化粧品は、消費者の皮膚や頭髪、身体へ直接塗布する製品であるため、原料調達から最終製品の製造、さらには市場への出荷に至るまで、高い品質と安全性を確保するための管理体制が必要不可欠です。
特に化粧品製造業者においては、使用する原材料や調合・設備の衛生管理に加え、処方や製品特性に応じた品質検査を実施し、安定した高品質の製品を製造し続けることが求められます。
また化粧品は、工場での製造作業が完了すれば即座に販売できるというものではありません。製品を製造するためには薬機法上の「化粧品製造業許可」、完成品を日本市場へ流通させるには「化粧品製造販売業許可」が必要であり、両者が担う法的な役割や最終責任は明確に異なります。
実際に製品を市場へ送り出すまでには、行政への各種法的な届出や、処方成分の安全基準適合、品質管理体制の維持など、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく適切な各種手続きと品質管理が必須となります。
そのため、化粧品製造業者について理解するには、どのような製品をラインナップとして製造しているかだけでなく、「製造業者」と「製造販売業者」の法的な役割分担の違いや、実際の製造工程における品質管理の仕組みについても把握しておくことが重要です。
この記事では、インターファクトリーでマーケティングを担当している筆者が、化粧品製造業者について、国内の代表的な受託製造企業や主要メーカーを紹介するとともに、化粧品製造業者が果たすべき役割、実際の製造工程フロー、ならびに品質管理における重要ポイントについて分かりやすく解説します。
国内の主な化粧品製造業者・メーカー主要9社
国内の化粧品産業においては、自社ブランドのコスメ製品を自社工場で生産する大手ナショナルブランドメーカーから、グループ専業製造会社、ならびに他社ブランドの企画・処方開発・受託生産(OEM/ODM)に特化した専業製造業者まで、多様な製造形態が存在します。
まずは、国内市場を代表する主要な化粧品メーカーおよび受託製造業者(OEM/ODM)9社の概要を紹介します。
◆国内の主な化粧品製造業者・メーカー9社
| 企業名 | 主な製造品目 | 製造形態 |
| ① 株式会社資生堂 | スキンケア・メイクアップ製品 | 自社ブランド・自社製造 |
| ② ポーラ化成工業株式会社 | スキンケア・ベースメイク製品 | グループ内製造 |
| ③ コーセーインダストリーズ株式会社 | コーセーグループの化粧品 | グループ内製造 |
| ④ 株式会社ファンケル美健 | スキンケア製品(クレンジングオイルなど) | グループ内製造 |
| ⑤ 花王コスメプロダクツ小田原株式会社 | スキンケア製品 | グループ内製造 |
| ⑥ 東洋ビューティー株式会社 | スキンケア・ヘアケア・ボディケア製品 | OEM・ODM |
| ⑦ 株式会社トキワ | メイクアップ製品(アイライナー、ファンデーション、リップなど) | OEM |
| ⑧ 株式会社コスモビューティー | スキンケア・ヘアケア・ボディケア・メイクアップ製品 | OEM・ODM |
| ⑨ TOA株式会社(旧 日本コルマー株式会社) | スキンケア・メイクアップ・ヘアケア製品 | OEM・ODM |
出典:株式会社資生堂、ポーラ化成工業株式会社、コーセーインダストリーズ株式会社、株式会社ファンケル美健、花王コスメプロダクツ小田原株式会社、東洋ビューティー株式会社、株式会社トキワ、株式会社コスモビューティー、TOA株式会社
※各社の公式サイトなどを基に作成しています。製造形態は各社の主な事業を示したものであり、すべての製品が同じ形態で製造されているとは限りません
化粧品業界においては、資生堂のように自社で生産拠点を所有する企業と、ポーラやコーセーのようにグループ内の製造会社に生産実務を一括委託する企業に大別されます。
また、東洋ビューティやトキワ、TOAなどのOEM・ODM専業企業は、国内外のさまざまな化粧品ブランドや新規参入企業から委託を受け、処方開発や工場生産を代行しています。
化粧品の製造実務を外部パートナーへ委託する場合は、製造業者によって対応可能なバルク処方、保有する充填設備、最小ロット条件などが異なるため、自社の製品コンセプトや事業規模に合致した最適な委託先を選定することが重要となります。
化粧品製造業者を選定する際は、主に以下の「5つの確認ポイント」を押さえておくと良いでしょう。
◆化粧品製造業者を選ぶ際の5つの確認ポイント
② 処方設計・容器選定・試作開発から量産製造までの対応サポート範囲
③ 最小発注数量と製造原価
④ 工場の品質管理体制および保持している許可ライセンス
⑤ 処方確定からバルク製造・充填・納品までに要する標準リードタイム
特に、自社内に研究開発や薬事の専門部署を持たず、製品の企画・処方開発から工場製造、さらには薬事対応までを一括委託したい場合には、各受託業者の対応サービス範囲に加え、「化粧品製造販売業許可」を保有しているかも事前に確認しておく必要があります。
化粧品の製造から販売までの基本的な流れ
化粧品が新しく企画され、工場で生産されて最終消費者のもとへ届く背景には、ブランドホルダー、受託製造業者、製造販売業者など複数の事業者が連携する複雑なバリューチェーンが存在します。
ただし化粧品は、一般の工業製品のように工場で製造作業が完了すれば、そのまま卸売や市場へ出荷できるわけではありません。
日本では、消費者の安全確保と品質担保を目的として、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく法的許可制度が定められています。具体的には、化粧品の製造工程を行うための「化粧品製造業許可」と、完成品を日本市場へ出荷させるための「化粧品製造販売業許可」という2つのライセンスが存在します。
◆化粧品が消費者に届くまでの一般的な流れ
出典(図):筆者作成
※上記は一般的な流通過程を示した概念構造図です。実際の事業形態によっては事業者が複数の役割・許可資格を兼ねる場合もあります
化粧品ブランドや発注元企業が企画した製品は、適正な設備を持つ化粧品製造業者によって工場内で製造されます。その後、「化粧品製造販売業者」の責任のもとで市場への最終出荷可否が決定され、卸売業者、ドラッグストア・バラエティショップ等の実店舗、あるいは自社ECサイトなどを通じて消費者のもとへ届けられます。
ここで重要な法的ポイントは、「化粧品製造業者」と「化粧品製造販売業者」は薬機法上において異なる法的役割と責任を負う事業者であるという点です。
◆化粧品製造業者と製造販売業者の違い
| 化粧品製造業者 | 化粧品製造販売業者 | |
| 主な法的役割 | 化粧品の製造工程を担当する | 化粧品を市場に出荷し、製品の品質や安全性に対する最終責任を負う |
| 主な業務 | 化粧品の製造、充填、包装、表示、保管など | 製品の品質・安全性に関する管理、市場への出荷可否の判定など |
| 必要な許可 | 化粧品製造業許可 | 化粧品製造販売業許可 |
出典:東京都健康安全研究センター「化粧品と医薬品医療機器等法について」、神奈川県「化粧品の製造、輸入または製造販売等について」
それぞれの事業者の法的定義と実務内容について、さらに詳しく解説します。
「化粧品製造業者」は化粧品の製造工程を担当する
化粧品製造業者とは、薬機法に基づき、化粧品の中身の化学的調合、容器への充填、製品の仕上げ包装、成分・法定表示ラベルの貼り付け、製造所内での保管といった製造実務を担当する事業者です。
化粧品製造業許可には、取り扱う作業工程に応じて以下の「2つのライセンス区分」が存在し、事業者は自社の製造設備や担当工程に合致した許可を取得しなければなりません。
◆化粧品製造業の区分
・包装等区分:充填済み製品の最終包装、表示ラベル貼り、保管のみを行える
OEM企業などは、この「化粧品製造業者」として製品の製造や包装を担当します。
ただし、製造業許可だけでは製造した製品を直接市場へ出荷することはできません。出荷するには、必ず「化粧品製造販売業者」の管理のもとで品質を確認し、出荷判定を受ける必要があります。
出典:東京都健康安全研究センター「化粧品の製造販売・製造・輸入について」
「化粧品製造販売業者」は製品の品質・安全性に責任を負う
化粧品製造販売業者とは、化粧品を市場に出荷し、その製品の品質や安全性について最終責任を負う事業者です。
製造販売業者は、製造された化粧品の品質を確認し、市場への出荷可否を判定するための管理を行います。また、市場に出荷した後も製品の品質や安全性に関する情報を収集・評価し、必要に応じて製品回収などの措置を講じます。
そして、製造業者が製造業許可だけで化粧品を販売できないのと同様に、製造販売業者も化粧品製造販売業の許可だけでは化粧品を製造することはできません。
そのため、自社で製造を行わない化粧品メーカーは、製造業許可を持つ他社へ製造を委託し、自社が製造販売業者として市場に出荷する形態を取ることができます。
また、製造販売業許可を持つ他社へ製造販売を委託し、自社では製造業や製造販売業の許可を取得せずに自社ブランドの化粧品を販売することも可能です。この場合は、委託先の製造販売業者が製品の品質・安全性に責任を負い、市場への出荷を担います。
もし自社で化粧品を製造し、自社製品として市場に出荷する場合は、化粧品製造業と化粧品製造販売業の両方の許可が必要になります。
このように、自社で製造を行う企業と他社へ製造を委託する企業があり、製造と製造販売の役割分担は企業によって異なります。
出典:大阪府 お問い合わせ集(FAQ)「化粧品を国内で作り販売するには許可が必要ですか。」
なお、製造と製造販売を異なる企業が担う場合は、製品仕様や表示内容などの情報を正確に共有することも重要です。
製品に変更があった際に古い情報が残っていると、製造や表示などの工程で誤った情報が使用される可能性があるため、関係者が常に最新の製品情報を確認できる状態を整えておく必要があるのです。
化粧品製造業における基本的な製造工程
化粧品の製造工程は、製品の種類や製法によって細部が異なりますが、一般的には以下の「5つの基本工程」に分けられます。
◆化粧品の主な製造工程
↓
② 原料の秤量・調製(バルク製造)
↓
③ バルクの検査
↓
④ 充填・包装・表示
↓
⑤ 完成品の検査・保管
それぞれの工程における具体的な業務内容とポイントについて解説します。
工程① 原料・資材の受入れと検査
化粧品の製造では、まず製造に必要な成分原料や容器、包装資材などを受け入れ、それぞれの品質や状態を確認します。
原料については、品質や外観、色調などを検査します。容器や包装資材は、外観や印刷状態などを確認し、あらかじめ定めた基準を満たしているかを調べます。
またこの工程では、供給元が発行する試験成績書(CoA:成分分析証明書)の照合確認や、規定の規格に基づく受け入れ試験(性状、におい、確認試験など)も行います。
合否判定が出るまでは未検査品として明確に識別・区分して保管します。受入検査に合格した原料や資材のみが、製造工程で使用されるまで適切な環境で保管・管理されます。
使用する原料や資材の品質は完成品の品質を左右するため、製造を開始する前の確認が重要です。
工程② 原料の秤量・調製(バルク製造)
原料の受入検査が完了したら、製品の処方に基づいて原料を計量し、化粧品の中身を製造します。
原料を正確に計量する作業を「秤量(ひょうりょう)」、計量した原料を配合・撹拌して製品の中身を作る作業を「調製」と呼びます。また、容器へ充填する前の化粧品の中身そのものを「バルク」と呼びます。
調製工程では、原料の投入順序や加熱・冷却の温度管理、混合時間などをコントロールしながら、定められた処方手順どおりに製造します。例えば、乳液やクリームなどの製造では、水相と油相を均一に混ぜ合わせる「乳化」という工程が必要になります。
また、化粧品の製造では配合や温度管理だけでなく、微生物汚染を防ぐための衛生管理も重要です。
製造中に微生物が混入すると、製品の腐敗や品質劣化を引き起こすおそれがあります。そのため、製造設備の日常的な洗浄・殺菌や製造環境のクリーン管理を徹底し、二次汚染を防ぐ必要があります。
特に水分を含む化粧品においては、製造工程における微生物管理に細心の注意が求められます。
工程③ バルクの検査
調製したバルクは、容器へ充填する前に、定められた品質規格を満たしているかを確認します。バルクの検査では、製品種別や規格に応じて、粘度、硬度、色調、香り、pH値、微生物試験などを実施します。
例えば、クリームの粘度が規格値から外れている場合、使用感や製品品質に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、調製直後のバルク品質を検査し、すべての判定に合格したバルクのみを次の充填工程へ進めます。
このように、化粧品の製造では完成前の中間段階でも品質をチェックすることが重要となります。
工程④ 充填・包装・表示
バルク検査に合格したら、製品ごとに指定された容器へ化粧品の中身を詰め込みます。この作業を「充填(じゅうてん)」といいます。
充填工程では、ボトル、チューブ、ジャーなどの各種容器へ、規定量のバルクを均一に詰めていきます。その後、キャップ等で密閉し、化粧箱への封入やフィルム包装などを行います。
また、製品の容器や外箱には、販売名、全成分表示、製造販売業者の名称・住所、製造番号など、法令で定められた必須情報の表示が義務付けられています。化粧品製造業者は、製造販売業者から指定された表示デザインや製品仕様に従い、ラベル貼付や包装作業を行います。
そのため、製品仕様や表示内容に変更が生じた場合は、古い情報のまま製造・包装を進めてしまわないよう、変更内容を速やかに全社で共有し、常に最新の情報を確認できる状態を整えておくことが不可欠です。
工程⑤ 完成品の検査・保管
充填・包装が完了した製品は、最終的な出荷品質基準を満たしているかを確認するため、完成品としての最終検査を行います。
ここでは製品の外観、充填重量・容量、容器・包装のシール状態などを確認します。また製品特性や品質基準に応じて、出荷前の微生物検査なども実施されます。すべての検査をパスした完成品は、適切な温度・湿度環境のもとで保管され、市場出荷へ備えます。
なお、製造業者が行う「製品検査」と、製造販売業者の責任のもとで行う「市場への出荷判定」は異なる業務です。製造された化粧品を市場へ流通させるには、製造販売業者による品質確認と出荷許可判定が必要となります。
化粧品の製造における品質管理の2つのポイント
化粧品製造業者には、完成した製品の出荷検査を行うだけでなく、製造工程全体を適切に管理し、製品の品質と安全性を確保することが求められます。
ここでは、化粧品製造における品質管理の重要ポイントについて解説します。
ポイント① 化粧品GMPを参考に管理体制を整える
化粧品の品質を確保するには、原料の受入れから製造、包装、出荷・保管までの各工程を適切に管理しなければいけません。こうした化粧品の製造管理・品質管理に関するグローバルな指針として、国際規格ISO 22716に基づく「化粧品GMP」が存在します。
GMP(Good Manufacturing Practice)は、日本語では「適正製造規範」と呼ばれます。日本化粧品工業会では、化粧品の製造管理・品質管理に関する自主基準としてISO 22716を採用し、会員企業へ遵守を求めています。
なお、化粧品GMPは、国内の医薬品製造業者等に一律適用される法的な「GMP省令」とは異なり、業界団体が採用する自主基準です。そのため、化粧品製造業許可の取得そのものにISO 22716の認証取得が必須とされているわけではありません。
出典:日本化粧品工業会「製造業関連」
化粧品GMPをベースに製造管理・品質管理の体制を整える際は、主に以下の項目を確認・チェックします。
◆化粧品の製造管理・品質管理における主な確認項目
| 管理項目 | 主な確認内容 |
| 製造設備・環境の管理 | 製造設備の洗浄・殺菌が適切に行われ、製造環境が衛生的に保たれているか |
| 作業者の衛生管理 | 作業者の更衣や手洗い、作業場所への移動経路などが適切に管理されているか |
| 製造用水・空調の管理 | 製造用水の微生物汚染を防ぐ管理や、製造環境に応じた適切な空調管理が行われているか |
| 製造・品質管理の記録 | 原料の使用実績や製造条件、検査結果などが遅滞なく記録・管理されているか |
特に、製造設備や製造環境の衛生管理は、微生物による二次汚染を防ぐうえで重要です。例えば、長期間稼働していなかった製造設備を再稼働する際は、内部に残った残留水分などによって微生物が繁殖しているおそれがあるため、設備状態を事前に確認し、必要な洗浄・殺菌を徹底します。
また製造工程の管理においては、運用状況を記録として残しておくことで、万が一製品品質に不適合や問題が発生した場合でも、製造時の状況を後から確認し、迅速な原因調査や必要な措置を講じることが可能になります。
さらに、化粧品の製造工程を外部工場へ委託する場合は、委託先の製造管理・品質管理体制を事前に精査することも重要です。委託先の設備仕様や製造環境、日常的な衛生管理の実施状況などを確認し、必要に応じて製造現場への定期監査などを実施します。
外部委託であっても、委託先の管理状況を正確に把握し、製品品質を確保できる体制を構築しておく必要があります。
ポイント② 製品の特性に応じた品質検査を実施する
化粧品は、シャンプーや固形石鹸、スキンケア製品、メイクアップ製品など、カテゴリによって配合成分などが異なります。
そのため、すべての製品に対して同一の検査を行うのではなく、それぞれの製品特性や品質リスクを踏まえ、必要な検査項目や試験方法を個別に設定することが重要です。
◆化粧品の種類ごとの主な品質検査項目の例
| 製品の種類 | 品質検査で確認する項目の例 |
| シャンプー | pH値、粘度、微生物の混入状況など |
| 固形石鹸 | 水分量、純石けん分、遊離アルカリ量など |
| ファンデーション | 色調、使用感、伸び、微生物の混入状況など |
※上記は検査項目の一例です。実際の検査項目や試験方法は、製品の処方や特性、各社の品質基準などによって異なります
化粧品の各種品質検査の中でも、「微生物検査」は製品の品質と安全性を確保する上で重要な検査の一つです。
化粧品に有害な微生物が混入すると、製品の腐敗や変質を引き起こすだけでなく、消費者の肌トラブルなど健康被害を及ぼすおそれがあります。特に水分の配合割合が高い化粧品では、製品特性や保存環境によって微生物が増殖しやすいため、厳重なリスク管理が求められます。
微生物検査についても、すべての化粧品に同一の試験を適用するのではなく、製品処方や微生物汚染のリスク強度を踏まえて、必要な検査項目や試験手順を設定します。
また、品質検査を再現性高く実施するためには、検査目的に応じた試験方法を定め、その手順を文書化しておくことが不可欠です。
試験手順をあらかじめ明確化しておくことで、担当者が変わっても同じ精度で検査を実施できるほか、試験方法の改訂や担当者引き継ぎの際にもスムーズに対応できるようになります。
出典:東京都健康安全研究センター「化粧品製造業のページ」
このように、化粧品製造では製造手順や品質基準といった技術情報を適切に管理することが重要となります。また、製品の仕様やパッケージデザインに変更が生じた場合は、その変更内容を製造現場だけでなく、商品企画、開発、販売・販促などの社内関係部門へも遅滞なく正確に共有する必要があります。
化粧品製造業では商品情報の管理も重要になる
化粧品製造業者においては、製造した化粧品に関する情報を正確に管理し、社内の関係部門や外部の取引先へ共有することも求められます。
化粧品の商品情報を効率よく管理するためには、主に以下の「3つのポイント」を押さえておく必要があります。
◆化粧品の商品情報を効率的に管理する3つのポイント
② 製品の仕様変更やリニューアル情報を関係部門へ共有する
③ 販売チャネルごとに必要な商品情報を正確に反映する
化粧品の商品情報には、正式商品名、全成分表示、内容量、使用方法・注意書き、高解像度の商品画像など多岐にわたるデータが存在します。また、同一の製品ブランドであっても、容量違いやカラーバリエーション、香り違いなどのバリエーションが展開されるケースが多いため、製品ごとに必要な属性情報を整理して一元管理することが重要です。
これらのデータを部門ごとに異なるExcelファイルや個別の管理システムでバラバラに運用していると、最新版データの確認や情報検索に多大な時間を要するだけでなく、データ更新漏れや媒体間での不整合が発生するリスクが高まります。
また化粧品は、成分のマイナーチェンジや全成分表示の改訂、容量・容器の変更、パッケージデザインのリニューアルなどが頻繁に行われます。このような変更が発生した際は、製造現場だけでなく、商品企画、薬事、販売・販促、EC運用などの関係部門へ正確な情報を共有し、必要に応じてWebサイトの商品ページや販促カタログの掲載情報もタイムリーに更新しなければなりません。
特に、リニューアル前後の旧製品と新製品を市場で一時的に並行販売させる場合は、新旧の商品情報を区別して管理することが重要となります。
さらに、自社ECサイト、大手ECモール、実店舗といった複数の販売チャネルを展開している化粧品メーカーでは、販売先ごとに指定されたフォーマットや必要な情報項目に応じて管理を行う必要があります。販売チャネルごとに情報を個別に管理していると、新商品の登録や既存商品の情報改訂のたびに作業が発生し、展開チャネルが増えるほど管理負担も肥大化します。
そのため、核となる共通の商品マスタ情報を一元管理した上で、各販売チャネルへ必要なデータを正確かつ効率的にデータ供給できる仕組みを構築することが重要となります。そのための有効なシステム基盤の一つが「PIM(ピム)」です。
商品情報管理の効率化にはPIM(ピム)の活用が有効
取扱商品点数や販売チャネル数が増加し、商品情報の集約・管理や各種メディアの更新作業に工数がかかっている場合は、PIM(Product Information Management:商品情報管理システム)の活用が有効な解決策となります。
PIM(ピム)は、企業内に分散する商品情報を一元管理し、関係部門での情報共有やマルチチャネルへのデータ展開を効率化するための統合システムです。
商品名、キャッチコピー、詳細な仕様データ、成分情報、高解像度画像・動画などを一括管理できるほか、販売先ごとに異なる出力項目の制御や外部ECシステムとのスムーズなAPI連携にも対応しています。
化粧品の商品情報管理においては、特に以下のようなPIMの機能が役立ちます。
◆化粧品の商品情報管理に役立つPIMの4つの機能
| 機能 | 内容 |
| ① 商品マスタのカスタマイズ | 成分、容量、使用方法など、製品ごとに管理する商品情報の項目を設定し、情報の登録・更新を効率化する |
| ② SKU・バリエーション管理 | カラーや容量などのバリエーションを商品ごとに管理し、異なる製品の情報を区別する |
| ③ メディア管理 | 商品画像やパッケージ画像、関連資料などを商品情報とひも付けて一元管理する |
| ④ 販売チャネル別の商品情報管理 | 自社ECやECモールなど、販売チャネルごとに必要な商品情報を管理し、各チャネルへの情報反映を効率化する |
こうした機能を活用することで、複雑な製品情報を体系的に整理し、社内関係部門間でのリアルタイムな情報共有や、多様な販売チャネルに対する更新工数を効率化できます。
まとめ
化粧品製造業者は、原料・資材の受入れ検査からバルクの調合・製造、充填・仕上げ包装、完成品の各種検査に至るまでのモノづくり全般を担います。化粧品としての高い品質と安全性を確保するには、単に出荷前の製品検査を行うだけでなく、製造設備や作業環境の衛生管理、製品特性に応じた適切な品質試験など、製造プロセス全体にわたる徹底した品質管理体制が不可欠です。
また、製品の処方改訂・リニューアルや販売チャネルの多角化へ柔軟に対応するためには、全成分、内容量、パッケージ画像などの各種商品データを正確かつ中央で集約管理し、社内外の関係部門でスムーズに一元共有できる環境を構築することも重要です。
インターファクトリーが提供するクラウド型商品情報管理システム「EBISU PIM(エビス ピム)」は、販売・販促活動で使用する複雑な商品情報の運用を効率化する統合プラットフォームです。商品情報や関連アセットを一元管理することで、製品ごとの正確な仕様確認や、各販売チャネルに向けたデータ更新にかかる業務負担を軽減します。
化粧品はカラーや容量などのバリエーション数が多く、商品ラインナップや展開チャネルが増えれば増えるほど、データの整理や情報改訂にかかる社内負荷が増大します。
自社における商品情報の管理方法や運用プロセスを見直したいとお考えの事業者様は、下記公式サイトより無料で今すぐ試せる「商品情報運用のセルフ診断」をぜひご活用ください。現状の自社管理リスクを客観的に可視化し、改善すべきポイントを整理する機会としてご利用いただけます。
◆参考文献
本記事執筆にあたって、下記の書籍を参考にしました。
浅賀良雄『Q&A122 化粧品の微生物試験ガイドブック 製品編 ~防腐設計、製造工程管理から出荷検査、クレーム対策まで~』/薬事日報社


























