ECの売上を伸ばすリニューアルのポイント5つと手順を解説


ECサイトを運営していると、

「売上が伸び悩んできたけれど、どうすればいいか分からない」
「機能を拡張したいけれど、現行のシステムではできない」
「ブランドイメージの刷新に伴って、デザインを変更したい」

などの悩みが出てくるのではないでしょうか。

これらの悩みはECサイトのリニューアルで解決することが可能です。ただし、リニューアルを成功させる、つまり売上を伸ばすためには、リニューアルの目的を社内や開発するベンダーと共有する必要があります。

この記事では、インターファクトリーでマーケティングの部署に所属する筆者が、売上増につながるリニューアルのポイントと、リニューアルの手順を解説します。

ECサイトをリニューアルするタイミングは「①システムの老朽化」「②事業拡大」「③マーケティング施策実施」

今運営しているECサイトの機能やデザインに不満が出てきて、リニューアルを考え始めた、という方も多いかもしれません。しかし、リニューアルの本来の目的は、売上最大化です。

まずは、ECサイトをリニューアルするべきタイミングについて解説します。

タイミング①システムの老朽化

ECサイトを構築したときには最新のシステムだったとしても、数年経てば古くなってきてしまいます。具体的にはセキュリティが弱くなったり、新しい機能に対応できなかったりする場合があります。また、管理画面のUIも古くなりEC担当者が使いにくくなることもよくあります。

特にECサイトは顧客情報を扱うので、セキュリティ面は重要です。ASPやクラウドなどのシステムは常に最新の状態にアップデートされていますが、パッケージやオープンソースなどのシステムを使っている場合は、数年たつとシステムが老朽化するので、数年おきにリニューアルが必要となってきます。

また、古いECシステムでは、API連携に対応していない場合があります。ECの売上を高めたり、業務効率化するツールを導入する場合、APIで連携するケースが多くなっていますが、それに対応していない場合など、ECサイトのリニューアルを実施する時期と言えるでしょう。

タイミング②事業拡大

立ち上げ当初はアクセス数や注文数も少なく、業務に支障がなかったとしても、事業が拡大するにつれ、機能面で不足を感じる場合が多いと思います。

売上拡大とともにバックエンド業務の効率化や外部サービスとの連携なども難しかったりすると、システムのリニューアルを考える必要があります。

また、ベンダーのサポート対応に不満がある場合も、サポートの手厚いベンダーの会社にリニューアルすることで運営の悩みを解決でき、事業拡大につなげることもできます。

昨今では、ECプラットフォーム会社にはCS(カスタマーサクセス)部門があることが多く、サポート以外にも、ECサイトで売上をあげるためのサポートを受けられます。リニューアルで、ECシステムの乗り換えを考える場合は、ECプラットフォームベンダー主催のCSセミナーに参加してみると、どの程度のノウハウがあるのかをある程度把握することができるはずです。

タイミング③マーケティング施策実施

例えば、筆者のクライアントはサプリメントをECサイトで販売しており、現在の売上が年間数千万円で、短期的には1億円を目指しており、その中で様々なマーケティング施策を実施する必要があります。そこで、このサプリメント会社はブログ記事を書いて、コンテンツマーケティングを実施しようと検討したのですが、使っているASPがブログ記事に対応しておらず、断念しました。

また、URLのリダイレクトを実施するにも1URLにつき1万円かかるなどの制限があるため、SEO施策にも弊害が出てきました。

この例からもわかるとおり、ASPによってはマーケティング施策の実施に制限がある場合が多々あります。そのため、マーケティング施策をアクセルを踏んで実施するタイミングでもECサイトのリニューアルが行われるのです。

売上増につながるリニューアルの5つのポイント

前述したリニューアルのタイミングに一つでも当てはまったら、次に気になるのは、リニューアルを売上につなげる方法ではないでしょうか。

次に、売上増につながるリニューアルのポイントを解説します。

ポイント①リニューアルの目的を明確化する

まず、当たり前に思えるかもしれませんが、リニューアルをする前に、しっかりと目的を定めることが重要です。現行のECサイトの課題を洗い出し、売上が伸びない原因がどこにあるのかをリストアップします。

そしてリニューアルでどんな課題を解決し、どんな成果を得たいのかを具体的に決めます。そうすることで、リニューアルで優先的に変えるべき箇所が見えてきます

以下の例のようなKPIを立てましょう。

◆リニューアルの目的とするべきKPI(例)

・メルマガのシステムを改善し、訪問者数を10%増やす
・決済方法を増やし、CVRを1ポイント向上させる
・販促施策を行って、平均購入額を20%上げる

KPIの考え方については以下の記事で解説していますので、あわせてご一読ください。

関連記事:上司も納得!EC担当者が設定すべき3つのKPIとは?

ポイント②現場の意見も取り入れる

大規模事業者ほど注意が必要なのが、リニューアルの際に経営層や管理職だけでリニューアルを進めてしまい、実際にECサイトを運営している現場の社員の意見が反映されない場合があることです。

特に顧客対応をしている担当者は、ユーザーの生の声を聞いているので、ECサイトの課題を洗い出す上で重要な情報を持っています。リニューアルを成功させるためには、実際にECサイトを運営している現場の社員の意見を取り入れるべきでしょう。

筆者の所属した過去の会社の経験ですが、EC担当者から「TOPページの”動き”がありすぎて、戸惑うユーザーがいます」という報告を受けておりました。そのためリニューアル実施時に、その意見を反映して、TOPページの挙動を無くして、動かないページにした結果、CVRが高まったことがあります。

このように、ユーザーと近い距離で接する現場の声を聞いてみることで、リニューアル時に売上を伸ばすヒントが必ず見つけることができるはずです。

ポイント③UI・UXを意識したデザインにする

ブランドイメージの刷新などを目的にリニューアルをする際、デザインにこだわりすぎてしまうと、かえってユーザーには使いにくいサイトになってしまう可能性があります。

ユーザーにとって使いやすいサイトこそが、売上を上げることができるサイトと言えます。ターゲットとなるユーザー層に合わせて、UI・UXを意識したサイトにすることを心掛けましょう。よくある失敗事例については、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:EC担当者が事前に把握すべきECサイト5つの失敗事例

ポイント④コンテンツマーケティングを取り入れる

リニューアルしたECサイトを多くのユーザーに訪れてもらうために、コンテンツマーケティングを始めることも検討してみましょう。

ユーザーに役立つ情報を発信することでSEOの評価を上げ、検索結果で上位に表示することができれば、集客効果があります。また、ユーザーがコンテンツに満足すれば、CVRやリピート率の改善も期待できます。

コンテンツマーケティングは、ブログ記事によって実施されますが、ECプラットフォームによっては、ブログ機能が無かったり、貧弱であることが多々あります。本格的にブログを実施するなら、WordPressとECサイトを連携させるべきです。なぜなら、コンテンツマーケティングで成功している会社の多くが、WordPressを使っているからです。

コンテンツマーケティングの始め方については、以下の記事にまとめてありますので、参考にしてください。

関連記事:ECサイトの商品ページに流入を増やすSEO施策

ただし、WordPressはセキュリティが強くありません。そのためにWordPressのバージョンを常に最新にしたり、WordPressで使うログインIDとパスワードを複雑化するなどのセキュリティを強く保つ意識が重要となります。

ポイント⑤APIに対応したECプラットフォームを利用する

今後どのくらいのスピードで事業拡大を考えているのか、今回のリニューアルの目的だけでなく、さらに先を見据えておかないと、せっかくリニューアルしたECサイトもまたすぐに機能面などで不足を感じてしまうかもしれません。

外部サービスとの連携などを考えている場合は、リニューアルしたシステムが連携に対応しているかも確認しておく必要があります。特にAPI連携ができるかどうかは重要です。なぜなら、昨今の外部連携の基本はAPI連携であり、ECプラットフォームと外部システムの双方でAPI連携に対応していれば、外部連携が非常にスムーズだからです。

弊社のebisumart(エビスマート)も、API連携に対応したECプラットフォームです。このようにAPI連携に対応したECプラットフォームの利用を検討しましょう。

ebisumart(エビスマート)公式ホームページ

ECサイトをリニューアルする手順とは?

リニューアル前の準備だけでなく、リニューアルを進める際にも注意点があります。次に、リニューアルの手順を追っていきながら、注意すべき点についても解説します。

手順①プロジェクトチームを作る

まずは社内でリニューアルに関わるプロジェクトチームを作ります。
メンバーは以下のとおりです。

◆リニューアルのプロジェクトに必要なメンバー

・決裁権限のある人物(担当役員)
・プロジェクトリーダー(管理職)
・現場の社員(ECサイトの運営担当者など複数名)

まず、決裁権限のある経営層や担当役員がメンバーをアサインします。プロジェクトリーダーはスケジュール管理や、各部署との調整を行うので、管理職の社員が望ましいでしょう。

そして、現場で実際に業務にあたっている社員もアサインします。あまり人数が多くなると意思決定が難しくなるので、関係する部署が多い場合は、各部署の代表者のみで問題ありません。

手順②リニューアル後のサイトの目的を定める

ECサイトのリニューアルはそれ自体が目的なのではなく、その後のサイトの売上増加が目的です。そのためにリニューアル後のサイトの目的や、変えるべき部分などをプロジェクトメンバーで話し合い、認識を合わせておくことが重要です。

そして決まった内容をRFP(提案依頼書)にまとめます。

◆RFPにまとめる内容

・リニューアルの目的
・予算
・スケジュール
・実装したい機能

リニューアルの目的は、時間をかけてプロジェクトメンバーで何度も会議を行い、きちんと決めます。そうすることで、次のベンダー選定の際に、最適な提案を受けることができます

手順③ベンダーを選定する

ECサイトの構築を委託するベンダーを選定します。しかし少し調べただけでも多くのベンダーがあり、どのように決めれば良いか迷ってしまうでしょう。
ベンダー選定の流れは以下のとおりです。

◆ベンダー選定の流れ

①情報収集:候補となりそうなベンダーに問い合わせ。各社の強みや構築実績などを比較し、リニューアルの目的にマッチするかを検討する。
②コンペ:作成したRFPをもとに、各社に提案を依頼し、プレゼンしてもらう。費用やスケジュール、デモ画面だけでなく、ベンダー側もきちんとリニューアルの目的を理解しているかを確認
③最終決定、契約:コンペの内容をもとに社内で検討し、ベンダーを決定する。

コンペに呼ぶべき会社は、3社程度で以下のような企業を呼ぶと良いでしょう。

◆コンペに呼ぶべき3社

1社目:付き合いのあるシステム会社
2社目:パッケージのECベンダー
3社目:SaaSでカスタマイズできるECベンダー

同じような企業をコンペに呼んでも、選びにくいので、このようにコンペに呼ぶ会社の特色を分けるのが良いでしょう。

手順④要件定義を行う

ECサイトを構築するにあたって、ベンダーと認識を合わせます。この手順をおろそかにして、ECサイト構築をベンダーに丸投げしてしまうと、現場の社員にとって使いにくいECサイトになってしまい、最悪の場合スケジュール通りにオープンできない可能性もあります。

現状の業務フローを分析してフローチャートを作成した上で、理想の業務フローチャートを作成します。現場の社員も含めて、ベンダーとの打ち合わせを重ねましょう。

その他にも、サーバーやデザイン、決済方法の選定や配送方法の検討などを行います。

手順⑤ECサイトの運用準備を行う

要件定義が終わると、ベンダーは開発に着手します。その間に、進めておくべきことは以下です。

◆進めておくべき運用準備

・現行システムからのデータ移行
・運用マニュアルの作成
・リニューアルの告知やプロモーション
・リリース後の保守対応の確認

現行システムからのデータ移行や、新しい運用マニュアルの作成が必要になります。また、リリース前に顧客や関係者にリニューアルすることを告知したり、プレスリリースを打って宣伝したりすることも検討しましょう。

そしてサイトのリリース後に万が一問題が起きたり、運用で不明点があった場合、ベンダーとすぐ連携が取れるように確認しておくことも必要です。

まとめ:リニューアル後もサポートに相談できるシステムがおすすめ

ここまで解説してきたように、ECサイトのリニューアルで売上を伸ばすためには、リニューアル後の運用が重要です。使い慣れるまではささいな疑問でもすぐに聞くことができたり、また運用に慣れてきたら機能の活用法や販促施策のアドバイスなどをもらえたりするようなサポート窓口があると、とても心強いです。

ECサイトのリニューアルをお考えでしたら、弊社のクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」までお問い合わせください。リニューアル後のお悩みも、専任担当者(ECコンシェルジュ)が無償サポートいたします。

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✓受付は電話もしくはメール
✓契約後から相談可能
✓ECシステムの使い方についてのお問い合わせ
✓オプション機能についてのお問い合わせ
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お客様のサイトを知り尽くした専任の担当者だからできる、こまやかなサポートを受けることができます。まずは下記サイトをご覧いただき、お気軽にお問い合わせください。

「専任担当者(ECコンシェルジュ)とは」(ebisumart)


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ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。