ECサイト導入のメリット5つとおすすめな企業の特徴3つ

「そもそもECサイトにはどんなメリットがあるのだろう？」

ECサイトの開設を検討するにあたり、メリットをしっかり把握してから判断したいですよね。

ECサイトのメリットは、以下に挙げる5つです。

① 商圏が広がるため見込み客との接点が生まれる
② 時間を問わず販売できるため機会損失を防ぐ
③ 比較的安価に導入できる
④ クーポンやおすすめ商品の紹介で顧客単価やリピーターを増やしやすい
⑤ データ分析から売上向上の施策を実施できる

場所や時間の制約からの解放は言うまでもなく、コストを抑えた運営を実現できたり、より効果の高い集客方法を実行できたりと、ネット環境だから実現可能な点は、実店舗にはない魅力です。

しかし、ECサイトの開設がどの企業にもおすすめというわけではありません。

扱う商材や集客見込みの有無などを鑑み、自社サービスとECサイトの親和性についてしっかりと検討した上でなければ、メリットを享受できるどころか、経営上のダメージにつながりかねないからです。

そこで本記事では以下のことを解説します。

◆この記事をお読みいただくと分かること

・ECサイトならではのメリット
・ECサイトのデメリット
・ECサイト開設がおすすめの企業の特徴
・ECサイト構築で押さえておきたいポイント

ECサイト開設・運営をお手伝いさせていただいている私たちインターファクトリーの事例もご紹介しながら解説していきますので、イメージを持っていただきやすいかと思います。

本記事を読み終えたときには、ECサイトを開設すべきかを確信を持って判断できるようになっているはずです。

ぜひ最後までお読みいただき、お役立てください。

1. ECサイトのメリット1｜商圏が広がるため見込み客との接点が生まれる

ECサイトのメリットとしてまず挙げられるのは、商圏拡大により見込み客との接点が増えることです。

なぜなら、ECサイトには、企業側からすれば「どこからでも出店できる」という利点があり、お客様側からすれば「どこからでも訪問できる」という利便性があるからです。

なぜなら、ECサイトを使えば、企業は場所を問わずどこでも出店でき、お客様側もネット環境さえあれば、どこからでもECサイトにアクセスすることができるからです。

このように、ECサイトには地理的な制約がないため、実店舗では接点を持ち得ないようなお客様にもアプローチできます。

たとえば、

・地元の土産店で販売するだけだった工芸品に、EC販売で海外からも注文が入るようになった
・郊外の工場直営店でしか販売していなかったアウトレット品が、ECサイトの人気商品になった
・離島の名産品を、全国各地に届けられるようになった

といったように、販路を劇的に拡大できるようになるのがECサイトです。

実際に、株式会社北菓楼様の事例を取り上げて解説します。

出典（画像）：北菓楼公式オンラインショップ

株式会社北菓楼様の製造・販売するお菓子は、北海道内で展開している実店舗か、各地で開催される北海道物産展の会場を訪れなければ買えませんでした。

しかしECサイトでも販売するようになった現在では、商圏は国内全域に拡大。北海道産素材を使用した安全・安心なお菓子を、全国各地のお客様に届けています。

実店舗であれば、日常的に利用してもらえるのはせいぜい数km圏内、必要に応じてたまに利用するだけとしても車で30分圏内程度でしょう。

ですが、インターネット上で営業するECサイトなら、全国各地から、もっと言えば全世界から自社の商品を気軽に見に来てもらえ、購入してもらえます。これは間違いなく大きなメリットです。

家庭の事情や健康状態などにより実店舗までアクセスすることが困難な方でも、自宅や病院からアクセスして利用できるというのも、ECサイトの強みです。

◆ECサイトの開設でSNSやライブコマースの活用も視野に！

ECサイト開設には、SNSやライブコマースといった手法の活用へと導いてくれるという側面もあります。

SNSやライブコマース（リアルタイムでの動画配信を通じて視聴者と交流しながら販売する手法）は、見込み客の購買意欲を高めることができるという点で、優れた手法です。

しかし、SNSもライブコマースも、集客力がついて初めて効果の上がる施策です（たとえば、フォロワーがゼロの状態では、誰にも見てもらえません）。

つまり、ECサイトを開設することには、SNSやライブコマースを活用した積極的なアプローチに挑戦するためのスタートラインに立てるという意味合いもあるのです。

ライブコマースについては、以下の記事で詳しく解説していますので、そちらもぜひご参照ください。

関連記事：ライブコマースとは？基本知識とおすすめな業界・ジャンルを解説

2. ECサイトのメリット2｜時間を問わず販売できるため機会損失を防ぐ

営業日の営業時間内にしか販売できない実店舗とは異なり、基本的に24時間365日休みなくいつでも販売できるのもECサイトのメリットです。

「仕事をしているから、日中に来店するのは無理」
「家事に子育てにと忙しく、自由になる時間帯は深夜だけ」

といった人は珍しくなく、そうした人にとって24時間オープンしているECサイトはとても便利だからです。

営業時間が限定される実店舗では免れない機会損失を、ECサイトなら防げます。

実際に、株式会社ヴァリューズがファッションカテゴリのECサイトについて行った調査によれば、ユーザー数上位10サイトの大半で、午前中よりも夜間の閲覧率が高くなっていることが分かりました。

◆【ファッションEC】朝と夜のサイト閲覧率の比較

参考：ネットショップ担当者フォーラム「ユーザーはいつサイトを見ているのか？『朝型サイト』『夜型サイト』行動ログ調査」（2017年7月20日掲載）のデータをもとに筆者作成

実店舗であっても深夜まで営業するようにすれば対策とはなりますが、少なくとも小〜中規模店では現実的ではない場合がほとんどでしょう。

その点ECサイトなら、それこそ就寝前にベッドの中で商品を見てもらうことも可能で、チャンスを逃しません。

3. ECサイトのメリット3｜比較的安価に導入できる

実店舗を運営するのに比べ低コストで運営できるのも、ECサイトのメリットの一つです。

実店舗ほどコストがかからないのは、販売スタッフを配置するための人件費、店舗用の物件の改装費やテナント料、照明や空調にかかる光熱費などの経費が、ECサイトでは発生しないためです。

もちろん、ECサイトの運営にもサイト制作費や物流体制構築費などの初期費用、利用サービスの月額料金やメンテナンス費用などのランニングコストは発生しますが、総じて実店舗よりも低コストです。

実際に、

・アルバイト1名を東京都で定められている最低賃金に近い時給1,170円で雇った場合の人件費
・ECサイトを開設した場合のランニングコスト

を比較してみると、人を雇うのに比べてECサイトを開設するほうが、低コストで運営できることが分かります。

時給1,170円でアルバイト1名を雇った場合	ECサイトを開設した場合	差額
1か月当たり187,200円（1,170円×8時間×5日×4週）	1か月当たり最大50,000円程度（※ASP*で構築する場合）	1か月当たり130,000円以上

*ASP：ECサイトの構築方式の一つで、機能に制限はあるものの低コストで、目安として年商1億円未満の企業に適した構築方式

実店舗の運営に必要な各種費用の中でも、特に人件費とテナント料はまとまった金額である上に毎月必ず発生するため、これらが不要もしくは最小限で済むのが大きく効いてくるのです。

しかもECサイト運営は休憩時間が必要な人間とは違い、365日、毎日24時間コンスタントに稼働するのですから、費用対効果は抜群と言えるでしょう。

ECサイト導入に当たって初期費用はかかりますが、多めにかかったとしても数十万円（ASPの場合）で、数か月も運営すればもとを取れる計算です。

コストを抑えられれば、その分だけ利益率が高くなり、手元に残るお金は増えます。

このように、実店舗と比較し安価に導入可能で、低コストで運営できる点は、ECサイトの大きなメリットです。

4. ECサイトのメリット4｜クーポンやおすすめ商品の紹介で顧客単価やリピーターを増やしやすい

一度限りの購入体験で終わらせることなく、顧客単価アップやリピーター獲得につなげやすいということも、ECサイトの注目すべきメリットです。

というのも、購入してくれたお客様に対して下記のような働きかけを行えるからです。

・おすすめ商品の案内
・定期購入の案内
・関連商品の案内
・期間限定クーポン・割引クーポンの発行
・シークレットセールの開催
・LINE友だち追加のバナーのポップアップ

実際に、株式会社西松屋チェーン様の事例を見てみましょう。

出典（画像）：西松屋オンラインストア

株式会社西松屋チェーン様では、実店舗にリーフレットを配置したりPOPを貼ったりしてECサイトの認知度拡大を図るとともに、

・ECサイト独自のキャンペーンを実施する
・LINEやアプリのプッシュ配信を行う
・お客様とのタッチポイントを増やす施策としてスマホアプリを展開する

などの各種施策のコンビネーションにより、新規・リピートともにお客様数を伸ばしています。

お客様との一期一会の積み重ねとなりがちな実店舗で取り得る施策は限られますが、上記に挙げたようなさまざまな連携施策が可能なECサイトでは、工夫次第でナーチャリング（顧客育成）を行えるのです。

このように、実店舗に比べ、働きかけ次第で顧客単価アップやリピーター獲得を実現しやすいことは、ECサイトのメリットです。

◆顧客データをマーケティングに活用できる！

上記でご紹介した株式会社西松屋チェーン様では、子ども向けの衣類や雑貨を扱う関係上、妊娠中から子どもが成長するまで何度も利用するリピーターが多いそうです。

そうしたリピーターのお客様に適切なアプローチを行うために、頻度やセグメントをしっかり設計したメルマガ配信で一人一人に合わせた提案をしているとのこと。

ECサイト運営により蓄積される貴重な顧客データをこうした形でマーケティングに活用できる点も、ECサイト運営の大きな利点と言えるでしょう。

5. ECサイトのメリット5｜データ分析から売上向上の施策を実施できる

蓄積したデータを分析し、売上アップのための施策を打てることは、複数あるECサイトのメリットのうちでもビジネス戦略上もっとも大きな意味を持つものと言えます。

なぜなら、ECサイトを通じて得られるデータこそが、マーケティングの成功に欠かせないものだからです。

店頭でポイントカードを作成する際や、アプリの新規会員登録を行う際などにもお客様情報は得られますが、あくまでお客様の属性に関する情報に限られます。

一方、ECサイトを通じて得られる情報は、購入履歴やページ回遊パターン、リピート買いの頻度など多岐にわたり、マーケティング戦略や、新商品・新サービスの開発に大変役立ちます。

◆ECサイトとポイントカードの得られる情報の違い

ECサイトを通じて得られるそうしたデータを用いて単純集計やクロス集計*（クロス分析）を行うことで、売上アップのために打つべき施策、投入すべき新商品・新サービスが見えてくるでしょう。

*クロス集計：2つ以上の項目を掛け合わせて（性別×購入商品カテゴリー、年齢×購入金額など）集計し、それらの項目の関連性を見出すこと

たとえば、カゴ落ちに関連する分析であれば、下記のようなものがあるでしょう。

分析内容	分析結果の生かし方
カゴ落ち率の高い商品と低い商品を比較する	→	カゴ落ち率の高い商品の仕様・紹介文・商品写真などの改善
カゴ落ち後にお客様が移動した先（競合サイト）はどこかを追跡する	→	競合サイトと比べ劣る点の強化
特定の商品のカゴ落ち率が高い年齢層を見つける	→	該当する年齢層に受け入れられる新商品開発

ただし、ショッピングモール型ECサイトの場合は、取得できるデータ範囲が限られるため、分析は限定的となってしまう点には、注意が必要です。

*ショッピングモール型ECサイト：Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが運営するモール型のECサイト。事業者がモールに出店・出品する形式

6. ECサイト4つのデメリット

ここまでご紹介してきたECサイトのメリットは、実店舗での販売につきものの悩みの解消につながるものばかり。開設を検討中の方にはとても魅力的と感じられたのではないでしょうか。

ですが、そんなECサイトにもやはりデメリットは存在します。

本章では、ECサイト運営で避けて通れない下記のデメリット4つについて解説します。

・送料などの諸費用がかかる
・自前で運営するならWebに関する知識やスキルが必要になる
・集客施策が必須である
・返品されるリスクがある

6-1. 送料などの諸費用がかかる

販売行為自体には地理的制約がないECサイトですが、有形商品を扱う限り、購入者の手元に商品を届けるための物理的な移動は不可欠。配送コストの発生はECサイトの宿命です。

（※宅配大手3社の送料情報については、「ECサイトを開設する人のための宅配便大手3社のまとめ」をご参照ください。ただし、受注〜発送の業務を専門業者に委託するなどした場合、割安な送料で送れるケースもあります）

送料の負担は店側で吸収するか、お客様に一部または全部負担していただくかのいずれかになります。

店側で多く負担すれば配送コストがかさんでしまう一方、お客様の負担割合を高くすれば離脱率が上がってしまうため悩みどころです。

また、送料以外に梱包資材のコストなども発生します。

こうした配送に関連する諸費用は、純粋に売上からマイナスされ利益に直結する部分ですので、慎重に検討しましょう。

◆ショッピングモール型ECサイトでは、ロイヤリティなどの諸費用がかかる

ショッピングモール型ECサイトでは、販売するごとに売上に応じたロイヤリティもかかってきます。

売上高の何％かを「ショッピングモール型ECサイトというプラットフォームを利用して販売したことに対する手数料」として支払うものです。

適用料率は、契約プランや商品カテゴリによって変動するのが一般的ですが、2〜15%が目安です。

6-2. 自前で運営するならWebに関する知識やスキルが必要になる

自社で運営する場合、次に挙げるようなWebに関する知識やスキルが求められます。

・ECサイト構築のための知識（各種プログラミング言語など）やスキル（画像制作スキルなど）
・商品画像の加工スキル
・商品紹介動画の制作スキル
・セキュリティに関する知識　など

対応できる人材が社内にいなければ、複数あるECサイトの構築形式の中から、高い知識やスキルが求められないものを選ぶという選択もありでしょう。

たとえば、デザインや機能に制限がありカスタマイズ性が低い代わりに手軽に始められる「既製品」的な位置付けのASPなどを選べば、専門知識不要で運用できます。

あるいは、アウトソーシングするという解決方法もあります。しかし、外部に依頼する分だけ費用がかかってしまうため、費用との折り合いとなるでしょう。

6-3. 集客施策が必須である

広大なインターネットの大海原に浮かぶ無数のWebサイトの中から自社のECサイトに目を留めて訪れてもらうためには、まず認知されることが欠かせません。

広く認知されるよう、商品やターゲット層に合ったPR方法を用いて積極的に宣伝する必要があります。具体的には、

・リスティング広告(*1)やディスプレイ広告(*2)などの運用
・InstagramやFacebookといったSNSの運営

などの集客施策を試行錯誤しながら長期間かけて実施します。

*1 リスティング広告：関連するキーワードでの検索結果画面に広告を表示する
*2 ディスプレイ広告：Webサイトやアプリ上の広告枠に画像や動画を表示する

ECサイトを開設すれば自然とお客様が訪問してくれるわけではない以上、ECサイト運営は集客施策とセットで行うのが鉄則。

こうした集客施策にかかる時間やコストは見落とされがちですが、計算に入れておかなくてはなりません。

6-4. 返品されるリスクがある

ECサイトは、下記の2つの理由から、返品されるリスクが高めです。

・実物を見ずに購入するECサイトでは「思っていたのと違う」が起こりやすい
・返品するにはスタッフと対面する必要のある店舗に比べ、非対面で返品できるECサイトは返品という行為に対する抵抗感が少なめ

実際に、Recustomer株式会社が自社の購入体験プラットフォーム「Recustomer（リカスタマー）」内の返品・交換処理について行った調査では、2023年度の全体の返品率は6.61%と決して低くありませんでした。

カテゴリ別ではアパレルの返品率が特に高く、靴・スニーカーの返品率は11.1%でした。

出典（画像）：PR TIMES「Recustomer、『2023年度 ECサイトの返品・交換データ調査レポート』を公開」（2023年11月28日発表）をもとに筆者作成

もっとも返品率が高いのは15.1%のアンダーウェアで、その返品理由の実に98.6%が「顧客都合」（イメージ違いやサイズ違い）です。

出典（画像）：PR TIMES「Recustomer、『2023年度 ECサイトの返品・交換データ調査レポート』を公開」（2023年11月28日発表）をもとに筆者作成

これらのデータからは、靴やアンダーウェアではサイズ感がとりわけ重視されることがうかがえます。

また、だからこそ、試着なしでの購入へのためらいをなくしてもらうために、靴やアンダーウェアののEC販売では交換・返品無料となっていることが多く、それも返品率の高さに影響していると考えられます。

実店舗でも返品されるリスクはありますが、商品によっては、ECサイトを開設した場合の返品リスクはもっと高くなるであろうことを認識しておく必要があるでしょう。

7. ECサイトの開設がおすすめな企業の特徴3つ

ECサイトのメリットもデメリットも踏まえただけでは、実は十分に検討材料がそろっているとはまだ言えません。

自社とECサイトとの親和性という観点でも開設を検討しましょう。ECサイトの開設がおすすめな企業の特徴には、次の3つが挙げられます。

・他所では手に入らないオリジナル商品を製造販売している
・SNSやメディアを活用した集客が見込める
・実店舗では買いづらい商品を扱っている

それぞれ解説していきます。

7-1. 他所では手に入らないオリジナル商品を製造販売している

他では手に入らない自社オリジナル製品を製造販売しているなら、ECサイトの開設がおすすめです。

なぜなら、その製品が欲しいにもかかわらず、取り扱う実店舗が全国展開していない場合、遠方のお客様に残された入手ルートはECサイトだけとなるからです。

どうしても欲しいと思っているお客様は当然のことながら非常に購買意欲が高く、高い確率で売上につながります。

製品やブランドの認知度が高ければ、開設当初から高い集客力を持ったECサイトとなる可能性が濃厚なため、なお一層おすすめです。

7-2. SNSやメディアを活用した集客が見込める

SNSやメディアを活用した集客が見込めるなら、ECサイトの開設がおすすめです。

「6-3. 集客施策が必須である」でもお伝えした通り、集客あってのECサイトです。集客施策の実施はECサイト運営の一部と言っても過言ではないからです。

逆に言えば、実店舗のように「近所に住んでいるから来店してみた」「たまたま通りがかって立ち寄ってみた」という来店パターンが皆無に近い以上、集客施策の目処がついていないとしたら危ういです。

InstagramなどのSNSやYouTubeなどのメディアの運用体制、LINE公式アカウントやメルマガ配信体制が整っていれば一定の集客が見込め、開設後アクセスがほとんどないという事態には陥らないでしょう。

7-3. 実店舗では買いづらい商品を扱っている

実店舗では買いづらい種類の商品を扱っているなら、ECサイトの開設がおすすめです。

実店舗では買いづらい商品としては、対面販売だと気恥ずかしいややセンシティブな商品や、持ち帰りに苦労する重量物などがありますが、非対面で買えて自宅まで運んでもらえるのがECサイトだからです。

株式会社富士経済が実施した市販薬EC市場（小売りベース）調査によると、ECシフトが進みつつある品目には以下が挙げられるそうです。

・対面販売だと気恥ずかしくて買いづらい発毛剤
・重くて持ち帰るのが大変なドリンク剤　など

上記品目に限らず、実店舗で購入するよりもECサイトで購入するほうが合理的と考えられる種類の商品を扱っているのであれば、ECサイト開設は理にかなっているといえます。

8. ECサイト構築で押さえておきたいポイント3つ

ECサイトのメリットとデメリット、ECサイト開設がおすすめの企業の特徴をご説明しましたが、本章では、押さえておくことで大きなメリットがもたらされるようになる以下のポイントをご紹介します。

・自社に見合ったタイプ・方式を選ぶ
・カスタマイズ性の高さを重視する
・システム開発はECに特化したベンダー企業に開発を依頼する

一つずつ、詳しく解説していきます。

8-1. 自社に見合ったタイプ・方式を選ぶ

ECサイトには複数の種類があるため、自社に見合ったものを選ぶようにしましょう。

仕様面やコスト面などにおいて種類ごとに特徴があり、自社にふさわしくないものを選んでしまうと、

・望んでいたようなECサイトを作れない
・想像以上に費用がかさむ
・技術力不足で運営に支障をきたす

といった問題が起きかねないからです。

ECサイトを構築する際に選べる方式としては、下図の5種類＋ショッピングモール型ECサイトへの出店があります。

各構築方式にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、自社に適した方式はどれになるのかについてよく検討しましょう。

◆自社ECサイトの各構築方式の特徴

	クラウドEC	ASP	パッケージ	フルスクラッチ	オープンソース	ショッピングモール型ECサイト
コスト	中〜高	低	中〜高	高	低〜中	中*
カスタマイズ性**	◯	×	◯	◯	◯	×
拡張性***	◯	×	◯	◯	△	×
最新性****	◯	◯	×	×	×	◯
専門知識・技術力・リソース	あれば可	不要	要	不要（ベンダーに一任）	要	不要
向いている企業規模	小〜中規模	小規模	中〜大規模	大規模	小〜中規模	小〜中規模