることが大切です。言葉や行動を通じて、心からの謝意を示し続けましょう。

◆感謝の気持ちを形にする方法の例

手書きのメッセージカード:梱包する商品に、手書きのメッセージカードを添えます。一言添えるだけでも、温かみが伝わります。スタッフの顔写真や似顔絵付きにすれば、より人間味のある贈り物になるでしょう。

特別企画やイベントへの招待:日頃の感謝を込めて、購入者限定のイベントを開催します。プレゼント抽選会や限定商品の先行販売など、特別感の演出にこだわります。

SNSでの感謝投稿:日頃の感謝の気持ちをSNSで発信します。愛用者の投稿をリポストしたり、「いいね」をしたりしながら、恒常的にコミュニケーションを維持することに意味があります。

感謝の気持ちは、ECサイト運営に欠かせない大事な要素です。顧客一人一人を大切にする姿勢を、さまざまな形で示し続けることを忘れないようにしましょう。

4-2. カスタマーサポートを手厚くする

充実したカスタマーサポートの提供は、顧客満足度を高めるための必須条件です。厚いサポート体制の構築に力を注ぎ、手間を惜しまずに対応し続けることが、顧客からの支持につながります。

◆手厚いカスタマーサポートを実現する3つのポイント

素早い返答:問い合わせに対する初回レスポンスは、可能な限り迅速に行います。自動返信メールも活用しつつ、24時間以内の返信を徹底しましょう。

多様な問い合わせ窓口の設置:顧客の属性によっては、メールだけでなく、電話・チャット・SNSなど、問い合わせ手段を複数用意するとよいでしょう。「問い合わせたいときに、問い合わせできない」という体験は、顧客離れの原因となるからです。

担当スタッフのスキルアップ:カスタマーサポートの専任スタッフを置き、対応力の強化を図ります。「親切に対応してもらった」という体験は、顧客の信頼獲得につながります。

このECサイトは、困ったときにいつも助けてくれる」、そんな信頼感を醸成できるよう、カスタマーサポートの品質向上に努めましょう。

4-3. サプライズで感動を生む

「期待していなかったものが得られた喜び」を感じてもらうことも、リピート顧客増加の一助となります。期待を上回るサプライズを提供し続け、飽きさせない工夫がリピート購入につながります。

◆顧客を喜ばせる工夫の例

記念日のサプライズプレゼント:顧客の誕生日や記念日に、心のこもったプレゼントを贈ります。さりげないサプライズが、大きな喜びにつながるはずです。

ノベルティグッズのおまけ:梱包時に、オリジナルグッズのおまけを添えます。実用的なステーショナリーやユニークなマスコットなど、思わず顔がほころぶようなグッズ選びを心掛けます。

試供品のプレゼント:試供品のプレゼントも喜ばれるサプライズです。特に、新商品や季節限定品などを選ぶと喜ばれるでしょう。

購入者限定のプレゼント企画:一定金額以上の購入者に、限定プレゼントキャンペーンを実施します。販促効果だけでなく、購入者の満足度アップにもつながる施策です。

大げさでなくても、「あら、うれしい!」という体験は心に残るものです。

自社のECサイトらしいサプライズを常に考案し、顧客との絆を深める努力を続けていきましょう。

4-4. ロイヤリティプログラムを競争力にする

優良顧客のさらなる囲い込みを狙う意味では、ロイヤリティプログラムの充実は避けて通れません。

ロイヤリティプログラムとは、顧客ロイヤリティ(顧客の信頼や愛着)の醸成を目的としたさまざまな仕組みのことです。たとえば、会員ランク制度やポイント付与は、ロイヤリティプログラムに該当します。

◆ロイヤリティプログラム施策の例

ポイント還元率のアップ:購入金額に応じたポイント付与率を、他サイトを上回る水準に設定します。貯まったポイントを、魅力的な景品と交換できる仕組みも用意します。

会員ランクの細分化:購入実績に応じて、会員ランクをきめ細かく設定します。上位ランクほど優遇措置を厚くし、ステータス性を高めます。

誕生月限定の特典:会員の誕生月には、ポイント2倍還元など、お得な特典を用意します。「特別扱いしてもらえている」という感覚を大切にし、より手厚い優遇を心掛けます。

シークレットセールの開催:会員限定のシークレットセールを不定期に開催します。「会員だけが知っている」限定感を醸成しましょう。

ロイヤリティプログラムへの注力は、売上アップに直結する王道施策です。競合との差別化を図るためにも、ありきたりではない独自性あふれるプログラムを作っていきましょう。

以上、4つのポイントを解説しました。

リピート施策については、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:
EC担当者が仕掛ける!ファンを増やすリピート施策5選
リピート通販を今から始めるために必要なECの7つの機能
ECサイトで成果を出すためのCRMに必要な機能と手順の解説

5. 売れるECサイトであり続けるカスタマイズの重要性

本記事では、売れるECサイトに改善するためのさまざまな方法をご紹介してきました。

しかしながら、「うちの会社のECでは、システム的に実現できない」と思われた方もいるかもしれません。カスタマイズ性の低いECプラットフォームを利用していると、このような問題に直面します。

そこで最後に、売れるECサイトであり続けるために重要なシステム面(技術面)について、触れたいと思います。

5-1. カスタマイズ性に優れているのはクラウドEC

数ある競合サイトに埋もれることなく、売れ続けるECサイトでいるためには、継続的な改善努力が必要不可欠です。時代の変化を先取りし、常に最適化を怠らない姿勢が求められます。

そのようなカスタマイズ性に優れているプラットフォームは、クラウドECです。

クラウドECとは、インターネット上のクラウドサーバ上で動作するECプラットフォームのことです。自社でシステムを構築・運用する必要がなく、初期費用を抑えつつ、ECサイトの運営に必要な機能を利用できるのが特徴です。

クラウドECは、ASPよりも個社ごとのカスタマイズがしやすく、自社開発システムよりも最新版に保つのが容易という利点があります。

代表的なクラウドECプラットフォームとして、日本国内ではインターファクトリーが提供する「ebisumart(エビスマート)」が挙げられます。

参考:ebisumart(エビスマート)

詳しくは以下の資料をダウンロードしてご確認ください。

5-2. 既存ECはリプレースを検討する

現在、すでにECサイトを運用していて、売れるECに改善するための施策実行がシステム的に難しい場合には、ECサイトの進化に合わせたリプレース(システム刷新)を検討することが重要です。

特に以下のようなケースでは、リプレースを真剣に検討する必要があります。

◆リプレースを検討するタイミング

システムの限界を感じる:古いシステムを使い続けていると、新しい機能の追加や変更が困難になり、ビジネスの成長を阻害します。最新のECトレンドに対応できず、競争力の低下につながります。

カスタマイズの柔軟性に不満がある:自社のビジネスモデルや施策に合わせたカスタマイズが難しい場合、機会損失が発生します。システムの制約により、マーケティング施策の実施や顧客体験の向上が妨げられます。

セキュリティに不安がある:古いシステムは、最新のセキュリティ基準に対応できず、個人情報の流出や不正アクセスのリスクが高まります。セキュリティ対策の強化が困難な場合、重大な事故につながる危険性があります。

スケーラビリティ(拡張性)に課題がある:トラフィックや会員数の増加に対して、システムがスムーズにスケールアップできない場合、パフォーマンスの低下やサイトダウンなどの問題が発生します。ビジネスチャンスを逃すだけでなく、顧客離れを招く恐れがあります。

メンテナンスコストが上昇している:古いシステムの維持には、専門知識を持つエンジニアが必要であり、メンテナンスコストが高騰します。また、複雑化するシステムのトラブルシューティングに時間と労力を取られれば、本業に集中できなくなります。

リプレースをためらうあまり、問題を先送りにすることは得策ではありません。早期に対応すれば、競争力の維持・向上と、長期的なコスト削減を実現できます。

ただし、リプレースは単なるシステムの入れ替えではなく、ビジネス戦略に基づいた抜本的な見直しが必要です。自社の強みを生かし、顧客価値を高められるプラットフォームを選択しなければなりません。

売れるECを構築するために何をすべきかご検討中の方は、ぜひ弊社の専門家チームにご相談ください。

6. まとめ

本記事では「売れるECサイト」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

売れるECサイトに必須の3つの要素として、以下を解説しました。

① ユーザー体験を最適化
② 購買意欲を高めるコンテンツ
③ ブランディングで信頼を醸成

商品ページを最適化する3つのステップは以下のとおりです。

ステップ① 購買行動を促進する商品画像を用意する
ステップ② 購入者の心理を突く説得力のある商品説明文を書く
ステップ③ 顧客の不安を解消する情報を効果的に配置する

売れるECサイトの集客として、以下のポイントをご紹介しました。

① ターゲットを徹底的に絞り込む
② 流行より自社に最適な手法を探る
③ 勝ちパターンを徹底的に回す
④ 同時に次の一手を仕込んでいく

「また買いたい」と思われるECサイトを作るポイントは以下のとおりです。

① 感謝の気持ちを伝え続ける
② カスタマーサポートを手厚くする
③ サプライズで感動を生む
④ ロイヤリティプログラムを競争力にする

変化の激しいEC業界で勝ち残るには、顧客のニーズを的確に捉えながら、ECサイトとしての強みを磨き上げていく必要があります。そのために必要な取り組みを、継続的に実践していきましょう。


セミナー情報

ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。